ヤングキングアワーズ99年3月号
Twilight Age やまむらはじめ |
吉本 | 6 | やはりやまむらはこちらにも強く惹かれているか。それはSF者の「血」とでもいうべきものなのだろう。私としてはSFによらないいつもの短編をやって欲しいものだと思うが… |
久遠 | 4 | いや、SF好きなのはわかるけど、好きと、適性があるというのは別なんだね。へっぽこ? | |
音羽 | 8 | 宇宙の表現が良いね〜。黒ではなく、青で表現することで、海のイメージが重なって、不思議な生き物が漂う空間を上手く表現できてるね。カメラや機材が未来的なデザインじゃないのは惜しい気もするが、かえって落ち着いた雰囲気になってて良い感じだな。 | |
エプロンドレスの魔女 森見明日 |
吉本 | 6 | 「私たちと一緒に時を越える?」とマリーベルは言いましたとさ。短編としては良くまとまっているが、見飽きたオハナシ。もう一つ越えて欲しかったものだ。 |
久遠 | 7 | 巫女さんの次は、メイドですか。メイドには耐性があるんで、基本点は上がりませんよ?でも、ときめきっていうのは、いいねえ。 | |
音羽 | 7 | 良いね〜。メイド姿で魔女か〜。それだけで、かなり満足だな〜。 | |
コミックマスターJ 田畑/余湖 |
吉本 | 5 | やはり彼らも「ウテナ」には心酔していたか。そういえばウテナに流れる一種のストイシズムと耽美主義は「J」に通じているといえる。いいものは互いに響きあうものだ。そこにこそ感動が生まれるのだ。今回は漫画漫画していてあまり面白くない。 |
久遠 | 6 | 今回のいいところは、副題だけであるね。絶対運命か・・・。暴れ馬、じゃなくて、暴れカンガルーでなくちゃ。 | |
音羽 | 7 | たまにはこういうエピソードも良いね〜。 | |
元気出してね。 猫玄 |
吉本 | 3 | 「アニメがオレに必要なんだよ」とか。「カリクラ」の「そんな私はアニメーター」やら代々木アニメーション学院の奴隷労働をふまえた上での発言なのだろうな?そうしたエクスプロイテーション(ちゅうか搾取)を乗り越えた情熱や、ひねた「覚悟」の向こうにこそ本当にいいものが現れるはずなのだが、ここでは良くある「ちょっとイイ話」に終始してしまっている。ネタがネタだけになおのこと苛立たしい。この程度で満足できるってのはうらやましいですなあ。 |
久遠 | 5 | ・・・・・・・?この話読んだことあるぞ?再録?デジャヴ? | |
音羽 | 7 | 良い感じだね〜。追いつめられた状態の心理描写が上手く描けてるね〜。 | |
トライガン・マキシマム 内藤泰弘 |
吉本 | 8 | 様式が出来上がってしまった絵柄は見づらいが、そうであるからこそその後ろに描かれた人間の描写が生きてくる。内藤は原稿用紙に自らの生、いや覚悟といおうか、を刻みつけているかのようだ。理想と現実の激しいせめぎ合い。 |
久遠 | 7 | そうかっ、この大男から数多くのプリンセスが生まれたのだな。ううむ、恐ろしい特殊能力だ。 | |
音羽 | 8 | 相変わらずの迫力だな! | |
鳥人〜とりひと〜 大石まさる |
吉本 | 7 | 非常に大石の「イズム」が感じられていいのだが、8Pでは少ない。ちびちびとでもいいから連載して欲しいものだ。イイ作品なのだから。 |
久遠 | 7 | 8ページ?少ないっ。少なすぎるっ。 | |
音羽 | 6 | 普通に布張っただけじゃ羽ばたけるわけが無いぞ。鳥みたいに、翼を上に上げるときに空気が抜けていくようにしなきゃダメだろうな〜。 | |
Loan Wolf 山田秋太郎 |
吉本 | 7 | 洗練された線と緻密な画面構成。そしてくだらないオハナシ。いい調子ではないですか。この際平野とは別の文脈で(切り離して)考えた方が良さそうだ。描かないヤツよりは描くヤツの方がいい。 |
久遠 | 7 | 相棒の尻拭いも大変だねえ。ってゆうか、平野の連載は季節毎ですか? | |
音羽 | 6 | モリって借金してるって自覚が絶対に無いよな〜。 | |
エクセル・サーガ 六道神士 |
吉本 | 7 | 最近エクセルさんが崩れまくっているような。イヤもともとギャグ側の人だったわけだが、そうであってもぎりぎりの線で美少女キャラの範疇に入っていたところが面白いと思っていたもので。 |
久遠 | 7 | 渡辺に感情移入してしまう俺様ちゃんも人生の負け犬ですか? | |
音羽 | 7 | 何故、住吉が・・・・バレンタインか・・・・縁が無いよな・・・・ | |
ジオブリーダーズ 伊藤明弘 |
吉本 | 7 | アクションはためいきが出るほどなのだが、オハナシが進まないのはちょっといただけない。それはいい漫画の証拠なのだが。 |
久遠 | 7 | 成沢ー。成沢ー。神楽の人たちはどうでも良いです。 | |
音羽 | 8 | 追いつめられた成沢の行動や表情が良いね〜!生きるか死ぬかのせとぎわで戦ってるって感じだよな〜。それにひきかえ、神楽の連中って緊張感があまり無いような気がするな〜。ところで、停電の原因を作った入江はどうしてるのかな? | |
ブルヴァール 日生かおる |
吉本 | 3 | この漫画は位相的には「ああっ女神さまっ」と同様の位置にある。また背後にあるメンタリティも実に共通している。だから「やれん」と思うところも全く同じである。それはオトコにとってもっとも都合のいい女性像を捏造するところ。 |
久遠 | 4 | 次回、崖から転げ落ちて脳髄を撒き散らすというのはどうでしょう。 | |
音羽 | 3 | 相変わらず冴えないな〜。 | |
夜の燈火と日向のにおい 鬼魔あづさ |
吉本 | 5 | 確かに捏造はここにもあるのだが、それはエロ(及びそれに付随する想念)と直接的にリンクしているのでいやらしさが少ない。そして鬼魔はそれを上手くファンタジイにする手法を身につけている。「汚さ」は抽象化されエンターテイメントになる。 |
久遠 | 5 | 友達から、結局は一話完結だから、話の内容を知ってる必要はないと言われました。 | |
音羽 | 7 | 幽霊が消化されたらどうなるんだろ? | |
KAZAN 宮尾岳 |
吉本 | 7 | うむ。少年漫画ここにあり。ただもう少しオハナシを急いで欲しいものだ。 |
久遠 | 5 | ゴルディン?ゴルディオンハンマー?ってゆうか、先日まんだらけでガオガイガープラスゴルディーマーグが9000円でした。欲しくてたまりません。 | |
音羽 | 4 | う〜む・・・ぱっとしないな〜 | |
宇宙保険医フミエさん 宇河弘樹 |
吉本 | 6 | たまにはこういうのもイイでしょう。だが読者としては大石的な「イズム」の入った作品や、広がりを持った作品が読みたいところ。地に足のついたところでじわりと読ませる作品を描いて欲しいものだ。 |
久遠 | 7 | スタンダードブルーよか良いですね。ってゆうか、バカ系の方があってるんじゃないのか? | |
音羽 | 6 | 読み切りなのか?もったいないな〜。連載にしてくれないかな〜。 | |
MISSING 影崎由那 |
吉本 | 7 | まんが大明神のオフダで逃げず、絶望的な終わらせ方をするところが非常によろしい。人間にはどうやっても越えられない「現実」がある。そこに目を向け、そこから生じる絶望を上手く描いている。マンガならではの手法を用いて。あなどれん作家である。 |
久遠 | 5 | ある程度シリアスは誰にでも描けるんだから、少しでもバカ系のスキルがある人はそっちを描くべきだと思います。 | |
音羽 | 5 | お話にもう少し、しっかりとした芯が見てとれればいいのだが・・・ | |
だいらんど がぁさん |
吉本 | 9 | がぁさんは本気だ。自分自身の絵柄や立ち位置をも相対化しつつ、現代において生きるとは何か、とか、アイデンティティとは何か、といった問題に取り組んでいる。描かれているものが馬鹿馬鹿しくなればなるほど描写の持つ批判力は強くなる。いや、本当に大した作品だ、これは。 |
久遠 | 8 | 相も変わらず怖いです。背筋が寒くなります。ってゆうか風邪をひいたみたいです。 | |
音羽 | 6 | 動物の国って・・・楽しくなさそうだな・・・ |
<総評>
吉本 | 「J」の調子が悪いと、これほどまで全体のテンションが落ちるものなのか。確かに他の連載もやや調子が悪かったり、噴飯ものの作品が載っていたりもするから、「J」だけの問題ではないのだろうが。 |
久遠 | 今月は、全然良いところ無しですね。どうした、俺様ちゃん国ナンバー2の月刊誌。 |
音羽 | テンポよく読めて、なおかつ中身も詰まってるね。これで、落ちてる連載が無ければ良いのだが・・・ |
<ベスト>
吉本 | 今回は全体的に低調に見えてしまうので難しい。ここはそうした中でも自らの様式を決して曲げようとしない「トライガン・マキシマム」にしよう。 |
久遠 | 難しいですね。うーん、次回作への期待も込めてフミエさんにしよう。 |
音羽 | 「ジオブリーダーズ」かな〜。 |