コミックフラッパー 7月号
レヴュ担当 | 吉本松明 |
WestRiver |
グイン・サーガ 栗本/柳澤 |
吉本 | 5 | ○グに関しては私は全然タッチしたことがないので、オハナシについては何もいうことはない。作者の心の棚がものすごく広いのであまりいい印象を持ってはいないのだが、作品は別なので。絵は流石に綺麗。 |
W.R. | 10 | これは凄いコマ割りと迫力・・・。伝記物としては長いシリーズの小説みたいですけど(すいません、読んでません)、その雰囲気を描ききれるだけの画力と迫力がありますね。大期待。 | |
ブルー・レスキュー 菊地/高山 |
吉本 | 6 | 高山裕樹は「にいがたマンガ大賞」受賞者だそうで。おそらくは同人活動も長いのだろうが、すでに完成されきった少年漫画的描線を描くことができるのが強い。それが菊地の原作を得て、どう化けていくか。楽しみなところ。 |
W.R. | 9 | 結構唐突な始まり方ですが、これまた引き込まれます。気合いの入った新連載・・・。あ、この人魔法の服の読み切りを描いてた人か。いい新人さん発掘したな〜。 | |
トランジスタにヴィーナス 竹本泉 |
吉本 | 7 | 今まで意図的に封印してきたであろうエロネタを、この作品ではフルに使っているのが面白い。だがこんなものではないはず。もっとゴリゴリにエロをお願いしますわ。 |
W.R. | 8 | スパイものとして、今までで一番スペクタクルですな。ほのぼのと。なんかオチというか、毎度のようなガクッと肩の力が抜けるようなネタでいいですね。 | |
魔法のエンジェルグルグリビューティー 和六里ハル |
吉本 | 7 | おそらくは師匠であろう近藤るるる先生の徳目…くだらなさ…を、見事に引き継ぎ、良質のくだらないエンターテイメントに仕上げている。そしてキャラクタの可愛さもまたよし。ビューティーくんに萌えない人とはちょっと友達になりたくないですね。 |
W.R. | 7 | ちょっと少年がヒロイン(?)とは、意外というか何というか・・・。女の子の可愛さが良かったんだけど、まあ始まったばかりだしな〜。あとの展開に期待ということで。 | |
そして船は行く 雑君保プ |
吉本 | 5 | 新展開にして黒幕登場。そうですか。今回は出鱈目なアクションがないのでやや欲求不満か、といったところ。 |
W.R. | 6 | シリアスかと思ったら、結構崩しましたね・・・。けど、これくらいの方がバランスがいいと思いますですよ。というか、このくらいシリアスをしっかり入れないと、この崩し絵は変な話、生きないんですよ。うん(←・・・言いたい放題。すいません・・・)。 | |
パラノイアストリート 駕籠真太郎 |
吉本 | 8 | フラミンゴやコットンの連載と異なり、こっちのほうはうまくかれ独自の「毒」を相対化しているのが面白い。だがだからといって毒がないわけじゃないところが面白いところ。死体の小夜ちゃん(黒子込み)がレギュラーキャラクタになっているのがいいじゃないですか。次もまたお願いしますよ。 |
W.R. | 6 | 死体ネタ引っぱるの?? ちょっとそこで引いちゃったんですが、ネタは面白そうでいて・・・。えー、落ちてません(爆)。アイデア出したらちゃんと落とさなきゃ・・・。そういう意味で今回はちょっと物足りないです。 | |
刀神妖緋伝 新谷かおる |
吉本 | 5 | アイパッチの女子高生なんていねーよ、と思ったあなた。これはこれでいいんです。昔懐かしいまんが大明神の統治下においては、こちらのほうが正統だったのです。 |
W.R. | 5 | まあ、普通の展開ですね。ちょっと期待させる部分があるので、今回はちょっと読ませるものがあります。 | |
口裂け女 守安啓行 |
吉本 | 6 | なんと19歳ですか。細かい部分の書き込みなど、まだまだこれからという部分も多いように思えるが、勢いはあるし、「メダロット」を思わせるような線のポップさも良い。将来性を感じさせる作家。 |
W.R. | 5 | 実は目次に載っていないんですね。穴埋め的ですけど。これで2作目ですが、まあこういう作風なのか、というところでしょうか・・・。ちょっと自分の世界を完成させてしまってる感じがしますが、もっと上を目指した方がいいと思います(自分の限界決めてるような気が、少しするんですが・・。その殻やぶったら伸びそうな気がするです) | |
超少女明日香 和田慎二 |
吉本 | 3 | うーん…。睦月影郎先生はもう出てこないのですか? |
W.R. | 7 | いろいろな伏線があって、それが上手に組み合わされているので、なかなか面白くなってきました。というか、最初からそういう意味では面白いんですが。 | |
ひっち&Go!! 永野のりこ |
吉本 | 6 | いつものパターンといえばいつものパターン。だが次第に「電オデ」のリハビリを終え、調子を取り戻してきているさまがうかがえる。ナゾのメガネマッドサイエンティストの登場だから。「すげこま」のようなたたみかけるようなギャグの連続を再び期待したいもの。 |
W.R. | 8 | なんかドタバタ煮拍車が掛かって、どんどん面白くなってきた(汗)。侮りがたし・・・。 | |
かみちゃまの電堂 たけだみりこ |
吉本 | 4 | 何もいうことはありません。 |
W.R. | 6 | 実はこれ、SFだったというオチか?? ちょっと展開は気になってきたぞ。 | |
スカルマン 島本和彦 |
吉本 | 8 | ライダー登場で一気に盛り上がりを見せている。次第次第に島本本人の味が出てくるようになってきているが、それはおそらく巨匠石ノ森との戦いに決着がついてきていることの証であろう。まったく目が離せない作品。 |
W.R. | 9 | 役者は揃ったといったところか・・・。ふと思ったんですけど、これ石ノ森さんが直接描いていたら、こういう迫力あるシーンにはなってないですよね?(あの絵柄ですから)。ある意味、運命的な出会いなのかも・・・。 | |
韃靼タイフーン 安彦良和 |
吉本 | 7 | 入浴シーン、ですか。半ちち、ですか。安彦良和の徳目としてキャラクタの「なまめかしさ」があるわけだが、それをうまく使っててこ入れを行っているのが良い。 |
W.R. | 4 | 物語の概要は分かってきましたが、これからの展開次第です・・・。今はまだあまり評価できないな〜。 | |
アタゴオルは猫の森 ますむら・ひろし |
吉本 | 6 | かれの恐るべきところは、完全にヒデヨシをトリックスターとして使い、しかもそれが「こちら側」におくところにあると思う。多くの場合トリックスターは訪問者であり、われわれの側とは違ったところにいるのだが、それを内面化することによって、常にわれわれの側は不安定なものになる。だがそれはファンタジイという場においては好ましいもの。常にそこから物語が紡がれるようになるのだから。 |
W.R. | 6 | ちょっと今回のネタは分かりにくかったかな? | |
串やきP SABE |
吉本 | 6 | ペンギン虐待女の怪しさに気づく妹。謎が謎を呼ぶ展開が面白い。そしてブルマ−。好きなように描いているではないですか。 |
W.R. | 謎が謎呼びながら、しっかり物語は進行していく・・・。イケイケ〜。 | ||
Lekio's Radio 田中伸介 |
吉本 | 4 | 独特な舞台設定と絵の世界はいいのだが、もう少しオハナシを工夫して欲しいところ。 |
W.R. | 1 | 特になし。 | |
注目の人 ふじのはるか |
吉本 | 5 | やわらかい描線、ファンシーなオハナシ。閉じた世界における充足。そうした舞台設定にはちょっと気になるところがあるが、それを転化して外に向かおうという方向も見られる。ぜひとも外へ、一般へ向かう方向を目指して欲しいところ。 |
W.R. | 2 | ちょっと面白みが無くなってきました。挽回できるか? | |
2015年の打ち上げ花火 柳沼行 |
吉本 | 8 | ティアなどででおなじみ「梟亭」の作家。やっぱりファンタジイには宇宙が良く似合う。2000年という年は、ある種憧れの年であったはず。1999年を乗り越えた未来がそこにあったはず。なのに現実においては、エアカーもなければ宇宙旅行も(一部を除けば)実現していない。そうした幻滅は、強く現代社会にのしかかっている。 しかしだからこそ、われわれはファンタジイの翼を広げなければならないのではないか。宇宙飛行士を目指さなくてはならないのではないか。この作品は、そうした「夢」をもたらしてくれるように思う。古典的といっていいような描線、展開のちょっとしたぎこちなさはあると思うが、徹底的に夢を志向する方法論には、深く共感するところ。 |
W.R. | 10 | 最高にいいです(持ち上げすぎ)。これ読むためだけに買う価値あり(言い過ぎ)。叙情的な作品というんでしょうか・・・。続きがありそうなので、大期待 | |
PHANTASMAGORIA DAYS たむらしげる |
吉本 | 6 | 漫画というよりタブローといったほうがいいかもしれない。 |
W.R. | 8 | いいにゃー。いや、これは個人の好みですので。 |
<総評>
吉本 | 新しい血を入れることにより、全体的に多彩になり、パワーアップした印象がある。しかしまだまだ多彩さが雑多さと結びついてしまっている。昔ながらの作家の使い方もちょっとぎこちない感じ(マガジンZと好対照)。統一した編集方針、ターゲットの設定の明確化が必要であるように思う。 |
W.R. | 新人さんの作品に、光るものがあります。等々発掘した新人に、原作ツキとは家連載を始めるということで、なかなか。 ただ、大御所に関しては、けっこう勝手にやって貰ってるようですけど、雑誌の方向性としてはどうなんでしょう? ファンタジー系と、けっこう迫力ある伝記物、そしてアクションというか何というか、そういうものが、けっこう強くなってくると、浮いてくる作品もけっこうあるんですが(どれとはいいませんが)。どっかで見切りは付けた方がいいかもしれません。新人発掘と、それに伴う雰囲気に関しては、私は肯定できるものがあると思います。まあ、あと何ヶ月かやってみて、その結果で考え直してもいいと思いますが・・・。 |
<ベスト>
吉本 | 次回作への期待も込めて「2015年の打ち上げ花火」にしよう。やっぱり今は創作系同人誌に可能性があるのですよ!次は志賀彰さんをデビューさせる、というのはどうですか?????? |
W.R. | 「2015年の打ち上げ花火」。文句無し。次点は新連載の2作品ということで。 |
Last-Update: Thursday, 13-Nov-2014 09:16:05 JST