2000年4月30日(日)
雑誌編、行きます。
ウルトラジャンプ 5月号 | 集英社 | <漫画・雑誌> | 410円 |
六道神士『アラハバキ』の2回目が収録されていますが…やっぱり本気ですか?木城ゆきとは、作品以外のところで随分と物議をかもしているようですが、『水中騎士』自体は面白いです。それから注目すべきは再び諸星大二郎が載っているところ。人間の顔をした鶏、というネタがいいですなあ。もちろん雑誌全体のカラーとはやや異なっているのですが、それに流されずすっくと立つ個性、という感じがします。あとは桜瀬琥姫『ハートシュガータウン』ですか。可愛すぎ!骨抜き!
コミックメガストア 5月号 | コアマガジン | <漫画・雑誌> | 648円 |
エロゲーのコミカライゼーションという当初のコンセプトから、少しづつ普通のエロマンガ誌になってきているように思います。私自身エロゲーはほとんど知らないので(やる時間がナッシング)、何ともいえないところがあるのですが、コミカライゼーション自体も独自の切り口から攻める、という方向のようです。たとえば伏野佑基『ナチュラル』。だいたいたもりただぢ自身に描かせないところが戦略的じゃないですか。ネタも本編とは違うようですし。あんみつ草『L』も同様の方法論のようですね。なよっとしたシシィボーイをいぢめる年上のお姉さん。うーん燃える!エロゲーに基づかない作品のテンションが高いところも印象的です。姉と弟の壊れた関係を端正に描く空鵺『鈍色の運動会』、眼鏡女教師が汁気たっぷりの調教を施されるエロさがよい西安『姫鱒』、そしてお待ちかね、いけないお兄さんがアニメグッズをエサにいたいけな幼女を連れ込んであんなことやこんなことをするみなすきぽぷり先生『部屋を明るくして…画面から離れて見ようね』。お腹いっぱいの内容です。
快楽天 6月号 | ワニマガジン社 | <漫画・雑誌> | 314円 |
危険信号!危険信号!うるむ人発生!夏蜜柑という人はじわじわと私の感性に訴える作品を作ってきた人ですが、ここに来てズバリ来ましたよ!元ネタは丸尾末広『耳なし芳一』なんですが、それをこうアレンジするとは!やられた、という感じです。
他には、漫画賞受賞作のくどうひさし『大雪山奇譚』が目新しいところです。ヒコロウを思わせるざっくりした線とスピーディーな展開。ヒコロウの生産力が低い現在、期待してしまいます。あとは久本勘介でしょうか。本気で時代劇ですか??前回のアレは代原じゃなかったんですか??詳しくはクロスレヴュを。
ヤングアニマル 9号 | 白泉社 | <漫画・雑誌> | 248円 |
今回も全体的にテンションが高いのですが、特にいいのが『愛人』と『ハネムーンサラダ』。前者はついに忍び寄る死の影という描写にグッと来ます。死があるから生の輝きが増すのでしょう。これも半ば以上うるむ人化してしまいましたよ。後者は隠れてセックスする、という描写がすげえエロくていいです。脱がしたときにちちが揺れる、という何気ない描写に無限のエロがこもっています。他の作品も全体的に良し。いい雑誌です。これも詳しくはクロスレヴュを。
漫画の鬼アックス 14号 | 青林工藝社 | <漫画・雑誌> | 933円 |
古泉智浩特集がいいです。この人の徳目であるところの「新潟に地着きであること」をきちんと分っているのですね。蒲原平野のまっすぐな道、田んぼの真ん中の偏差値低げな高校。それは日本にまだ存在する「田舎」、それも現代的な「田舎」を描きだします。新作『真夜中の聖火ランナー』も実に素晴らしいです。いじめられるふたりが、長野オリンピックの聖火ランナーに選ばれる…というオハナシなのですが、カタルシスが美しいのですね。これは映画化すると素晴らしいんじゃないでしょうか。誰かやりません?
あとは漫画評論新人賞が発表になってます。受賞作はなく、参考として石原進吾さんの作品が載ってます。やや性急な感じはしますが、提示されている視座は非常に面白いと思います。「続き」を是非読んでみたいと思います。私の関心領域に近いもので。もしお読みでしたら連絡いただけますか?>石原さん。
私は「みるく4号」を応募してみたいと思っています。多分いい線行くんじゃないかと思うもので。
カラフル萬福星 11号 | ビブロス | <漫画・雑誌> | 562円 |
いっやー、最初はどうかと思っていたのですが、ここまでハイテンションな雑誌になるとは。感慨深いです。コンピュータという新たな画材は、実に多様な表現可能性を広げていると思います。もう一つ面白いのは、オハナシがそれぞれ良くできているのですね。絵柄だけで「了解」されてしまいそうなところですが、きちんと漫画の本質を押さえようとしているところが好ましいです。佳作続出の雑誌ですが、特に面白いのはやっぱりTAGRO先生(先生とつけさせて頂きたい!)。「アーイム アンチ・アニオタ!」この疾走感はたまんないところです。
キャラ 6月号 | 徳間書店 | <漫画・雑誌> | 552円 |
先月以来のTONO先生マイブームに従って。タニアにやきもちを焼くエキュー、って描写がいいです。どうしようもなく女性であるエキュー。そこに展開される微妙なジェンダー論に考えさせられます。あとは最近大人気の山田ユギ、辻よしみ『能瀬くんは大迷惑!!』などがいいです。特に後者の可愛さときたら。キュートな龍彦にラヴですよ??
アフタヌーン 6月号 | 講談社 | <漫画・雑誌> | 457円 |
特にここで書くことはないのですが、連載作品のいくつかが「痛い」展開になっているのが面白いです。詳しくはクロスレヴュを。
コミックガム 6月号 | ワニブックス | <漫画・雑誌> | 590円 |
他の「新・少年誌」に比べると、随分読むところの多い雑誌だと思います。さりげなく切なさをにおわす『まほろまてぃっく』、静謐な絵が心地いい『KaNa』、急展開に驚かされる『エンブリヲンロード』、終わりがもったいない『Phantom BULLET』、どこか遠くに来てしまった感のある(でもそこがいい)『プースー』。レヴュしたいのですが生産力がもう限界なので残念なところ。今回は何と言っても流星ひかる先生の登場でしょうか。可愛くって、身悶えチックで、もう最高!今月の単行本ももの凄く期待しているところです。
マガジンZ 6月号 | 講談社 | <漫画・雑誌> | 457円 |
分厚さは内容の薄さを意味しません。身悶え度高い『煌羅万象』、アツい展開の『ヴァルナス』、ファウンデーションというSFネタが好ましい『クロノアイズ』、毎回やきもきさせてくれる『フリクリ』、相変わらずの『カスミ伝△』『み〜ちぇ』、パンツをかぶると人間に変身するというネタがくだらなすぎる『ファンシア』。昔風の漫画が健闘しているのが面白いところです。あとはやはり『おたく先生』でしょうか。「オレの妄想話ですらこうなのだ」と…。強力なアジテーターですよ、この人は!
ヤングキングアワーズ 6月号 | 少年画報社 | <漫画・雑誌> | 324円 |
「人類だっ!!!」に爆笑。詳しくはクロスレヴュを。
キューティーコミック 6月号 | 宝島社 | <漫画・雑誌> | 476円 |
編集が変わって最初の号ですが、全体的な雰囲気は変わってないです。久しぶりの大久保ニューの登場が嬉しいところです。現代的乙女回路!!あとはこれまた久しぶりの山本ルンルン。次の『最近どうよ?』は黒田硫黄ですか?ど吃驚!これもクロスレヴュを。
モーニングマグナム増刊 14号 | 講談社 | <漫画・雑誌> | 286円 |
それぞれの作品は悪くないと思います。ですが全体的な編集の保守化は、きわめて憂慮するところです。安彦良和ですか。あーあ…。安彦の漫画自体は読めるのですが、何故にこんな手堅すぎる作家を?もういいです、という感じ。一応クロスレヴュは続けます。
少年エースA 6月号 | 角川書店 | <漫画・雑誌> | 419円 |
『エヴァ』の不在はやはり雑誌全体に影響していると思いますが、めきめき伸びてきている作品があります。丸川トモヒロ『成恵の世界』です。だいたいタイトルからしてSFじゃないですか。そしてSFをうまくセンシティブなオハナシにからめる。いーい作品です。あとは『1ねん3くみ桃ちゃん先生』すか。き、危険だ!
コミックキュー 8号 | イースト・プレス | <漫画・雑誌> | 897円 |
今回の特集は「愛」とのことですが、あんまりよく分りません。ですが漫画の内容は非常に迫力あるものです。黒田硫黄『象の股旅』、小原愼司『GP異聞』、高野文子『sewing』などなど。さすがに強烈なところを揃えています。よしもとよしともが載ってないのが残念なところですが…。「ベジェ部」の活動を応援したいと思います。これもクロスレヴュをご覧下さい。
ぶはー、疲れ切った!!こういうものはまめにやらないとだめですね。
2000年4月29日(土)
今まで鬱だった(しつこい)分もあるんで大量です。時系列関係なしでGo!
宇宙戦艦ヤマト コミックアンソロジー | V.A. | スタジオDNA | <漫画・アンソロ> | 1200円 |
何故今時ヤマト?かと思ったらゲームが出るんですね。PSで。古代進の声はどうなっているんでしょう。ともあれ。異様に作家は豪華です。漫画はむらかわみちお、まがみばん、大貫健一、富士原昌幸、島本和彦、きお誠児、ときた洸一。2ページのエッセイは庵野秀明、竹本泉、永野のりこなど。基本的に原作のアニメに従った展開になってますが、作家の愛がこもっている作品はアツいです。特に冥王星での地球艦隊とガミラス艦隊の戦いを描いた最初のむらかわみちおの作品はかなりじんと来るいい出来です。島本御大?何をかいわんや、という感じでしょうか。「第三艦橋が!」というシーンには爆笑。島本御大がどう編集者と語りあったかが、目に見えるようです。もちろん「ヤマト」という作品の裏に編み込まれた政治性/ナショナリズムには注意深くなる必要はあると思いますが(それはまさしく庵野秀明が指摘していますね)、その作品に「アツく」なった我々がいるのもまた事実です。それは幡池裕行が指摘しているように、まさにミームとなって我々の文化の深層に横たわっているわけです。非常に興味深い作品集だと思います。
センチメントの季節 5 | 榎本ナリコ | 小学館 | <漫画・単行本> | 876円 |
今回は1冊が全部ひとつのエピソードになってます。「私のこころはどこにあるの?」「あなたのこころはどこにあるの?」という切実な訴えかけが、読者に鋭く迫ります。コミュニケーションとアイデンティティの深い問題に、積極的に迫ろうという姿勢は良いと思います。以前の単行本にあった明らかな「気負い」もなく、ようやく自分の漫画を描いているような印象を受けます。そう、君はそこにいるし、僕はここにいる。
いちごが好きでもあかならとまれ。 | 雁須磨子 | ソニー・マガジンズ | <漫画・単行本> | 620円 |
以前の「ルチルアンソロジー」に掲載されたもので、ありていに言うならボーイズラブですか。ずっと幼い頃から隣同士で幼なじみの明美と千紘(17歳・男)。二人はいつも仲良しで、今でも一緒のベッドに寝たりしている。それを友人に「変だ」と言われた明美は、急に千紘のことが気になり出す…というものなのですが、いやーやっぱり変だ!漫画的に盛り上げようと思えばいくらでも盛り上げられるオハナシを作り出すのですが、それがいちいちつまづかされるのですね。「こうなるのでは」と思ったオハナシは、常に「あれれ?」という形につまづかされる。当然二人のラブの行方も迷走の極み。「さあやろう!」と二人で出かけた長崎でも、結局へっぽこな形になってしまう。何じゃそりゃ。ただこれは昔ながらの漫画の流儀からいえばダメなのでしょうが、今の感覚からいうとかなり面白いといえましょう。実際もの凄くオススメです。表紙の危うげなカラーも実に好ましいです。
黒蘭 1 | 近藤るるる | 角川書店 | <漫画・単行本> | 540円 |
アスキー以外から出た初のるるる先生の単行本。最近仕事してますなあ、「ファミ通ブロス」でも「トルテ」を始めましたし。内容は骨抜き度高くてニヤニヤさせてくれます。相変わらずオコサマの主人公黒蘭。レオタードみたいな下着がいいんですな。使い手の魂の強さによって変化する「魂鋼」をめぐって展開するオハナシも期待できるところです。
文庫版四丁目の夕日 | 山野一 | 扶桑社文庫 | <漫画・文庫> | 571円 |
それにしてもこの本が文庫という形でリバイバルされるとは。初版は86年。たけしは都立の進学校でもベストテンに入る秀才。家は印刷工で、中卒の父親は必死でかれに教育を施したのだ。一橋大学(この辺のさじ加減)入試にそなえ、好意を寄せる女の子さえ拒絶するたけし。しかし不幸は一挙に訪れる。母親はスプレー缶の爆発に巻き込まれ大怪我、入院費を稼ぐため無理をした父親は機械に巻き込まれミンチになり、たけしは町工場で単純肉体労働に従事するハメに…。悲惨歌謡の頂点『父ちゃんどこさ行った』に負けずとも劣らない不幸の連続攻撃にすっかりニヤニヤさせられます。我々はてっきり自分たちが豊かになったものと思っていますが(特にパソコンでインターネットにアクセスしているような人は)、実は貧困と階級はしっかりと存在し、我々の横でブラックホールのように口を開けています。西川口。北千住。川崎。山野は我々が「見ないでおこう」と蓋をしている領域の蓋を簡単に外し、その中身を我々に見せつけます。我々の行いは、いかに無意味でむなしいことか。ですがそこで虚無に陥るのは早すぎます。何故山野はこの作品を描き、この世に送り出したのでしょうか?
ミルクコミックさくら 10 | V.A. | 松文館 | <漫画・アンソロ> | 761円 |
早いものでこのシリーズも10号目。前回よりちょっとテンションは低めのように思いますが、中にはグッと来る痛い作品もあります。たとえば黒崎まいりの『桜桃期』。好意を寄せてくれる女の子、だが主人公の男の子は彼女の気持ちが分からない。まわりにセックスすることを強要されるふたり、でも彼女は笑っている…。ぎりぎりの状況の中で描かれる心の動きに繊細に反応しているところが興味深いところです。単行本発売とのことで、買ってみようかと思っています。あとはA・浪漫・我慢などが注目されるところです。
BLUE EYES 3 | にしまきとおる | ヒット出版社 | <漫画・単行本> | 924円 |
「D-Ange」で大好評連載中の巨乳ものです。まずは表紙の雄大さに感服。そしてオハナシももはやため息ものです。すべては巨乳を中心に展開するのですね。最初のヒロインマリア。幼なじみのリサ。マリアのママのセシリア。マリアの姪のクレア。いうまでもなく全員惚れ惚れするような大巨乳で、セックスに至る過程もきわめてそのまんまです。はあ…。今までこの人を侮りすぎていたようです。この人はホンモノです。「天然巨乳の国、イギリスか…」だそうで。本当ですか???
セックス2000 | 玉置勉強 | 一水社 | <漫画・単行本> | 819円 |
玉置勉強8冊目の単行本。玉置の徳目はセックスとそれに伴う様々な事柄を、省略やカリカチュアライズせずに描くことにあると思います。まずは細密でリアルな性器描写。小陰唇や恥毛の描き方のリアルさは、他の人には真似のできないところでしょう。体つきの描き方などもまた。さすがにデッサンをきちんとやっているだけのことはあります。次にセックスをめぐる心の動き。それに進んで飛び込む人もいれば、そうでない人もいる。成り行きの場合もあれば、周到に準備されている場合もある。幸せなセックスもあれば、不幸せなセックスもある。それに対して玉置はきわめて正直に当たります。もちろんオハナシなので様々な脚色はあるのですが、非常にリアルに見えるのですね。それが「痛さ」を演出するのだと思います。ポップな装丁やゲストの豪華さも相俟って、迫力ある単行本になっていると思います。
STAND☆BY み〜ちぇ!! 1 | 永野のりこ | 講談社 | <漫画・単行本> | 514円 |
「マガジンZ」で読んだときは、かなり乱雑な印象が否めなかった作品ですが、こうやって単行本で読んでみると、凄くグルーヴ感があるのですね。テーマは明快。「きみはひとりじゃないよ」と。らどんちゃん、テルラ、英知とマッド系のキャラが三人もいるので混乱するのですが、ゆっくりまとめて読むとかなり強い訴求力があると思います。確かに雑誌じゃ浮いてますが、私は強く応援してますよ。
バガボンド 6 | 井上雄彦 | 講談社 | <漫画・単行本> | 524円 |
胤舜から逃亡する武蔵。胤栄のもとで修行し、再起を図る…グウの音も出ないほど盛り上がっています。しかもマニア受けだけでなく、非常に広い層にも訴えている。久しぶりの「国民的」漫画といえましょうか。
エイリアン永理 | 吾妻ひでお | ぶんか社 | <漫画・単行本> | 743円 |
「コミックウィンクル」に連載されていたものに多数の書き下ろしが加わってます。主人公は不定形知性体で何でも変形できる永理。だが著作権に違反するものはダメで、有名人には似ない。一話がたった4ページなので、とにかくオハナシは短くも尻切れトンボ。それがまた面白いのですな。中にはアルコールが切れたのか、明らかに荒れまくっている線の回もありますし。まだまだ現役で楽しませてくれます。
夢の温度 夏祭り | 南Q太 | 祥伝社 | <漫画・単行本> | 933円 |
「キューティーコミック」に掲載されていた『夢の温度』のうち、あきと先生の関係を描いた部分を単行本化したものです。2回目の産休前、といってもいいでしょうか。内容については何を言うことがありましょうや、という感じです。田舎と閉ざされた人間関係に由来する閉塞感。それを脱するためにあき君に溺れる先生…。流石です。ところで何故に祥伝社からの発売?このあたりは「キューティーコミック」の編集が変わったということと関係があるに違いないのですが…ま、面白い漫画が読めれば、私はどうでもいいです。
ぴたテン 1 | コゲどんぼ | メディアワークス | <漫画・単行本> | 550円 |
これは約束でしょう。必須でしょう。内容はちょっとたどたどしいところはありますが、絵の力はたいしたものです。基本的構造がでじこ&ぷちこ&うさだと変わらない、というのもまた良し。アレと思って読むと凄くいいです。
羽生生純の1ページでわかるゲーム業界 | 羽生生純 | エンターブレイン | <漫画・単行本> | 880円 |
「ファミ通」連載の1ページ漫画。ひとつの見開きは、半分が羽生生とヒロポンのトーク、半分が漫画という構成なので、漫画は実質半分。ですが元々漫画の情報量がきわめて多いので、これくらいの冗長な構成が逆に心地よくなってます。前半はゲームメーカーに取材してあることないことかきたてる…というものなのですが、これは正直言って面白くないです。ですが後半は「ぼくのかんがえたなんとか」になり、これが面白いのですね。「FF\ではこのキャラを使ってほしい」で、主人公は昔の天野喜孝(タイムボカン)、ヒロインは日野日出志、主人公の仲間は山田(水木)、正介(つげ)、アフロ(花くま)…特に正介ってところで爆笑。何故か『恋の門・特別編』が収録されているのも戦略的でナイス。
恋の門 1 | 羽生生純 | エンターブレイン | <漫画・単行本> | 880円 |
そして本編はこっち。帯に「これが純文学コミックだ!」と描かれてますが、あんまり表に出すとかっこわるいと思うのですが。ともあれ、内容はきわめて私小説的で、純文学的であるのは間違いないです。読者の置かれた状況に応じて、様々な印象を与える作品になっていると思います。漫画表現がたどり着いたひとつの転回点であるのは間違いないでしょう。次も期待したいところです。
…ふう。もうくたびれ果てました。雑誌やその他の本はまた明日。
Last-Update: Thursday, 13-Nov-2014 09:16:47 JST