ガロ 2000年2月号
ねこぢるうどん ねこぢるy |
吉本 | 7 | yでないほうのねこぢるからの続き。ころぺた号が街を破壊し尽くし、にゃー子たちの町にもやってくる…というオハナシ。やっぱりころぺた号も山野の発案だったと?ネタを考えれば納得できることだが。街の破壊にうっとりするにゃー子とにゃっ太の描写が非常によろしい。 |
久遠 | |||
招く猫 やまだ紫 |
吉本 | 5 | 例によって淡々としているので、ひとつの短編では評価できない感じ。日常のちょっとしたことに目をとめる繊細さは相変わらずなのだが。 |
久遠 | |||
ヨーチA(エース) QBB |
吉本 | 4 | ネタに詰まっているライターのもとに現れる小人、ヨーチA。それはライターだけの幻覚ではなく、ヨメや子どもにも見える。第一話(?)なのであんまり良くわからないし、ヨーチAのキャラの造形もまだ良くわからない。今後良くなりそうだが…。 |
久遠 | |||
疲れたセールスマン 蛭子能収 |
吉本 | 3 | エレベーターでのぼった先が宇宙だった、というオハナシ。そうですか…。 |
久遠 | |||
父のいなか みぎわパン |
吉本 | 6 | みぎわパンが描く「世界」は、70年代初頭、まだ高度成長だった時期で共通している。それはノスタルジアを呼び起こす一方、独特のめまい感覚を作り出す。これは好き嫌いあり、私はちょっとなじめないのだが、絶対値は高いことには間違いない。 |
久遠 | |||
トップ獲り 三本美治 |
吉本 | 6 | 「テロルナイトメア」のシリーズ2作目。今度はムカツク舞台監督を切り刻む。前回に見られたエラン・ヴィタルが見られなくなったことと、絵柄が雑になりすぎて何が描いてあるかわからないほどになっている点が残念。ただ、それまで弱者であった/気が弱くてものが言えなかった人が、ムカツク人間を滅ぼしさるという展開はよろしい。いかにも三本。これが毎月読めるのは嬉しいが、もう少しブラッシュアップする必要もあるように思う。 |
久遠 | |||
ちゃらいぜ!吉田くん スージー甘金 |
吉本 | 4 | そうですか。 |
久遠 | |||
いぬちゃんの20世紀 加藤賢崇 |
吉本 | 5 | 教養漫画としての要素が強いのが面白い。 |
久遠 | |||
産院ミドリゴ キクチヒロノリ |
吉本 | 6 | キクチには珍しい普通のキャラクタ。前回よりもいっそう普通になっている。それがかえって不気味だったりする。オハナシが進まないが! |
久遠 | |||
漂流教師 パルコ木下 |
吉本 | 0 | 体験をもとに語る、というのはオハナシの作りかたとしてはまあ悪くないやりかたである。ただそれは上手く抽象化されている場合。かなり洗練する必要があると思う。だいたいパルコが載っているということそれ自体が、この雑誌の危機を端的にあらわしている。他に載せられる人がいないのだろうな。二重の意味で評価できない。 |
久遠 | |||
恐怖博士の花嫁 逆柱いみり |
吉本 | 10 | 今までの一枚絵の素晴らしさに加えて、漫画的な速度感やカット割りが加わっている。そして水木的に本当にいやーな感じの嫌がらせをする恐怖博士の花嫁。なにも言うことはありません。…え、これで漫画は終わりですか?? |
久遠 |
<総評>
吉本 | 復刊第一号から感じていた危惧が、すでにより明確な形で現れている。漫画が少なく、目玉になる漫画もいみり以外存在しないのだ。危険な状態である。 そこで提言。「新しいガロを面白くするには?」 (1)読み物、特集を*全部*なくす。 (2)漫画の分量を増やす。カラーページは当然漫画。 (3)積極的な新人登用を行う。漫画が少ないのは編集者の個人的人脈不足であろうと推定される。だったら新人を使うべき。ガロだったら持ち込みは多いはず。 是非とも漫画で勝負してもらいたいものである。 |
久遠 |
<ベスト>
吉本 | もともと作品数がこれしかないので、選びにくいところ。永世ベストのいみりを除いたとしたら…「ねこぢるうどん」くらいですか。 |
久遠 |