アフタヌーン　99年11月号

宇宙家族カールビンソン

あさりよしとお

 吉本 ３ うへえ。げっぷの出そうなルーティンワーク。キャラの「立ち方」に簡単に乗っかっていて、全然新しさというかチャレンジが感じられない。挑戦はガムとかアニマルとかでやっているので十分、ちゅうわけですか？…まぁ、ソッチも読んでいるので、こちらでは期待していないのだが。
久遠 ６ ってゆうか、ポスター描いた時点でもう満足したでしょ。
音羽 ５ 運動会か〜・・・さっぱり縁が無くなってしまったな〜。　
女禍 Joker

大西巷一

 吉本 ６ 「禍」という字はおんなへんに「咼」という字。中国の三国時代が舞台で、登場するのは少年時代の諸葛孔明。謎の呪力を持った少女を拾った孔明は…という展開。いやあさすがに絵は上手。だが既存のイメージがしっかりついているキャラクタを使うのはどうか、と思う。なぜなら既存のイメージを乗り越えなくては、マンガのキャラクタとして生きてこないように思うから。どう展開するか楽しみではある。
久遠 ６ べるせるく、かと思ってしまいましたとさ。
音羽 ６ なかなか面白そうではないか。この先どうでるか楽しみだな。　
そんな奴ァいねえ！！

駒井悠

 吉本 ３ 本当に男みたいな人なんですか？
久遠 ４ ってゆうかさ、絵そのままでネーム変えてるだけじゃないの？
音羽 ４ う〜ん・・・冴えないな〜・・・　
ヨコハマ買い出し紀行

芦奈野ひとし

 吉本 ７ 店という「帰る場所」を失ったがために、旅に出ることを決意するアルファさん。ひとつ、ひとつ、大切なものは失われてゆく。だがこの作品に登場する人々は、それでも新たな意味なり美しさなりを求め、生き続けてゆく。その先が圧倒的な終わりであろうとも。終わりを前提にしているからこそ、この作品は美しいのだ。「ジョバンニの透明な悲しみ」。
久遠 ７ もうすぐ終わるんですか？
音羽 ６ アルファの涙の成分って何だろ？オイルって訳は無いよね〜？　
ああっ女神さまっ

藤島康介

 吉本 ４ オハナシの懐を広げる新たなキャラクタの登場はいいでしょう。だがオハナシがいいところで「続く」になっているのでフラストレーションがたまる。そして残念なことにその先に見えるオハナシは間違いなくへっぽこ。そこが分かってしまうところが辛いところだ。
久遠 ５ だからキャラを増やす事で状況を打破するのはやめなさい。
音羽 ４ なんだかお約束な感じのキャラだな〜。せっかく新しいキャラが出てきたんだから、もう少し新鮮味が欲しいところだよな〜。　
暁の息子

樹なつみ

 吉本 １ 危惧しまくっていたとおり、少女的要素を少年漫画に無理矢理つなげようとして見事に失敗している。「ブレークエージ」で感じた「いやらしさ」「無意識無自覚に由来する苛立たしさ」が此処でもビシビシ感じられる。今の温室育ちの女子高生が苛烈な状況に置かれたらどうなるか、という実験を行うのは良いのだが、「女の子原理」のほうを優先してしまうところがどうにもやれん。もちろん少女漫画の側から見れば、こうした処理は当然至極なのであるが、少年／青年マンガでは反感を買うだけではなかろうか？もっと現実に目を向けたオハナシにしないと辛かろう。名前だけでは良い作品は生まれない好例。
久遠 ４ ヤな女だねえ。現実に目の前にいたら、足蹴にすると思うな。
音羽 ４ キャラが軽いな〜。もっと性格付けを上手くやらないとね〜。都会人であるそのみとジャングルの中で戦士として育ったシャンの対比を上手く表現して欲しいものだな。　
神戸在住

木村紺

 吉本 ６ 日常のなかの、とくに幸せな部分を抽出できるということは、才能であることを思い知らされる。たどたどしく見える線がまたその良さを強調する。
久遠 ６ そういえばうちの学校にも学祭って有ったんだよなあ。全然盛り上がらないけど。
音羽 ５ 学際か〜・・・今年はどこかの学際にでも行って来ようかな・・・　
勇午

真刈／赤名

 吉本 ３ 現像したフィルムをカメラに戻しますか？不自然きわまりない／ご都合きわまりない展開ではないDeathか？
久遠 ６ まだでないなあ、交渉人仙人。あれー？
音羽 ６ う〜ん・・・話がどのような展開になっているのかイマイチ把握しきれないな〜。話がどこで一つにまとまっていくのか、たのしみではあるが・・・　
砲神エグザクソン

園田健一

 吉本 ４ なんだか随分久しぶりですな。で、ロボは？ロボが出てこないと面白くないのですが。
久遠 ５ そういえば先月載ってなかったよねえ？こみけ？
音羽 ２ はぁ・・・やれやれ・・・ダメダメだね〜・・・ＳＦを描くのなら、もっと想像力と表現力、それと科学技術に付いて勉強しないとねぇ〜。　
神・風

士貴智志

 吉本 ４ 化外の民の秘密が明かされて、オハナシは多少前進している。いいオハナシだとは思うのだが、イマイチ説得力に欠けるのはなぜ？それは超常的な「力」に頼りすぎているためではなかろうか？
久遠 ５ ああ、綺麗な絵だねえ。
音羽 ７ 鳥居は他にもあったのか〜。　
五年生

木尾士目

 吉本 ７ いて。いててて。アドゥレセンス後期の「まだ大人になる一瞬手前」を妙にリアルに描いていて（あと大学生活のだらけ加減も）、なんだか身につまされる。こうしたことからもこの人の「素直さ」がビビドに感じられる。フリチン（Free Chinpo)でやってますなぁ。
久遠 ６ ってゆうか、ホントに５年生になりかねん。
音羽 ４ あら？何でわざわざこんなとこで昔の話を入れるのかな？何かの伏線にするのかな？　
なげやり

桜玉吉

 吉本 ７ 写真がそれとなく入っているのが笑わせる。なんだかオハナシとしてハタンしまくっているので本当に心配になる。人気、あるの？
久遠 ６ この反動で、ビームがああなっていくのか？
音羽 ７ 写真が・・・思わず笑ってしまった。　
なるたる

鬼頭莫宏

 吉本 ８ あちこち探したものの、A-10はやはり航空自衛隊には配備されていない様子。鬼頭さんたらダマシがうまいのだから。今回も2話掲載で非常に内容は盛りだくさん。嬉しくなってしまう。竜の子を巡る大きなオハナシが動き出している様子がよく分かる一方で、もっとも背後に潜んでいるオハナシの中核はまだ明らかにしない。いい意味でもどかしく、良い。
久遠 ９ っつーか、出し惜しみしないねえ。今アフタヌーンを支えているのはこれだろうに。ちなみに今の総理は俺様ちゃんも嫌いです。
音羽 ８ 良いね〜〜。ちゃんと、兵器がどういう物かって事が解ってるから話にも重みも出て来るんだろうな〜。　
無限の住人

沙村広明

 吉本 ７ 尸良と凶の小屋を舞台にした闘いは、古き良き剣戟映画の基本に忠実で好ましい。閉鎖空間にすることによって、闘いに変化と3次元性が加わっている。分かってらっしゃる。
久遠 ７ そうか！命がけで起きたりしたんだな！そうだ！たかが１００点差！形の上でも勝ちます！
音羽 ７ う〜む・・・相変わらずの迫力だな〜。　
セラフィック・フェザー

武田／うたたね

 吉本 ５ いやあ変態でいいですなぁ。その後のケイたちの行動がいかにもなのはやや減点ではあるが。ちゅうかいつもこのくらいのページ数は確保して欲しいものです。
久遠 ３ もうだめですね。何媚び売ってんだか。
音羽 ２ 何で怪我してたおれてたのかとかって事、考えないのかね〜？　
ニライカナイ

岡田芽武

 吉本 ５ 短いといつもの「タイポグラフィの力」が生きてこない。元々単行本で一気に読むタイプの作品なので、短いとさらに分かりづらくなる。ページ数を維持して欲しいものだ。
久遠 ７ ところで、根の国はどこにあるとおもいます？いまはやりの地平の果て？俺様ちゃんは黄泉の国との関係から地底だと思うんだけどなあ。
音羽 ６ 今回はやけにページが少ないな〜。物足りぬ・・・　
空談師

篠房六郎

 吉本 ９ やっぱりうまい、篠房は。人格や感覚まで転送できるオンラインRPG世界を舞台にして、背後に流れる大きな「陰謀」を暴き出そうとするオハナシにまずはシビレるではないですか。流行りのネタではあるが、それを積極的に取り入れたところは強く評価できる。そしてオンラインなのでプレイヤー同士は素性も分からず、対面的なコミュニケーションに由来する信頼関係は原理上実装されていない、というところが実にスリリングな展開を生み出している。絵柄の美しさがその緊張感をさらに深めている。後編が楽しみな作品。
久遠 ６ クリス・クロス？
音羽 ８ 面白い！！続きが非常に気になるな〜。来月が楽しみだ♪　
G組のG

真右衛門

 吉本 ３ 3Pですか…
久遠 ５ 作者近況がよい。
音羽 　 電力会社の人がロボットの修理をしにくるとは思えないが・・・
地雷震

高橋ツトム

 吉本 ３ 臓器の記憶が「伝染」する、というアイディアでオハナシをゴリ押ししようという覚悟そのものは悪くない。しかしそうした設定自体がオカルティックで、説得力に欠ける。超常的な力や現象に頼るようではいかんと思うのだが。
久遠 ５ 寺田克也全部も買わなきゃなあ。
音羽 ６ あらあら・・・なんだか期待はずれな方向に進みだしたな。こんな展開でダイジョブなのかな〜？
翼をください

あたまん

 吉本 ６ 今日こそは目標の高さを跳べる、と思っている少女と、女子中学生を存分にイタズラしたいと考えている浮浪者二人のお話。少女の描写の伸びやかさが印象に残る。ギャグとしても伸びる可能性を持っているように思う。
久遠 ４ ハトのお嫁さんよりは良いんじゃないですか？
音羽 １ これは・・・ギャグ・・・なのかな？よく解らないが・・・　
Afternoon

テラナカ

 吉本 ４ 空白だらけの絵柄が、不条理なオハナシとうまく一致している。面白いと言えば面白いのだが、残念ながら次はなさそうだな…
久遠 ４ ハトのお嫁さんよりは良いんじゃないか？
音羽 ５ 何故だろう・・・思わず笑ってしまった・・・　
力士のついた餅

堀三郎

 吉本 ５ 東陽片岡を思わせる画風。ガロ系そのまんまのオハナシ。吉田戦車を思わせる展開。悪くはないがやっぱりガロ系雑誌にふさわしい作品でしょ。
久遠 ３ ハトのお嫁さんよりは・・・。
音羽 ０ つまらない・・・　
風林火嶄

小川雅史

 吉本 ５ おお！今回はサービスですなぁ。黒人は実は女！っていうのもオヤクソクで、しかもそれをセルフパロディにしているのも良い。だが全体のポテンシャルはやはり下がっているように思う。どうせやるならもっと派手に梃子入れを！
久遠 ６ そういえば、速攻生徒会の三巻は永遠にお蔵入り？
音羽 ７ おお！！サービス♪サービス♪良いね〜♪　
スズキ

安井雄一

 吉本 ３ 永遠にこの調子、というわけですか。
久遠 ３ そういやあ、郷ひろみ、みたぞ。
音羽 １ やれやれ・・・あいかわらずな内容だな〜。　
よしえサン

須賀原洋行

 吉本 １ 家族旅行がネタになるなんて、美味しい商売してますなぁ。
久遠 ０ っつーか、はやく死ね。
音羽 １ 骨董品の刀・・・欲しいな・・・　
犬神

外薗昌也

 吉本 ４ オハナシ動いてますなぁ。
久遠 ６ やはり、細胞と同化するんだね。ますます寄生・・・
音羽 ５ 史樹の耳が再生してるのは何故なのかな？擬態タイプの細胞が付着してて、融合してるのかな？ちょっと面白そうになっくてるかな？　
ディスコミュニケーション

植芝理一

 吉本 ７ やはり京極ですか。この人の悪いところはモノゴトに影響されやすいこと。だが本編のオハナシには影響なし。此処まで後ろになるとやや不安になるが、オハナシはとても良い。
久遠 ８ そういやあ、俺様ちゃんもこのところ過眠症の気が有るなあ。眠たくて眠たくて仕方がない。
音羽 ７ キツネのお面・・・まだ返してもらってないんだな・・・あのお面て何か意味があるんだっけ？　
仮面天使

若菜将平

 吉本 ３ ポリシーのある反抗は良くて、「蠅の王」的反抗はダメだというのですか。どこに線引きが可能なのですか。この話で作品全体が重大な矛盾を抱えてしまった。秩序、というものに対して。まぁ、最初からこうした秩序に対してアナーキーな態度をとることで、この作品は成り立っていたわけであるが、それにしてもちょっと無自覚にすぎるのではないかね？と思ってしまう。慎重にやれよなぁ。
久遠 ４ はあ、とっとと卒業して終わりにすべきだよ。
音羽 ３ 何時もとはちょっと違う感じのお話だね。ただ、話が唐突すぎるし、うまくまとまってないんじゃない気がするな。　
BLAME!

弐瓶勉

 吉本 ７ なるほど。タダでは死なないということですか。自らの「機能」を取り戻したキリイの姿もかっこいい。テンションは上がりっぱなし。
久遠 ７ 愛パワーとかで、急に目覚めたりするのは、ナシね？
音羽 ８ キリイの銃が変形した〜〜。カッコ良いな〜〜。　
ハトのおよめさん

ハグキ

 吉本 ２ 深みのなさがこの人の強みだったわけだが、さすがに長持ちはしなかったようで。まあ最初からゼロだもの、いつ終わっても不思議はない。
久遠 １ どんどん増長しているぞ！止めろ！
音羽 ０ 早々に打ち切るのが吉でないかと思うのだが・・・　
未知との挿入

カジノモリエ

 吉本 ８ 話題作登場。全体的にはギャグ仕立てなのだが、大切な「何か」を失ってしまう「喪失の悲しみ」（そんな大したものじゃないが）が描かれていて、ぐっとココロを掴まれる。考えてみると此処で登場する異星生命体ってのは山野一「どぶさらい劇場」に出てくる神様と同じ役目を果たしている。ていうかこの作品自体「どぶさらい劇場」に強くインスパイアされているように見受けられる。そうした「やりきれなさ」のなかに、甘酸っぱい要素をうまく「溶かしこんで」いるのは実に面白い試みだ。是非とも次回作を読んでみたいと思う。
久遠 ７ 結構好きですよ？こういうの。
音羽 ６ 面白いぞ〜。バカバカしくて良いね〜。何も考えずに読んで素直に笑えるな〜。　

＜総評＞

吉本 やはりウレ線に大幅にシフトしていくようで。四季賞の二人も見事にウレ線を狙った内容になっている。篠房はそれでも「深さ」を持っているが、大西がちょっと浅そうに見えてしまうのが残念。昔のような分厚く、そしてアヴァンギャルドなアフタヌーンは、だんだんとフェイドアウトしてしまうのだろう。仕方ないところではあるが。増刊に期待。
久遠 なんか右脇の下に異物感が有るなあと思って押してみたら、膿がぴゅるぴゅると！うひゃあ！
音羽 それなりに面白いのだが、やっぱりマンネリ気味だな〜。新風を吹き込むためにももっと新人に頑張ってもらわねばな。

＜ベスト＞

吉本 オンラインRPG、というタクい題材を取り上げながら、見事にヴァーチュアル・サイコサスペンスに仕立てている篠房六郎「空談師」にしよう。メディア論にも造詣の深い人なのであろうか？とりあえずはオンライン経験の長い人と見たが、どうか。
久遠 なるたるでしょ？いつものテンション保ってるのは？
音羽 銃の変形が気に入ったから「ＢＬＡＭＥ」にしよう。

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