快楽天 2000年6月号

レヴュ担当 吉本松明
久遠永遠

ママゴト

陽気婢
吉本 年上の女性と同居する青年…オハナシ的にはイマイチ盛り上がりに欠けるように思えるところ。アップダウンの少ない淡々としたオハナシ。だが何がいいかというと、少年のこころの動きとまっすぐな情熱の発露、そしてそれに応える年上の女性の描き方がいいのですな。この調子です。
久遠    
ウシコ印牛乳

ピロンタン
吉本 外国に行かずに(?)仕事をたくさんなさっているのはいい感じ。今回もやっぱりお馬鹿でニヤニヤさせてくれる。確かにちょっと線が荒れている印象はあるが、勢いは変わらず。
久遠    
阿佐ヶ谷腐れ酢学園

SABE
吉本 春は盛りの季節。ドーブツらしさがあらわれていて面白い。
久遠    
6月の花嫁

華沢れな
吉本    
久遠    
天界公路

琴吹かづき
吉本 ラストに向けてぐんぐん盛りあがっている。安心して読めるのが好ましいところ。
久遠    
大雪山綺譚

くどうひさし
吉本 ヒコロウを思わせるぶっきらぼうな線。人を食ったオハナシ。恐らくヒコロウを真似たのではなく、それが現在の「感覚のあり方」なのだといえよう。テンション高くエロギャグをキメるので面白く読める。ただ、エロで攻めるのか、ギャグで攻めるのか、どっちつかずなのは気になるところ。ヒコロウはギャグに行ったので是非エロを極めてほしい。
久遠    
人妻姫

かるま龍狼
吉本 毎度馬鹿馬鹿しいオハナシなのでいいのだが、姫が出てこないじゃないですか。ただ、かるまの「おちんちん好き」の面は良くあらわれていると思う。どれだけくだらなくなるか楽しみなところ。
久遠    
たゆたうことば

夏蜜柑
吉本 文句なしの10 …(絶句)…。
方法論としてはいつもの夏蜜柑同様。主人公は肉体的欠落を抱え、そこからドラマが紡ぎ出される。今回の作品が優れているのは、その欠落がふたりの接触によって癒される、ということもあるが、「水」というキー・アイテムが設定されているところ。一部の人間に強烈なノスタルジアを呼び起こす(そういやタルコフスキーも水が好きだった)、水を上手く使うことで、作品に強烈なポエジイを付与しているのだ。夏蜜柑はひとつの極みを見出した。次もこうした世界を探求してほしい。
久遠    
珍世界より

峠比呂
吉本    
久遠    
クリキャップ

町野変丸
吉本 るもいじゅんとネタがかぶっているのはどのようなシンクロニシティか?
久遠    
怪傑女影紅燕

久本勘介
吉本 なんと!本格的にエロ抜きの時代劇で攻めるとは!前回の奴は代原じゃなかったのですね?久本の意図と編集部の意図がどのように合意に至ったのか、実に興味深いところ。確かに「零式」とか辛そうだったものなあ。対してこっちは実にのびのびと描かれていて好感が持てる。エロ抜きでもいいからじゃんじゃんやってほしいところ。
久遠    

<総評>

吉本 TAGRO−道満が登場する月と、そうでない月は、別の雑誌のようですな。
久遠  

<ベスト>

吉本 もちろん夏蜜柑。確かに登場人物の何らかの欠落を主題にするのはカンタンな方法ではある。しかしそれも料理法次第。
久遠  

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Last-Update: Thursday, 13-Nov-2014 09:16:08 JST