2000年7月17日(月)
電撃大王 8月号 | メディアワークス | <漫画・雑誌> | 590円 |
「あずまんが大王」の春日歩さんのフィギュアが出るそうです。誰?それ。ここまで本名がどうでもいいキャラクタは他にはいないのではないでしょうか。ワンフェスでは「あずまんが大王」が大はやりの予感。どう出るか楽しみなところです。他には井原裕士「Doll Master」が面白いところでしょうか。ガレキというネタといい展開といい、きちんとターゲットを分かってらっしゃいますし、何しろ線が整理されていていいのですね。今後も注目していきたいと思います。
ウルトラジャンプ 8月号 | 集英社 | <漫画・雑誌> | 905円 |
村田蓮司の表紙のせいか、「快楽天」と間違えてしまいそうです。トップは山秋。仕事してますねぇ。元々の実力も相まってすっかり人気作家になっているのが好ましいところです。これで男屋&男骨はまた大もうけですね。次に気になるのは花Q「BWH」。なんだか白白で力の抜けきった画面は、何か別の世界に読者を誘うように思います。「きゃ!風!」といってほぼ無意味にぱんつが見えるのがもの凄く素晴らしいです。後は三輪士郎「DOGS」、木城ゆきと「水中騎士」などが面白くなっているところでしょうか。
マスターグレード MSN-004サザビー | バンダイ | <立体> | 特価7600円 |
で、でかい。でかすぎーる!こちらをご覧ください。実測してみたら縦32センチ、横59センチもありました。発売以前から「常軌を逸している」と評判だったわけですが、いざ手に取ってみるとその凄まじさは想像以上。100分の1だというのに8000円という定価もちょっとキテます。さすがに随分と逡巡しましたが、やはりこのもの凄さは買わずにはおれないと思い、清水の舞台から飛び降りる気持ちで買いました。帰りの電車で邪魔なことこの上なし。随分恥ずかしい思いをしたことですよ。組み立て?どうでもいいんです。
HGUC ハイザック | バンダイ | <立体> | 特価950円 |
サザビーの巨大さの前に、まったく存在がかすみまくっているのが可哀相です。昔のキットも随分出来が良かったように覚えていますが、今回はさらにいい感じ。マラサイとかガルバルディβとかバーザムとかもお願いしたいと思います。
2000年7月16日(日)
TOKYO TRIBE2 4 | 井上三太 | 祥伝社 | <漫画・単行本> | 905円 |
なんだかずいぶん待たされた感のある4巻です。新しいトライブが登場したり、恐るべき殺し屋が登場したりと、ただでさえやや遅めの展開がさらに遅くなりそうなことになっていますが、描かれている若者たちの疾走は強い痛みを持って訴えかけてきます。それは単なる若さゆえの暴走ではなく、「走らねばならない」ものなのですね。その原因を時代の閉塞感などというのは簡単だと思いますが、とにかくいまの時代は「走らなければやってられない」ものであることは間違いないでしょう。それを描きだしているところに、井上三太のリアリティがあるのだと思います。どうせですから田舎出身のヤンキーたちもトライブのひとつとして出して欲しいものです。あ、私も漫画に描いてくれませんか?バズーカ持ったキャラクタとして。
ヤングアニマル 14号 | 白泉社 | <漫画・雑誌> | 248円 |
まったく二宮ひかる先生の意地悪さ加減には参ってしまいます。オトコとはえてして単純なもの。ひとつの安らぎが得られればそれで十分であったりするわけですが、ひかる先生はそれを安易に許してはくれません。ああ!そして我々読者は身悶えし、自らひかる先生の術中にはまっていくわけです…。後今回はやはり「ベルセルク」でしょうか。
D-Ange 8月号 | ヒット出版 | <漫画・雑誌> | 333円 |
今回は全体にエロ度という点では低調であるように思いますが、それぞれの作品の特殊さは相変わらずです。にしまきとおる先生はバスト198センチのクレアをばんばん描いてくれていますし(直接のエロはないですが)、しのざき嶺先生は昔懐かしのラムちゃんのコスプレネタをかましてくれています。しかも小太りの女性がラムちゃんですから…いかに特殊か、ということが知れましょう。馬鹿にしているわけではありません。そこに救いを見いだそうとしているしのざき先生の切なさが感じられて、いい作品になっているのですね。そしてやっぱり特筆すべきはみなすきぽぷり先生。「アソコが変」になっているので、お兄ちゃんに見てもらおうというちいさな娘さん…最高です。いや最低ですと言ってもいいでしょうか。ミルフィーユ先生の単行本が早くも出るということなので、みなすき先生の単行本もお願いしたいところです。
InDo | PreYMO&V.A. | リワインドレコーディングス | <CD> | 1200円 |
Vision Creation Newsun | ボアダムズ | WEA | <CD> | 960円 |
スーパー ゴー!!! | ボアダムズ | WEA | <CD> | 720円 |
Wednesday morning, 3A.M. | Simon & Garfunkel | CBS/Sony | <CD> | 720円(中古) |
近所のCD屋が廃業するので、全品4割引とのこと。ラッキー!というわけでこれだけ買ってきました。1枚め、細野晴臣が大昔作った「インド」とだけ書かれたリズムトラックを、様々なアーティストがいじり倒したものです。行為自体が実にコンセプチュアルですね。2,3枚目、ボアのCDを買うのは本当に久しぶりです。4枚目、最近60年代末の文化事象について調べているもので。こういうのもいいもんです。
2000年7月13日(木)
零式 Vol.19 | 双葉社 | <漫画・雑誌> | 619円 |
安森然「Water Engine」が載ってます。カラーの美麗さもさることながら、人間の娘に会って以来情緒不安定になっている六肢族(ケンタウロスですな)のお姫様の描写がいい感じです。繊細さと理念形が入り交じり、面白い結果になっていると思います。情報量の多さに比べてページ数が少なく見えるのもまた相変わらずですが。まあ後は何といっても「としうえの魔女たち」でしょうか。だんだん本気になっていく清孝くんと小鳥さん。だが清孝くんはホレられているクラスメイトに告られて…。上手くもどかしい展開を作り上げています。目黒三吉、結城心一、二階堂みづきと、他に読める作家は多いですが、やはり光っています。
アクアリウム | 須藤真澄 | 秋田書店 | <漫画・単行本> | 848円 |
新声社倒産で入手不能になっていた本ですが、めでたく復刊。以前も書きましたが、私は漫画を誰かにプレゼントするときにはこれ、と決めているのですね。入手しやすくなって嬉しい限りです。見た目として大きく変わっているのが表紙。前の版の表紙も折り込みで入っていますので、これはこれでいいでしょう。後はいくらか書き足しが加わっている様子です。どなたかコンペアしてくれませんかね??
2000年7月12日(水)
ぴっぴら帳(ノート) 1 | こうの史代 | 双葉社 | <漫画・単行本> | 619円 |
本当に待望の一冊。故郷を離れ、商店街のいのうえ食堂で働くキミ子さん(21歳・銭湯通い)。ある日彼女が町で出会ったへんな小鳥。小鳥はパンがほしいのか、キミ子さんの家までついてくる。小鳥はセキセイインコで、実に人になれている。様々ないきさつからそのインコ、ぴっぴらさんを飼うことにしたキミ子さん…。基本的に小鳥の可愛さを描きだすのが主眼のいわゆる「動物もの」で、この作品はまずその点で優れています。ぴっぴらさんの可愛さ、ほほえましさ、他者としてのちょっとした怖さ、なにより「欠かせない存在」であることが雄弁に描かれているのですね。たまに擬人化されることもあるのですが、それはそれでまた漫画としての面白さを付与しています。とにかく動物もの4コマとして非常に良くできているのですね。その点だけでも十分にオススメできる作品です。
ですがこの作品の良さはそれだけにとどまりません。キミ子さんは商店街のなかで「生活」し、ぴっぴらさんのもとの飼い主であるかつみさんと仲良くなり、食堂の常連さんの人気者であり、ことり屋のお兄さんのツナヨシさん(実家の犬にそっくり)にちょっとラブだったりするのです。そうした周りの人々とのつながりが、4コマのなかでギャグを交えながら、丁寧に描かれていくのですね。日々の生活のなかで起こっていくちょっとした心の動きに着目し、そこから物語を紡ぎ上げていく。それが感動とギャグを呼ぶのです。巧みな語り口は、はるかに水準を超えていると思います。とにかく強烈にオススメ。とても21歳には見えないキミ子さんに萌えれ!
ルチル Vol.5 | V.A. | ソニー・マガジンズ | <漫画・アンソロ> | 950円 |
最近圧倒的にボーイズラブづいている私。漫画を描いているのはテクノサマタ、高橋ゆう、梶原にき、吹山りこ、田中鈴木、つづき春、山田ユギ、やしきゆかり、伊吹美里、南京ぐれ子、羽海野チカ、南野ましろ。気付いたところを順番にいってみましょうか。
テクノサマタ「草の冠 星の冠」は、様々なものの「精」が見える少年の物語。少年はひとりで咲こうとしない白木蓮の精が気になる。「きれいだから咲けよ」といっても、白木蓮の精は首を縦に振らない。それは自分よりさらに美しいものを見てしまったから。意地を張ろうとする白木蓮だが、次第に少年に心を開いていく。うむ、という感じです。エロ要素がいっさいないのがまたリリカルでいいのですね。唯美主義も貫徹すればクサくないです。これは単行本購入決定。
次は梶原にき。吹奏楽部の同じパートの先輩が気になる後輩…というシチュエーションに燃えるじゃないですか。同期の女の子に嫉妬してみたりしますし。それを静謐な画面構成で描いているところが惹かれます。これも買うでしょう。
次は山田ユギ。「冷蔵庫のなかはからっぽ」シリーズが続いています。結局いちゃいちゃする仲になった先輩清水と後輩梅谷(清水の方が可愛くて受)。だがまだセックスまではしていない。同居している梅谷の妹は、「やっちゃいなさいよ」とばかりにゴムとホモ本を置いていく。妹の友だちのボーイスラブ作家のネタにするために…と。ふはあ!この本全体ではギャグとしての役割を期待されている作品のように見受けられますが(じっさいギャグは冴えてますが)、その役割を果たすだけではなく、きちんとボーイズラブとして機能しているとは。梅谷の首筋のキスマークにうろたえる清水、という表現がいい感じです。清水のうるうるした眼は、私にもグッと来るのでした。そしてゴムを見て発奮する梅谷。いいですなあ。心が洗われますなあ。
次は南京ぐれ子。ちょっとがさつに見えてしまうところこそありますが、「ドロップス」は盛り上がってます。ほとんど赤ちゃんサイズのハッカがなんとも。赤ちゃんをめぐって争う男たち、という構図にさえ見えてしまいます。興味深い!
そして恐るべきは羽海野チカ「そして船は行く」。高校卒業を前にしたサッカー部のキャプテン新城とバレー部のキャプテン水沢。ふたりは自家用車で神奈川から北海道まで旅をする。プロになることが決まっている新城と、大学進学が決まっている水沢。ふたりの道は分けられている。そしてふたりは旅をする。自らの気持ちに決着をつけるために…。ロード・ムービーの形式をとっているところからして最初から涙腺がゆるむところです。そして新城は明らかに水沢のことを好いており、水沢もその気持ちに気付いている。それ以上のセクシャルな関係にはならないものの、そうであるゆえに二人のあいだには微妙な距離感が生じる…。それを描くところが恐るべきところです。同性に対する思いというものはまだまだ抑圧されているもの。だからその思いの表出にはきわめて慎重にならざるを得ません。またそれを受け入れる方も、女性を相手にするように受け入れるわけには行きません。常にそこには微妙な選択と妥協と納得と緊張感が介在してきます。人間としては受け入れることができるが、恋愛の対象として受け入れることができるのか、という選択とともに。ボーイズラブにおいて得てして捨象されてしまいがちな部分なのですが、そこに男性同士の「思い」に由来するドラマが生じるのだと思います。承諾するにしても、拒絶するにしても、非常に辛い選択なのですから。わからないという人は、クリストファー・ミュンチ監督の「僕たちの時間」(91年)を見ましょう。ともかく私自身、にがい悔恨の情をもってこの作品を読んだことですよ。あなたならどうします?もっとも信頼できる同性の友人から愛を告白されたら。
美代子阿佐ヶ谷気分 | 阿部愼一 | ワイズ出版 | <漫画・単行本> | 1800円 |
「みるく7号」のネタとして。「電脳なをさん」でピンと来ていた人は読むべきですよ。すべてにおいて絶望的でドキドキしまくります。ちょっと高いですが。
ケイゾク/短編集(アンソロジー) | V.A. | 角川書店 | <漫画・アンソロ> | 古書価300円 |
映画は見てないのですが、ラインナップは強烈です。美樹本晴彦、MEIMU、夏元雅人、むっちりむうにい、熊谷カズヒロ、加倉井ミサイル、木下さくら、大和田秀樹、西館直樹、浅田寅ヲ、むらかわみちお、朝倉世界一、森美夏、佐々木みすず、ひな。の各先生方ですから。流石は角川、お金かけてます。気になったのは木下さくら、むらかわみちお、ひな。先生方ですか。…なんか自分でもやんなっちゃうところに惹かれてますね。
コミックバーズ 8月号 | ソニー・マガジンズ | <漫画・雑誌> | 467円 |
まったく田嶋安恵さんには困ったものです。なんだか凄いことになっています。その印象が強すぎるので他がちょっとかすんでしまう気がしますが、新連載攻勢(「空想科学エジソン」「極楽丸」)といい、書き下ろしの充実といい(「鳥玄坊」)、雨宮智子の復活といい、全体的に活気は増していると思います。以前のバーズとは異なった、他の雑誌になっているのも事実だと思いますが。
ガロ 8月号 | 青林堂 | <漫画・雑誌> | 743円 |
特集は日野日出志。新作「少年日記」が載っているのですが、これが(ホラーじゃないせいもあってか)非常にいいのですね。本当に台風の目を見た、という驚きが伝わってきて。作家の特集はこういう形で続けてもらえるといいと思います。サブカル系の特集はもういいですから、作家に即した特集で攻めて欲しいものです。漫画の内容は素晴らしいものです。パルコ、菅野といった「もういいんじゃない?」と思わせる作家もいますが、「幼稚なOTONA」といい津野といい川崎といいキクチといいいみりといい最高です。しかも鴨沢裕仁が載っている!単行本も出る!驚きの内容になってます。
東京H 8月号 | 一水社 | <漫画・雑誌> | 524円 |
いつものメンツ(ゼロ、月森、美樹、友永など)の他に、今回は玉置勉強としろみかずひさが登場。とくにしろみは意外だったので嬉しいところ。麻理果はやっぱりザー汁まみれになって美しいです。玉置の痛さは相変わらず。あと、絵柄的に気になったのが真田X。CGで、タブレットで着色していると思しき画面なのですが、線が柔らかくっていいのですね。ちょっと阿部吉俊を思わせるギャグの使い方も気になります。他の作品を読んでみたいのですが…?
ホットミルク 8月号 | コアマガジン | <漫画・雑誌> | 838円 |
ジャンキーズの「ネコみみ漫画特集」にあわせて、漫画の方もネコみみ漫画が登場。天織龍樹、えびふらい(懐かしい)、鬼魔あづさ、はりけんはんな、ひぽぽたますが描いてます。スズキトモユさんも指摘していますが、ネコみみという事象に対する解釈で、考えられる類型をそれぞれ網羅した作家のラインナップになっているのは流石といえましょう。他はみかん(R)や瓦敬助といったところが引っかかったのですが、何より嬉しかったのはナヲコ先生が久々に漫画で登場したこと。主人公の女の子はやっぱりくせっ毛で、実に「標準的」です。可愛かったり、背が高かったりといった徳目を持ち合わせていないという点で。そうした女の子が、きれいな転校生の女の子に憧れるという…。原理的な意味での男性向けのエロ漫画にはなっていない面がありますが、人間の内面を描きだし、女の子のリアルな姿を描きだしているところは注目すべきところといえましょう。次の単行本はいつですか??
「ジャンキーズ」の方は船堀斉晃とぐれいすのインタビューがメイン。ネコみみと関係ないのでは?ともあれ。ぐれいすのインタビューは迫力もの。一見非常にクールな作風を持っているような印象を受けますが、「別れた彼女のことばかり描いている」という応答があって「へえ」と思います。なんだか想像できなかったもので意外だったのですが、そうした感情のほとばしりを背後に持っていたがゆえのクールな作風だったのかと思うと、実に興味深いものがあります。船堀のインタビューも「最初から完成されていた作家がどのような経緯をたどってきたのか」が分かり、面白いものがあります。このシリーズは今後も続けていって欲しいものだと思います。
コミック燃絵 Vol.2 | 松文館 | <漫画・雑誌> | 522円 |
さすがにもうヘトヘトです。琴吹かづきや危険思想などの豊満系もいいのですが、注目されるのはやはりロリ。A・浪漫・我慢は最初から飛ばしています。「私に精液かけてくれませんか?」ですから。御形屋はるかは可愛いぬいぐるみさんがあんなことやこんなことをされたり…とヤバイ感じ。そして注目すべきはあじまる「きみとボクの雫」。○学生の女の子とその先生。先生のところに遊びに来る女の子。ふたりはラブラブなのですぐにコトに及ぼうとするのですが、女の子の体のあちこちには叩かれたあざが。「しょうがないよ 親は選べないんだから だけど好きな人は…チャンと自分で選べるもんね▽」と。痛ってえ!ロリイタ系の新星登場といえましょう。ただ単に私が知らなかっただけかもしれませんが。他にはへっぽこくん、りえちゃん14歳といった人気作家も描いていますので、お得な内容となっています。
Last-Update: Thursday, 13-Nov-2014 09:16:48 JST