「フレイクス」 シュベール出版 全1巻 ISBN:ISBN4-915858-35-9 C0379 価格:本体563円 初版発行:92/08/07 判型:B6・モノクロのみ 「フレイクス」は高校教師が、酒飲んで酔っ払った女生徒を車で拾って走っていく最中を描いたもの。この教師は、かつて別の女生徒と肉体関係を結んでいたとの噂があったが、車を走らせながらそのころのことなどが頭の中を行ったり来たりする。過去と現在がくるくると入れ換わり、一種独特のテンポを生み出している。 「守ってあげたい」は同じ学校の教師である姪と関係している、教頭先生の話。敷かれたレールの上を走り、自分の保身に明け暮れるうちにしだいに煮詰まっていく教頭。そのほかの2編も、何気なく過ぎて行く日常を山本直樹の冷めた視点で描いていて、楽しんで読める。 ここらへんの短編は話の中に身を任せて読んでいると面白いのだが、いざ言葉でその面白さを説明するとなんとなく説明しにくい。 ●収録
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「守ってあげたい」 太田出版 全1巻 ISBN:ISBN4-87233-407-8 C0979 価格:本体1300円 初版発行:98/07/26 判型:A5・モノクロのみ 単行本「フレイクス」と内容はほぼ同じで、未収録だった「家庭教師'94」を付け足したもの。「家庭教師'94」は「煉獄会」という教師会から派遣された家庭教師が、「受験生はどんなときでもパニックにならず受験問題に対処できなくてはならない」という主義のもと、受験生の少女に下剤を呑ませたり、おまんこをいじられた状態で問題を解くという特訓を施す。その特訓のかいあって、少女は無事合格。そして家庭教師はまた次の家庭へと去っていく……というお話。 すごく面白いってわけではないけど、まあそれなりに楽しめる。「フレイクス」をすでに持っている人は、興味のあれば読んでみるとよかろう。持ってない人は判型はこっちのほうが大きいので、こっちを買うほうがお得だと思う。 |