6年も前のディスクで失礼。しかしこれはもの凄いぞ!聞いたことのない人はすぐに聞け。まずはそのジャケットに面食らわされる。オヤジが植木を刈っているというその写真。しかもイイ顔の。そして中身ももの凄いアルタード・ステーツ系。1曲目「住まう」は日本語ミニマルの大名曲。プレハブプレハブプレハブプレハブ…という連呼と語感に脳内麻薬大分泌モードに入る。そして2曲目の「アラウンド・ザ・ロストワールド」。いきなり突段独特のエフェクトばりばりのグロッケンの響きに圧倒され、シュールというにはあまりにシュールな、三上寛も顔負けの歌がそこに加わる。そのドライブ感といったら!20分近くある大曲なのだが聞き終わった後ほとんど時間がたったことを感じさせない。他のアルバムに濃厚な「ぺったらぺたらこ感」(根本敬)は少ないものの、それを補ってあまりあるプログレッシビリティとアヴァンギャルディアがここにあるのだ。最近プログレの文脈でも語られるようになったがさもありなん。音はこれ以上ないほどぺらぺらだし演奏もヘタヘタだが、そこに現れる他の音楽には決してないドライブ感と前衛性は他の追従を決して許さないものがある。私のCDコレクションのベスト5に入る名盤。