●吉本 | 力ある作家をそろえているだけあり、全体のレベルは高い。新人発掘に苦労しているようすがありありと分かるが、それでも全体に「読める」。ただ、大きな疑問がある。この内容は「CUTiE」を読むようなティーンのおなごに受けいれられるのだろうか? |
●久遠 | モヨコにつきるね。まあ、モヨコにかかせるために作った雑誌なんだろうけど。 |
吉本松明 | 久遠永遠 | |||
おなもみ かわかみじゅんこ |
8 | 幼なじみのふたり。彼女の方は東京へ行ってしまうという。全てが一瞬に凝縮された「濃縮漫画」。JGB先生の方法論とまったく同様だ。当然、その印象もきわめて強いものとなっている。 | 6 | そういえば、この3年おなもみなんてみていないなあ。俺様ちゃん、幼なじみっていないからなあ。 |
ラブマスターX 安野モヨコ |
8 | 中2のナオを筆頭に放たれまくる恋愛の矢。みんながみんな好きにならずにはいられない。うむ!!松明先生歓喜。少女期のレンアイはかくも見た目や思い込みのみで成立する。まずはそこが*しっかり*描かれていることに注目せねばならない。この作品はそれだけにとどまらず、いくぶんはったりではありながらも「我々は何処から来て、何処へ行くのか」という存在論的問いを発している。モヨコの新境地を開く作品。恥ずかしくも面白い。 | 8 | 爺と弟がいい味だしているなあ。馬鹿な掛け合いが、良い。 |
スローガン 桜沢エリカ |
4 | エルメスのバッグを通じた現代の人間模様をまあよく表現してはいるが、結局は「ブランドものが欲しい」という物欲に回収されてしまっている。…とまあ、かくもエリカは鋭さを失っている。別に期待していないからいいんだが、岡崎京子が行動不能のいま、これでは… | 4 | まあ、PSのゲームでも作って、おしゃれコミックの最先端でも気取ってくれ。 |
ファースト・ラブ 池上花英 |
6 | あずちと高須はつきあって3ヶ月、まだセックスはしていない。そんなときあずちは高須の家に呼び出される。少女主義的恋愛が現実に直面する一瞬、それが初めてのセックスなり性的行為であろう。少女主義の凄さ/恐ろしさは、そうした激しい、強い現実感覚すら「主義」に従って「組み替え」(江藤文夫)、少女にとって都合のよいものにしてしまうことにある。可愛らしい絵がそうした変梃な変換をさらに際立ったものとしている。 | 5 | ベントラーさんは公務員だから気軽に呼んじゃあいけないんだよ。わかったかい、そこのチビッコ。週末は遊園地でベントラーさんと握手だ。 |
スタハノフ運動 小野塚カホリ |
7 | 最近少女向けエロ漫画で忙しい様子だが、にもかかわらず完成度は高い。ぼーっとするのが好きで、なんとなく高校を辞めてしまった主人公は、次第次第に不安感に侵されてゆく。その淡々と、かつ着々とした描写は読み手にも強く伝わる。怖い漫画だ。 | 5 | 扉のアオリ文句が二重になっているのは、ゴーストではなくて、表現なんですよね。 |
PANIC KIDS オーツカヒロキ |
5 | ヤンキーの男ふたりは超マブ(恥)の女の子にアタックするが簡単に振られる。ふたりはそのこのいとこと名乗るブス女にコーチを受け、今風の男に変身するが…男性作家もこのジャンルに進出してきたようで。「おたく男・カルチャー」を基礎にしているところが微笑ましく、またややジャンプ臭が気になるが、この手のおなご向け漫画の基本線をきちんと踏襲しているので結構すらすら読める。ギャルゲー文化とモヨコ要素の妙な合体がもたらすそこはかとないへっぽこ感がよい。 | 7 | はははは、馬鹿でよい。まあ、ヤンキーが髪おろせば、美形というのは常套手段だが、馬鹿でよい。まあ、特攻の拓がなければ、コミックマスターJはなかったわけだからねえ。 |
スラング 橋本ライカ |
5.5 | カップルの間のこころの揺れがテーマ。女の方はついついかっこいい男に惹きつけられ、寝てしまう。今回はオハナシがややありきたりで弱く感じられるが、この簡潔な線はやはり魅力だ。全体としてはちゃんとまとまっている。 | 5 | どーやら、俺様ちゃんとは魂の国籍が違うようなので、あまり話にのめり込めません。 |
ニュー・ワールド 大久保ニュー |
7 | 例の美術系専門学校生(まわりより年上)が主人公。つまらん男に引っかかって泥沼にはまります。いやあ、やっぱり着眼点がいい。男性でありながらよくもまあこう女性の視点から描けるものだ(まだショックから抜け出せず)。つまらん男にひっかかってしまうあたりの描写も妙にナマナマしくってよい。 | 7 | 俺様ちゃんも部屋では裸足だ。くつろぐ部屋で、靴下をはいているなんて考えられん。 |
南瓜とマヨネーズ 魚喃キリコ |
8 | 同棲するふたりだが、本格的に金がなくなってしまう。女は彼を喰わせるためにとうとう体を売ってしまう。追いつめられているなぁ。悪いほうへ、悪いほうへと向かっていかざるを得ないノーフューチャーな同棲カップルの姿を実によく描き出している。末は心中か? | 6 | そうか、俺様ちゃんは、もってくタイプなのか。でも、人間がたった四種類に分類できるかっ。 |
ゆらゆら 南Q太 |
8 | マイペースな恋に励む主人公。いきなり友人に呼び出されるが、それは友人が不倫先の奥さんに説教されている修羅場だった。うむ。ゆらさん出産後も衰えぬその力。つよいストーリー。これはひとえにQちゃんの漫画が実体験をバックにしたものだけでなく、それを抽象化したところに成立していたからであろう。強力な体験を持つものは逆にそこから抜けられない。Qちゃんは体験を持たないからこそ、コンディションに関係なく読める漫画が描けるのだろう。よい。 | 6 | 悪くないんだけどなあ、やっぱり出産後はなあ、切れが落ちるのかなあ。もう一歩感あり。 |
地獄のサラミちゃん 朝倉世界一 |
5 | そういやショート・ギャグはこれだけ。まぁこんなもんでしょ。 | 5 | おにぎりとおむすびどう違うんですか? |
Baby Blue 藤原カホ&倉沢アキフミ |
2 | 女は男の飲み会での無様な姿がいやにやって飛び出すが、結局は元のさやに収まる、というオハナシ。おお、初めて登場。あからさまなミツカズフォロワ。名前までカタカナなのが微笑ましい。内容は残念ながらダメな出来。硬質な線は硬質な内容にこそ合致する。この線でこのオハナシ? | 6 | じゃあ、大盛りをつゆだくで。後、卵にみそ汁。・・・まあ、吉牛ぐらいで威張られてもなあ。 |
●吉本 | 世紀末によみがえった「同棲時代」。ちゅうことで「南瓜とマヨネーズ」にしよう。。 |
●久遠 | パニックキッズでっしゃろ。 |