アフタヌーン 99年6月号

宇宙家族カールビンソン

あさりよしとお

吉本 復活は好ましいが、今更、という印象も強い。まァ「者」としてはコロナちゃんを描かずにいられないのは分かるのだが。
久遠
音羽 これは・・・確か・・・どこかで見た記憶が・・・まぁ、いいか・・・
そんな奴ァいねえ!!

駒井悠

吉本 世界の壁を打ち破れ!
久遠
音羽 それなりに面白いが、やや、マンネリ気味かも・・・
神・風

士貴智志

吉本 みずからの行動に徹底的に無自覚なのが微笑ましいが、辛いところではある。クリーシェだけでは「こころ」に訴える作品は成立しない。あるいはもっと派手派手にするとか。
久遠
音羽 う〜む・・・主人公交代か?結局生きていた・・・って展開にはならないのかな?
ヨコハマ買い出し紀行

芦奈野ひとし

吉本 もはや「見るほかない」、静かな静かな「滅び」の進行。この作品を極めて魅力的にしているのがこの「透明な悲しみ」だ。それは時代精神と微妙に絡まりつつ、それでも生きて行く人々の姿を浮き上がらせる。いい漫画じゃないか。
久遠
音羽 ん?何なんだ?まぁ、ほのぼのしてて良いかな・・・
ああっ女神さまっ

藤島康介

吉本 またドメスティックなオハナシ?
久遠
音羽 う〜む・・・相変わらずだな〜・・・もう少し新鮮味が欲しいかも知れないな。 
ニライカナイ

岡田芽武

吉本 相変わらずやべえことこの上なし。そのうちヤマト大陸が浮上するに違いない。もちろん作者側は(今のところは)洒落でやっているのだが、本気にする頭のかわいそうな人が出てくるであろうから、ただ単に笑って見ているだけではいかんだろう。漫画も当然「政治性」が問われるのだ。ゴー宣のみならず。
久遠
音羽 前回に引き続き、よく解らない文が沢山あるな〜。話のテンポが良いおかげで、良い感じにはなっているかな。今後の展開が非常に楽しみだな。 
仮面天使

若菜将平

吉本 国旗・国家論争をうまく校歌の問題にすりかえている。それは逆に、大きな問題を取り上げることで加利奈や浩一のパーソナルな問題を見えなくすることでもある。「大きな物語」に下手に関わってしまうと、小さな、そしてだからこそ重要な問題が見えなくなってしまう。もっともっと加利奈の「小さな物語」を描いて欲しい。大きな問題に頼らなくても描けるはずだ。
久遠
音羽 今回は冴えないな〜。もう少し現実味があって強引な手段の方が楽しいのだが・・・ 
五年生

木尾士目

吉本 ちょっと突飛な展開に面食らう。一目惚れに必然性は必要ないとはいえ。
久遠
音羽 安直な展開ではあるが先を期待させるな・・・。 
EDEN

遠藤浩輝

吉本 トレイン・トレインは有名に過ぎる。ただ殺伐とするばかりであった戦闘シーンを抜け出し、テンポのよい展開になっているところは目が離せない。
久遠
音羽 パワードスーツの動力源ってどうなってるんだろ?あんな物着て歩いてたら隠密行動も出来そうにないし、正面切っての短期決戦用やバッテリーを横に用意して待ち伏せに用いる位しか友好的な用途が思いつかないぞ。シビアな展開を見せてるのだから技術考証や戦術ももう少し何とかして欲しいものだな。 
BLAME!

二瓶勉

吉本 サナカンという破壊的な存在は同時に哀しく、魅力的だ。セーフガードの側からのアプローチと捉えてもいいのだろうか?ともあれ、展開の以外さやそのSFテイストには相変わらず惹かれる。
久遠
音羽 サナカンって死なないのか?それともお約束で、どっかにコアがあってそれを壊せば・・・とかって事なのかな?何となくありがちなストーリーに収束してしまいそうな気もしないでもないが、独特の世界観や画風を生かして頑張って欲しいものだな。 
なげやり

桜玉吉

吉本 方法論を確立したようで。後はとにかくだらだらと続けて欲しい。「幽玄」でも見られるこの「だらけ加減」こそ玉吉のよいところだからだ。
久遠
音羽 相変わらず、ゲームとリンクしてないあたりがポイントだな〜。 
勇午

真刈/赤名

吉本 どうせ死んじゃいないのは分かっているので、安心して読める。前シリーズのような無様な話にならないことを望むだけである。
久遠
音羽 お?怒濤の新展開だな〜。でも、結局生きてたって展開じゃないのかな〜?それとも、そろそろ終わってしまうのかな? 
砲神エグザクソン

園田健一

吉本 繋ぎ。繋ぎ。
久遠
音羽 また、訳の分からないことをしてるな・・・ま、重力ジャンプが何なのかは、たぶん次回に説明があるでしょ・・・おそらくは的外れな説明が・・・ 
なるたる

鬼頭莫宏

吉本 オハナシに広がりが増してきている。まだまだ広げてもよかろう。読んでいて面白いしそれだけの力がこの人にはある。張り巡らされた伏線の数々にはドキドキさせられる。
久遠
音羽 すっかり2話掲載がおなじみになってきたな・・・どうせなら2話ぶんのページで1話にすればいいのに・・・ 
スズキ

安井雄一

吉本 まァいつもの調子。
久遠
音羽 もうすこしおもしろくならないかな・・・ 
セラフィック・フェザー

武田/うたたね

吉本 サーヴス、サーヴス。細かいサーヴスにも目が行き届いているところが微笑ましいが、その手間をかけるのならもっとページ数を増やせよな、と思う。
久遠
音羽 このところ話が変な方向にとんでないので最近の流れが解る・・・が、大きな流れが全く見えない・・・やはり単行本を買ってゆっくり読むべきなのだろうか? 
無限の住人

沙村広明

吉本 反撃開始、という展開であるが、それが淡々と、静かに進むところがよろしい。
久遠
音羽 首を切り落とすのって結構、至難の技だと思うのだが・・・あんな簡単2つも落とせるものなのかな? 
風林火嶄

小川雅史

吉本 それぞれが所持する魅力ある(?)武装。オトコノコ的に燃える。そしてそれを線の流麗さが補強する。ありがちのイマ風の漫画もほんのちょっとした演出によって随分と魅力的になる。
久遠
音羽 いいね〜。しっかりと読ませてくれるね〜。 
G組のG

真右衛門

吉本 ほんのちょっとだけくすりとさせられる。
久遠
音羽 あれ?ページが増えたかな?次は内容がもう少し面白くならないかな? 
犬神

外薗昌也

吉本 単純な人間性の信頼はいまや説得力を持たない。「無私の精神」も怪しいものだ。なのに外薗はそれを描こうとし続ける。その姿勢は悪くないのだが、いかんせん「覚悟」してやっているように見えないのが切ない。
久遠
音羽 23復活か?それにしても、どんな細胞してるんだろ・・・普通に餌食べててエネルギー足りるのかな? 
フォワード

近藤和久

吉本 作品としてはきちんと成立しているが、ハードSFミリタリーを載せようという編集の意図がよく分からない。「電夢時空」がぽしゃったゆえの編集の抵抗か?雑誌での位置づけにおいては華がなく、あまり魅力的に見えない。
久遠
音羽 エイリアン2のパチ物にしか見えないよな〜 
菫画報

小原慎司

吉本 長く続いた割にはあっさりと終わらせている。これはまとめきれてない、ということではなく、ある確信のもとに行われている。スミレの行動様式なり考え方なりが、われわれ読者に影響を与えている、という。少なくとも私はスミレに随分とときめかされ、勇気づけられ、泣かされてきた。滅びゆく猟奇王的ロマンを良くぞここまで提示してくれたものだ。
久遠
音羽 なんだかな・・・まぁ、いいか・・・ 
熊殺し神盗み太郎の涙

五十嵐大介

吉本 オハナシの上ではカタルシスがなく、フラストレーションがたまる。漫画のオハナシとしてはやや破綻気味である、といえよう。しかしそれは自然の他者性を強く感じさせる。デウス・イレ。もっと頻繁に作品を発表すべきだ、この人は。
久遠
音羽 なんとも不思議な物語だな・・・ 
ディスコミュニケーション

植芝理一

吉本 この人の特徴は、みずからが持つ様々なフェティシズムを隠すことなく正面に押し出しているところだ。今回も実にフェティッシュでよし。ただ最近予定調和になりすぎているきらいがあるので、そうならないようにして欲しいものだが。
久遠
音羽 桜か・・・今年は花見できなかったな・・・ 
スカタン天国

北道正幸

吉本 急に普通の漫画に戻ってしまってやや拍子ぬけ。もういいよ、普通の漫画に戻らなくったって。揃えたキャラクタで漫画をディコンストラクションしてゆけば。
久遠
音羽 珍しく、ややシリアスな話だったな〜。こういった話の方が向いてるんじゃないのか? 
よしえサン

須賀原洋行

吉本 …で?
久遠
音羽 アホな漫画を描いてるんじゃなくて、描いてる漫画家がアホだとしか思えないな。 
愛天明王物語

見田竜介

吉本 だからぁ!こういう甘甘のオハナシだから駄目なのだ!下手な救済や正義などを振りかざすからオハナシが破綻するのだ。いまや大きな物語を設定しようということ自体に無理がある。それよりも個別に、それぞれの人のイストワールを見る必要がある。父親を見習え!
久遠
音羽 なんだか、まとまりきってないな〜。最後まで冴えなかったな〜。 
オヤスミナサイ

フクヤジョウジ

吉本 10 コミュニケーションがココロの扉を開く。コミュニケーションが救済をもたらす。逆にいうとコミュニケーションなしには人は幸せになることはできない。最初はゲド戦記のような「自分さがし」のオハナシだと思ったが、その向こうにいる「他者」に視線を向け、それを描いているところには驚かされた。優れた作品だ。
久遠
音羽 良いね〜。構成や思考の中の情景の描写が現実と非現実が入り交じるようで冴えてるね。表現の方法としてはありきたりかも知れないが、逆にその世界の中へと入り込み易いね。

<総評>

吉本 薄いのは何故か?四季賞受賞作家の2作目、3作目を載せなかったからだ。今回は五十嵐大介が載っていたのでまだよかったが、優れた作家をきちんとフォローしないとどんどん先細りするだけだろう。「即戦力」を消費するだけでは雑誌としてのポテンシャルは落ちる。そも、今までアフタヌーンが優れていたのは、効果的な新人登用システムがあったからではなかったか?
久遠  
音羽 話が動いている物が多いが、そのためか、全体的に盛り上がりがイマイチかもしれないな。ありがちで安易な展開におちつかずに、意外な展開でを楽しませてもらいたい物だ。

<ベスト>

吉本 「オヤスミナサイ」には心底こころ動かされた。「次の一歩」を踏み出す作品はなかなかないからだ。いつもだったらこれで決まりなのだが、今月はあえて最終回の「菫画報」にしようと思う。ロマンをどうもありがとう。
久遠  
音羽 「オヤスミナサイ」にしようかな。

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