キューティーコミック99年9月号

そどむ小野塚カホリ	吉本	８	…これはこれは意外な展開。良き相談相手であろうと思われた美容師のあんちゃんがこう来るとはね。単なる若者たちの経験の浅い恋愛ではすまさないというわけだ。流石小野塚、意地が悪い。ニヤケてしまうことしきり。
そどむ小野塚カホリ	久遠
地獄のサラミちゃん朝倉世界一	吉本	５	地獄巡りのオハナシなのだが随分ほのぼのしていること。これはこれで気軽に読めるので悪くはない。人気が高位安定しているのも分かるというものだ。朝倉一流の意地悪さも見てみたいところではあるが…
地獄のサラミちゃん朝倉世界一	久遠
草子のことおかざき真理	吉本	７	地面から生えている植物少女・草子と、普通の少女萌子とのこころの交感を描いた短編。単なるファンタジイ作品のように見えるが（それをけなすつもりはないが）、いかにもキューティーコミックらしい「年頃のオナゴの心の動き」が組み込まれていて熟練を感じる。ファンタジイとしても結構良くできあがっている。
草子のことおかざき真理	久遠
バッファロー5人娘安野モヨコ	吉本	６	2話目で3人目（？）の登場。比較的ゆっくりした展開は、モヨコが本腰を入れてこの作品に注力していることを示す。それにウーマン・リブと異なった形の「女性の解放」が描かれそうで興味がそそられる。次回も楽しみ。
バッファロー5人娘安野モヨコ	久遠
ひめきみいわみえいこ	吉本	３	弱体なギャグの底上げを狙っているのだろうか。残念ながらイマイチ面白くない。かといってこの人はシリアスものもイマイチ底が浅いので、使い方が難しいのであろう。どうすれば生きるのかなぁ…
ひめきみいわみえいこ	久遠
ラブリー！桜沢エリカ	吉本	４	つきあうことになったみいなと栞くん、というオハナシ。初めて異性とつきあうことの不安や期待が細かく描かれているのは良い。この調子でもっと細かく、繊細にやってくれるといいのだが。
ラブリー！桜沢エリカ	久遠
どうかわたしをかわかみじゅんこ	吉本	８	かわかみにしては珍しく（？）全編これエロネタ。疲れた女医が若いOLを見ているうちに妄想が広がり…というありがちなオハナシなのだが、描写と演出が優れているのでどこまでが妄想で、どこまでが「現実」なのか分からなくなってくる。上手い。エロさという点でもなかなか脳を刺激して良し。
どうかわたしをかわかみじゅんこ	久遠
天使の回廊藤末さくら	吉本	５	同棲することになったふたり、という展開になってしまい、前回のような暗さが影を潜めてしまっている。自分の方向を確認するために彼の友人とセックスしたり、という「痛い」描写はあるが。もっと主人公を追いつめてしまっても良いのではなかろうか。
天使の回廊藤末さくら	久遠
夢の温度南Q太	吉本	６	ついに離婚することになったようで。ところでオハナシは先生とお兄ちゃんの「いい関係」が描かれて、逆にややトーンダウンしたような印象。まぁこれが次回以降のハードな展開の伏線になっているのだろうが。田舎ってのは恐ろしい部分も持っているからねぇ。
夢の温度南Q太	久遠
ナンパでGo!! オーツカヒロキ	吉本	７	やや線が荒れているものの、独特のパワフルな展開は健在。逆ナンがたきであるはずのふたりが何故か意気投合してしまうという展開は、普通だったら噴飯ものなのだが、かれのノリでやると何故か納得してしまう。勢いというものがいかに大切かよく分かる作品だ。
ナンパでGo!! オーツカヒロキ	久遠
ホモとサピエンス室田朋美	吉本	４	作劇姿勢のブレが目立つ。ギャグならギャグ、シリアスならシリアス。
ホモとサピエンス室田朋美	久遠
南瓜とマヨネーズ魚喃キリコ	吉本	６	…で、結局もとのサヤに収まるというわけか。オハナシを抽出するとたわいないのであるが、それを演出する画面構成は流石に上手く、「こういう展開しかないな」と納得させられる。淡々と流れる画面と時間は他の人では描けないであろう。単行本になって読み返してみたくなる作品だ。
南瓜とマヨネーズ魚喃キリコ	久遠

＜総評＞

吉本	前回のテンションが高すぎたせいもあるのだろうが、今回はイマイチという印象が拭えない。Qちゃんなりキリコなりのテンションがやや低いのが大きいように思う。他の作家の作品内容の底上げが必要なのではなかろうか。
久遠

＜ベスト＞

吉本	小野塚の意外な展開も面白い。ピロンタンの勢いも悪くない。だがどれももう一つ、という感が否めない。ここはゲストでファンタジイということもあるのでおかざき真理の「草子のこと」にしよう。
久遠

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