フラミンゴ 99年8月号

Crumpet

しのざき嶺

吉本 相変わらず特殊方向で攻めること攻めること。好きになった女の性器にピアスがついていたら、みなさんどう思いますか。私は黙ってそれきりにしたいと思います。
久遠    
精服シリーズ エロメイド

1ROO

吉本 何ともヒネリのないタイトルにはドキドキする。内容も期待通りの脳味噌を使った形跡がほとんど見られないガチの内容。エロのパワーを今更ながら感じさせられる。次はもう少し脳も満足させて欲しいです。
久遠    
続・異境の掟

海明寺裕

吉本 オンナモドキに反対し、嫌悪していた女性研究者がまんまとわんこに堕ちてゆくこの素晴らしさ。先生、夏コミではさらなるK9本を出してください!
久遠    
バージェスの乙女たち

蜈蚣Melibe

吉本 Dr.バージェスもアノマロカリスも全く出てこない展開には唖然。だがこうしたエピソードが挿入されることによって作品世界が深まっている。段々と「ヤプー」のパスティーシュを離れ、独自の「ユグドラシル世界」が構築されていっているさまが見えるのだ。この傾向や、よし。
久遠    
バラバラゆみこちゃん▽

町野変丸

吉本 さらに人間をモノとして扱う傾向が増している。まぁ、最初から人間に尊厳や人権なんてものはないんだけどね。それでもここまでやられると逆に心地良い。
久遠    
便器

天竺浪人

吉本 はっ、と思わせる展開。2種類の、片方は純粋に観念的な、もう片方はきわめて具体的な「肉便器(それ自体きわめて観念的なものであるが)」が、鮮やかな手法でシンクロする。さまざまに広がっていったオハナシがある一瞬をきっかけに収斂するのを見るのはいつも小気味よいものだが、ここでの収斂は水際立っている。流石天竺。
久遠    
拉致

海野やよい

吉本 やはりいつものパターン。そろそろ別のタイプのオハナシも読みたいところ。先生、御自分のセクシュアリティは?
久遠    
私の罪はアナタノツミ

白井薫範

吉本 これもいつものパターン。流石に食傷ぎみ。もっと別のパターンを考えられたほうが良いのでは、先生?
久遠    
わが恋せし乙女

駕籠真太郎

吉本 うーん、かなりなげやりな展開。それまで緻密に築き上げられてきた「駕籠世界」が、パラレルワールドの導入によって破綻を来しはじめているのが辛い。「この世界はこういうものだ」って、大見栄を切らなくては。単行本発売で疲れたか?
久遠    
Birthday Party

童門冬児

吉本 年端もいかない男の子がケダモノと化す、というのは面白いのだが…
久遠    
しりこだまGET

ナトリウム内山

吉本 いやあ、この人も脳がなくていいですなぁ。ガチのエロで攻めていって欲しいものだと思います。
久遠    
渇望

るもいじゅん

吉本 心に抱えた決定的な空虚を、逃げずに正面から描いているところがよい。モノになれば人に触ることができるが、ヒトに戻った瞬間拒絶してしまうという表現はきわめて切実なものだ。そしてオハナシのカギになる嬰児。経産婦だからこそ描ける迫力のあるオハナシ。いいわ。
久遠    

<総評>

吉本 やはり売り上げは惨憺たるものなのだろうなぁ。ラインナップのあまりの特殊さ、そして連載陣のパターン化からもそれは伺えるというものだ。だがだからこそこの雑誌に魅力があることも確か。メゲずに雑誌を続けていって欲しいものだ。
久遠  

<ベスト>

吉本 普通だったら黙って天竺。ところが今回もるもいじゅんにしよう。何故かといえば出産だけは男には不可能だからだ。その「他者」性に注目したい。
久遠  

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