BIRZ 99年9月号

羊のうた

冬目景
吉本 少しづつ明らかにされる千砂の過去と、高城の呪われた血のありさま。そしてどんどん濃密になってゆく一砂と千砂の関係。一触即発の緊張感は相変わらず。何を申すことがありましょうや。
久遠 200  もう暑中お見舞い申し上げられます!ってゆうか最高。ってゆうか、2日目二つぐらい回ったところで企業ブースに行かねばなりませんか?ってゆうか、もう一つリトグラフを買えということですか?
音羽 巻頭カラー、良いね〜。どうせなら全部カラーにして欲しいよな〜。
それにしても、やぱり和服は良いね〜。
退魔針

菊池・斎藤
吉本 役者が揃い、ようやくオハナシがまとめに入る。どんなオハナシであっても、この瞬間は面白いものだ。菊池の原作そのものがきちんと演出されていることも有るのだろうが、斎藤岬のさっぱりした美しい線が盛り上げに大きく貢献していることはいうまでもあるまい。
久遠   読む気が起きないにゃー。ってゆうか羊のうたを巻頭に持って来ちゃ駄目だって。以下同文。
音羽 今月から本編に戻ったね。親切にも解説付きか〜。
以外とごちゃごちゃとしたお話だったんだな〜。
テデイ部屋

どり★あすか
吉本 真っ白、ですな。
久遠    
音羽 う〜む・・・惜しいな・・・もう少し絵の構成を頑張れば面白くなるかもな〜。
BIRTH

山口譲司
吉本 菩薩でないものが強大な力を手に入れても、制御できないのが当然というわけですか。だが菩薩になっちまったら人間と関与できなくなるのでは?解脱しちゃってるのだから。
久遠    
音羽 このあたりだけみてれば面白そうかと思えるかも知れないが、戦闘が始まったとたん、やれやれと思うんだろうな〜。
夜刀の神つかい

奥瀬・志水
吉本 ヴァンパイアとの戦いが前面に押し出されるようになってきて、オハナシが俄然広がっている。手を失った主人公の描写も痛々しくて良い。そこを評価した上で…やはり「フラワーズ」はやってもらえんのでしょうかねぇ。
久遠    
音羽 う〜む・・・まだ話があまり見えてこないな〜。なんにせよ、ありきたりな吸血鬼ものにはならないで欲しいな。それと、ごちゃごちゃと描きすぎて、読者を引きつける前にあきられてしまわなければ良いのだが・・・
スカートさん

吉田戦車
吉本 うむ。キャラクタが育ってきて、みっちゃんのママが背景へと後退している。良いことではないか。スピリッツの連載のように、一定の枠組みに収まるがゆえの自由度の低さも発生していないし。鷹の分際でcdmaOne?面白いじゃないか。
久遠    
音羽 冴えないな〜。
日の丸あげて

新谷かおる
吉本 若い読者に分かりやすく、とっつきやすくしている一方で、昔ながらのメカフェチ的描写は変わっていない。先生、頑張ってますなぁ。リノの本戦ではTa152Hとか烈風とか出してくださいよ。
久遠    
音羽 読みづらいな〜。エアレースの迫力も伝わってこないし。もう少し表現のしかたをなんとかできないものかな。
きりきり亭のぶら雲先生

きくち正太
吉本 蘊蓄部分については悪くはないのだが、次第に強まる下品化傾向には閉口。下品にしちゃ駄目だよ。あくまでハイセンスに!あくまで粋に!
久遠    
音羽 壺中堂たちのは夏ばてなのかな〜?単に歳なのでは・・・
いのち短し恋せよおとめ

新名あき
吉本 想いが直接伝わらない、というラブコメの構造をきちんとなぞっているのがよろしい。そして恋の障害は別の恋を生み出し、それが上手くいくというパターンも見えつつある。王道だねぇ。王道への忠誠心のようなものさえ感じられる。
久遠    
音羽 おお?話が大きく動くか?この先の展開が非常に気になるぞ。
ぐるぐるジャングる

東城和美
吉本 毎月掲載になり、少しは「普通の漫画的に」なってきているようだ。個人的には「素直じゃない地味な女」に登場して欲しいと、今でも思っているが。
久遠    
音羽 なんだかね〜。
逮捕はおまかせ!?

阿部忍
吉本 やはりこういうタイプのエロ寄りのコメディもできる人であったか。端麗な線は良い。オハナシは…ま、編集に求められて作ったものであろうので、こんなものであろう。
久遠    
音羽   良いじゃないか〜。読み切りなのか〜。こういう、何も考えずに読める娯楽性が高い作品の連載が欲しいな〜。
魑魅(すだま)

小山田いく
吉本 はい?という感じの出来。ただでさえ線がアウトオブデイトなのに、今回はいっそう荒れているような印象。加えてオハナシも突っ込みが浅い。関係を持ってしまった上での姉の行動、というのであればたいそう「痛く」なるのだが、まんまとそうしたハードな展開を回避してしまっている。犯人だと思われた人間がやっぱり犯人だというのも「何じゃこりゃ」。やれやれ。
久遠    
音羽 やはり路線変更するべきでは?ホラーはあわないのでは?
しびとの剣

菊池・加倉井
吉本 扉絵の美しいこと。流石に個展を開いたりするだけのことはある。その一方で内容との乖離がやや生じているような。線の分裂はあまり好ましいことではないように思う。
久遠    
音羽 鬼の城か。どんな代物が出てくるのか楽しみだな。
ツンドラ・パンチ!

中川いさみ
吉本 順調に方法論が展開してきているような印象。最初ぎこちなかった展開がすっかり滑らかなものになっている。狂気のほとばしりが見られるのがよい。
久遠    
音羽 今月もあいかわらずだね〜。
ご破算で願いましては

雁須磨子
吉本 う、うーむ。家事手伝い(そろばん塾手伝い)の年上の女性にホレる拘置所看守、というオハナシなのだが、女性の描き方がなんともイヤらしいこと。そして登場人物達も一筋縄ではいかない背景を持っていて複雑なオハナシが期待される。次が楽しみな作品。
久遠    
音羽 拘置所の看守とは、面白いところに目をつけたな〜。この設定が十分にいかされると良いのだが。
愛をあげよう

ともち
吉本 正午と弥生の関係は皆に認知されることになる。しかしひとつ屋根の下ではキスひとつできない…という、やきもきさせるような状況が描き出される。この辺のさじ加減は流石といえましょうか。求めあう恋人達の満たされない欲望。
久遠    
音羽   なんだか、このところ同じ様な内容が続いてるな〜。
新しい展開を考えるまでの時間稼ぎでもしてるのかな?
愛よりやさしく

そうめぐみ
吉本 オンライン上の恋人達。だが実は男は冴えないサラリーマン。女はアイドルを称しているのだが。オフラインで会うことを約束した二人だが…というオハナシ。男の「冴えなさ」は良く現れているのだが、オハナシはまさに「何じゃそりゃ」。ダメだよ、下手な幻想に基づいたようなオハナシにしちゃ。
久遠    
音羽 発想は悪くないんだけどね〜。作品としてまとまりきってないように思えるのだが・・・
EAST WEST

雨宮智子
吉本 バグダッド・カフェですか?
…ともあれ。「日常に潜む非・日常的なもの」を上手く寓話に仕立てあげている。アメリカの「乾いた空っぽさ」が良く現れているではないか。参照→「パリ・テキサス」「船を建てる」「アメリカの鱒釣り」
久遠    
音羽 う〜む・・・なんだか不思議で良いね〜。
ブツブツさまとコロクプル
他1本

西岡秀樹
吉本 絵の世界は良いのだが、コロクプルものではない、創造力の羽ばたきが見られるような作品も読みたいところ。
久遠    
音羽 コロクプルシリーズ、定着してるね〜。良いよね〜。ほのぼのしてて、おとぎ話って感じがするよな〜。
Beast of East

山田章博
吉本 どういうオハナシなのかがようやく分かったので、作品を楽しむことができるようになった。清明と玉藻前の緊迫感のある呪術合戦が心地好い。
久遠    
音羽 またページが少なくなったな〜。いくら面白くてもこのページ数じゃね・・・
おさるのムード

玉木満
吉本 相変わらずどこで笑っていいか分からないですな。
久遠    
音羽 まだ連載してたんだね・・・。うっかり読み飛ばすところだった・・・

<総評>

吉本 最初に「羊のうた」を置くと、後の作品がかすんでしまうようだ。このことは、「羊のうた」以外の作品に強力なパワーがやや欠けていることを意味する。「餓狼伝」と「陰陽師」の抜けた穴を早急にカバーする必要があるだろう。「ご破算で願いましては」などは上手く盛り上げれば穴を埋める可能性があるので、そこに注力すべきであろう。このままではちとヤバいかな…などと思ってしまう。
久遠 ついに1から3巻までの「携帯用」がそろいましたよ。「イエスタデイ」もね。ところで、イエスタデイの2色カラーは気合いはいってないと思いませんか?
音羽 千砂が表紙だ〜〜。良いね〜〜。これでポスターでも付けば良いのにな〜。

<ベスト>

吉本 大きく化ける可能性が高い「ご破算で願いましては」にしよう。女性の描き方のエロさは流石といえましょうか。
久遠 この雑誌と、「マグナム」の場合に限ってこの欄は全くの無意味だと思いませんか?
音羽 もちろん「羊のうた」でしょ。他に選ぶ物なんて無いって!!

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