コミックビーム 99年4月号(クロスレヴュになっていなくてすいません)

幽玄漫玉日記
桜玉吉
吉本 6 親心はいいのだが読む方は納得せんわい。まあ結果が見えているから別にいいのだが。
久遠    
音羽    
おさんぽ大王
須藤真澄
吉本 5 逆柱いみりの漫画に登場するなめくじ猫=「社長」は、クリオネから着想したのだと思うのだが、どうか。
久遠    
音羽    
砂ぼうず
うすね正俊
吉本 6 緊張感のある画面でうまく展開を盛り上げている。
久遠    
音羽    
てきぱきワーキン▽ラブFX
竹本泉
吉本 7 竹本一流の毒のないオプティミスティクなオハナシ。ああ、なんかいいですなあ。背後に流れる昔懐かしいSF的な「人間への信頼」が心地よい。頭の固いフェミニストにジェンダー論を持ち出されて叩かれないといいのだが。
久遠    
音羽    
ユウジローのブライダルキック
ユウジロー
吉本 4 長く読んでいるので、ようやくユウジローならではの「味」があることがわかってきた。もっと自己主張しても良いのではないか?
久遠    
音羽    
敷居の住人
志村貴子
吉本 8 今までは随分とダルな展開であったが、最近はテンポよく読める。思えばあの展開の遅さは思春期特有の「一日の長さ」をあらわしていたのかもしれない。そしてオヤジのダメなこと!ああああ。
久遠    
音羽    
電波オデッセイ
永野のりこ
吉本 8 のんちゃんの受験とシンクロしているせいもあってか、のりこ先生はいつになく大マジで筆を進めている。自分の過去を思い出したかのような80年代的表現と、そして千年紀末現在の自分をうまく混合させて、描き出すのは子どもたちへの強力なエール。のりこ先生の母性はシャワーのように作品全体に降り注ぎ、読み手をも包み込む。泣ける。
久遠    
音羽    
わんぱくディスコ
肉柱ミゲル
吉本 6 だいぶお話も洗練されてきて良くなってきている。過去に悪行を重ねたお父さんの描写が非常に微笑ましくて良い。次が楽しみ。
久遠    
音羽    
死霊狩り
平井/梁
吉本 7 アシが徴兵とはキナくさいオハナシであるが、だからこそ画面に緊張感が出ていたのかもしれない。この作品の非在は影響が大きいのではないか。
久遠    
音羽    
大美空のテーマ
桃吐/福実未
吉本 4 すっげえつまんないマンガ。でもそれは確信犯的行為。だまされちゃあいかんぜ。
久遠    
音羽    
ミラクル高僧チベットちゃん
近藤るるる
吉本 6 …期待していたほどではなかったようで。だいたい「ミラクル」で「高僧」で「チベット」というまったく連関性を持たない言葉をつなげたところに強烈なポエジイが生じていたように思うのだが、やや思いいれが(作者も読者も)先行しすぎたきらいがある。
久遠    
音羽    
オールナイトライブ
鈴木みそ
吉本 4 2月進行で時間がないのはわかるのだが、かなりつらい内容。
久遠    
音羽    
蠢動
園山二美
吉本 8 出ました、お得意のモノローグもの。だが今回のものは「一人芝居」の形式を導入しているために、一段階抽象化されている。その分深みも増しているというわけだ。さらに饒舌になった彼女に注目。
久遠    
音羽    
魔術っ子!海堂くん!!
すがわらくにゆき
吉本 6 まァ内容はいつもの通り。へっぽこな感じがなかなかナイス。
久遠    
音羽    
ちゃらっぽこ幽霊
入江喜和
吉本 7 …ふむ。このような人まで連れてくるとは。内容は適度にオヤジ的に下品で、それでいて海辺の街のホワイトアウトしたような雰囲気がよく出ている。ヒネた主人公の少女がやや浮いているか、という気もするが。ビームの深みをよくあらわしたナイスな作品だ。
久遠    
音羽    
PLANET 7
竹谷州史
吉本 7 大物登場であるにもかかわらず、なんともダメダメなその描き方。そこに実はこの漫画の本質がある。きちんと整頓された秩序に対抗する、ケイオスが持つ熱情的な活力。骨抜きにされていないナマの欲望。いい傾向ではないか。
久遠    
音羽    
弥次喜多in DEEP
しりあがり寿
吉本 7 つなぎといえばつなぎの回。だが単なる場つなぎではない。つまらないお話も含めた「全体としての広がり」があることが「in DEEP」の徳目だ。
久遠    
音羽    
BAMBi
カネコアツシ
吉本 7 少しづつ明らかにされる謎。面白いではないですか。
久遠    
音羽    
恋の門
羽生生純
吉本 8 今回も相変わらずテンションが高い。門をつなぎ止めようと、「飼おうと」する恋之の姿には、思わず背筋が寒くなる。ここでのエゴとエゴとのぶつかり合いは実に見ていてはらはらする。リアルな作品だ。
久遠    
音羽    
期末試験前夜〜紅き者〜
新谷明弘
吉本 7 うむ。相変わらずの新谷節。少し身を乗り出させるが、どことなく漫画的にズレた感覚に「落とされる」。このへっぽこ感覚こそ新谷の良さではないか。早いところ次回作を!そして「学級委員シリーズ」の単行本化を!!
久遠    
音羽    
ロンリネス
東京/仲能
吉本 5 別展開で逃げてはならない。終わりにしても良いではないか。
久遠    
音羽    
ジ・ガレガレ
堀池さだひろ
吉本 4 化け物&爺さんのドタバタ劇をデウス・エクス・マキナの範子が収拾するというパターン。ま、いつもの通りでしょ。
久遠    
音羽    
夜は千の眼を持つ
上野顕太郎
吉本 7 ふふ、はははは。登場人物が皆大まじめにやっているところがきわめて可笑しい。調子良いじゃないですか。
久遠    
音羽    
釣れんボーイ
いましろたかし
吉本 8 何をやってもものにならないヒマシロの姿は実にしょーがなくって美しい。そしてギターを売って竿を買おうという徹底した態度!ほれぼれするというものだ。だが一方で私は一つの確信を抱いた。それはこの作品が高度なフィクションであるということだ。
久遠    
音羽    
ブルマーで眼鏡っ子はアンドロイド(中文版)
金平守人
吉本 7 これを連載しても良いんじゃないの?高度に馬鹿だし。
久遠    
音羽    

<総評>

吉本 どれもテンションが高くて良い。加えて、「のんちゃんのり弁」の入江を連れてくるとは。どうしてもこの手の雑誌は「閉じた」ものになりがちだが、あえて別のエリアの作家を載せることによってその危険を回避している。偉いことだ。
久遠
音羽

<ベスト>

吉本 母性のほとばしりが心地よくも逆に恐ろしい「電波オデッセイ」にしよう。
久遠  
音羽  

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