キューティーコミック2000年6月号
レヴュ担当 | 吉本松明 |
山田千里 |
バッファロー5人娘 安野モヨコ |
吉本 | 7 | 緑のとかげは女たちを救うジョーカーとなるのか。恐らくはブレイクスルーをもたらすなんらかの「きっかけ」のメタファ。それを無意識的に行うモヨコの方法は面白い。 |
山田 | 6 | なんでしょか。インディアンの精霊?そういう方にいくのでしょうか?まだ先がよく見えない感じです。 | |
君といつまでも 山田あやこ |
吉本 | 6 | キリコ風の繊細なお話を、ちょっと丸まった線で展開するのが興味深い。ちょっとちぐはぐな感はあるが、お話自体の志は高くてよろしいのではないか。ヒジョーに半端なページ数は気になるところだが。 |
山田 | 7 | いいな、悪くない。「あほう」がかわいい。淡々としつつ年寄りくさくならないのはいい。関西弁がくどくないのもよし。(他の地方の人にはくどいのかな?)見覚えのある風景だけに贔屓しちゃうなあ。 | |
いばら姫 朔田浩美 |
吉本 | 7 | 私はこの人をあまり知らないので純粋に作品のインプレッションのみを。ざっくりとした線がまずは心地よい。ただ本当はもっとイタイオハナシを得意としているのではないか?と思えてしまう。このオハナシ自体は微笑ましくて悪くはないのだが。 |
山田 | 5 | うーん、この人かなり好きなだけに、点が辛くなっちゃいます。とりあえず自分からアクションを起こす女子は作者の得意なキャラだけど、なんか物足りないのはワタシが初恋のモジモジ感を忘れちまったからか!?もっと突っ走って欲しいし、それがウケる雑誌だと思うのですが。 | |
地獄のサラミちゃん 朝倉世界一 |
吉本 | 4 | 熱が出てセクシーになるサラミちゃん、というネタは大馬鹿でいいのだが、ネタの傾向自体が…。単に馬鹿であるべきじゃ? |
山田 | 4 | セクシーサラミちゃんはキモい。 | |
キレイなだけじゃだめかしら? 竹田やよい |
吉本 | 6 | ビジュアル系という存在は、男性にも「美しさ」という概念を取り入れた点で画期的だったのかもしれない。女性は男性にも自らと同じような「美しさ」を求めるようになっている。男性は昔のようにマッチョであればそれで良い、というものではなくなっている。 |
山田 | 4 | ボーイズ系人脈充実?他愛のない話ですが、バンドものは結構あるけどそういやヴィジュアル系どまんなかってあんまりなかったかもしれないので、わりと開発しがいがあるかもしれないな、と。 | |
ひめきみ いわみえいこ |
吉本 | 5 | ひめきみ結婚で終わりなのですか?ひめきみでない短編にするのですか?短編で修行を(より)積ませるのが良いのじゃないか、と思ったりもするが、ひめきみのようなすっぽこな味も捨てがたい。どうするのだろう。 |
山田 | 2 | いやだから、なんつうか、こうゆうタイプの繊細さってちょっと。 | |
そどむ 小野塚カホリ |
吉本 | 7 | 自らの温室育ちを自覚する里香子、だがだからといってそれが良い方向へと向かっていくわけではない…。痛い展開。まったく先が見えないのはどうかと思うが、本格的に長期連載に取り組んでいる様子が感じられるのは良いのではないか。 |
山田 | 6 | りかこうざいっすね。でもこうなんですよねー若い時は。大事な人を大事にしようとしてそれ以外の人にひどいことやらかしちゃうの。そんな自分がうざいんですよねー。柿崎もね。 | |
LOVE TRIANGLE オーツカヒロキ |
吉本 | 7 | CG導入でちょっとぎこちない様子なれど、オハナシは際立って大馬鹿でハイテンション。ヤクザの家の一人娘がフツーのコギャルになろうとする、という女性ではあまり考えないであろう展開が好ましい。オーツカの素晴らしいところはそれを照れずにやるところ。ため息の出るような勢いのよさに酔う。 |
山田 | 7 | おもしろいじゃないですか。めちゃくちゃイイ男のボディーガードがゲイ、つーかオネエ。ページ数もほどよい感じでテンポよく読めました。オチのテキトーさすらも気持ちよし。 | |
今夜も眠れない▽ かわごえさちこ |
吉本 | 3 | どうぶつ系はネタとして一般的なのはわかるが、こういうカリカチュアライズ系はちょっと肌に合わないような。 |
山田 | 2 | 苦手なんですよー、ラブラブペットもの。かつこの絵柄。動物が可愛く描けてればまあアレなんですけど、デフォルメが過ぎて可愛くない。それに突然ぺットとは関係ない話も。弛緩しきってますね。なぜにこの雑誌に? | |
LOVE HOUSE 橋本ライカ |
吉本 | 6 | ライカ特有のノリの良さは健在。登場人物たちが実質的に皆「黒人」というのもいいじゃないですか。 |
山田 | 7 | いい調子。突然現れたナゾの同居人たちはとりあえずまだナゾのままで、今回はヒロインの好きな男の子が登場。次回からが勝負かな。たのしみ。 | |
デイジーのおたんじょうび 山本ルンルン |
吉本 | 7 | 確かに量産できるタイプの作家ではないように思うが、漫画の内容はいちいち面白い。是非とも連続掲載をお願いしたいところ。 |
山田 | 6 | こういうの最近多いですけど、この人の絵は生理的に気持ち良いですね。ちょっと生臭くて。高橋葉介に少し似てるかな。 | |
薔薇色のみっちゃん 大久保ニュー |
吉本 | 7 | …なんだかメチャクチャなオハナシですね。この人もオーツカ同様、暴走気味の方が面白かったりする。 |
山田 | 7 | いますよねーへんなふうに緒川たまき入ってる子。揶揄的に描きながら、結構愛もあったりして、ポジティブなオチがさわやか。 | |
ガーリーハイパーズ 藤末さくら |
吉本 | 4 | あえて淡々とした展開にしているのは分かるのだが、ちょっと山も谷もなさ過ぎのような… |
山田 | 5 | こう、ベッドの向こうがわでこっちを見てる彼の顔、ってショットはいいものですね!何もかもが初めてで舞い上がってて踏み外す、というラブにおける普遍的な状況を説得力をもって描くのは大変だと思います。今後の展開次第ですね。 | |
Girls Wanna Be Mine 室田朋美 |
吉本 | 3 | うーん、この人の良さはやはりお馬鹿なオハナシにあると思うのだが、ちょっと上品にまとまりすぎている印象。もうちょいハジけててもいいのではないか。 |
山田 | 2 | なんか全体にオヤジの考える若いヤツ、という雰囲気ですね。だいたいプレイボーイな主人公が全然カッコよくないし。 | |
ハチミツとクローバー 羽海野チカ |
吉本 | 8 | ビンボーな学生寮もの、というだけでも随分と楽しいのに、ちっちゃい女の子(かわいい)まで出してくるとは。全体にバランス感覚の高さが感じられて実にいい感じ。相当な実力者ではないか? |
山田 | 9 | いい!好き!まず学生寮もの、ってのがいいでしょ!で、頓狂な先輩、貧乏な野郎ども(「もっとこう、肉とか肉とか肉とかさー」って!)、みんなのアイドル(?)の出現!いいなあ。泥臭さと今どきのフツーの若いモン的な感性が適度な塩梅。その上、野郎どもの生態のがさつさと、ココロの繊細さ(「人が恋におちる瞬間をはじめてみてしまった」とか)のブレンドが甘酸っぱくてたまりません。次がめちゃくちゃ楽しみ! |
<総評>
吉本 | |
山田 |
<ベスト>
吉本 | |
山田 |
Last-Update: Thursday, 13-Nov-2014 09:15:59 JST