快楽天　99年5月号

兄の匂い妹の匂い
ぢたま某		 吉本 ９ うむ。こうした特定のフェティシズムに依拠した作品は極めて雄弁である。「好き」という「ラブマスターX」的に訳の分からない感情によるつながりではなく、より実体的な−客観的な根拠のある−つながりを演出できるからである。やや職人芸的なところを感じさせるが、観念をくすぐる良い作品。妹の体が弱い、という設定も個人的に良し。
久遠 　 　
小好女ヘーラ
板場広し		 吉本 ４ 対してこちらはかなり職人芸的要素が強い。デブをやれよ、デブを。
久遠 　 　
ゆらさん日記
さべちん		 吉本 ４ え〜？2ページ？少なすぎる！せめて4ページはないと。
久遠 　 　
FLYING TEAPOT
えのあきら
 吉本 ４ オハナシが全然かみ合っていないところが切ない。確かに絵の魅力はあるが、連載の都合上か御都合主義になりまくっているのだ。またキャラクタもイマイチ生きてきていない。もうチョイ工夫が必要ではないだろうか。
久遠 　 　
スクール
OKAMA
 吉本 ６ 広げてますなあ、風呂敷を。連載開始から今まで新キャラの出なかった回はなかったのではなかろうか。楽しみなのはその風呂敷きの畳み方。一体何人のキャラが「なかったこと」になるのだろうか?ただ徹底した観念志向は相変わらず良い。
久遠 　 　
Double *LOVE* Attack
松本耳子
 吉本 ５ すっかり普通のエロマンガになってしまってまったくもってイヤンな感じ。ナマの「今時のオナゴ」のセクシュアリティが楽しめるところがこの人の魅力だと思うのだが。もっとみずからのリビドーに忠実であるべきだ。あるいは編集の方針か?
久遠 　 　
ゴローダイナマイ！
かるま龍狼
 吉本 ４ この連載もワケが分からなかったなぁ。やや無理がある状態で連載にしてしまったのが大きな原因であろう。この人独自のフェティッシュとリビドーを存分に発揮できるようにしないと駄目であろう。
久遠 　 　
TWIN WALK
YUG
 吉本 10 YUGの作品を読んでいると自分がいかに駄目になってしまったかが分かってしまい、切ないことこの上なくなる。それだけYUGの作品には純粋性が含まれている。完璧なシェイプを持ったはかない雪の結晶のごとし。ややエロネタをやっているのが残念なところではあるが、それでも素晴らしさは変わらない。
久遠 　 　
天界公路
琴吹かづき		 吉本 ５ 相変わらず特殊な世界。様式が固まりきっているところに安心感は覚えるが、ちとねぇ。輪廻を超えた愛のストーリーにもっと精力を傾注すべきだと思うのだが。
久遠 　 　
便所の窓
ポヨ＝ナマステ
 吉本 ３ てっきりキチクで攻めるのかと思っていたら、ほのぼのしたエンディングかい。まさに快楽天風「ふぬけ」が悪い方向に出た作品。決して反りが合わないような要素を無理矢理くっつけて、全体を台無しにしてしまっている。ただ、台無しである分、鬼気迫るものがあり、そこは逆に興味深い。
久遠 　 　
男根平次
加藤礼次郎
 吉本 ７ 全くもって確信犯的な独特の世界。慣れてしまえば／巻末にあれば気にならないのもまた面白い。全く雑誌の雰囲気に迎合していないところにも注目すべきだ。もっとやれ！！
久遠 　 　

＜総評＞

吉本 全体的にレギュラーの漫画の調子が悪いので、つまらない回であるように見える。しかし実際は一つの素晴らしい漫画と表紙が、全体を引っ張りまくり、出来が良いように見せている。良くぞこの才能を拾い、育てたものだ。
久遠 　

＜ベスト＞

吉本 何を言う必要があろうか?村田蓮司も影響されているほどのこの才能に?
久遠 　

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