コミックビーム98年12月号
幽玄漫玉日記 桜玉吉 |
吉本 | 8 | 扉絵は爆笑。80年代のテイストが溢れまくっていてノスタルジアの感涙にむせる。ちょっと私は遅れてきてしまったのだが。わかんない若者はついてこないでもよろしい、という潔い態度にも惹かれる。そう、ノスタルジアは重要だ!! |
久遠 | 8 | オチは読めていたが、この不可思議なパワーは凄いなあ。沖雅也ですか? | |
音羽 | 6 | やっぱテクノっていったらYMOだよな〜。最近のはあまり好きじゃないな〜。 | |
おさんぽ大王 須藤真澄 |
吉本 | 4 | もっとファンタジイを!もっと異世界を!普通のエッセイ漫画では惜しすぎる!! |
久遠 | 5 | いえー、ナナカド町GETだぜー。これで須藤漫画はおさんぽ大王以外コンプリートだぜー。 | |
音羽 | 4 | ステキなものが作れるかどうかは煩悩のあるなしよりセンスのもんだいじゃないかな? | |
真・女神転生 柳澤一昭 |
吉本 | 6 | 私自身が「女神転生」をまったく知らないのでちょっとついていけない部分があるが、盛り上がっているのは分かる。線が洗練されているのはよい。 |
久遠 | 5 | 合体で作ったのじゃないアンリ・マンユなんて邪道だっ。故にユミ編のアンリ・マンユは邪道。アキラ編のみ可。 | |
音羽 | 5 | ハザマの目的って何なのかな?大きな流れがちょっと見えづらいかな〜。 | |
PLANET7 竹谷州史 |
吉本 | 8 | 強力な絵柄の力は相変わらず。加えて「自分らしく生きるとは何か?」「正直に生きるとは何か?」という骨太のテーマが感じられ引き込まれる。おでんの愛らしさがそれを強化している。 |
久遠 | 9 | 絵が荒れているなんていうことは、とても些細な問題です。このパワー。のっているねえ。 | |
音羽 | 4 | 早くも話が大げさになってきたな〜。なんか筋がきちっと通って無いように感じられるな〜。 | |
電波オデッセイ 永野のりこ |
吉本 | 7.5 | 絶望に捕まらないようにするにはまずは走る、と。徹底的に走る、と。…逃げ道のない辛い方法だ!だがそれも勝負だ。絶望を追い抜け、と語るのりこ先生の筆はじわりと心を動かす。 |
久遠 | 8 | うおー。閉塞した所に閉じこめられているねえ。決して一人では抜けられないんだよねえ。求む、救い。 | |
音羽 | 8 | 自らの影を振り払うように走る原と自らの影に取り込まれてしまう野川の対比がいいね〜。目が離せなくなってきたな〜。 | |
てきぱきワーキン▽ラブFX 竹本泉 |
吉本 | 5 | …ちょっと「腑抜け度」が足りないなぁ。 |
久遠 | 6 | ナオミの回か。2回に1回はエダルトの回というのはどうでしょう。 | |
音羽 | 5 | 適度な運動は健康にいいよね♪寝すぎてだるいときとかちょっと運動すると元気になるしね〜。 | |
ユウジローのブライダルキック ユウジロー |
吉本 | 4 | 自分の表現様式は確立してきたようで。ただ今回はやや一般性に欠け、面白みは少ない。もっと外に開いた表現を目指すべきでは。 |
久遠 | 4 | いつまでたってもものすごく出来の悪い吉田戦車の域を出られないねえ。 | |
音羽 | 1 | つまらない・・・。 | |
敷居の住人 志村貴子 |
吉本 | 8 | キクチナナコの登場で一気にオハナシが締まっている。ちあきのまわりの女の子たちの思惑が暴走しているところが実に興味深い。きっと作者も楽しんで描いているのだろうなぁ。それでいてオハナシの本道を外さないところも良い。 |
久遠 | 8 | 展開相変わらず遅いけど、面白い。それにしても、この間、男3人で喫茶店に行ってフルーツパフェとプリンアラモードとホットケーキを頼んだときのウエイトレスは見ていて楽しかったです。 | |
音羽 | 7 | 「友達になって」・・・なんか不思議な響きがあるな〜。友達ってお願いしてなってもらうものじゃないしね〜。ま、自分をうまく表現しきれない2人にはちょうどいい言葉かもね。 | |
エンゼルの計画 榧野友博 |
吉本 | 4 | 絵は完成されているが、オハナシはやや舌足らずで、御都合主義的にすぎる。数少ないビーム出身の新人として伸びてくれると嬉しいのだが。オハナシが課題であろう。 |
久遠 | 6 | どっかで見たことのあるよな絵と、お約束な展開はまあ、脇に置いておいて、新人でここまで描ければいいのではないか。ブレイクエイジの20倍くらいいいし。 | |
音羽 | 4 | 途中でオチが見え見えだよな〜。もうちょっと考えて欲しかったかな。 | |
魔術っ子! 海堂くん!! すがわらくにゆき |
吉本 | 7 | 流石に愛する題材についてはノリが良い。それにしても歳くったアニメファンの考えることってどうしてこう似通っているのだろう。あ、私もその一人だ! |
久遠 | 7 | 全国のアニメ者の気持ちを代弁したね。フジに対する。 | |
音羽 | 4 | ポケモンのまねってかえって難しいんじゃないかな〜? | |
死霊狩り 平井和正/梁慶一 |
吉本 | 7 | 韓国では決してできないようなネタを嬉々としてやっているのがひしひしと分かる。ややちぐはぐな表現はあるが、仕方のないところであろう。絵の力は凄い。 |
久遠 | 7 | もう一人いた女はどうなったんですか?少し前から思っていたんですが、ビームも人気回復のためにエロ解禁ですか? | |
音羽 | 7 | どんなに心を閉ざして冷酷になっても、ささやかな優しさや暖かさがあるとその場に引き寄せられて行ってしまうよね。 | |
BAMBi カネコアツシ |
吉本 | 6 | プラチナ・マスクの心象表現は強い迫力があるが、流石に4回連続同じようなモチーフだとやや飽きが来るような…。 |
久遠 | 7 | 面白いんだけど、そろそろマンネリ感が強くなってきました。 | |
音羽 | 7 | 自分の居場所がなっくなったプラチナマスクは戦いの中に自分の死に場所を見つけようとしてるようにも見えるな〜。 | |
夜は千の眼を持つ 上野顕太郎 |
吉本 | 6 | ああ、藤本卓也。情念のこもったうたは他の追随を許さない…って違うか。ミニマル漫画という新たな境地を開きつつあるところが実に面白い。 |
久遠 | 5 | いっぱしそう来ましたね。手間かかってるぶん、絵に力が入ってませんね。 | |
音羽 | 3 | で・・・結局、何なんだ? | |
恋の門 羽生生純 |
吉本 | 9 | どこまでもすれ違う思惑は微笑ましくもある。が、そこに馬鹿がつくほど正直な門の行動は、われわれの日常の生がいかに不誠実なものであるかを逆照射する。われわれは真摯に生きているのか?のんべんだらりと生きてはいないか? |
久遠 | 8 | ぐほー、エゴとエゴのぶつかり合い。こわいなあ。すごいなあ。でも、単行本出てもコムナビじゃあ点数低いんだろうなあ。 | |
音羽 | 8 | 笑顔は心の闇や不安を隠すための仮面か・・・。それにしても、金も無いのにどうやって旅に出るんだ? | |
砂ぼうず うすね正俊 |
吉本 | 8 | きちんと楽しませてくれるその上に、現在における正義とは何か、とか、力とは何かという深い問いを提示している。なかなかあなどれん作品へと変わりつつある。 |
久遠 | 7 | このところ卑劣さが増強されていい感じ。やっぱりこうでなくちゃねえ。 | |
音羽 | 7 | 格闘術が一般に知れ渡ってないとは・・・確かに銃器の方が手軽だが、拳は最後の武器だぞ。周囲が砂ばかりで見通しが良いから接近する前に銃でけりがつくのかもしれないが・・・それにしても、ホモに売ってしまうあたりいかにも砂坊主らしいよな〜 | |
弥次喜多inDEEP しりあがり寿 |
吉本 | 9 | とうとう登場、しりあがりの思想を体現したようなキャラクタ。ノーライフキング?オロカメン?しりあがりには珍しい見開きがきわめて強い、こころに突き刺さるような印象を与える。頭を強く殴られたような感覚だ。 |
久遠 | 9 | 生命観。しりあがり漫画の最高傑作になりつつあるなあ。それにしても、ペットボトルに空気を詰めるというのは、ハレー彗星を思い出してしまった。 | |
音羽 | 7 | 一度死んだ者は二度と死なない・・・ただ壊れるだけ・・・ | |
ウルトラヘヴン 小池桂一 |
吉本 | 9 | あまりに、あまりに雄弁な映像世界。おそらくはアシッドだろうが、そうした世界をここまで絵に書き込むことができるのは、やはりただ者ではない。見ている方もアルタード・ステーツに旅立つことができる、まさに「読むドラッグ」。戦慄せよ。 |
久遠 | 8 | 読むと脳味噌メネメネになります。 | |
音羽 | 5 | ん?クジラの歌?スタートレック? | |
オールナイトライブ 鈴木みそ |
吉本 | 5 | 知っているネタだったので印象はやや弱い。印刷が悪いような? |
久遠 | 6 | 今回はタメになりました。 | |
音羽 | 5 | 電子ブックが出回ったら、コピーするツールも大量に出回りそうだよな〜。紙のメディアみたいに、貸し借りとか回し読みってのはどうなるのかな〜? | |
釣れんボーイ いましろたかし |
吉本 | 7 | これは面白い、おもしろいんだってば。もちろんビームに似合っていないということはあるが、背後に流れる雰囲気=肩の力を抜いた表現は他では見られないものだ。 |
久遠 | 6 | 相変わらず怖い漫画だ。俺様ちゃんもこういう大人になりたいなあ。 | |
音羽 | 3 | 一度やる気なくすとなかなか元にもどらないんだよな・・・ | |
ジ・ガレガレ 堀池さだひろ |
吉本 | 4 | ちょっと揺れ戻しが来たようで。 |
久遠 | 6 | 鮪オーケストラか。ツボにはこなかったが、いい味は出していたと思うが。 | |
音羽 | 6 | 楽器はそれ自体の出来も重要だけど、演奏する人でかなり曲の感じが変わるんだよね♪ | |
フィギッシュ 大越孝太郎 |
吉本 | 7.5 | ずいぶん後ろの方だが、人気がなかったのか。凄く面白いと思っていたのだが。ネタをビーム向けにしてあるものの、終わり方はきちんと大越風味。大ゴマの使い方も良し。是非またビームで描いて欲しいものだ。 |
久遠 | 4 | 最後の1ページがダメダメだねえ。それですべてが駄目だったように感じるから漫画って不思議だ。 | |
音羽 | 8 | オチがありきたりなサイコな終わり方じゃなくて、どこかほのぼのしてるのが良いね〜♪ | |
ロンリネス 東京ローカル/仲能健児 |
吉本 | 7 | オハナシが動いた!!そしてタイトルの真の意味が明らかに。その喪失感はあまりに切ない。 |
久遠 | 7 | ついに再び話が動くか。たまに食べるカップ麺はおいしい。 | |
音羽 | 2 | お?この展開は・・・ひょっとしてもうすぐ終わりか? | |
ときめきカップル ゆうひらゆきのり |
吉本 | 8 | うむ。少女の思い込み、いやいや、素晴らしい少女主義をきちんと押さえているところ、実に好感が持てる。最後がやや日和り気味ではあるが、この人はイズムを理解している。これからもこの調子で少女主義の実現に励んで欲しいものだ。(この項松明先生執筆) |
久遠 | 5 | ところどころ線が須藤真澄風になるのはご愛敬か。 | |
音羽 | 6 | 恋は盲目♪ | |
エロい山脈 桃吐マキル&福耳ノアル |
吉本 | 4 | …こういった人まで連れてくるとは。ところでなぜこうも目立たないポジションに?もっと正面に出しても良いと思うのだが。ひょっとしてビームには「他で結構実績がある人を修行させる」という側面があるのか? |
久遠 | 4 | なんかすげえところにのっているな。まあ、内容はそれなりに、ねえ。 | |
音羽 | 1 | 訳がわからん・・・ | |
マジカルポップちょりー 金平えみりー(ちゅうか例の人) |
吉本 | 7 | …相変わらずの確信犯で笑わせてくれる。この人もアニメに自覚的だなぁ。 |
久遠 | 7 | まあ予想どうりだけど、メタ度が高いし面白いからねえ。でもこのネタは以前やらなかってけ。 | |
音羽 | 6 | 何故そこでオヤヂになるのだ〜!前のページの思わせぶりな カットは何だったんだ〜! |
<総評>
吉本 | うむ!よし!園山二美復活!なぜに今、という疑問はあるが、ともあれあの絵の世界が再び拝めるのは実に嬉しいことだ。そして祝!単行本発売!! …それはそれと。今回のビームはそれぞれの漫画のクオリティが高く、全体にドキドキしながら読めた。全体に点数が高いのがそれを示している。この調子で続くと良いのだが。 |
久遠 | 蠢動、蠢動が再開ですか?女の花道は?女の花道はどうなったのですか? |
音羽 | BREAK−AGEがまたもや休載なのはざんねんだな〜。あと3話。どんな感じでまとめにはいるのか楽しみなのだが・・・ |
<ベスト>
吉本 | 「恋の門」?「弥次喜多」?「ウルトラヘヴン」?難しいところだがここはあえて「敷居の住人」にしよう。先月からのオハナシの盛り上がりは瞠目すべきものがある。 |
久遠 | ここはやっぱり寒い冬はおでんでしょう。ということでプラネット7 |
音羽 | う〜ん・・・難しいな・・・恋の門やフィギッシュも良いのだが、このところの展開に、どことなく心の裏側をえぐられる感じのする「電波オデッセイ」にしよう。 |