フラミンゴ 98年11月号

    吉本松明 久遠永遠
便器

天竺浪人

可愛い女の子とつきあい始めた主人公。しかし普通のセックスはできず、アナルを責め、そのにおいをかぐことでしか興奮できない。授業中にそれを思い出した主人公はトイレでオナニーするも、誰のものとも知れない便のにおいでまたも興奮してしまう。 マニアは素直になるしかない、という教訓。自らのセクシュアリティを抑圧したり制限したりしようとすると、どうしても無理が出るし、精神的にも良くない。スカトロが好きならそれで良いではないか。…まあ、その抑圧にドラマトゥルギーがあるのだが。 響子先生登場か。声は三石琴乃だね。
薫物屋奇談

海野やよい

学校の帰り、特殊なお香を買う主人公。そのお香をたいて寝た主人公だが、徹底的にいじめられ抜く淫夢を見る。それもひどくリアルな… 実際に「飼われる」ことになった主人公の嬉しそうな表情といったら!!私は女性の方のMの心理はイマイチ分からないところがあるのだが、本当にあるものだなあ、と実感する。それを画面に描き出せるやよい先生も流石。松- どういう構造になっているンだっ。まあ、エロくはあるが。
girl Hunt

海明寺裕

未だに自分の運命に逆らい続ける冴。しかし次第に自分の「分」をわきまえてゆくようになる。「わたしは冴…サエ号…」 うむ!堕ちて来ましたなぁ。次もさらに堕としてくれそうで期待大。やや小杉あやの絵柄の割合が多くなってきているのが気になるが。竹+ こうして墜ちていくんだねえ。精神的SMだねえ。
螺旋色

冬魔乱

真珠は普段は慎ましさを装っているが、実は縛られるのが大好き。いとこの少年の家庭教師をするが、次第に少年のペースにはまり、縛られてしまう。 絵にかなり癖があるものの、ねちっこいSM描写はフラミンゴにうまく適合している。ややセクシュアリティへの耽溺の度合いが足りぬような気もするが、雑誌の色に合っていないわけではない。 普通のエロマンガだねえ。ところで、螺旋色って口から内蔵を吐き出すときの色か?
球根栽培

しろみかずひさ

真理果に人間らしさを取り戻そうとして、発話機械を買い与える「友達」の和光。少しづつ真理果は言葉を発するように。それを兄の旭は複雑な目で見つめる。「母さん、これで良かったんだよね…」 「少しの間休載」とあるが、当分載らないんだろうなぁ。これから心理的にどろどろの描写になりそうなのに非常に残念。様々な事情はあるのだろうが、しろみが読めなくなるのは辛い。 お久しぶりですねえ。悲しいことだが、しばらくの間お別れですか。変玉の方が忙しいのか?
バージェスの乙女たち

蜈蚣Melibe

突然流行したアノマロカリスのコスプレ(純白のフリフリのピンクハウスのドレス+縦型のマスク)。そうした人々は「アノラー」と呼ばれた… 本当に大マジのマジでやってらっしゃるところがもの凄い。ネタ的にはもろ「ヤプー」のパクリ(シュガー佐藤筆の漫画版ヤプーの4巻を参照)だが、全く別の境地にたどり着いてしまわれている。わたしとしては更なるMelibe先生の飛躍を願うしかない。竹+ あほな・・・なんてあほな漫画なんだ。確信犯でやっているのなら、だが、大真面目でやっているのなら、
校長

町野変丸

ゆみこちゃんは校長の命令で、夏休みの間体のあちこちを改造してきましたよ。乳房を4つにしたりとか、乳首をいっぱいつけたりね。もちろん大きなちんちんもついてます。 オチが鋭い!どっかで見たことあるような気もするが、大笑いしてしまった。ギャグとして良くできている。 うぐっ、変丸の漫画でこんなに気持ち悪くなったのは、久しぶりだ。すごい、フラミンゴチックである。

鰤てり

とうとう父親に犯されそうになる妹のミズキを救うため、姉のカンナはアナルプレイやスカトロプレイにも諾々と従う。復讐の念を秘めて… ちんちん噛み切るくらいか。もっと徹底的な復讐だったら面白かったんだがなぁ。志は悪くないがもっとフェティッシュに、もっとディープにしないと、フラミンゴではやや目立たない。残念。 なんだ、復讐はちんちん噛み切るだけですか。もっと陰湿に攻めるかと思ったのに。
正義のために

ナトリウム内山

町に巨大怪獣が出現する。対抗するのはウルトラマン似のスペルマン。それが八つ裂き光輪を放つと、怪獣の中からおっぱい星人が現れる… …ふふふ、お馬鹿な漫画。存分に壊れていて笑ってしまうし、徹底しているところが楽しめる。やや自分のセクシュアリティに忠実でないように見えるところがあるが、筋は悪くない。 馬鹿な漫画。怪獣は、初めから裸だった方が良かったのでは?
笑って▽ぶたぱん

白井薫範

ぶたぱんの家までやってくるきつね。ぶたぱんはクリトリスに引き綱をつけられ、深夜全裸で四つ足で町中を引き回される。恥辱に顔を歪めながらも、今までにない快楽に身を任せるぶたぱん。 滅茶苦茶なことをされているので、理性ではそれに反発しているのだが、カラダがそれを受け入れてしまうという描写がいちいちなされているところが良し。普通の人は必ず拒否反応を示してしまうであろう漫画だが、ここにこそ人間の「深さ」があるように思う。松- ほえー。これで、勃つ人っているのか?
Violet

しのざき嶺

検査は進み、焦点は射精の時の律動の回数に。看護婦は献身的に「検査」を手伝う… いつもと異なりじわじわ攻めているところが面白い。それも気合いの表れか。やるなら徹底的に人体改造を! 先輩の声優が決まったか。岩男潤子?でも先輩の台詞って、カリオストロの城の五右衛門ぐらいしかないじゃない。

<総評>

●吉本 ナトリウム内山が育ちそうなのが良い。もう一人ばかり「育成」する必要があるのは相変わらずだが。しろみの喪失を補う努力も必要であろう。ただ、全体に執筆陣のレベルは高く、知らなかったほうが良かった世界((c)ログイン)を存分に味あわせてくれる。
●久遠 今回は、フラミンゴ度が足りないんじゃないか?

<ベスト>

●吉本 感極まった女子高生の表情に感服の「薫物屋奇談」にしよう。
●久遠 えーっとファンシーララかな?

Back