フラミンゴ 99年6月号
| 私の罪はアナタノツミ 白井薫範 |
吉本 | 6 | いつもの「Pサーガ」だが、今回のPは際立って反抗的なのがよい。ただこのパターンはすぐに使い尽くされてしまうだろう。その「次」が大切だ。 |
| 久遠 | |||
| 爛熟 海野やよい |
吉本 | 6 | 「漫画の鬼アックス8号」で田北鑑生がやよい先生について言及しているが、そんな彼も現物のやよい先生を見ると考えを改めるであろう。開き直りなのだと思うのだが、私は。 |
| 久遠 | |||
| バージンゆみこちゃん▽ 町野変丸 |
吉本 | 6 | 珍しい二部構成も、ちゃーんとくだらないオチがついていて実に好もしい。思わず笑ってしまったことだ。 |
| 久遠 | |||
| 歌はともだち 海明寺裕 |
吉本 | 8 | …うむ、妄想世界は更に広がり、「K9がいて当たり前の世界」が構築されている。ここではあたかも、われわれが現実に接する「K9がいない世界」の方が「間違って」いるかのようにすら思えてくる。そしてオスのK9の登場！！更にK9世界のリアリティが増している。恐ろしいことであるよ。 |
| 久遠 | |||
| 花咲ける純情 駕籠真太郎 |
吉本 | 8 | 祝！単行本化！！最初は一寸不調かと思わせておいて、後半はトバシまくり。そうか、便そのものが武器になるのではなく、便の重みが武器になるのか！ここにある妙な論理的整合性が馬鹿馬鹿しくも、われわれを異世界へと誘う。 |
| 久遠 | |||
| Bagles しのざき嶺 |
吉本 | 7 | …ここにオトコの身勝手さが明らかになる。さすがに嶺先生は読者をイヤーな気持ちにさせる術を心得ている。セックスはインタラクティブなもの。それを考慮しないセックスのいかに多いことか？ |
| 久遠 | |||
| バージェスの乙女たち 蜈蚣Melibe |
吉本 | 6 | え？いきなりモラリスティックなオハナシ？「ショックのパー」とこうした普通のオハナシが矛盾なく同居しているところがじつに狂気度が高い。ここにある無意識過剰には脳が溶けそうになる。 |
| 久遠 | |||
| 父娘（禁）倶楽部 腹部腸 |
吉本 | 6 | うーむ、つたないCG表現だ…と思ったら、後半はかなりエロエロで面白い。書き文字のみならず、吹き出しのなかの文字まですべてコンピュータ処理してあるのが違和感の源なのであろう。もう少し「漫画」表現に近寄らせた表現が必要なのではなかろうか。伸びる可能性は感じられる。 |
| 久遠 | |||
| あーや 童門冬児 |
吉本 | 7 | この人も似たようなシチュエーションだが、滅びに向かって一直線という展開はそれだけでよし、という感じである。人間の「どうにもならなさ」を描く姿勢はよし。 |
| 久遠 | |||
| 束縛と、 みみずしき |
吉本 | 5 | 確かにキチク系のお話ではあるが、フラミンゴに必要な「特殊さ」はまだまだこれから、という感じである。もっとフェティッシュな方向に進むとよいだろう。 |
| 久遠 | |||
| 便器 天竺浪人 |
吉本 | 8 | …なるほど。こうしてオハナシは統合されるわけだ。いままでぶつ切り感が強かったそれぞれのエピソードが収斂し、クライマックスに向かおうとしている。この構成の妙！流石に天竺、センスがある。目が離せない。 |
| 久遠 |
＜総評＞
| 吉本 | 今回はいつになく連載陣のテンションが高い。「いつもの」作品の範疇に入りながらも、それぞれの作品世界を強烈に深めているという印象だ。 |
| 久遠 |
＜ベスト＞
| 吉本 | キレまくっている。トバシまくっている。もはや完全に「世界」が作り上げられている。そしてついにオスのK9の登場！！我々のリアルワールドこそ幻想なのかもしれないぞ！ということで「歌はともだち」にするほかない。 |
| 久遠 |