アフタヌーン 99年4月号
ガナパの手 雨宮慶太 |
吉本 | 5 | ストーリー的に収斂してきている。ちゅうか「残された人びと*」? |
久遠 | 5 | この矢の力によって、ガナパレクイエムになるんですね。 | |
音羽 | 4 | おや?話が収束してる。そろそろ潮時なのかな〜。 | |
なるたる 鬼頭莫宏 |
吉本 | 8 | 謎を持たせる展開は好もしい。ただ最近は複数話掲載にも慣れてきてしまい、ややイムパクトが薄れてきているように思う。オハナシのテンションが高いのだからそれほど問題にはならぬのだが。 |
久遠 | 8 | アキラは、凸凹だったんですか?じゃあ駅前で身体に穴をあけたり、身体をバネ仕掛けにしてるんですね。 | |
音羽 | 8 | 良い感じだね〜。謎もますます深まってくるし。タロットカードやオブジェとして飾られてる竜の子がビミョーな緊張感を醸し出してるな〜。 | |
そんな奴ぁいねぇ! 駒井悠 |
吉本 | 3 | もう分かりやすい構造は結構です。本格的に路線転換が必要であろう。 |
久遠 | 4 | いや、もう引き出しが小さいねえ。 | |
音羽 | 7 | 良いね〜。本編もおまけも小気味よく笑えるね。 | |
EDEN 遠藤浩輝 |
吉本 | 8 | …そうか。延々と続く戦闘シーンは、読者に対しても作者に対しても「視覚のサディズム(c)砂」であったというわけか。そしてその長さのなかで、引き伸ばされた瞬間のなかで、人間の瞬間の姿を暴き出そうとしていたわけか。…うーん、読みが甘かったわい!! |
久遠 | 8 | 話も痛かったけど、最後の柱文句も痛かったdeath。 | |
音羽 | 7 | なんだか、ずるずると戦ってるな〜と思ってたら、いきなり話が大きく動いたな〜。あとはケンジがどうなるかだな。あっさり勝っちゃってひょっこり現れるなんて事無いよな? | |
ああっ女神さまっ 藤島康介 |
吉本 | 2 | オハナシの盛り上がり/広がりがあってもややツライというのに、ドメスティックなオハナシはさらに輪をかけてツライ。ええ、まったく「やれん」です。 |
久遠 | 5 | 次の話のつなぎですね。 | |
音羽 | 4 | いつものテレビネタか・・・次のネタ考えてる間のつなぎかな? | |
ヨコハマ買い出し紀行 芦奈野ひとし |
吉本 | 8 | 対してこちらは「瞬間の切り出し」が素晴らしく、魅せる。線の柔らかさが逆に硬質な「寒さ」を浮き立たせている。自分の表現をもっている人はかくも強い。 |
久遠 | 8 | 東京に住んでいると、満天の星空も、霜も見ることが出来ないねえ。また、見たいなあ。 | |
音羽 | 4 | 霜か〜。ここ何年か見た記憶がないな〜。 | |
幻蔵人形鬼話 高田裕三 |
吉本 | 5 | 前作もそうだったが、今回もオハナシの構造が錯綜していて、はっきり言ってワケが分からない。しかし堪能な描写と線が何となく読ませてしまう。凄いと言やあ凄い漫画。 |
久遠 | 5 | 簡単に終わるお話を、よくもまあこんなに長くしたものだ。ガサラキみたいだ。 | |
音羽 | 6 | う〜む。相変わらず良い感じだな。 | |
BLAME! 弐瓶勉 |
吉本 | 7 | やはりシボの存在が非常に大きいことが、ここに明らかになる。相変わらずテンションの高い展開。ただシボだけではやはり間が持ちにくいのも事実。霧衣の復活が楽しみ。 |
久遠 | 7 | ちょっとお、複線、あからさますぎるヨオ。 | |
音羽 | 7 | サナカンの表情や仕草が気になるな〜。何かの伏線にでもなってるのかな? | |
犬神 外薗昌也 |
吉本 | 4 | 「ガサラキ」は面白いなあ。 |
久遠 | 5 | なんで手がくっつくんですか?でもこれは進化のための眠りなんでげしょ。 | |
音羽 | 3 | お話がどんどん暴走していくな〜。手遅れになる前にまとめに入った方が良いのでは? | |
仮面天使 若菜将平 |
吉本 | 4 | マ、実際の現場において大切になるのは「嘘をつかない」「誤魔化さない」「きちんと説明する」ことだから、こうしたキャラクタに主人公が心を開くのも理解は出来る。しかしそれにしてもあまりにステロタイプ。「熱血教師もの」はかくも教育に関わる言説を汚染している。その汚染に無自覚なところは糾弾されるべきである。 |
久遠 | 4 | こーゆう、一番やなタイプの教師を憎んでるのかと思ったが、案外肯定的なんだね。へっ。 | |
音羽 | 6 | う〜む。さすがは熱血先生・・・一歩間違えれば学級崩壊だよな〜。 | |
五年生 木尾士目 |
吉本 | 7 | 前回に引き続き今回も引き裂かれた評価になる。画面の構成の仕方やネームの並べ方はきわめて快調で、胃が痛くなるほど素晴らしいが、アキオの描写がブレてきていることもまた事実。アキオがこれでは立派な人物ではないか。もっとくだらなくして欲しいものだが。 |
久遠 | 7 | なーんだ、これで部屋に帰ったら母親が待っている、とかゆうパターンだと思ったのに。 | |
音羽 | 8 | 良いね〜。このまま泥沼路線で行ってもらいたいな〜。 | |
地雷震 高橋ツトム |
吉本 | 6 | うーん、「虐げられたものたち」の「ナマの声」がイマイチ響いてこないような。カルスタ的にも面白いテーマなのに突っ込みが浅く見えてしまうのが残念。また飯田らがデウス・エクス・マキナとしても機能してしまうところにも弱点を抱えている。もうひと踏ん張りなのだが。 |
久遠 | 5 | やっぱりこうゆうパターンになりましたか。へっぽこですね。集英社に完全移行を考えてるんですか?まあ、あっちもナンだけどね。 | |
音羽 | 7 | それぞれの思惑が交差する中で、どんな結末になるのかな?楽しみだぞ。 | |
砲神エグザクソン 園田健一 |
吉本 | 5 | 旧来の価値とか道徳とかと無縁なところにオハナシを成立させようとする試みは分かるが、きわめて難しい試みであるせいか、イマイチ成功していないように思える。単なる勝手気儘では説得力を醸し出すのは難しい。 |
久遠 | 5 | もう自棄になってませんか?テンションあがりまくりですね。 | |
音羽 | 4 | 高性能な医療用のマイクロマシンが作れるなら、マイクロマシンでリオフォルド人を内側から壊したり洗脳した方が簡単じゃないか?わざわざロボットで街壊す必要もないし・・・ | |
スズキ 安井雄一 |
吉本 | 3 | 「いんちき」亡き後はこの作品に期待か。 |
久遠 | 2 | 社長。ご冥福をお祈り申し上げます。 | |
音羽 | 2 | ダンスゲームでコケたらカッコ悪いな〜 | |
セラフィック・フェザー 武田/うたたね |
吉本 | 3 | アンデルセン神父ですか? |
久遠 | 5 | 何故この秘書さんはK9になったんですか? | |
音羽 | 5 | 真空状態の描写が良い感じだね〜。これでページが倍あればね〜 | |
無限の住人 沙村広明 |
吉本 | 7 | 「勇午」に負けない拷問を描こう、といったところであろうか。だがやはりやや迫力不足か。 |
久遠 | 8 | 女に生まれたことを後悔させてやるぜ。というやつですね。東京H。 | |
音羽 | 7 | ダメじゃないか〜。拷問は体だけじゃなくて心も責めなきゃね〜 | |
なげやり 桜玉吉 |
吉本 | 5 | どうやら見開き一枚絵という悪習を身につけてしまったようで。だが逆にアフタヌーンではこのやる気のなさ(の、様に見える)が魅力なのかもしれない。 |
久遠 | 5 | M上君もビームの行く末を心配しているんですね。 | |
音羽 | 5 | う〜む・・・いったいどっからあんな発想が浮かんでくるのやら・・・ | |
神・風 士貴智志 |
吉本 | 4 | ほう、そうですか。マ、アイデンティティを得ようとするきっかけなんてのはホンの些細なことからかも知れませんからネ。克己せい!!ギチェ!マニトウ!! |
久遠 | 5 | 背景のない2ページドアップって、萩原みてえだな。 | |
音羽 | 6 | この先どういう展開になるんだろ?強くなった石神とみさをが暴れ回るって事になるのかな〜?パワーバランスが崩れなければいいが・・・ | |
菫画報 小原慎司 |
吉本 | 7 | この作品に流れるのは一種の諦念といえるかもしれない。しかしそうした諦めがあるからこそ、一つの作品としての完成度が向上する。節度あるオハナシ作りには改めて感服する。 |
久遠 | 6 | 今回は、ロマンがありすぎです。ちょっとおなか一杯です。 | |
音羽 | 5 | カメラで見えて望遠鏡で見えないってのは・・・なだかね〜。 | |
勇午 真刈信二/ |
吉本 | 0 | もういいです。もう何も見たくありません。あまりといえばあまりな展開には心底悲しくなります。宗教という概念についても、聖性/至高性という概念についても、対立の構図に潜む文化的背景についても、理解が浅すぎ、表面的にすぎます。とても実地での体験を踏まえたオハナシとは思えません。悔い改めてくれることを切に望むばかりです。 |
久遠 | 4 | ぷ。やっぱコスプレマニアなんですね。ぷ。御都合主義。 | |
音羽 | 5 | なるほど、ニルーファの涙って宝石だったのか〜。 | |
ディスコミュニケーション
植芝理一 |
吉本 | 7 | 実は、「ラブマスターX」の回答はここにあるのかもしれない。まだ性が未文化の「好き」という気持ちのなかに。やや最近は職人的なオハナシが多くなっているようにも感じられるが、着眼点は相変わらず鋭い。 |
久遠 | 8 | ほえー。美しい話ですね。相変わらず美しい。 | |
音羽 | 8 | 良いね〜。相変わらず、泥沼化してしまうような深いテーマをあっさりと綺麗に取り扱ってるね〜。どことなくほほえましいよな〜。 | |
風林火嶄 小川雅司 |
吉本 | 6 | オハナシのご都合主義と「参照の枝」の少なさには確かにやや閉口するが、オトコノコをわくわくさせるような構造を持ったまっとうな少年漫画になっているところを評価しよう。絵の良さはいわずもがな。 |
久遠 | ? | そうかっ、ジャガーに似ているンだっ。あのっ、コミックマスタージャガーにっ! | |
音羽 | 7 | 上の服が防御で下の服が攻撃か〜。大きなリボンも縦無しの一部なのかな?あれで空でも飛んだら面白そうだな〜。 | |
スカタン天国 北道正幸 |
吉本 | 6 | さらに「漫画」の構造を解体しようというのか、北道は。ただその試みが「肩の力が抜けた」のんびりしたものであるところがよい。 |
久遠 | 6 | アップルパイ喰いてー!ガメラ3も見てエー! | |
音羽 | 5 | 最後の問題に思わず笑ってしまった・・・ | |
よしえサン 須賀原洋行 |
吉本 | 2 | 実用的知識になる分今回は罪深さが減少している。 |
久遠 | 1 | アニサキス喰って、死ねっ! | |
音羽 | 1 | 日常をそのまま描かれてもこれじゃ面白みが無いよな・・・何とかならないものかな〜 | |
ワッハマン あさりよしとお |
吉本 | 6 | 長く続いたその分、こうしたつつましい終わり方のほうが良いといえるのかもしれない。生かそうと思えばいくらでも生かせるだけの伏線が、キャラクタがあったにもかかわらず、それを一切放棄するところにあさりの「決断」を感じる。…それは長谷川裕一的ワイドスクリーンバロックの終焉も意味しているのだが。単に時間がなかっただけ、という読みは免除してあげましょう。 |
久遠 | 5 | なんじゃい、そのオチは。盛り上がりに欠けてますよオ。 | |
音羽 | 8 | ついに最終回か〜。良い感じでまとまったな〜。次回作にも期待だね! | |
神戸在住 木村紺 |
吉本 | 7 | うむ。しあわせな時間をきわめてしあわせそうに描けるという才能がここにある。エッセイ漫画以外の作品も読んでみたいものだ。 |
久遠 | 6 | 神戸在住に対抗して、だれか恐山在住とか描かないかなあ。 | |
音羽 | 5 | ルミナリエ、一度は見に行ってみたいものだ・・・ | |
G組のG 真右衛門 |
吉本 | 3 | やっぱり小さいほうが面白いって。余命半年と見たが、どうか。 |
久遠 | 5 | でかくなろうが、やってることは同じか。 | |
音羽 | 2 | いつもみたいに小さい方がいいな〜。 | |
愛天明王物語 見田竜介 |
吉本 | 5 | そう。確かに殺せばいいというものではない。かといって決定を先送りにすることも出来ない。その二つのテーゼに板挟みになってはじめて見えるつらいオハナシがあるはずだ。ここが正念場。これ以上は逃げられないが、どうする? |
久遠 | 5 | これだから今の若者は・・・。ファミコンとかで簡単に人の死とかを描くから、人の死を軽くとってしまうんだよ。 | |
音羽 | 5 | おや?今度こそシビアな展開に突入か?期待して良いのかな? | |
電夢時空2 高山和雅 |
吉本 | 2 | 確かに前作は凄かったのかもしれないが、今回は最初から最後までへっぽこ。打ち切りも当然。 |
久遠 | 2 | いや、まあ当然でげしょ。つまらないもの。バンザーイ、打ち切り。 | |
音羽 | 2 | やれやれって感じだな。最後までまとまりがなかったな〜。 | |
マラソン なかがわ靖 |
吉本 | 8 | 憧れが個人のなかで組み替えられ、思い出へと転化してゆく過程がきわめて節度あるタッチで、リリカルに描かれている。まずはその憧れの描写に非常に心うたれるものがある。きわめて個人的な視点でオハナシが推移するところにも注目したい。やや冗長な印象があるが、憧れの感覚の描き方には特筆すべきものがある。次回作にも期待。 |
久遠 | 4 | なにいっ、レッドカードが来月で終わりっ?何故じゃあっ。これでもうあの雑誌を読む価値が無くなってしまったじゃあないか。 | |
音羽 | 4 | 無駄な部分が多すぎる気がするな〜。もう少しスマートにまとめたら読みやすくなるんじゃないのかな? |
<総評>
吉本 | 守りに入っている。昔のアフタヌーンを読み返してみたのだが、もっと挑戦していたはず。レベルの高い連載を維持するというプランも悪くはないのだが、もう少し新人登用に積極的になっても良いのでは。あるいは良い作品を連載していた作家の読み切りを載せるとか。聞くところによると有川祐なんかは不遇の生活を送っているというし。 |
久遠 | 今月は少々パンチ力に欠けますね。なるたるカラーとかは良かったけど、他のマンガがねえ。 |
音羽 | 今月もなるたるが2話掲載だな〜。嬉しいことだが、これに頼りきって他がダメじゃ話にならないかな・・・と思いきや、いろいろと動きがあって、それなりに良い感じだったな〜。 |
<ベスト>
吉本 | 新人に期待を込めるという意味も含めて「マラソン」にしよう。「カウボーイビバップ」でも描かれていたが、憧れ、特に同性に対する憧れは実に危うく、読み手のこころに訴える。 |
久遠 | 今月は、なるたるも良かったが、ここはやはり、良いシーンが2回もあったヨコハマ買い出し紀行でしょう。 |
音羽 | 最終回もしっかり読ませてくれた「ワッハマン」だな。 |
*アニメファンなら当然知っているだろうが読んだ人はほとんどいないであろう、「未来少年コナン」の原作。原作ではコナンとラナは一番最後に出会う。労働運動アニメになり果ててしまっているアニメと違い、かなり純粋なジュブナイルSF。