ヤンキンアワーズ98年12月号
アリスの夢 影崎由那 |
吉本 | 6 | 一見可愛い少女ものに見えて、バッドエンドを迎えるところなど、いい意味で期待を裏切られる。 |
久遠 | - | - | |
音羽 | 6 | 全ページカラーってのがいいね〜。もう少しページが多ければいいんだけどね〜。 | |
LOAN WOLF 山田秋太郎 |
吉本 | 7 | よくまとまった短編。ただ、オハナシが少年/青年漫画的にややまとまりすぎていて、平野一派の特長である滅茶苦茶さがややスポイルされているように思う。平野の生産量が減っている分秋太郎には頑張って欲しいのだが。 |
久遠 | 5 | うーん、技の1号だねえ。2号の休業中に1号が来たか。まあ、ね。漫画に対する真面目な姿勢はわかる。だがねえ、足りないんだよ。そう、なにかが。今回はこれを基本としましょう。 | |
音羽 | 6 | 一億も借金があったら、ふつうは自己破産でもするんじゃないかな〜。 | |
TRIGUN MAXIMUM 内藤泰弘 |
吉本 | 7 | 強者であったからこそ優柔不断でいられたヴァッシュであるわけだが、これからその基礎が厳しく責められそうで実に期待大。オハナシが深まりそうな予感。 |
久遠 | 6 | アニメは終わって久しいねえ。さすがに同じ話にはしないか。EVAみたく毎号全員プレゼントのテレカやポスターでお茶を濁すようにならなければいいのだが。 | |
音羽 | 7 | 砂霧で機械がだめにならないのかな?銃なんかはしっかりメンテしないとすぐに動作不良になりそうだよな。 | |
エクセル・サーガ 六道神士 |
吉本 | 7.5 | ギャグの構造が一筋縄ではなく、複雑なところがミソ。シリアスな展開をギャグにしつつ、それが実は伏線になっているとは。ギャグに教養と読みが必要なのもよい。 |
久遠 | 7 | 相変わらずだねえ。ところで、エクセルはイルパラッツォ様本人だというのはどうでしょう。 | |
音羽 | 5 | 子象・・・何処にかかれたかはあえて聞くまい・・・ | |
Kazan 宮尾岳 |
吉本 | 6 | 少年漫画のテイストを上手く現代に伝えている。しかも説教臭い昔のやり方ではなく。流石に他の漫画に比べるともう一押し欲しいところだが、悪い漫画では決してない。 |
久遠 | 4 | 昔話か。最も手っ取り早い手段ではあるわな。 | |
音羽 | 3 | 強い拳も大きな剣も、使うものの心しだいだよな〜。 | |
コミックマスターJ 田畑由秋/余湖裕輝 |
吉本 | 8 | 今回はさらに御大島本先生の心意気を受け継いでいることが感じられる。「女は本気になるものではない、本気にさせるものだ!!」…なんとかっこいい言葉であろうか!私も頑張るぞ!! |
久遠 | 9 | ク・クラン・・・・ポ?いや、クラン・・・ぺ?まあ、いい。いい味だしまくっている。ノリにのってるなあ。いままで不遇の時期が長かっただけに、いまの人気が嬉しいのだろうなあ。このまま走れ。 | |
音羽 | 5 | 女って怖いな・・・ | |
ジオブリーダーズ 伊藤明弘 |
吉本 | 6 | 権力側の新兵器の登場は今後の展開がさらに緊迫したものになることを予想させる。ただ、やや神楽の人々の影が薄くなりがちでは? |
久遠 | 8 | 入江っ。入江がシヴいぜっ。ところで猫缶のCMで、一人目のマヤがわかりません。北島ですか?真夜中の少女ではなさそうだしなあ。 | |
音羽 | 7 | 夜中に停電起こすほど大容量の電力を使って、発熱とか大丈夫なのかな〜? | |
スタンダードブルー 鵜川弘樹 |
吉本 | 7 | ややありがちな展開ではあるが、それは借り物でないことがよく分かる。作者が結末に際して考えたことに嘘偽りはなかろう。それが読み手の心を打つ。単行本購入決定。 |
久遠 | 7 | 海底だの、そんなのはどうでも良い。最後の成長し、髪を伸ばしたこのヒロイン(名前忘れた)さえいれば良し。うむ。承認。 | |
音羽 | 7 | 船が圧壊してるのに、浮遊装置が無事で作動するってのはかなり無理があるようなきがするよな〜。 | |
だいらんど がぁさん |
吉本 | 7 | …可愛い、一見腑抜けた絵(これがこの人の味なのだが)を逆手に取り、「ふぬけの先」にあるものを探ろうとしている意欲作といえよう。テーマはアイデンティティだ!! |
久遠 | 6 | 姫さまが意外と常識人なのが残念。今回はほのぼのしているので減点。 | |
音羽 | 6 | たとえ、楽しい夢をすてても自らの選んだ道をすすむ・・・う〜ん・・・男の生き様とはこうでありたいものだな。 | |
肩幅の未来 やまむらはじめ |
吉本 | 10 | 一件通常の(漫画的な)ドラマトゥルギーの枠から外れているので、見落とされてしまいやすいが、それだけはしてはいけない。単にカップルが騒いでいるだけ?と思った人は5年くらい悔い改めるべきだ。日常的なやりとりであるからこそ紡ぎ出される物語の重みは尋常ではない。そうした視点で物語を語ろうとする、そして語ってしまうやまむらの筆には正直戦慄せざるを得ない。絶対読め。読めったら読め!! |
久遠 | 10 | ぐはあっ。まいりました。一見何気ない物語が淡々としたコマ割りでこうまで不安を駆り立て、切なさを膨らますのか。うにゃー、脱帽でしゅ。 | |
音羽 | 4 | 内容が解りづらいな〜。 | |
夜の燈火と日向のにおい 鬼魔あづさ |
吉本 | 5 | 夜の宇宙は人を別の世界へと誘う。フロイドの「Dark Side of the Moon」を思い出す。その雰囲気は非常によく出ていると思う。 |
久遠 | 5 | 話が見えないんだけど、要するに、昇天に憧れを持つけど、いまの幽霊としての生活にも満足しているというお話なのか? | |
音羽 | 7 | ほのぼのしてていいね〜。 | |
OUTER PILOT 大石まさる |
吉本 | 9 | 女の子の奔放/魅力的な描き方にてらいがなくて好もしい。元気な少女の存在がうまいことファンタジイを成立させているオハナシの構造も非常に洗練されている。長編も是非読みたいものだ。 |
久遠 | 6 | この話は宇宙パイロットである必要は全くありませんね。悪くないのだが、このところいい作品が続いていただけに、残念だね。 | |
音羽 | 8 | 夢からさめた大人とこれから夢を見る子供の組み合わせが面白いね〜。夢に向かって進んでる時ってのが一番楽しいよな〜。 | |
WORKING ZOMBIE 犬上すくね |
吉本 | 9 | おおっ!待っていたぞ!内容も待っていただけのことはある。愛を感じさせるオハナシ、それに適したやや骨抜き入った絵柄、ともに高いレベルにある。十分メインを張れるのでは?素早い再登場を切に望む。 |
久遠 | 7 | オチはお約束だが、このにょほほんとして、それでいてこのときめきというかなんていうの?うにゃにゃんとした感じが良いねえ。ワーカホリックにも行かねばねえ。 | |
音羽 | 8 | 些細なことでも支えがあれば、つらいことでも頑張れるよな〜。 |
<総評>
吉本 | 今月は非常にレベルが高く、満足満足。それぞれの作品は皆個性的であるし、絵とオハナシのバランスもよい。図抜けた作品もある。なんといっても作品同士がライバル意識を燃やしまくって、より高みを目指しているところが実に好もしい。これを読まずして「漫画がつまらなくなった」などと語るなかれ。漫画はこんなに元気だ!! |
久遠 | 良い。良いねえ。やっぱがんばっているのがわかる雑誌というのはよいねえ。それにしても来月は力の2号の再登場か。ホントに載るんだろうな。 |
音羽 | もう少しじっくり読ませる作品があってもいいかもね。 |
<ベスト>
吉本 | 読み終わったあと本当に涙が止まらなくなったやまむらはじめの「肩幅の未来」しかあるまい。この才能を見逃してはならない。本当に。 |
久遠 | 言わずもがな、単行本コンプリートの祝儀もかねてやまむらはじめに。 |
音羽 | 表紙といい、巻頭カラーといい、いいね〜。これだけでも買う価値ありかな〜。 |