ヤングキングアワーズ99年4月号

三丁目の夏'99

犬上すくね

吉本 9 「ひとめあなたに…」を思い出しますなあ。直接的な描写は現在では説得力を持たない、いや、持ち得ない。それを上手く回避しつつ、きわめて実感の持てるレベルからオハナシを紡ぎ出している。こうした「足元からの視点」に強い感動が生じる。やまむらしかり。大石しかり。遠藤しかり。できればワーカホリックの新作も読みたかったところではあるが、これだけの作品を創っていたのだからよしとしよう。
久遠 8 終わりを間近に控えていても、それでも人間は生きていくんだよ。ってゆうか、これを描いていたから、ティアにこなかったのか?
音羽 3 何だかな〜。いまいちぱっとしないな〜
聖忍者伝

長谷川裕一

吉本 6 まったく長谷川さんったらもう。ゴリゴリの少年漫画をやってくださるのだから。この作品にある無理矢理さにはある程度辟易。しかしこのことは逆に、最近の「大風呂敷」の減少も如実に暴き出す。徹底的に「漫画的リアリズム」を追及する人が最近は少なくなっているのだ。これは少年漫画が持っていた「ワクワク感」の減少も意味している。そんななかで覚悟を持って昔ながらの少年漫画を貫き通そうとする意志には心動かされるものがある。
久遠 4 ぷ。ほえほえ。へっぽこ?なぜこれがニューパワー?ほえ。
音羽 3 なんだか話に無理がありすぎるな・・・
エクセルサーガ

六道神士

吉本 7 作品の構造が次第に「ワッハマン」と似通ってきているように思う。ギャグ2回に種明かし1回、というペース。ああはならないように望むものだが。
久遠 7 ってゆうか、スーパードールリカちゃんはどこに住んでるんdeathカ?蒲腐町?六道大学前?住吉町?などなど、もうだめだね。
音羽 7 良いね〜。行動すればするほど状況あ悪化していって、笑わせてくれるよな〜。
ジオブリーダーズ

伊藤明弘

吉本 7 成沢ですな。今回は徹底的に成沢であったと。他の連中は実はどうでも良かったと。それはそれで良し!!
久遠 8 ああああっ、成沢、成沢。でもなんか黒い表紙だねえ。ども、成沢なら、よしっ。
音羽 7 相変わらず、好調だな〜。ただ、アクションシーンを細かく割りすぎてるような気もするかな。
HELLSING

平野耕太

吉本 8 描写の鋭さや絵の黒さはやはり魅力である。しかし、しかしだ。こうも不定期な掲載だとホメるにもホメにくいではないか。この人の「旬」は、実は「テクノ番長」の頃に終わっていたのでは?などとも思ってしまう。相棒を見習って仕事しろよな。
久遠 8 いつまでも、あると思うな、人気と才能。でもおもしれえよ、チクショウ。
音羽 9 すばらしい!!やはりこの迫力だな!!これで休載が無くなればいいのだが・・・・
コミックマスターJ

田畑/余湖

吉本 7 今回のようにJがあまりストーリーに関わってこないような作品もまた面白い。「アツさ」を持っているのはJだけではない、ということが伝わってくるからだ。それは漫画界全体にまだ「希望」があることを知らしめる。
久遠 7 いやだあああああっ。まあ、こういうのも有りだろうが、こんなの嫌だあっ。Jは、Jは、熱くなくっちゃあ、魂のほとばしりがなくっちゃあ、嫌だあっ。
音羽 7 編集長・・・カッコ良いじゃないか・・・まさに男の生き様・・・
トライガン・マキシマム

内藤泰弘

吉本 7 少しづつ盛り上げてゆく手法は流石に鋭い。そして戦いのありさまそのものも切なく、哀しい。この人はそれを描ききるだけの力を持っている。強い漫画だ。
久遠 9 読み応えありますねえ。うむっ。今現在かなりいい調子なのではないでしょうか。
音羽 8 静と動。二人の戦い方の差が有るために戦いが続いても飽きさせないな〜。
KAZAN

宮尾岳

吉本 5 ステロタイプ的なキャラクタを出すより先を急いだほうが良いのでは?このキャラクタがあとで重要な役割を持つというのなら別だが(持ちそうではあるが)、あまり関係なさそうにも見えるものだから。
久遠 4 うーん、なんかありきたりのキャラですねえ。しょぼん。
音羽 3 新しいキャラが登場か・・・どうせなら、もっとあっさりと話を進めてくれないかな
夜の燈火と日向のにおい

鬼魔あづさ

吉本 5 何もいうことはありません。
久遠 4 ってゆうか、ただの趣味やろ。ゆず禁止!
音羽 4 う〜ん・・・いまいち・・・これは、ちょっとハズしたかな・・・
うさぎちゃんでCue!

佐野タカシ

吉本 8 テンションの高さは相変わらず。仕事の量も多くて実に安心感がある。しかし、流石に仕事のし過ぎであろうか、やや線や展開に荒れが見られるように思う。痛し痒し。
久遠 7 トホホ。コミックス化でおじゃるか。こんな漫画一気に読んだら、すさまじくエナーギーをドレインされてしまうんだろうにゃあ。
音羽 6 シリアスな展開も一端落ち着いて、また元のバカなお話に戻ってくれるのかな?
LOAN WOLF

山田秋太郎

吉本 6 オチはかなりへっぽこなれど、線に乱れはないし、何といっても毎月必ず載っているところがよい。そのうちきっと味が出てくるであろう。
久遠 7 ・・・実を言うと、いまだに山秋が連載だというのが実感沸きません。ホントーdeathカ?
音羽 8 あのバッグの中身はいったい何だったんだ〜!!非常に気になるぞ〜。
ブルヴァール

日生かおる

吉本 0 オヤクソクというものは、それが通俗的に知られているがゆえに、きわめて直接的な表現であるといえる。そして直接的な表現というものは現在の状況において、「ヒネリ」を加えない限りアクチュアルな表現としては通用しない。人を喰ったようなオチをつけるためにオヤクソクを使うのは有効であるが、オヤクソクをオヤクソクのまま使うのは、単なる思想的手抜きでしかない。それに対して無自覚であることはさらに罪深いことである。田中ユタカを100万回くらい読み返し、その覚悟のほどを知るべきだ、この作者は。
久遠 4 よしっ。大円団になったところで、新たなるフレッシュなパワーに道を譲るっていうのはどうだい。
音羽 3 なんだかな〜。まぁ、いいか・・・次のエピソードに期待するかな・・・
だいらんど

がぁさん

吉本 8 相変わらずのテンションの高さ。それはこの人が自分の「ふぬけた」絵柄や表現方法に自信を持ち、完全に自分のものにしたことに由来する。「未開封なカノジョたち」などではまだまだおずおずとしていた「表現手法と表現内容の一致」が、確信を持ったものに変わってきているのだ。自分の表現にしっかりと立脚した内容は実に素晴らしいものがある。
久遠 7 あれ?拳銃は最後の最後で使えないという展開になるんじゃなかったのかっ。
音羽 7 意外な展開だな〜。裁判官の熊だけは人間が変身したようには見えないが、何かの鍵になってるのかな?

<総評>

吉本 長谷川裕一の起用は実に面白い効果をあげている。途切れていた徳間系の流れがこのヒネた雑誌に流れ込んでいるのだ。ゆえに今までとはまったく違った雑誌であるかのように感じてしまう。その点で今回は目をひかれたのだが、これは両刃の剣でもある。下手をすると乗っ取られてしまうかもしれないのだ。上手くバランスをとることを望むところである。
久遠 相も変わらずすげえパワーだぜ。ところで大石まさるはエグゼクタだかキングダムだかに売ってしまったのですか?だとしたら、残念じゃのう。
音羽 巻頭カラーがダメだったのが痛いなぁ。

<ベスト>

吉本 あなたにここにいてほしい。葉巻はいかが。マシーンへようこそ…ってアルバムが違うか。ちゅうことですくね先生の他ありますまいて。
久遠 にゅう、犬上にすべえか、内藤にすべえかといったところか。
音羽 もちろん、「ヘルシング」だな!

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