コミックビーム 2000年4月号
橋無醫院 林光默 |
吉本 | 7 | もとが左綴じのために本を逆にして読ませる。ハングルの擬音にはルビを振って対応。まずは作品そのものを損なわずに伝えようという姿勢が良いではないですか。漫画自体は正体不明の主人公と登場人物、特定不明の場所と、漫画的手法とオルタナティブな方法を上手く組み合わせている。漫画の文法自体がやや日本漫画と異なるので視線移動がたどたどしくなるところはあるが、松本大洋『鉄コン筋クリート』のような絵の良さを持っている。今後に大きく期待。 |
久遠 | 6 | 乱丁かと思いました。ってゆうか、オノマトペまでがハングルなのはどうか? | |
音羽 | 3 | う〜む・・・読みづらいな・・・内容もイマイチだし。ギャンブルに走りすぎたのでは? | |
東京カイシャイン タイム涼介 |
吉本 | 4 | 一貫した筋、起承転結、デッサンといった「漫画のセオリー」をいちいちぶっ飛ばしているところは共感するのだが、ちょっと解体しすぎのような気もする。反社会性は強いのでO村は好きなのだろうな…。 |
久遠 | 5 | 伊集院のラジオで同じようなネタをやっていたね。 | |
音羽 | 3 | DVD-ROMではなくてRAMなのだね・・・書き換え自由ってこと? | |
砂ぼうず うすね正俊 |
吉本 | 7 | 知恵を絞って強力な索敵を破るのは面白い。砂ぼのしたたかさは読者に訴えるところ。そして絶体絶命のピンチ。漫画としても面白く出来あがっている。 |
久遠 | 7 | をを!今回でおわらすかと思ったけど、まだ続くんだね。 | |
音羽 | 7 | 次回は砂ぼうずの逆襲だね?巣ないパーライフルも転がってるし、簡単には終わらせずにネチネチと責めるのかな?楽しみだな〜。 | |
敷居の住人 志村貴子 |
吉本 | 10 | 弄ぶ、ですか。それは志村さん、あなたではないのですか?ていうか、この作品の魅力とは、さまざまな思惑を持った男たち、女たちに、可愛くない(外見は可愛い)ちあきが玩弄されるところにあると思う。我々は志村貴子の共犯者として可愛い少年(内面は可愛くない)を玩弄しているのだ!!へっへっへ。 |
久遠 | 10 | 俺様ちゃんを殺す気ですね?いや、わかっているんだ。以前のカラオケボックスは伏線だったんですね? | |
音羽 | 7 | おお・・・なんだか良い感じだな〜。そろそろ一息ぬけた話が混じるころかな? | |
てきぱきワーキン▽ラブ 竹本泉 |
吉本 | 7 | 最近の竹本先生は鬼気迫るものをもっている。絵でもってキャラクタの心情や状況を即物的に示す。それがあまりにも「そのまんま」であるために、読者である我々は呆気にとられる。そして絶句。素晴らしい。 |
久遠 | 7 | このごろやけにテンション高いんですけど?なにかあったんですか? | |
音羽 | 5 | 地面が好きってのと高いとこが嫌いってのは同値ではない気がするが・・・ | |
サルぽんち 鈴木マサカズ |
吉本 | 7 | 最初は単なるギャグだと思っていたのだがとんでもない。自らの道を見つけ出そうと旅立つ二匹。実は最初から予定されていたであろう青春ドラマへの志向。ふむ!マジになりすぎることなく、あるいはギャグに堕しすぎることなく、バランスを取りながら進めていくと凄い作品になるだろう。テーマは直球、方法は変化球。頑張って欲しいもの。 |
久遠 | 5 | ギャグ担当じゃなかったの? | |
音羽 | 6 | バカな絵柄のわりにはしっかり読めるし、笑えもするよな〜。いがいに凄いのか? | |
死霊狩り 平井/梁 |
吉本 | 6 | 一話完結式もいいのだが(テンション高いから)、オハナシの核心に至る方向も忘れて欲しくないもの。連載は長ければ良いというものではないはず。コンパクトにまとめて次回作を狙う方向もありだと思う。 |
久遠 | 7 | 好きなグラップラーは、花山薫です。 | |
音羽 | 6 | 少しずつ謎は解明されていくのかな?ただ戦ってるだけだとそのうち飽きるからね〜。 | |
幽玄漫玉日記 桜玉吉 |
吉本 | 6 | ヒロポンの新居のデコレートをする玉吉&O村。しかし実は…。諸行無常、という言葉を想起する痛い展開。引越しがきっかけのO村との衝突だっただけにヒヤリとしたが、すっかりもとの関係に収まったようで。 |
久遠 | 9 | カラーは、再録?っていうか、精神衛生上ヤバ過ぎ? | |
音羽 | 8 | どこが高級マンションなんだか・・・それにしても・・・あまりにも面白すぎる・・・ホントに実話か? | |
幽玄おさんぽ大王 須藤真澄 |
吉本 | 5 | 今回はマザー牧場。とりたててピンとくるものがないような。 |
久遠 | 6 | 実家の馬鹿わんこが可愛すぎです。抜け毛が激しいことを除けば。 | |
音羽 | 4 | しっかりとオチがあるあたり、さすがと言うべきなのかも・・・ | |
真・女神転生カーン 柳澤一明 |
吉本 | 6 | ハザマとの戦いが最終局面に達する。火の剣がどういう逆転を生み出すのか?そしてどれだけ痛い展開になるのか?妥協なく存分にやって欲しいところ。 |
久遠 | 4 | なんか展開がさっぱりなんスけど。ユミの転生はどうなったの? | |
音羽 | 5 | ヒノカグツチの威力はどんなものなのかな?これで少しは女神転生らしくなるかな? | |
オールナイトライブ 鈴木みそ |
吉本 | 8 | 今回はビームの編集の紹介。ビームの良さは編集のカラーがきわめてはっきり出ているところだが、それを漫画という形で直接紹介しているのは実に興味深い。読者と作家、編集との一体感も醸成されるであろう。久しぶりにヒット。 |
久遠 | 7 | O村、漢だなあ・・・ | |
音羽 | 4 | ネタに困ってこれってとこかな?編集に頼りっきりって感じ?ま、読んでて面白かったからいいか。 | |
弥次喜多 in DEEP しりあがり寿 |
吉本 | 6 | 方法論がわかってきたのでちょっとダレているかな、といった感じ。終わらせるべきでしょうな。 |
久遠 | 8 | 海と大地の間にあるんですか? | |
音羽 | 5 | あぶくの尽きるときが魂の尽きるときってことだよね?ってことは、早くしないとどんどん魂が磨り減っていくのかな? | |
BAMBi カネコアツシ |
吉本 | 7 | 明かされる「ジジイ達」と三つ子、チャーリーの関係。最後の戦いが盛りあがる中、映画撮影のため次号は休載ですか。監督はだれ? |
久遠 | 8 | 次号お休みなの?いい感じに盛り上がっているのに! | |
音羽 | 5 | ジジイ達の正体は良いとして、ガキとキングは何なのかな? | |
恋の門 羽生生純 |
吉本 | 6 | 明かされる毬藻田の過去、詰問する門。サブルーチン的なオハナシだが、この作品の間口を広げるという目的は果たされていると思う。 |
久遠 | 7 | ・・・マンガ喫茶にでも行くかあ・・・ | |
音羽 | 6 | なんだか濃すぎて、最近もたれ気味って感じてきたな〜。単行本で読んだら凄そうだしな。 | |
テルオとマサル
市橋俊介 |
吉本 | 9 | いやあ先月はテルオとマサルを取り違えていてすいませんでした。背中にでっかく「輝男」って描いてあるので今度は間違えません。って誰に言ってるやら?私?今月もすっ飛び具合が最高。恐ろしげなるチヰマアを問答無用でたいらげるマサルの迫力ときたら。ふくよかで一見「ダミ」に見えるのだが、ためらいなく発砲するのだから素晴らしい。そしてメガネで表情が見えないのが素晴らしさを倍化する。単行本を家宝にしたくなる作品。是非とも単行本になるくらいの連載を。 |
久遠 | 8 | ヤバ過ぎ。ほんとにヤバ過ぎ。 | |
音羽 | 1 | オチがあれじゃ〜ね〜。もう少しなんとかしてくれなきゃ。 | |
やさしい女は何処にいる 須田信太郎 |
吉本 | 7 | いつものハイテンションの展開かと思えば、ラスト3ページでしんみり〆てくれる。これは随分とグッと来るじゃあないですか。妄想は現実に対し低いランクに置かれがちだが、実は妄想があってこそ人間は生きることができる。そんなことを考えさせられた。 |
久遠 | 7 | bjの増刊は、勝手にネームを変えるから、気をつけたほうがいいよ。 | |
音羽 | 5 | 孤独だね〜。 | |
彼女とデート 有川祐 |
吉本 | 8 | 「おにいちゃん」のところから八神を救い出す摂津と朱堂。無事救い出せて終わりか、と思いきや、もう一話あるというのだから侮れない。痛い、痛ーい展開を、さらりと描き出しているのだから本当に凄い。単行本でまとめて読まれなければならない? |
久遠 | 7 | いきなり10年後とかそういうのは無しね。あ、でも、反町君が出てくるのは可。 | |
音羽 | 7 | いがいとあっさりと終わったな〜。 | |
夜は千の眼を持つ 上野顕太郎 |
吉本 | 6 | 面白いんだけれど、今回はちょっと悪い方向に期待を外された感じ。ズドバーン配下の悪人のミニマル漫画になると思ったんだけれど。 |
久遠 | 5 | このごろよくモーニングに載りますね。 | |
音羽 | 2 | 相変わらず意味不明・・・ | |
釣れんボーイ いましろたかし |
吉本 | 9 | 奥さんが出展するフャッションショーにオワイを持って乱入しようと企てるヒマシロ。一方マッサージの女医への恋心は消えない…。現代におけるダウナー系人食い漫画の頂点(二位はつげ忠男)。 |
久遠 | 9 | とほほ。俺様ちゃん、絶対にこういうダメ人間になります。 | |
音羽 | 3 | 小市民っぷりがすごいよな・・・ | |
ボラ魂 金平守人 |
吉本 | 8 | うむ!金平が実は抱えている内面の狂気が存分に発揮されていて(しかもそれがコントロールされていて)素晴らしい。玉吉が「いい」時と同じレベルの面白さ。ぞんざい極まりなく描かれている猫系の彼女もイイ感じ。この調子でお願いしますわ。 |
久遠 | 8 | ボランティア同好会に入った友人に似たようなことを言ったら、絶交されました。 | |
音羽 | 5 | セールスマンなのはいいが、何を売ったのだ?不幸かな? |
<総評>
吉本 | 新鋭鈴木マサカズと須田、何より市橋が素晴らしい働きをしている。さすがに見る目のある編集。いい新人を登用するものだ。また今回は鈴木みそや金平も良かった。漫画に対する愛がイヤというほど漂ってくる誌面作りには限りなく共感するところ。ついていきますぜ! |
久遠 | テンション高すぎ。これもアスキーからの独立の効果?むひょー。 |
音羽 | チャレンジ精神がありすぎるような気が・・・挑戦はいいことだとは思うが、限度というものがあるのではないかと思ってしまうぞ。 |
<ベスト>
吉本 | 『敷居の住人』や『釣れんボーイ』はすでに「永世ベスト」の領域に達している。そこで今回は『テルオとマサル』にしよう。現代におけるピカレスク・ロマンとはこういう形で現れるのだ!いやマジで。 |
久遠 | 敷居の住人禁止令が施行されました。ゆえに、漫玉。 |
音羽 | 「敷居の住人」だね〜。程よい重さって感じで、良いね。 |
Last-Update: Thursday, 13-Nov-2014 09:15:54 JST