私立探偵エビスヨシカズ

蛭子能収
ブルース・インターアクションズ


 

 この本もプロデュースは根本敬。「500部しか売れないだろう本を2000部にするため」だそうな。蛭子デブ専・フケ専ピンナップ集、佐川一成との「実写版私立探偵エビスヨシカズ」が付属して、まあ確かに漫画だけよりはおもしろくなっている。すべて「ガロ」に掲載された漫画なのに、別の版元から出るとは。まあB.I.のほうが金があるから、より凝った造本や遊びができるのだろうが。

 根本敬も認めるように、漫画はとっても、実につまらない。「こんなタダ仕事は早く切り上げて麻雀ば行きたいという思いが行間(コマとコマの間)に滲み出ているのが分かる。」(根本敬)が、ここまで絶望的につまらないと、読んでいくうちにだんだんハイになってくる。淡々としきった画面の連続に、変性意識が喚起されるのだ。恐るべき読むドラッグ。…といっても「素養のない人」には効かないので注意。

 

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