コミックビーム 99年6月号
おさんぽ大王 須藤真澄 |
吉本 | 5 | ばずび先生ののんびりした感覚はネパールのようなだらけきったアジア感覚に上手く合致している。これだけになって欲しくないものだが。 |
久遠 | 6 | そーいえば、俺様ちゃんも小学2年生まで自転車に乗れなかったなあ。読書感想文で賞取って、さとるのじてんしゃって本をもらったなあ。 | |
音羽 | 3 | アホな事をやってるな・・・ | |
真・女神転生カーン 柳澤一明 |
吉本 | 6 | 盛り上がってきている様子は分かるのだが、いかんせん展開の文脈がよく読めない。なぜこうなるのか?が分からないのだ。もう少し文脈の説明が欲しいところ。 |
久遠 | 5 | ゲームの女神転生じゃあ、転生した女神に前世の記憶は残っているはずなのだが。ところでチャーリーは出てこないの? | |
音羽 | 4 | 魔法使ってるな〜。あとは悪魔合体が頻繁にでてくればもっと女神転生らしくなると思うのだが。 | |
敷居の住人 志村貴子 |
吉本 | 8 | 様々な女の子をちあきにぶつけることによって、ちあきの揺れ動く心、中学生特有の自意識のゆらぎを上手く描き出している。ただ「スクール」(OKAMA)のようにならないといいのだが。受験のためにしおらしくならざるを得ないちあきの描写が微笑ましくも可愛い。 |
久遠 | 8 | さすがにこうも暑くなってくると、漫画の中とはいえ、コート姿見るのに根性が必要です。ところで、都会じゃ公立高校の受験に面接があるの? | |
音羽 | 5 | う〜む・・・相変わらずじわりじわりと展開してくな〜。いい加減、展開の遅さにも慣れてきたな・・・ | |
ユウジローのブライダルキック ユウジロー |
吉本 | 6 | この人の場合は現実感と接点を持たないナンセンスの方が面白く読める。後半は結構良いんではないか。 |
久遠 | 3 | やる気はあるのか? | |
音羽 | 0 | ここまでつまらない漫画を描けるのもある意味すごいのかもな・・・ | |
PLANET 7 竹谷州史 |
吉本 | 7 | ワンエピソードの区切りを上手くつけている。それが同時に漫画的「引き」になっているところも注目できる。メリハリのある画面とおでんの笑顔にも惹かれる。 |
久遠 | 9 | 良いねえ、テンションも高いし、迫力もある。ってゆうか、以前ビームに載った2作品を思いだせんのが不覚だ。 | |
音羽 | 7 | さすがは殿様、ただものではなかったな〜。このところ、派手なアクションでずいぶんと絵が荒れていたが、絵も落ち着いたし、展開も良い感じになったな。 | |
電波オデッセイ 永野のりこ |
吉本 | 9 | 今までのやや緊張感の抜けたオハナシがあったがために、今回の緊張感の高い展開が生きてくる。おとうさんの登場と意外な展開には正直こころが重くなる。読者にも切ない「きもち」を強いることには賛否両論あろうが、だからこそ深い感動があるのだと、私は訴えたい。 |
久遠 | 9 | もう勘弁して下さい。ところで原さんの名前初登場ですね。なーんかいろいろな漢字が想像できて、もう大変。 | |
音羽 | 8 | おお!!良いね〜〜!!まさかこんな展開が待ってるとはな〜。物語もいよいよクライマックスだな〜。 | |
死霊狩り 平井×梁 |
吉本 | 8 | やはり絵である。絵。圧倒的な画力世界は読むものをそれだけで圧倒する。画力で勝負する作家は日本にも多いが(例:士貴智志、萩原一至など)えてして画力だけで、内容をオヤクソクで誤魔化してしまう場合が多い。オヤクソクを使うこと自体は悪いことではないが、他分野への引用や連関なしには薄っぺらなものに堕してしまう。この人の場合はオハナシからは思想性が見えてこないが、絵がその真摯な作画姿勢を如実に物語る。 |
久遠 | 8 | 平野が描かない今、一番黒い漫画かもしれん。テクニックは完全にこっちの方が上だしなあ。 | |
音羽 | 7 | 他の受験者はどうなったのかな?それにしても、腕を吹き飛ばされてあれだけ動けば、出血多量で死なないのかな? | |
空の下 園山二美 |
吉本 | 6 | 「原稿が間に合わなかったから」デビュー作を載せるのか。代アニ時代?そしてまたも休載?なるほど、先ごろのニューズレターでO村が言っていたのはこのことだったのか。5月病ってねぇ。できるだけ早い復活を望む。 |
久遠 | 5 | はあ、しょうがねえなあ。ちゃんとしてくれよう。ところでこれは、四季賞? | |
音羽 | 4 | あら?蠢動は連載休止か・・・ | |
幽玄漫玉日記 桜玉吉 |
吉本 | 7 | で、次がこれか。同じ精神的不安定でも、この人の狂気の「飼い慣らし方」は流石に年季が入っていてグッと読ませる。自分の狂気を微妙なバランスで相対化しているのだ。危険な技ではあるが手堅い手法により本当に「行ってしまう」ことをうまく防いでいる。「幽玄」第1回を思い出す。 |
久遠 | 7 | やべえ、俺様ちゃんも年金が・・・。 | |
音羽 | 7 | 面白すぎる・・・日々の生活を描いてるのに何故にここまで面白いのだ・・・ | |
魔術っ子!海堂くん!! すがわらくにゆき |
吉本 | 6 | 「おれさま!ギニャーズ」を読むと、写植が貼ってあるすがわら漫画の方に違和感を感じてしまうのだから不思議なものだ。小田扉が「ガーン」という技を身につけているのと同様、すがわらも「おかしな(頭が)」といった技を身につけている。 |
久遠 | 5 | どーやらF月間のようですねえ。このところ。のび太の結婚前夜に脳をやられましたか? | |
音羽 | 4 | 今月はちょっと笑えたかも・・・ | |
オールナイトライブ 鈴木みそ |
吉本 | 8 | おちゃらけに走ることを許さない深刻なテーマを、逃げずに描き切ったことを評価したい。痛い話だ。 |
久遠 | 5 | 本の墓場に、あまいぞ男吾はありませんか?ってゆうか、昨今のだんごブームで復刊されないものでしょうか。 | |
音羽 | 5 | う〜む・・・なんか凄まじいな・・・ | |
鮮紅街 中島あつき |
吉本 | 7 | まずはビーム出身の新人の連載開始を喜ぼう。顕在化した形で「差別」を正面から描こうという試みは、それが非常に難しく、「きつい」行為であるために、評価されるべきである。そして単なる差別に対する直接的な抵抗を描かないところも評価できるところだ。「それがちょっとの搾取ならば!」といいつつ立ち上がるというモチーフはすでに「カムイ伝」で完成されてしまっている。ただ絵柄とテーマにやや乖離があり、進行も多少論理性に欠けそうな気配がある。今後注意してみていきたいところである。 |
久遠 | 6 | そーいやー、こーゆー話だったねえ。ビームで格闘物が始まるのか?安易な展開にならないよう願うのみだ。 | |
音羽 | 7 | 初回からいろいろと動きがあっていいね〜!!どんな話になるのかたのしみだな〜。 | |
BAD TRIPPERS 鮪オーケストラ |
吉本 | 7 | シリアス展開は非常に成功している。この人が持つ暗い、力強い描線が、堕落しきった作品世界と非常に合致しているのだ。もっともっとダークな展開を望みたい。 |
久遠 | 5 | こーゆう漢は「ギャラクシーウォーズ」とかを飲むんだろうなあ。 | |
音羽 | 6 | 良い感じだな。このまま、パワーのインフレなんか起こさずに、クールでシビアな展開になって欲しいね。 | |
てきぱきワーキン▽ラブ 竹本泉 |
吉本 | 7 | エダルト受難、というパターンは完成したようで。この作品の面白さは他ならぬ世界観そのものの「だらけ加減」にある。その「だらだら感覚」が非常にビビッドに現れている今回は文句抜きで面白い。 |
久遠 | 7 | 今回はエダルトの回なのか?それともナオミ?順番からいくとナオミなのだろうが、カラーの都合とかでひとからげにされたのなら哀しいなあ。 | |
音羽 | 5 | 千年時計か〜・・・どことなく浪漫があるような気もするが、辺境に建てなくても・・・ | |
ジ・ガレガレ 堀池さだひろ |
吉本 | 5 | 古いレコード、という「他分野への言及」があることによって、作品に深みが加わっている。多少、ではあるが。もっと自分の趣味なりに忠実でも良いのではなかろうか。 |
久遠 | 5 | なーんか、コジコジを思い出してしまった。 | |
音羽 | 6 | 相変わらず、ほんわかしてるね〜。 | |
夜は千の眼を持つ 上野顕太郎 |
吉本 | 7 | 反復ネタは同様の「ミニマルネタ」があったので、今一つインパクトが弱いが、前半のポンチ絵はとても人を喰っていて良い。漫画自体に対しかれは挑戦的であるし、雑誌に対しても実にアグレッシブである。アヴァンギャルドを志向する傾向は実に良し。 |
久遠 | 6 | O村か。もうO村なしではビームは語れないね。 | |
音羽 | 0 | う〜む・・・私には解らないせかいだな・・・ | |
砂ぼうず うすね正俊 |
吉本 | 6 | …今のところは微妙な判断。おそらくはどんでん返しを用意しているのだろうから、ここでは詳しく述べないようにしよう。 |
久遠 | 8 | 実は本当に糞だったというオチはどうでしょう。 | |
音羽 | 8 | さすがは砂ぼうず。やることが姑息で良いね〜。それにしても、面白い裏があったな〜。どう収拾を付けるのか楽しみだな〜。砂ぼうずの事だから、横領くらいたくらんでくれないかな〜。 | |
夢見る青年の昼と夜 松山花子 |
吉本 | 6 | O村の評にもある通り、かなり絵を描くことはできる人だ。ネタの突っ込みも凡百の4コマ作家よりは深い。是非とも長編を読みたいものだ。 |
久遠 | 6 | 絵は上手いんだが、いかにも女流、という感じが拭えないのが難点ではある。どちらかというとステロタイプな絵柄でもあるし。 | |
音羽 | 6 | 面白いのだが、やや読みにくいな。もう少し丁寧に描き込めばみやすくなるのではないだろうか? | |
恋の門 羽生生純 |
吉本 | 9 | こうして妥協してゆくのか。一見甘口の展開のように思えるが、その展開に至るまでの説明がしっかりしているのでご都合主義は感じない。そしてこの甘口の展開はおそらくは次の切ない展開の複線となっているのだろう。あるいは溝を埋めていこうと二人は努力するのか。どちらにしても重い展開は間違いない。見逃せない漫画だ。 |
久遠 | 8 | コスプレが、古い。今だったら同級生とかじゃあないのかなあ。 | |
音羽 | 9 | 良いね〜!!!破局かと思いきや、あっさりと和解。お約束の展開ではあるが、変な方に寄り道せず、話のテンポが良い上に、心理描写も的確にされているために読み応えも十分感じられるな!!絵柄の第一印象にだまされてはいけない、深い作品だと改めて実感させられてしまった。 | |
BAMBi カネコアツシ |
吉本 | 7 | もう少し長く続くシリーズになるかと思っていたら、2回で終わりか。プラチナ・マスクの反省があるのだろうか。だが本筋とは離れたところで、現状の寓話を作り出すうまいサブルーチンになっていると思う。 |
久遠 | 7 | もう少しサイコな表現で引っ張ると思っていたが、次のプロットが出来たのかな。 | |
音羽 | 7 | 化け豚か・・・なんとも不思議な感じだな・・・ | |
弥次喜多inDEEP しりあがり寿 |
吉本 | 8 | 「in DEEP」になって以来、こうしたカフカ風の不条理劇が多くなっている。それはこのオハナシの深みがさらに増していることを意味する。 |
久遠 | 8 | ・・・張りつめた緊張感。このまま突っ走れ! | |
音羽 | 4 | う〜む・・・よく解らないな・・・また、夢オチかな? | |
釣れんボーイ いましろたかし |
吉本 | 8 | マンガはつまらん。釣りは面白い。このスタンスを頑として変えないところがこの作品の素晴らしい徳目だ。そしてそれを載せ続ける編集の覚悟も素晴らしい。ほら?だんだん気にならなくなってきただろう?あと、「だめ連」的文脈でこのマンガを語ることは禁止。ちゅうか間違い。 |
久遠 | 7 | 鮎だ、鮎。あゆあゆあゆあゆあゆーっ。はっ、違う世界にいってしまった。 | |
音羽 | 2 | 相変わらずパッとしないな〜。 | |
ロンリネス 東京×仲能 |
吉本 | 7 | もうだめか、と思っていたら、うまく持ち直したようで。オハナシをまとめに入っているという事情もあるのだろうが。ロンリネス、というタイトルの意味が再び先鋭になってきて、切なさが漂う。うまい着地を望む。 |
久遠 | 7 | ついに話が動き出すか。でもホテルだと思ってラブホテルに入って漫画描き始めたところで終わっちゃうんだよ。 | |
音羽 | 6 | ようやくタイトルが意味をしっかりと持ってきたな。物語もこれからかな?どんな展開を見せてくれるのか楽しみだな。 | |
アナーキー 金平守人 |
吉本 | 6 | 読者の不快感をわざとあおる、という手法は、オタク的文脈に対する一種の当てこすりでもある。一歩引いた視線からヒネた視点でマンガ界なりオタク界なりの状況を腑分けする、という手法を使っているところがよろしい。絶対にあらまほしき方向に持っていかないところにも共感できる。ただ、これじゃあ「分かってる」人にしかウケないよなぁ。やれやれ。 |
久遠 | 6 | しょーがねーなー、四季賞佳作か・・・。 | |
音羽 | 4 | これは・・・ネタ的には悪く無さそうだが、ハズしてるな・・・もっと、さわやかにバカっぽく描けば良いのに・・・ |
<総評>
吉本 | 園山二美休載は非常に残念なところ。ただ、かの女の徳目は、狂気とも正気ともつかない人間の「こころの不安定さ」に由来するところが大きいので、下手にすり潰すよりも休ませた方が賢明かも知れない。とりあえずは単行本の2巻で懐柔されることにしよう。 ところで雑誌全体としてみると今月も非常にテンションが高い。「読める」作品が多いのだ。「弥次喜多」と「恋の門」、そして「電波オデッセイ」が載っているだけでも、この雑誌は評価できるのに、中島、鮪などの新しい力がさらにそれを魅力あるものにしている。来月も楽しみ。 |
久遠 | 今月は重いね。重量が。ところでバーズは5月発売号から復活じゃなかったのか?7月からだぁ?後2ヶ月も千砂に会えないってゆうのかっ! |
音羽 | 読み応えもあり良いのだが、何も考えずに笑えるような良質な軽い作品を増やしても良いのではないのだろうか?「金平劇場(仮)」は良い線をいってるようだが、ややなみが有りすぎるようだし、もっと安定して軽い笑いを提供してくれる物が欲しいところだ。漫玉日記の用に、笑えてなおかつ、4コマだと良いのだが・・・ |
<ベスト>
吉本 | 今後の深く、重い展開が実に楽しみな「電波オデッセイ」にしよう。のりこ先生の講談社での次の仕事に対する期待も含めて。 |
久遠 | うーん、難しいなあ。うーん、プラネット7にしちゃいましょう。 |
音羽 | 「死霊狩り」や「恋の門」もよかったのだが、まさに、漫画のような出来事で大笑いさせてくれた「幽玄漫玉日記」にしよう! |