コミックビーム 2000年2月号

BAMBi

カネコアツシ
吉本 ハエ女との決着をつけるバンビだが、窮地に陥ってしまう。一方「ジジイ達」のところに向かうギャバ・キングの軍隊…。終末に向かい一直線に盛り上げていっている。なにも言うことはありません。
久遠 テンション高いなあ。終わらせないため、来月から半年にわたって番外編をやるというのはどうでしょう。
音羽 バンビはどうなるのかな?次回はジジイ達の活躍か? 
敷居の住人

志村貴子
吉本 10 京都まで家出するちあきとキクチナナコ。お金がなくなり、二人でラブホに泊まることを余儀なくされる…という展開にまずはひっくり返りそうになるではないか。そして何度も繰り返される主題−アドゥレセンス独特のアンバランスさ−がここでも素晴らしき形で発揮される。ちあきも、キクチナナコも、心と体のバランスが微妙に取れていないのだ。しかもそのアンバランスさは一筋縄ではいかない。よく「カラダは大人でも…」という言説が成されるが、そのアンバランスさは単純なものではなく、非常に複雑でかつ複合的だ。それをさらっと描いてしまうところに身悶えてしまうではないか。
久遠 10 駄目だよう。こういうのが前の方に有っちゃ。他の人が可哀相だよう。ってゆうか、死んでしまいますよ?こんなのばっかり読まされては。
音羽 のんびり平和に話が続くかと思いきや、ガツンと来るね〜。 
サルぽんち

鈴木マサカズ
吉本 わかりやすいギャグ漫画。ビームに欠けていた要素なので、これはこれでいいのではなかろうか。あんまり好きじゃないが楽しめるし。
久遠 先々月のパワーは無し。停滞期?
音羽 最初はどうなるかと思ったけど、なかなか面白くなってるじゃないか。 
死霊狩り

平井/梁
吉本 舞台を韓国、すなわち作者のホームグラウンドに移し、非常に生き生きした展開になっている。前回予告された新展開がこれ?とやや拍子抜けもするが。
久遠 原画、か。見に行こうかなあ?でもその時期、死ぬほど忙しいからなあ。
音羽 次回は派手なバトルかな?単に闘うだけじゃなくて新展開とかにならないのかな? 
東京カイシャイン

タイム涼介
吉本 何が言いたいのか完全にわからなくなっている。もし天然だったら凄いものだが、それはないだろうな…。狙いすぎでは?
久遠 うーん、あんまり好みじゃ無いんだよなあ。
音羽 相変わらず訳わからんな〜。 
真・女神転生カーン

柳澤一明
吉本 決戦の前の静けさというのですか。単行本で読むべき作品ですな。
久遠 っちゅうか、ハザマって、父子家庭だろ?たしか。
音羽 単独行動をとっているデビルサマナー達は出てこないのかな?もっと女神転生らしくなって欲しいな。 
夜は千の眼を持つ

上野顕太郎
吉本 おなじみのミニマル漫画二本立て。短く終わってしまうので「あれ?」と思うが、ちゃんと16ページあるので安心。唐沢に負けるな!
久遠 まあ、箸置きとしては。
音羽 なんだかね〜。 
ボトルシップ・トルーパーズ

馬頭ちーめい
吉本 彼女の目論見が何処にあるのかが良くわかる回。少女。制服。耽美。今回はそれで一貫しているのでかなりの好印象を持った。無理にDPにつなげようとするから辛くなるのだろうな…。女子小学生万歳!
久遠 いっそのこと、ロボット(何て言うのか忘れた。バーコードファイター?)のことなんて忘れて、少女漫画を描けば?
音羽 なんだか妙な展開になりそうだな〜。旧シリーズのキャラ達は出てこないのかな? 
幽玄漫玉日記

桜玉吉
吉本 再婚なさったという話は本当ですか?…再婚したにしちゃあダークなオハナシでニヤニヤしてしまう。そうだよな、禅といっても思い込みだものな。
久遠 ほっけを頭に乗せると何でも話すって描いてあった、か・・・。っちゅうか、ファミ通の連載とゲイツちゃんは本にならないんですか?
音羽 ホント、面白すぎ。この連中がそう簡単にまるくなる訳は無いよな〜。 
おさんぽ大王

須藤真澄
吉本 あ、わかるわかる。大なべって湯が沸かないんだよな。対流しているうちになべの上部で湯が冷めちゃうんだよな。
久遠 画集、か・・・
音羽 結局、作ったのはなますだけ?料理学校に行った意味があまりないような・・・ 
てきぱきワーキン▽ラブFX

竹本泉
吉本 ナーナの意外な側面がわかるというオハナシ。最近エダルトではなく、ナーナがギャグメーカーになっているのが微笑ましい。オハナシのくだらなさやサブリミナルへの引用も実に心地よい。「『適当』です!」
久遠 これも画集、か・・・
音羽 酒乱ね〜・・・お酒は程々に・・・ 
やさしい女は何処にいる

須田信太郎
吉本 アスキーの漫画賞の受賞者の作品。かつてはバンドメンでモテモテだった男が、実家の染物屋を継ぐことを余儀なくされる。そこは完全な女性優位で、主人公はコキ使われる…という導入。「Paint it Blue」につながるような下層労働者のさまが描かれるのはよいではないですか。「下層へのまなざし」は、人間への暖かい視線を形成するのだから。絵柄のカリカチュアライズも含め今後に期待できる作品。ただちょっとラストが甘いのが気になるが…。漫画なんだから、「ダメおやじ」みたいに鋸引きにしたり、爆死させてもいいと思うぞ!
久遠 ああ、O村編集長が好きそう!でも長期連載にするより、短期できちっとした物の方が似合いそうな感じが。
音羽 面白いような面白くないような・・・ 
彼女とデート

有川祐
吉本 少しづつ変化して行くセッちゃんとノギーの心理。そして追い詰められていく八神。何がいいったって、その描きかたの独特なリズムですよ。漫画的な誇張と省略を大胆に取り入れながらも、心理描写はきわめて丁寧。繊細さと大胆さの恐るべき結婚!
久遠 静かに、何も変わらないように見せておきながら、お話が回転しているじゃないですか!うひー!
音羽 人の心は複雑なものだね〜。 
オールナイトライブ

鈴木みそ
吉本 今回は日清食品への取材。ルポ漫画ですな。
久遠 ああ、この頃食べている物は、フィレオフィッシュか、カップヌードルばっかりだなあ・・・
音羽 なんか、普通っぽくてつまらないな〜。 
テルオとマサル

市橋俊介
吉本 さりげない新連載。一見ただ下品なだけの漫画なのだが、実はすっごくヤバい作品。昔かたぎのツッパリ(出っ歯)の造形もアレだし、なによりフリチン(Free Chinpo)で日本刀を振り回す主人公が危険。しょっぱなからテンションが高すぎて怖いくらい。露悪趣味的ではあるが本人はすでに突き抜けている。危険だ!
久遠 パワーですねえ。切れたときはどうなるんだろ?
音羽 これ・・・続くのか? 
弥次喜多 in DEEP

しりあがり寿
吉本 永遠と戦う男のエピソード。弥次さん喜多さんの闖入によって、その永遠は破られる。弥次さんも喜多さんも永遠に倦みかけているというのに。下手に結末をつけると消化不良になる恐れがある。一方下手に続けるとルーティン・ワークになってしまう。「終わらせない」と編集長はいうようだが、このまま続けさせるのも考え物のように思う。作家生命が縮むぞ??
久遠 弥次喜多が終わったあと、しりあがりはどうなるんだろ?死んじゃうんじゃなかろか?
音羽 千年か〜・・・千年あれば色々できるだろうな〜。 
陽の下の恋人(上)

松本充代
吉本 主人公は女子大生。年下の少年に対する初恋を忘れることができない。郊外に引っ越し、美少年を探す主人公。そしてついにめぐりあう…。「教育実習は失望だった」ではじまる、不細工な少年少女たちへの言及はきわめて刺激的。「出来そこないの農作物」扱いだもの!いや、確かにそうなのだ。少年少女の9割9分までは、へっぽこな造形しか持たない、ただの小さな人間だ。だがほんのわずか、1%くらいではあろうが、はっとするような美少年、美少女が存在する。それはまさに奇跡であり、天の恩寵である。それに対するねちっこい描写の迫力たるや。ご本人の趣味が強烈に反映されているようだが、いかがか?ビーム掲載の作品はみな美少年をモチーフにしているし。
久遠 ああ!俺様ちゃんが姉の同級生にいじめられたのは、こういうことだったのですね?
音羽 なんだか・・・凄いな・・・どんな結末になるのかな? 
100万円!ベガスくん

肉柱ミゲル
吉本 燃えた100万円の札束から生まれたベガス君。スーパーパワーで主人公のピンチを救います。…同じキャラクタで続けた方が単行本にしやすくて良いと思うのだが?みげー君独特のわけわかんないサブキャラ(とくにフルフェイスヘルメットのお母さん)がアシッディ−でいい感じ。
久遠 あ、パンツアフロ君だ。きちんと漫画、描いていたんだね。
音羽 つまらない。 
恋の門

羽生生純
吉本 今度は恋乃が喫茶のマスターのもとへと走る。ちょっと長すぎるような気もするので、早めにけりをつけた方が良いかもしれない。「修羅場」を何度も繰り返しても、同じようじゃ飽きが来る。ただ描写なり展開の迫力は凄いの一言。
久遠 ああ、ぐはぁ。ディスコミニケーション。ってゆうか、ディアナ様のフリをしたキエル様のコスプレというのはどうでしょう。
音羽 またもやすれ違いだね。今度はどんな事態に発展するのかな?
釣れんボーイ

いましろたかし
吉本 いやあ、今回も漫画のことなんていっこも出てきません。そしてさびしくなってしまうヒマシロの描写が!!爆笑必定のナイス漫画。早く単行本が読みたいのですが。
久遠 ああ、こういうダメ人間になりたい。
音羽 釣りのまんがっぽくないよな〜。 
回游魚

高木律
吉本 静謐な画面で見せるタイプの作品。オハナシはあってなきが如し。ただ今回のビームに載せるのはちょっと、という感じのような気がする。三好銀とかと一緒なら良かったのだろうが。絵はとてもいいので、「敷居の住人」のようにオハナシに気を配ると伸びるのではなかろうか。
久遠 きっちり、というか、がっちりつくってありますねえ。白いけど、それが言い効果になっているというか何て言うか。
音羽 レトロな感じのデザインが良いね〜。もっと長いのが読みたいな〜。 
かねひらだもの

金平守人
吉本 「だもの」になってからテンション上がってませんか?変なパロディよりこういう傾向の方が良いように思う。
久遠 どっかの書店の1月発売の本リストに「かねひらけだもの」と有りました。なんか納得するなあ、この誤植。
音羽 イマイチだね〜。 

<総評>

吉本 新しい試みと連載陣の踏ん張り。この両者が高いレベルで合一している。どうしてここまでレベルが高いのか?それは編集の熱意と漫画化の才能、技術がうまくぶつかりあっているからであろう。漫画に対する愛がひしひしと感じられる誌面には頭が下がる。
久遠 テンション高いよう。こんなん続けられたら死んじゃうよう。ってゆうか、漫画も良いけど、蠢動の広告が面白過ぎ。
音羽 なんだかいろいろ考えてしまいそうな小難しいものが増えてる気がするな〜。もっと、単純に読めて、楽しめる物を増やして欲しいな〜。

<ベスト>

吉本 普通だったら当然「敷居の住人」。だがここはあえて園山二美「蠢動」の広告にしよう。いつまでたっても作品を描きやがらねえ園山に対して編集長・O村が業を煮やしているさまが描かれているのだが、それがいろんなレベルで読者の心を打つのだ。とにかくいい漫画で勝負するという、O村の姿勢がひしひしと感じられるのだ。これはどの雑誌でもいえることではないか?過去の遺産にあぐらをかくのではなく、現代的な漫画を載せてゆくことが必要なのではないか?
久遠 敷居を選ばずして何を選べと?
音羽 「幽玄漫玉日記」かな〜。

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