アフタヌーン 2000年3月号
ミルククローゼット
富沢ひとし |
吉本 | 8 | あっちの世界とこっちの世界を「ジャンプ」することのできる少女。少女はそれを異様な経験だと思い、拒絶しようとする。だが少女を実験台とする大人たち。そんなところにあらわれる、ジャンプ経験豊富な少女…。『エイリアン9』の後に実にふさわしいSFテイストあふれた作劇にシビレるではないか。そして少女が必ず受難する存在であるところにも。ゆりちゃん同様いつも泣きそうになっている主人公の娘さんに、ソッチ系の皆さん萌え萌えっちゅうやつですか?…アフタヌーンという雑誌にこれほど似合うとは思わなかったが。私はソッチ系の人はあまり好きになれないのであまり評価したくない気持ちもあるが、やっぱり面白いでしょう。 |
久遠 | 7 | をを?ミルククローゼットって、カタカナで、ルビがふってない!エイリアン9ではふってあったのに!ってゆうか、やっぱロリですか・・・ | |
音羽 | 8 | 面白いね〜。ジャンプした先の世界がそれぞれ個性があってよいね〜。楽しみな作品が一つ増えたな。 | |
そんな奴ァいねえ!!
駒井悠 |
吉本 | 3 | 頭にあっても、パターンが同じでは… |
久遠 | 3 | 何時までたっても同じ話だね。 | |
音羽 | 4 | 俺様もアリだとおもうがなぁ〜・・・ | |
なるたる
鬼頭莫宏 |
吉本 | 8 | 一挙二話掲載。新たな「竜の子」の所持者の登場、成長した「竜」の再登場、そして「乙姫」の出現。進化の究極形態が竜だというのですか。センスオブワンダーを上手くビルドゥングスロマンに仕立てているセンスの良さは唸るばかり。もうちょい展開を早めても良いような気もするが… |
久遠 | 7 | スキー行きてー!(表紙)でも、スノボは魂の敵なので、不許可。 | |
音羽 | 8 | 人間だけじゃなくてイルカも竜の子所有者にもなれるのか〜。そのうち他の動物とかもでてくるのかな? | |
ぽちょむきん
北道正幸 |
吉本 | 7 | 大阪人のノリは変わらず。このままストーリーもので行くといいと思う次第。 |
久遠 | 6 | むちゃくちゃな展開やね。しょーがねーなー。(誉め言葉) | |
音羽 | 8 | 良いね〜。衛星のデザインもレトロなんだかハイテクなんだかよく解らない感じで良いね。ヒーローはやっぱり5人とかそろうのかな?巨大兵器も出てきて欲しいよな〜。楽しみだね〜。 | |
ああっ女神さまっ
藤島康介 |
吉本 | 4 | そしてまた一人(都合の良い)キャラクタが増える、と。まだ終わるべき連載でないことは分かるのだが、もう少し「気概」を見せてくれてもいいような気がする。 |
久遠 | 4 | ロリだしとけば、万事OKということですか? | |
音羽 | 4 | ちっちゃいヒルドも良いな〜。でも、それだけだね。お話は相変わらずかなぁ〜。 | |
EDEN
遠藤浩輝 |
吉本 | 7 | ケンジとソフィアの登場によりオハナシが締まっている。 |
久遠 | 7 | お話が、動く!むー、目が離せませんね | |
音羽 | 6 | スナイパーライフルがカッコイイね〜。目のサイバーパーツにリンクしてるあたりも、細かいとこまでおさえてて良い感じだね。スコープやマガジンのディテールにもう少し工夫があればもっと良かったのにな〜。 | |
なげやり
桜玉吉 |
吉本 | 6 | 今回は調布の町を案内します…と、このネタにしてこの展開。慣れると随分と気持ち良いもの。それにしても『漫玉』にも見られるような分裂症的展開(理性のタガのはまった)が気になるところ。再婚なさったというお話は? |
久遠 | 5 | Zまででるんですか?じゃあ、1部で、ヤザンとかもパイロットとして使えルンかなあ? | |
音羽 | 5 | ジオンの系譜って面白そうだな〜。買ってみようかな・・・ | |
ヨコハマ買い出し紀行
芦奈野ひとし |
吉本 | 7 | 突然広い空間に出会ったとき、人はめまいを起こしてしまうもの。それは都市生活者に異化効果を与え、昔懐かしい「どこか」へと誘う。この作者はちゃんと人間の根源(と、思われるもの)を見据えてオハナシを紡ぎ出す。そして描き出す風景に、人間が不在であるところが興味深いではないか。 |
久遠 | 6 | お姉さん登場ですか? | |
音羽 | 5 | 飛行機、どんな感じのが出てくるのかな?ハイテクなものか、あるいはレトロでくるか。楽しみだな〜。 | |
神・風 士貴智志 |
吉本 | 4 | 絵の密度、テクニックは相変わらず素晴らしい。今回は人間らしい側面を見せるカムロの描写があってちょっと引き込まれた。人間がぶつかり合うドラマというものは、実はセリフや表層的なもので伝わるのではなく、直接的でない描写から伝わってくるものではないか。 |
久遠 | 5 | なんだ、ボス級なら、手ぐらい生やせよ。 | |
音羽 | 5 | 神風って誰がどうやって作ったのかな? | |
砲神エグザクソン 園田健一 |
吉本 | 4 | 今まではロボが出てこなかったのでイマイチ盛りあがらなかったが、エグザクソン再登場で盛りあがる様子。ところでもう2年近く続いているのですね、この連載。もう少し出し惜しみせずオハナシを進めても良いと思うのだが。 |
久遠 | 5 | もっと虐殺を! | |
音羽 | 3 | 冴えないね〜。そろそろ新兵器でも出てこないかな〜。 | |
五年生 木尾士目 |
吉本 | 7 | この作品がなぜこんなにも面白いのか。それはひとつは終始一貫した男性的視点に理由を見出すことができるが、もうひとつはある種の「こっぱずかしさ」に理由がある。多くの人が学生時代に出会うであろうしょーもない状態(特に恋愛に由来する)をあまりにもセキララに描き出す。そこにこの作者の徳目がある。そうした状況の過程にある人、そうした状況を自らの内面で客観視できない人にとっては、この人の作品は痛いばかりのものとなろう。だが端から見れば…。 |
久遠 | 6 | そーいやー俺様ちゃんの友達も「じりつしんけーしっちょうしょー」なんだよなー。男のくせに。 | |
音羽 | 一難去ってまた一難か〜。楽しくなりそうだね。 | ||
のぶみのえほん のぶみ |
吉本 | 3 | 絵本作家の絵本的作品をアフタヌーンに載せる。どのような意図が背後にあるやら。のぶみという作家がまだ若々しく、「枯れて」いないところがまた一寸した嫌味を醸し出している。若さが薄さにつながって見えてしまうのだ。苦労すればいいというものではないが、経験に裏打ちされない言葉は軽い。 |
久遠 | 3 | よっぽどカラーを描きたがる人がいないんですか? | |
音羽 | 0 | つまらない・・・ | |
勇午
真刈・赤名 |
吉本 | 3 | 赤名を責めるのはやめましょう。すべての原因は原作にあり。何ですかあのアニマルの漫画?若者全員に労働奉仕をさせようという発想を持っているその時点で目論見が知れるというものだ。高橋良輔がはまり込んだ甘美な罠。山本貴嗣も大変だよなあ…いやいや。オハナシがどんどん大きくなる一方で、漫画としての説得力やリアリティが失われているのが残念なところ。 |
久遠 | 4 | やはりここでもロリキャラが・・・むー。 | |
音羽 | 4 | いよいよ大詰めだね。どんな結果になるのかな? | |
宇宙家族カールビンソン
あさりよしとお |
吉本 | 3 | |
久遠 | 5 | おとうさん、が、いっぱい喋っている! | |
音羽 | 4 | 冷や汗かいても風邪はなおらないだろうな〜。 | |
セラフィック・フェザ−
武田・うたたね |
吉本 | 3 | 細切れ、ぶつ切り。何回書いたことやら… |
久遠 | 2 | 短すぎ。 | |
音羽 | 4 | 状況がわかりづらいな〜。ページ数も少ないし、なんとかならないものかねぇ〜。 | |
無限の住人
沙村広明 |
吉本 | 6 | 天津再登場でこれも展開が随分と締まっている。 |
久遠 | 5 | このままラブコメに! | |
音羽 | 5 | 天津と凛はあっさりとすれ違いになるのかな? | |
ニライカナイ
岡田芽武 |
吉本 | 6 | 私はこの作品をかなり評価する。真刈真二がダメで何故こっちはと思われるかもしれない。簡単にいうとハラをくくっているかいないかの違い。岡田は積極的に日本民族の「真」性を選択し、そこで「オハナシを」作っている。岡田の真意は右にあるのか左にあるのかは分からないが、少なくともオハナシを作り出そうとする姿勢は非常に真摯なものを感じる。雰囲気や無意識に動かされたり流されたりしていないところが良いのですよ。 |
久遠 | 5 | 相も変わらずネームが多い。 | |
音羽 | 刺青の力はいつ発動するのかな〜?どんどん増えて、パワーアップとかしてくのかな? | ||
G組のG
真右衛門 |
吉本 | 5 | |
久遠 | 5 | チャックのある風景? | |
音羽 | 3 | ちょいと物足りない感じだな〜。 | |
クーの世界
小田ひで次 |
吉本 | 8 | きわめて丁寧に世界が構築されているところが良いではないか。もう終わりですか?残念きわまりないところ。 |
久遠 | 7 | 問答無用で3年くらい後になって最終話掲載というのはどうでしょう。 | |
音羽 | 7 | ますます現実と夢が複雑に交差してきたね〜。 | |
斬神伝
テラナカ |
吉本 | 5 | 形而上学的に神を斬ろうとする男。漫画表現が活字による表現を代替するようになった現在、漫画によって哲学や思想を語ることも当然「アリ」なのだと思う。そして正面から形而上学を漫画に取り入れようとする試み、それ自体は高く評価されてしかるべきだと思う。だが、…だが。やっぱり「しゃらくせえ」と思ってしまうわけだ。自らの表現の媒体として文化的産物を使う場合、自らの主張を直接的に表現することは、洗練されていないという点でレベルが高いとはいえない。そして真正直に直接的に表現すればするほど、空回りが見られるようになる。その空回りは漫画という抽象化された表現媒体を無理に自らの表現に近づけようという意図に由来する。同様の構造は山本夜羽や砂の漫画に見られる。もっと洗練されたオブラートを被せないと、おかしな境地に達してしまうと考える。 |
久遠 | 4 | ・・・魔剣X? | |
音羽 | 6 | なかなか面白いじゃないか。短編にしておくにはもったいない気がするな。 | |
犬神
外薗昌也 |
吉本 | 5 | |
久遠 | 5 | むー、ここにもロリキャラが・・・ | |
音羽 | 6 | 変化は少しずつ、そして気付いた時には既に手遅れになっているのかな? | |
家族のそれから
ひぐちアサ |
吉本 | 7 | 伝えたいメッセージはある。だがこの作者はそれを直接伝えようとはせず、回りくどい方法で伝えようとする。人と人とのぎこちないつながりのなかで、おぼろげながらにメッセージを小出しにする。実際の生活の中では、本質に踏み込んだような議論が行われることはごく少なく、我々は相手の気持ちを「察する」ことしかできない。それは面倒くさいことではあるが、逆にそれを乗り越えたときの喜びは大きい。我々が「生きること」の喜びは、そうした何層ものオブラートの向こうにあるのではないか。 |
久遠 | 7 | これで、兄がいなければ、「見ごろ花ごろサクラごろ」ですか? | |
音羽 | 3 | なんだか読んでて疲れるな〜。なんでだろ? | |
ジョカ
大西巷一 |
吉本 | 6 | 『時の地平線』とは異なった方向に、青年誌らしいセンス・オブ・ワンダーな方向にオハナシを進めているのが良い。荒唐無稽になりすぎないよう注意する必要があるとは思うが。 |
久遠 | 5 | ちょうどその時、ピラミッドの頂上では・・・!と言う話にならないかなあ。 | |
音羽 | 6 | 魔術合戦ですか?派手な展開になるのかな〜? | |
BLAME!
弐瓶勉 |
吉本 | 7 | こちらもセンス・オブ・ワンダーという点では負けてはいない。次回が楽しみでもどかしい気持ちになるのが良いではないか。 |
久遠 | 6 | 仕事、多くなったねえ。大丈夫なの?Tシャツに「overwork」とか書かないだろうなあ? | |
音羽 | 7 | シボって便利な体になってるな〜。武器も作れるのかな? | |
ハトのおよめさん
ハグキ |
吉本 | 2 | 気持ちや背景はわかるのだが。 |
久遠 | 1 | いらない。 | |
音羽 | 1 | まだ続くのか・・・ | |
ディスコミュニケーション
植芝理一 |
吉本 | 7 | 自らの作品世界を再構築しようとしているのか。今までは松笛の視点から物語を描くという点で一貫していたが、今度は三島姉妹を登場させることによって裏側から見ようとしているように思える。とりあげるテーマが深いものであるだけに、この方法は賢明なものではなかろうか。 |
久遠 | 6 | っちゅうか、注をつけるのが好きになったの?士郎正宗化? | |
音羽 | 7 | 戸川がトラブルを巻き起こすのかな〜?どんな展開へとなっていくのか楽しみだな〜。 | |
風林火嶄
小川雅史 |
吉本 | 5 | ひとつのオハナシにけりをつけて、次はどこに向かおうというのか。ちょっと駆け足な展開なのがちょっと気になる。 |
久遠 | 5 | 第一部完っていう奴ですか?次号からは伝説の風林火斬「高坂」の娘が攻校生を目指して、友たちと切磋琢磨するという話ですか? | |
音羽 | 元に戻った板垣の方が格好良くて良いね〜。 | ||
神戸在住
木村紺 |
吉本 | 6 | 今回はいつにも増して日記的。日記性こそこの作品の魅力なのだが、一方で地味さや内向性を生み出してしまう危険も持っている。作者はその辺をわかっていると思うのだが。 |
久遠 | 5 | ・・・そーいえば、言語学概論、1年でルーズリーフ1枚ですごしたなあ。分裂症的な1枚だけど。 | |
音羽 | 5 | 何もない平和な一日ってのも良いよね〜。 | |
スズキ
安井雄一 |
吉本 | 4 | |
久遠 | 3 | 馬場さん死んで1年になるね。 | |
音羽 | 0 | 何が面白いのやら・・・ | |
バナナ チ○コ
博内和代 |
吉本 | 8 | 誰もが通りすぎるショーウインドーの中で繰り広げられる不条理。あいまいになるあっちとこっち。手間と精神力を大量に投入したであろうことが良く分かる力作。まずはその画面構成に圧倒されるではないか。大友克洋が描かなくなってしまった現在、こうした大友を引きずった描線や構図は強い訴求力を持っている。また全編にちりばめられたアレゴリーも注目すべきところ。現在の社会において「見えるもの」と「見えなくされているもの」を暴き出そうという試み。それをアレゴリーという形で表現しているところがイカすではないか。ただ、結局主人公は社会から断絶してしまい、「見えなくされて」しまうという結末は気になるところ。それは博内の絶望を示しているのかもしれないが、社会への絶縁宣言にも見えてしまうのだ。アタマの悪い破壊者のようにならないことを望むばかり。 |
久遠 | 6 | えーっと、漫画で哲学を語るのって、今の流行りなんですか?ってゆうか、「しなばもろとも」名義での仕事もこの頃していなかったねえ。どうやって生きていたんでしょうか? | |
音羽 | 7 | なんだか不思議な感じだな〜。 | |
よしえサン
須賀原洋行 |
吉本 | 0 | 他の漫画のリハビリなのですね。それを読まされるこっちは… |
久遠 | 0 | どうして暁の息子を早々に打ち切るだけの勇気があるのに、これをできないんでしょうかねえ? | |
音羽 | 0 | 相変わらずバカまるだしだね〜。 |
<総評>
吉本 | 「きみとぼく」より厚みが薄いのですね。たて直しには四季賞作品を。 |
久遠 | 何時からアフタヌーンって、ロリ漫画になったの? |
音羽 | 新連載、良い感じだね〜。新しい風を吹き込んでやらないと、まったりとしてくるからね〜。 |
<ベスト>
吉本 | 漫画には漫画ならではの抽象化の方法があるはず。ドラマの展開方法にも同様に何らかの方法があるはず。それはひとつではないだろうが、少なくとも言えることは「直接的に語らないこと」であるように思う。てな訳でひぐちアサ『家族のそれから』にしよう。 |
久遠 | むー、某掲示板で講談社に移ったことをむちゃくちゃになじられていた「ミルククローゼット」に。 |
音羽 | 衛星のデザインや名称までこってて良い感じの「ぽちょむきん」にしよう。 |