フラミンゴ 99年11月号

Bagles-D

しのざき嶺
吉本 どうやら精神的にも復活を遂げたようでいい塩梅。今回のオハナシもちょっとトランジスタグラマー(古い)の人妻が行きずりの男と…ってもので、オヤジ的ねちっこいエロが感じられて良い。それをまたエロ劇画ではなく、美少女漫画/少年漫画の絵でやるから良いではないか。きりっとした感じの奥さんは良いですなぁ。
久遠    
puppy Love

海明寺裕
吉本 んもう。ニヤニヤしてしまいますがな。イヌは生物的には人間と同じなのだが、社会的には問答無用で線引きされている。このアプリオリな感覚は、強く強く我々の常識を揺さぶる。ところで、人間はイヌとやったり、イヌに欲情したらいけないのだろうなぁ。獣姦ということになると思うのだが。
久遠    
駅弁通学▽

町野変丸
吉本 オハナシはタイトルの通り。以上。
久遠    
マミちゃんスタアになる

鰤てり
吉本 うむ。だんだんフラミンゴの流儀を覚えてきたようで。腑抜けたものでなく本当に痛そうなレイプなのが良いじゃないですか。ただ性器描写などが汚く見えてしまうのが惜しい。
久遠    
かわいいひと

小河ちとせ
吉本 アタマのなかにはセックスのことしか入っていない、ってことがアリアリ分かるのはよろしい。
久遠    
きゃっと☆えれぢ〜

第25歩兵師団
吉本 個人的には非常に久しぶりの作家。10年ぶりくらいかもしれない。オハナシやエロ描写そのものは別に見るものは何もない。だが猫のコスプレをさせられる女の子の体の線の描写はなんともエロい。特に胸の描写がよいではないの。あえてブラで覆っているのが好もしい。
久遠    
猥褻な愛の傷跡

MAC-V
吉本 いくつもの点で評価できる作品。まず線で画面を構築するという試み。胸の膨らみ、興奮しているさまがやや粗い線で描き込まれ、それが上手い表現効果になっている。次に実に気持ちよさそうに「縛り」を描いている点。女の側が縛りを積極的に受け入れているさまが、画面から伝わってくるのだ。第三に視線の使い方が上手いこと。男も女も視線を絡みあわせ、興奮を高めていく。いやあ、エロいでないの。
久遠    
バージェスの乙女たち

蜈蚣Melibe
吉本 アノマロカリスをジャンキーにすることによって、フェラチオアスカのオハナシが俄然生きてきている。こういう意図があったのだね。そしてアノマロカリスに潜んだ謎も少しずつ明かされてきている。ほう、連載ものとして面白くなってきたではないですか。そしてケロヒト陛下!陛下ちゅうのはちとヤバいのではないですか?
久遠    
おさるさんと私

童門冬児
吉本 エロを描いてください。
久遠    
私の罪はアナタノツミ

白井薫範
吉本 自分のセクシュアリティが完全に豚だと分かっている主人公。だがまだ彼女は「常識」「社会」につながれ、一歩を踏み出すことができないでいる。それを無理矢理断ち切るハート型の人魂。美しい描写だ。「O嬢の物語」でもこの人魂は非常に幻想的に、かつ効果的に使われていたが、ここにおける描写も決して劣るものではない。
久遠    
秋のはじめの身体検査

鋭利菊
吉本 これもかなりイッてしまってます。すこーしづつ小学6年生の女子のアソコを開いていくっていうのDeathから。更に、この一連の作品では「小学6年生らしさ」が非常に良く出ているのが面白いじゃないですか。女子の方が男子より強かったり、こころと体がアンバランスになったりといったところに非常に自覚的なのですな、鋭利先生は。実際の小6で何がヤバいかといえば、そのバランスの悪さなのだから。分かってる人だなぁ。
久遠    
束縛−人生さえも−

海野やよい
吉本 タイトルの通り。若くて性的魅力があるうちはいいのだが、年老いて性的魅力を失っても、人は人を飼い続けることができるのか?ぐんぱん先生の作品でも同じ疑問を抱くが、そうしたかなり厳しい問題に対しても、やよい先生は逃げることはない。徹底的にやってくださるでしょう。
久遠    

<総評>

吉本 随分様変わりした印象。だがそれぞれの漫画のレベルが高いのでかなり読める。ゲストがいい仕事をしているじゃないですか。普通のエロ漫画誌へとゆっくりシフトしていっているが、一方でフラミンゴらしさ(ボンデージ&ディシプリン)を忘れきったわけではない。良いじゃないか。
久遠  

<ベスト>

吉本 嶺先生描く奥さんもソソりますが、ここはゲストということで「猥褻な愛の傷跡」にしよう。セーラー服のまま縛られ、バストコンシャスな状態で吊られることが、これほどエロティックに映るとは。私も今度縛りでもやってみましょうかね。
久遠  

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