ほう、モテモテ。これは私の究極目標ではないか。こういうことを考える人もいるのか…と思って、サンデーコミックスながら手に取ったこの本。ちっとも期待してなかったのだが、結構おもしろいじゃないの。特にヤクザにファー様が惚れられるところなんざなかなかのものじゃないの。ザビ山ドズル・ガルマなんてのもいいし。作者は誰?…ながいけん?…ながいけんってまさかあの閣下?
てなわけで私は全然閣下の復活を知らなかったのであった。閣下とは、今からおよそ10年前、恐るべきオタク雑誌「ファンロード」でデビューなされ、「ラスカル軍団」「すなふきん」「平口君」といった強力なキャラで押しまくる素晴らしいギャグ漫画を描かれていた方だ。当時ローディスト(ちと恥ずかしい)であった私は、唯一のものであった単行本、「チャッピーと愉快な下僕ども」をゲットし、笑い転げていたものだ。その後どこかで描いた、という話も聞かず、あんまりオタク的な世界の水にも合ってないようだから、今ごろ結構真っ当な給金取りにでもなっているかなあ…なんて思っていたのだが、また描いていたとは。しかも天下のサンデーで。凄い凄い!
まあ往年の毒気はサンデーゆえ少なくなっているが、(「こいつはかなりアレなのでよくセリフ直される」なんて書いてあったりもするし)そんでもオタク的文脈を外れても十分笑える。基本線は平口君と変わってないしね。オタク界の罠にはまらず、見事に自らの道を貫き通したがゆえの桧舞台。こりゃいいぞ、もっとやれ!