快楽天 2000年4月号

人妻姫

かるま龍狼
吉本 「人妻」なのに「姫」だというところがくっだらなくっていいじゃないですか。確信犯的にやっているのが好ましい限り。一冊丸ごと人妻ものですか?
久遠    
ハッピバースデー・トゥーミー

陽気婢
吉本 出張ヘルスで来てくれた女の子は実は…というネタ。センシティブで心の交流が感じられる展開はよろしい。しかし…良いんですか、こういう甘い展開で?陽気婢の評価の難しさを痛感させられる作品。一般的に見ると名作の部類に入る作品であろう。
久遠    
阿佐ヶ谷腐れ酢学園

SABE
吉本 随分と遅くなったのか写植はなし。ウンコ太郎君とピクニックに来たブルマちゃんと日陰ちゃん。やっぱり日陰ちゃんが受難するというパターンなのだが、きちんとツボを押さえているのがいい。やっぱりテンションが高く楽しめる連載。
久遠    
ひとつぶの祈り

逢魔刻壱
吉本 「壊れて」しまった母の代わりに娘を求める父親。娘はそれに悩み自殺を図る。そして娘は「彼女」を見る。全体的に空間を多用した画面構成はアーティスティック。だが少々間延びし過ぎなような。内容の痛さはいいのだが、もっと濃密にしても良いように思う。
久遠    
電気羊はアンドロイドの夢など見ない

えのあきら
吉本 なるほど、前回の尻切れは続きものだったからですね。相変わらず「実は幼児体型」の女の子の描き方は上手い。オハナシはちょっとやりすぎな方向に向かっているように思うが、きちんと水準以上の作品を送り出してくるのだから感心する。
久遠    
看護婦さん大好き

ポヨ=ナマステ
吉本 慌てものの看護婦と激突した主人公。そのショックで看護婦の魂が入り込んでしまう。主人公は半身不随なのだが、看護婦が入り込んだことで動かなかった半身が動き出す。そしてオナニーする主人公。いつものポヨらしくなく実に普通のオハナシ。もうちょいハジけてほしかったとちょっと思わなくもなく。
久遠    
目指せ!フェラッカーNo.1!!

ピロンタン
吉本 キューティーコミックが忙しいのか、なかなかこちら側に戻ってこなかったピロンタン先生だが、この作品は限りなくくだらなくて良い。フェラで全国制覇を目指すスポ根ものなのだもの。主人公は土管に住んでるし。いつの話だ??
久遠    
Paranoid

華沢れな
吉本 そして温かい肉の感覚が主人公を包む、と。セックスとは死ぬことである。エロスとタナトスが紙一重なように、エクスタシーのときに「死ぬ死ぬ」というように、我々はセックスに死を見るのである。そうだからこそセックスは魅力的なのだ。華沢はそのエロスとタナトスのせめぎあいを正面から描き出す。単行本でまとめて読むとかなり力強い作品となるだろう。早く出してくれ!
久遠    
LAD:UNA

伊藤真美
吉本 センターに収容されるディーラ。ディーラに逢いに来る「妹」ウーネル…。伊藤真美の方法論は実に多重的だ。一見ちゃらんぽらんにディーラを描くものの、そうであるがゆえにディーラの抱える悲しみが強く引き立つ。直接的な描写を避けることによって、逆に訴求力の強い物語を作り出す。ウーネルが一般的に言うような可愛い女の子ではないところも良い。力入ってます。
久遠    
マ●コブレイク

まちのへんまる
吉本 今度のゆみこちゃんはセックスのし過ぎでマンコが壊れちゃいました。以上。惚れ惚れするような展開ですな。
久遠    
スクール

OKAMA
吉本 待ってました。すべての女性にそっぽを向かれたあとに残ったのは楓。そして楓は孝幸を許し、最後にはすべての登場人物が再登場する…。もうお分かりですね。ちゃーんと打ち上げ台でダンスを踊ってくれました。「人生は祭りだ、ともに歩もう」。違いがあるとすれば、ロケットが飛ぶところくらいですか。現代に蘇るフェデリコ・フェリーニの『8 1/2』(はっかにぶんのいち)。フェリーニが伝えようとした事をOKAMAも伝えようとしている。だからじわりと読者の心を揺るがすのだ。
久遠    

<総評>

吉本 有力な連載2本が良い形で終了したために、実にテンションが高くなっている。上品に雑誌をまとめようとしているのが成功の秘訣か。そして次回は道満清明とTAGROが登場。ぴったりの人選といえよう。道満、TAGROが持つ「いま」の感覚、それを取り入れようとしている姿勢には力強さを感じるところ。頑張って欲しいものである。
久遠  

<ベスト>

吉本 連載終了のご祝儀も含めてOKAMAにしよう。大切なのは「ともに歩もう」とする姿勢なのだ。人間誰しも良し悪しがある。それは拒絶や反発を生むだろう。だがそれでもともに歩んでいくのだ。そこに人生の趣がある。
久遠  

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Last-Update: Thursday, 13-Nov-2014 09:16:08 JST