コミックビーム98年11月号

    吉本松明 久遠永遠 音羽平八
真・女神転生カーン

柳澤一昭

悪魔が出現しないという「聖域」に向かうノブ。そこで彼は昔の知り合いのトキに出会う。 きわめて久しぶりの復活。その分オハナシは分からないが、線の流暢さは変わってはいない。 おや、懐かしいね。でもなあ、これがあんなの代わりだと考えるとなあ。 休載前までのあらすじが書いてあるのが良いね。
てきぱきワーキン▽ラブFX

竹本泉

無事迷子さがしの仕事を終えたヒカル。がその後から謎の注目を浴びるようになり、また謎の視線を感じるようになる。じーく菜にも襲われるようになる始末… くだらないのは相変わらずなんだが、先月に比べるとやや弱いような。安定した作品ではある。 ヒカルの回は弱いなあ。エダルトの回に比べるとなあ。毎回エダルトの回にすればいいのにってそれじゃあおもしろみが欠けるかな。 鏡を見れば後ろにいるって事に気づかないかな〜。風呂に入った後とかに鏡みて髪とかさないのかな?
電波オデッセイ

永野のりこ

卒業を控え、進路の選択を迫られる原。親に見放された原はどうしてよいか分からない。幼児期の自分を思い出す原。オデッセイは優しく囁く。まだ向き合わないほうがいい、と。 やや安心感のある展開が続いたがため、今回のオハナシは辛い。今後もさらに辛くなりそう。さあ、そろそろクライマックス。 うわー、つらい。つらいっすよお。こんなに辛いのは久しぶりだよオ。庵野次にアニメ化しないかなあ。 う〜ん・・・おちゃらけてる割には痛い所をついてくるな〜
敷居の住人

志村貴子

ゲームが上手なキクチナナコは、自分を負かしたちあきの先生のことをずっと好きだった。ところが先生は「彼女?いるよ」とそっけない。ダメージを受けるナナコ。 いやあ、ストーリーの本筋からは離れているのだが、女の子のそこはかとない心の動きがビビッドに感じられてよい。爆発的に面白くはないが… 創造するのは難しいと言うことか。何事も壊すことは簡単なのにね。 好きな人に探りを入れて玉砕するのも、好きな人が目の前で玉砕してるのを見るのも・・・・痛いよな・・・今後の展開はどうなるのかな?もう少しこの話題で引っ張って行って欲しいな〜。
PLANET7

竹谷州史

半蔵丸とO次郎の戦いに介入するおでん。突然のおでんの出現に動揺したO次郎は敗れる。しかし書記官は新たな動きを告げる。直接国王が動き出したというのだ。 やや絵が荒れているように感じられるものの、真っ黒なトーンを使わない画面は心地好い。覚悟のすわったおでんの態度も好もしく感じる。7.5 パワー十分。だが、だがしかあしっ、絵が荒れてるじゃないか。 格闘場面の絵が荒れてるな〜。話の展開も急ぎすぎてるような気がするな〜。おでんの成長をもっとじっくりと描いてもよかったんじゃないかな?
BREAK-AGE

馬頭ちーめい

必殺の一撃を放ったものの、クリムゾンは健在だった。武器を使い果たし、次第に追いつめられてゆくベンケイ。しかし桐生には最後の策があった。 要は彩理をめぐる都合のいい三角関係。そうした女性的テーマとハードなロボットアクションものを節合しようという試みは理解できるが、どちらも中途半端なような。腹をくくる必要があろう。 最後にさ、ヤマトみたいに「最終回まで後○回」っていれればいいのに。 なんでクリムゾンだけ生き残ったんだ?ちょっと無理が有りすぎるような気がするよな・・・
死霊狩り

平井和正/梁慶一

ジャングルでの試練をくぐり抜けた俊夫たち。しかし行き着いた先にはさらに厳しい訓練が待っていた。対拷問訓練を受ける俊夫… オハナシが過剰なのは半島の魂か。もう少し先を見せてもいいような気がするが。 漫画が難しいって思うのは、今回もおなごの乳首があるからだよ。 相変わらず、凄い迫力だな〜。ところで、ロボットや俊夫の武器ってレーザーなのかな?レーザーだったら血も出ないし、レンズが割れたりしないはずだが・・・
オールナイトライブ

鈴木みそ

今回は床屋の話から始まる。なぜ床屋は0.1ミリにこだわるのか?細かいことにこだわるとはどういうことか? 知らない知識が手に入るのはいいが、それ以上のものではないような…レベル的にはいつもと変わらない。 彼は、これを面白いと思って描いているのだろうか。どうなのだろう。 何事もこだわり始めるとキリがないよな〜。
弥次喜多inDEEP

しりあがり寿

三拝山のいけにえに捧げられるという娘、幸を山まで運ぶ弥次喜多。が、途中で足を滑らせ、幸は死んでしまう。つい死姦してしまう弥次さんだが、山に充満する毒ガスのせいか、幸はむくりと起き上がる… またも生死の境を越えようとするか。一話完結のオハナシが続いた分だけ期待は募る。山に積み上がる粗大ゴミ、というアイコンも意味深く、読みの余地がある。 ヤジさんって、ホモじゃなかったっけ?それとも、ならやたかしだったのか? ネクロフィリアか・・・ディープだな・・・・
幽玄漫玉日記

桜玉吉

原宿出店計画が頓挫し失意の玉吉。そんなときヒロポンから誘いが。復活した「あの」ロンドンナイトに行こうというのだ。 ツバキハウス。私は憧れてました。30歳以上を信じるな!とか。こうゆうのも懐かしいネタなんですねぇ。 どうでもよくなってんなあ。でも、アフタヌーンでの連載が拡大したりして、頑張っているじゃないか。は、まさか、アスキーもいい加減やばいのか? 何故にあの格好が正装なのだか・・・
ユウジローのブライダルキック

ユウジロー

……… だんだん吉田戦車とは違った独自の「味」をもってきたようで。戦車の「ずらし方」が日常に依拠しているとすれば、ユウジローの「ずらし方」は日常を超越しようというものだ。今回は面白い。 ・・・大変なんだね。 浮き輪の空気抜くと良いことでもあるのか?
おさんぽ大王

須藤真澄

「みんなはおちゃけとなかよくしすぎてぱとかーにのったことはあるかな?」今回は澤乃井の蔵元を訪ねます。 お酒大好きなのはばずび先生ファンにとっては周知の事実。もうちょい弾けて欲しいのだが… 振り袖いちまをビームで再開するというのはどうでしょう。 お酒は飲むもので飲まれちゃいかんよな〜
ウルトラヘヴン

小池桂一

宇宙生命体は強力な磁場を張ってシャトルの侵入を阻む。ところがその電磁パルスには一定のパターンがあることがわかる。強力なドラッグを使って一体化しようと試みるパイロット。 やや古いように感じられるものの、絵の魅力は相変わらず。イマジネーションの羽ばたきも強く感じられ、酔わせる。 確かに、トリップするわ、この漫画。クるね、脳に。 う〜ん・・・設定に無理が有りすぎるかもな・・・機械の技術レベルの割にコンピュータやサイバースペースが進化してない気がするな〜。
魔術っ子! 海堂くん!!

すがわらくにゆき

ついにアニメ宗教を作ってしまった海堂くん。 …って、秋の新作アニメの名前を連呼してるだけじゃん、などと言っているようでは甘い。今のアニメには人をひきつける強さがある。 ウェイBって、終わったじゃない。あと、ガウルとか、イートマンとか守護月天とかは? バブルガムクライシス・・・いい感じだぞ・・・この秋おすすめのアニメなのだが・・・
砂ぼうず

うすね正俊

遭難者を助けようとする砂ぼうずだが、それは奴隷として売り飛ばすためだった。ところが戻ってみたら体格のいい男が一緒に倒れている。男は言う。「弱いものや貧しいものを見捨てられないだろう」と。 うむ。きちんと構築された「世界」を使ってうまく今の世界の矛盾と可能性を示している。一見ギャグだが含蓄は深い。「人材売買まつり」だもの。 砂ぼはやっぱこう卑劣で、下衆でなくちゃあ。いいね、最近までおとなしかったから、こうでなくちゃあね。 相変わらずセコくてガメついよな〜。
秋のマンガ祭

高野聖ーナ

東京都北区に住むトーマス・エジソン(本人・町の発明おじさん)と、カフカの「変身」がモチーフですよ。ええ。 全体的には普通のギャグマンガ。オチは鋭い。 あれ?今回はガンジー物なし? 何故、砂糖水なのだ?果物でもよいではないか・・・
BAMBi

カネコアツシ

プラチナ・マスクの回想。足の不自由な少女を養女にし、精巧な義足を与えるプラチナ・マスク。しかしかれの体は衰えてゆくし、養女のほうも不満を次第に募らせて行く。現実世界では、不死身のプラチナ・マスクに次第にバンビは追いつめられてゆく。 上手い、上手い表現だ。絵柄によって非常に上手に感情が描かれている。やや展開は遅いが読める。 むむむ、次の敵には加速装置が付いているんだよ。 機械の体なら、脳内麻薬とかをコントロールして、正常な意識を保っていられないのかな?
恋の門

羽生生純

恋乃に同人誌即売会に誘われる門。恋乃は門を「彼氏」と紹介する。そこに現れるアンシーのかっこうをした佐良。彼女は門をストーキングしてすべての情報を入手していた… 佐良の暗闇が読み手を襲う。ああ、かくも人の世界はおしまいにきているのか。マット・ジョンソンの歌が思い出される。…それでも人は生きねばならないのだが。 今回は、コミックマスターJを思い出しました。あの、宇宙人の回の。「それは貴方の真実であって」っていうやつ。これも、目の離せない連載だね。 ストーカー恐るべし・・・でも、現実ではああいったタイプのストーカーってあまり聞かないよな〜。
フィギッシュ

大越孝太郎

売れっ子原型師のガイ。彼のフィギュアが売れる秘訣は、女を抱いたその指で原型を作るからであった。人気は高いが敵も多いガイ。ある日、彼のもとに、奇怪なねじ曲がったマスクが送られてくる… ガロ滅亡後はビームに活路を見いだしたか。女性のからだのラインの美しさは流石。ネタもビーム読者向けにしてあり工夫が感じられる。 はやてのようにーザブングルーザブングルー。何故に今頃?それにしても、O村が喜びそうだね。 良いではないか〜。感情の描写が凄く良いね〜。人の心の裏の醜さが良く描けてるし、構成が良いためストーリーの背景が解りやすいな。次回が楽しみだね♪
ジ・ガレガレ

堀池さだひろ

墓参りをする初老の男。彼は潜水艇事故で海に消えた3人の友人の墓参りに来ていたのだ。「私の夢にでてくる彼らは、いつまでも若い…」 うむ。よし。上手いこと路線変更に成功しており、「よい時間」の流れる漫画になっている。Forever YoungにMy Back Pagesを思い出す。ディラン、ディラン!7.5 遠い未来の話だったのかっ。じゃあなんで、みんな銀色のスーツ来たり、ボタン一つで料理が出来たり、町中にチューブ状の道路が走ってたりしないんだアッ。 あの墓の主にはあんな話があったのか〜。単にガレガレ達の昼寝の場所じゃなかったんだな〜。
ロンリネス

東京ローカル/仲能健児

本田は宇宙人の技術を使おうと野心を抱く。宇宙人を呼び出した本田は、動物を人間に変えるように要求する。 ヒデヨシ…もっとオハナシを進めるべきではないか? ヒ、ヒデヨシ?アタゴオル?なんか懐かしいな。 宇宙人の装備を盗んでも、仲間が来てすぐに取り返すんじゃなかったっけな?
釣れんボーイ

いましろたかし

鮎の友釣りシーズンの終了とともに、わかさぎ釣りに精を出すヒマシロ。原稿は小人が描いてくれる。 あーあ。こんなに後ろに。凄く好きなんだけどなぁ。手を抜くところは徹底的に抜く。既存の漫画の文法に従わない。タマラヌではないですか。ビーム読者には徹底的にウケないのは分かるのだが… こわい。無性に怖い。おまけのページが、怖い。だいらんど並に怖い。 こびとまで出てきたか・・・なんだかな〜・・・
タイトルをさがせ!

上野顕太郎

次号から始まる漫画の予告編。タイトルを探して冒険します。 …予告編じゃあねぇ。評価不能 映像と内容は関係ありませんってやつか?まあ、次回に期待は膨らませてくれる。 これは・・・新連載に期待していいのかな?4
NHK

金平守人

「ナチュラル・ハイ・金平劇場」の略。「おかあさんといっしょ」「ひとりでできないもん」「はたらかないおじさん」の3本立てだよ。 …あいも変わらずくだらないことを…「ひとりでできないもん」が特に秀逸。もっともっと馬鹿を、馬鹿を!!祝・単行本化!! コミックスになるのか。じゃ、じゃあ、花と小箱は?結構好きだったんだけどなあ。 良い感じだね〜。思わず爆笑してしまったよ。7

<総評>

●吉本 今回は非常にそれぞれの漫画のレベルが高く、読み応えがあった。満腹満腹。ガロ出身の作家を上手く生かしているのも興味深い。ビームにこれほど合うとはね。次号もこの調子ならよいだろう。元気ある雑誌。
●久遠 点数は軒並み高いのだが、俺様ちゃんの中に何か違う感が多く内包されているでおじゃるよ。うーん、なんつーかなー微妙にずれているって言うか、方向性がずれてきているというか。
●音羽 うむ!良い感じではないか!どの作品も元気があってよいな!あとは、ロンリネスとブライダルキックを切って、スペオぺと軽めの4コマに差し替えれば問題なしだな♪

<ベスト>

●吉本 「恋の門」もまったく捨てがたいところだが、「人材(人身ではない)売買まつり」のほのぼの感がタマラヌ「砂ぼうず」にしよう。
●久遠 恋の門にするか、ウルトラヘヴンか。どうするかねえ。
●音羽 フィギッシュ・・・と言いたいところだが、元ネタからしてキてる「NHK」にしよう。

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