2000年10月20日(金)
OURs LITE 11月号 | 少年画報社 | <漫画・雑誌> | 305円 |
ウリであろうところの伊藤×今掛の「ジオブリーダーズAA」は、今のところは残念ながら…という出来ですね。本家のスピード感が生きていないのが辛いです。どう編集がサポートするかがポイントになってくると思います。あとは今回は読み切りがいいですね。特にいいのが陽山明子の「Fish Song」。女の子を可愛く描く一方、絵に躍動感がある。絵に潜む清楚さを失わない範囲で。まだちょっと整理されていない印象がありますが、今後に期待できる作品です。あとは当然「ヤマモト」でしょうか。「イカロスだ!」のセリフには私も泣きましたぜ。ヤマモト一本で後半のダレを一気に引き締めている。だからこそこの雑誌は全体として読めるようになっていると思います。
ウルトラジャンプ 11月号 | 集英社 | <漫画・雑誌> | 410円 |
富沢ひとし「プロペラ天国」が始まってます。いやあ、相変わらずですなあ。今回は始まったばかりだというのにもう主人公たちはピンチに。「ガオガイガー」よりストレスが溜まる展開かも知れません。当然誉めているのです。あとは「定光」「BWH」ですか。「スペイン人あるところ征服あり!」
みこすり半劇場別館 | ぶんか社 | <漫画・雑誌> | 314円 |
普段はほとんど買わない4コマ誌ですが、これを買わないわけには行かないでしょう。永野のりこ「みんな以外のうたR」と、榎本俊二「ギミサムパンツ」が載っているのですから。のりこ先生はなんと連載ですよ!今回も疎外されまくってます。そして読者の予想を裏切りまくるオチ…お、面白い!そして他には吾妻ひでおや田中圭一も載ってます。ノイズ値も高いですが…。
妙技の報酬 | 岡野玲子 | 小学館 | <漫画・単行本> | 505円 |
要は単行本未収録作品集。80年代(!)にプチフラワーに載った連作「妙技」シリーズと、90年代半ばにスピリッツ21に載ったデコトラ(!)ものからなっています。驚かされるのは岡野先生のすっとぼけたギャグセンス。そりゃあ博雅のマヌケ顔などから予感はされていたのですが、そうですか、どB級マカロニウエスタンですか…。「妙技」シリーズは、コンキスタドーレスの末裔にして見栄っ張りの農園主ベルトラミと、その執事の黒人のハーベイのコンビがいい感じです。
2000年10月19日(木)
激しくて変 II | V.A. | 光彩書房 | <漫画・アンソロ> | 876円 |
今回の執筆者は玉置勉強、明治カナ子、町田ひらく、阿宮美亜、牧神堂、小瀬秋葉、町野変丸、早見純、華麗王女、ゆうきあきら、遠藤りさを。前回もそうでしたが、漫画の方向性は実に編集者の趣味にあふれたものとなっています。そのために統一感あふれるものになっているのですね。加えて経験あふれる作家(阿宮、早見)と、玉置、町田といった系列の作家を組み合わせているのが興味深いところです。それでも違和感がないのですから…。特に着目すべきは玉置、町田、小瀬の三人。玉置はうらまっく先生を思わせるカリスマが新聞勧誘員のおっさんにあんなことをしてしまいます。アブねえネタですこと。これでも少々直しがあるというのですから、本当はどんなものだったのでしょう。気になるところです。町田は久々(?)の本格ロリもの。「テレビに出ている美少女は、実は全部…」という陰謀史観に満ちたネタです。町田が抱えているであろう閉塞感が上手く伝わってきます。そしておそらく掘骨砕三であるところの(確証はないですが)小瀬。サッパリした感じの女性が、女の子のようにかわいい男の子とキッツイアナルFをキメています。着目すべきは女性の視点から、その行為に耽溺していく様を丁寧に描いているところですね。ここに限りないエロが潜んでいるのであって、読者もそれにタマラヌ気持ちを感じるわけです。この人の単行本を希求する次第です。
ミルクコミックさくら 13号 | V.A. | 松文館 | <漫画・アンソロ> | 790円 |
執筆者は月角、黒岸風興、豊川稲理、あじまる、彩樹衛生、森ひろみ、志崎月魚、黒崎まいり、TORO、う〜とむ、菊池広隆。うーん!例の法律のせいか、胸のある女の子が多いじゃあないですか。これではロリアンソロジーの役を果たさないではないですか。辛いのは分かりますが、ソレ目当てで買った人にはちょっと辛い内容になっていると思います。まあアタクシはこれを実用にする訳じゃないので、その面では問題ないのですが。ただ漫画を読むものとしては、表現が過剰であればあるほど、制度に対して距離を置けば置くほど興味深いものになるので、こうした方向へのシフトは残念なのですね。ヒットする作家はあじまると黒崎まいり。流石に実力のある人は「魅せる」漫画を描いています。ただそれ以上の発見はありません。次回に期待というところです。
フリージア | 古事記王子 | ティーアイネット | <漫画・単行本> | 924円 |
「カシミヤ」に続く2冊目の単行本です。前作ほどロリ味は濃くありませんが、相変わらずの細っこいけれど、なのにおっぱいはボーンという体つきが何ともフェティッシュです。加えてこの人の良さはオハナシを作る力があること。大馬鹿なオハナシもこなせば、表題作「フリージア」のような、繊細な心の動きをも描き出す。いやあ、「姉ポルノ」じゃあないですが、姉×弟は上手くやれば流行ると思いますがね!今後も注目していきたい作家です。
彼女が死んじゃった。 1 | 一色伸幸/おかざき真里 | 集英社 | <漫画・単行本> | 505円 |
「ビージャン」連載作品。待ちに待ったおかざき真*里*の新作です。基本的なオハナシの構造が「1996年の夏休み」と同じじゃない?などと言ってはいけません。それよりも注目したいのはおかざきのエロ描写。まあなんとも体の描き方のいやらしいこと、美しいこと。おそらくはきちんと人体デッサンをこなしているのでしょう。それに加えて漫画的、おかざき的カリカチュアライズを加え、よりいっそうオーラの漂う画面を作っている。ちょっと凄い内容になっています。黙って次の巻を待ちたいと思います。ところで豆知識6って「ドラえもん」の引用ですか?
電撃大王 11月号 | メディアワークス | <漫画・雑誌> | 590円 |
「あずまんが大王」「DOLL MASTER」。以上。
…ではちょっと可哀想なので。ちょっと気になるのが「レターフレンド」。漫画のいかにもさも気になるところですが、現実世界における企画の方も気になります。月700円で月4回美少女(微苦笑)からのメールが届くんだそうで。お金でメル友(アニメ絵)を買うのですか!アニオタたちの「撤退」の最たる例と見るか、シャレと見るか…。
サンデーGX 11月号 | 小学館 | <漫画・雑誌> | 410円 |
いいですなあ、「天使だけが翼を持っている」。のびのびやっている様が伺えて、読んでいるこっちも気分が良くなります。それから「吼えペン」。俺様ちゃんはダメ、と言っていましたが、私は大笑い。なぜに松本零士?「何か」って何?ですがもっとも注目すべきは小野敏洋先生。ちち!乳!ち・ち!カラーページであることをいいことに存分にちちを描きまくっています。その心意気や、よし!エロの含意のない教育(≒子ども向けの作品)は全く意味がないといっていたのは渋沢龍彦だったと思いますが、まさにその通りだと思います。ただ惜しむらくは、古麻子が「実は男の子」じゃなかったこと。願わくば打ち切られませんように。
モーニングマグナム増刊 17 | 講談社 | <漫画・雑誌> | 286円 |
他のサイトや「ザ・掲示板」でも言われていることですが、今回は読み切りがいい感じです。川島正春「嫁を乞う人」、五味裕子「SUN」といったものですね。私はかつての「ムーミン谷」が幅を利かせていた頃のこの雑誌をこよなく愛するもので、今の連載陣にあまり魅力を感じないのですが、こうしたいい読み切りを載せるようなら見直したいと思います。あ、連載一つ一つは悪くないと思いますよ。「サトラレ」とか。ですが総体としてはちょっとあわないことには変わりありません。
2000年10月16日(月)
AICコミックLOVE 秋号 | AIC | <漫画・雑誌> | 800円 |
以前はA5で出ていましたが、今回からB5サイズになってます。基本的にAICのアニメ作品のコミカライズという姿勢にも変わりがありません。ちば・ぢろうの「天地無用」、たかしたたかしの「大運動会」とか。AICのアニメはほとんど見たことがないのでちと厳しいですね…。井上喜久子姉さん(そういや吉祥寺の街でイベントをやっていたのを見たことがあります)や堀江由衣のグラビアもアタシにゃ何のことだか。ですが大きな徳目が。ゆうきまさみ×田丸浩史の「マリアナ伝説」が巻頭にあるのですね。以前は上で、今度は下ですか!美しくプレイすることしかアタマにない水球部員の寺澤。シュートする際の美しさのみが彼にとっては問題なので、シュートする先が敵のゴールか味方のゴールかは関係ない。「真のスポーツは強さの他に美しさを兼ね備えねばならんのだ!」「目からウロコですが自殺点はやっぱスポーツとしてはダメすぎではないかと」。そして後輩・栗下と一緒にゆうえんちにデートに出かけた寺澤は、池でジョニー風マッチョで美しい泳ぎを見せる老人に出会う…と。田丸健在!ショートカットで一人称「ボク」の栗下にも注目だ!ちなみに次回からはゆうきまさみ本人の連載も始まるとのこと。
メロディ 11月号 | 白泉社 | <漫画・雑誌> | 362円 |
竹宮惠子の読み切り、インターミッション的にロリっ子が活躍する「天上の愛 地上の恋」、漫画賞銀賞受賞の勝田文「幸福の髭」と、いつも通りしっかり読める内容。そして一番の注目はいつもの通りアレっすよ。レンジャー訓練に参加する乙犬。レンジャー訓練は泣くほどきついので、精神的「ごほうび」が必要だという。そこで朱野がとった行動は…「…あれは天然か 重度の変態か…… 天然の変態のどれかだと思うのよね…」とつぶやく江口。せ、先生!まさかわかっててやってらしたのですか!!
花音 11月号 | 芳文社 | <漫画・雑誌> | 667円 |
やっぱ上手いよなあ、ユギ先生。仕事量の多さが質の低下に結びついていない。オハナシなり登場人物なりに幅の広さがあるところもええ感じです。今回は南野ましろ先生のページが少ないのが残念ですが、他にも引っかかる作品はまだまだあります。特に気になったのがやまがたさとみ「かるがるしい恋でいこう!」オハナシはあと少し、という印象ですが、線がいいのですね。他の作家が懐かしいタイプの少女漫画寄りの線を引くのに対して、この人は小野塚系といいますか、より細く乾いた線を引いています。それだけで随分目立つ作品になっていると思います。BLにも少しずつ慣れてきましたよ!次は「麗人」「Boysピアス」だ!
2000年10月13日(金)
ネムキ 11月号 | 朝日ソノラマ | <漫画・雑誌> | 543円 |
特に多くは語りますまい。買おうとしたときに二人連れの女の子が「あ!プランツ・ドールが載ってる!」と幸せそうな声をあげていたのが非常に印象的でした。そうそう、載ってますよ。
ネガ&ポジ 2 | 入江紀子 | 講談社 | <漫画・単行本> | 390円 |
生き別れだった双子のリタとリコ。おとなしいリコは会社の同僚とラブラブ。今まで愛情に飢えて育ってきたリタは、その男をなんとしてでもオトそうとする…。1巻はまだまだ導入部分、という感が強かったものですが、ここに来てオハナシが動いています。リタは心の中に絶対的な空虚を抱え、だからこそ意地になって男を落とそうとします。一方、リコの方はそれでも男との愛を貫こうとします。客観的に見れば悪いのはリタの方なのですが…入江は決してリタを単なる悪人として描くことはしません。リタにはモデルがおり、入江は彼女と絶交しているとのことですが、だからといって入江はその人のことを考えるのをやめません。「なぜ彼女はこうも男をあさるのか?人の彼氏を取ろうとするのか?」ということを考えるのですね。そこにおそらく入江の繊細さ、やさしさ、人間としての立ち位置の「つよさ」、オハナシの説得力が生まれるのだと思います。つよい視点だよなあ…。とても私にはできません。全体的に胃が痛くなるような本ですが、だからこそ読む価値があるといえましょう。
マスターグレード MS-07Bグフ | バンダイ | <立体> | 特価2520円 |
待ちに待ったグフが出ましたね。まずはボックスアートのかっこよさに惹かれます。ポーズといい、背景といい、ランバ・ラルが見えるようではありませんか。構造的にも非常に意欲的だと思います。当然まだ組んでいないので、プロポーションや組み立てやすさなどは何ともいえないのですが、説明書を見た限りではビスが多用され、しっかりしたフレーム構造になっていることが見受けられます。またパーツ分割もよく考えられ、合わせ目が目立たないようになっています。テクノロジーは進歩し続けているのですね。ただ問題があるとすればパイプとヒートロッドの処理。ヒートロッドって輪っかを48個つなげて作るの?ゲート処理だけで気が遠くなりそうです。それからもう一つ要望があるとすれば、以前にも書きましたが、モノコック構造を再現して欲しいところですね。モデルとしてのバリューを増すためにフレームを作るのは悪くないとは思うのですが、モノコック構造でも「魅せる」ことはできるのじゃないか?と思うのですよね。ジオン=モノコック、と考えている私ですので、どうしてもそっちに考えが行ってしまうわけです。
マスターグレード RX-79[G]Ez-8 | バンダイ | <立体> | 特価2700円 |
一緒にこいつも買ってしまいました。最初このMSを知ったときは「全然ガンダムじゃないじゃん」と思ったものですが、ガンダムからヒーロー性をそぎ落とし、より「一個の兵器としての」ガンダムを作ろうという試みなのだ、と今は理解しています。ミリタリー者としては、全体的に装甲が合理化され、より兵器としての生存性や実用性が高まって見えるのがいい感じです。大河原的に「スキ」が多い陸戦ガンダムに比べて、ずっとスパルタンなイメージが漂っているですね。どうせやるならリアクティブ・アーマーとかも装着して欲しいものですが、まあアニメですから。以前も書きましたが、それにしても初版の(?)ガンプラは入手が難しいですなあ。これについては「2ちゃん」でアミを張っていたので入手できましたが、そうでなければ無理だったでしょう。特にグフ。昔を思い出します。それから次のMGは予想通りνガンダム(5000円)だそうですね。そりゃサザビーだけで出すわけはないと思ってましたけどね。
2000年10月12日(木)
今日から雑誌以外はなるべく画像をつけることにしました。
車掌 19号 | 塔島ひろみほか | 車掌編集部 | <ミニコミ> | 500円 |
「楽しいつづり方教室」「鈴木の本」「ドキュメントザ尾行」で有名な…といいますか、この「車掌」の活動の方が有名な塔島ひろみが編集主幹のミニコミです。ちなみにとうじ魔とうじの奥さんです。知らない?そりゃ残念です。以前の「車掌」も、「見知らぬ誰かを(イヤがられようが)とにかく尾行する」「全国の鈴木さんについて考察し、鈴木と名のつくものなら何でも注目する」と、きわめてラディカル、かつ過剰な企画で強烈な迫力を持っていましたが、今回もちょっともの凄いです。本文100ページ。11個のコラムで構成された、おんなじレイアウトのページを100回繰り返してるのですが、もちろんそれぞれ書かれている内容が異なります。そしてそのコラムもちょっと凄いです。「輝け!第1回〜第100回車掌賞グランプリ」「蓄膿症について
第1回〜第100回(100回蓄膿症について書く)」「お一度〜お百度参り(一回分ずつ書く)」「ザ・5分間尾行(ヒョウ柄のものを持った人をとにかく5分尾行する。100回)」「ゲストトーク100本」「同じ服を百回着る」「同じ人の似顔絵
第1回〜第100回」「三本美治の広告
第1回〜第100回」など。器物は100年経ると妖怪になるといいますが、おんなじようなことも100回繰り返せば妖しい魅力を放つものです。そしてこの繰り返しには壮大な徒労感がつきまとっているのがまた魅力的です。人間は、こうした一見意味のないことに精力を傾注できるから、尊いのだと思います。なんだかオトナの余裕を感じるミニコミ。注目されるのもさもありなんという感じです。今度は私もまぜてもらおっと。
(買える場所が限られているのでご注意。リブロ青山店、模索舎、ぽえむ・ぱろうる、タコシェなどで買えます)
2000年10月11日(水)
コミックビーム 11月号 | エンターブレイン | <漫画・雑誌> | 467円 |
今月ももうイヤというくらいテンションが高いです。何しろ最初に「敷居の住人」があるのですから。薄っぺたいちあきとゆかさんの裸体が何とも含蓄深いことよ。玩弄されるのは読者もちあきも同じです。ええ、もっと弄んでください。そのほかには骨っぽさ爆発「ラズレズ」、圧倒的な迫力「SEX☆MACHINE」、「デビルマン」を超越しつつある「弥次喜多」、「今回はちんちんが出てこないので女性も安心して読めます」というあおりが美しい「テルオとマサル」、線の美しさと意外な展開が好ましい「橋無医院」、枯れきっている描写がぐっと来る「釣れんボーイ」、デタラメさがたまらない「かねひらだもの」…。ああ、満腹。「ベガスくん」の休載は残念ですが、このテンションを維持していって欲しいと思います。あと気になるのは「アックス」の広告が載っているところ。似合わねー!と思うところですが、漫画に対する情熱のあり方は共通するものがあるように思います。
コミックバーズ 11月号 | ソニー・マガジンズ | <漫画・雑誌> | 467円 |
うーん、やっぱり漫画の並び順が悪くて損をしているように思います。ひとつひとつの作品はそれなりのレベルに達していると思うのですが、なんだかそれぞれの持ち味をうち消してしまうような並び方のように思うのですよね。まあ、具体的にどうすればいいか、といったことを述べることができないので、単なるほざきに終わってしまうのが心苦しいのですが。あとはヌルいラブコメがひとつもないのがちょっと苦しいでしょうか。今回よかったのは「日の丸あげて」。Bf109Gですか?タイフーンですか?510ページ4コマ目って、まさかMC205ですか?さすがは新谷先生!そして日の丸の機体は烈風とかの完成しなかった機体に決まっています。空冷だって言いますしね。現代にDB605が残ってるはずないって?あなた、松本先生に笑われますよ!
アイラ Vol.1 | 三和出版 | <漫画・雑誌> | 552円 |
待っていた「フラミンゴ」の後継誌です。フラミンゴからはしのざき嶺、海野やよい、海明寺裕、古賀燕などが引き続き描き、そのほかこのどんと、船堀斉晃といったメジャーどころが描いているのが目を引きます。もちろん「フラミンゴ」ほど特殊じゃあないですが、内容は濃いです。このどんとによる「奴隷戦士マヤ」の濃厚なこと!そのものの意味でマヤを「分解」しているのですから。それに描き込まれている文章の素晴らしいこと。女性でここを読んでおられる方もいらっしゃるでしょうから書きはしませんが、是非手にとって読んでいただきたいと思います。あとは果愁先生の壮大きわまりないダメっぷりと、きわめて直球勝負のショタホモものを描いている拝狼先生が引っかかるところです。TRUMP先生のアイデア賞もののネタも面白いですよ。子宮の内側からペニスを挿入するんですから!
零式 22号 | リイド社 | <漫画・雑誌> | 362円 |
目黒三吉「コン姉」が素晴らしいです。「お弁当あたためますか?」「僕の凍てついた心を暖めてください」。このやりとりを「持ってこれる」ところが目黒のイカスところ。ドラマトゥルギーが最後まで噛み合わないところも最高です。これぞ現在の漫画。57点!あとは木ノ下ひるね「恋はあなたと」がいいですね。心を許しあった二人のラブラブなセックス。そうそう。セックスはこういうのがいいんですよ!ヌルくはありますが、テレずに描いているところに好感が持てます。
LOST 2 | 天竺浪人 | 三和出版 | <漫画・単行本> | 933円 |
「フラミンゴ」誌上の連載「便器」の2巻目です。便器になる、という世界へと誘われる本山、本山の前では普通の女の子として振る舞うが、好きなミュージシャンの取り巻きの「便器」として扱われている藤沢、援助交際していると噂されている下田。雑誌ではいまいち中途半端な終わり方をしていましたが、この本では書き足されてきちんと終わっています。作者はあとがきで「破綻していた部分もあった」という意味のことを書いていますが、読者としてみたときにも、作者の選択は間違っていなかったように思います。単に本山が快楽に耽溺するだけでは面白くないですからね。確かに始まり方を考えればこの終わり方は少々ねじれていますが、簡単に終わらないのもまたよし、と思います。
碧の孤狼 | 滝沢聖峰 | 大日本絵画 | <漫画・単行本> | 古書価100円 |
「モデグラ」の連載で知られる作家ですね。100円なので試しに。全体的に「もしこうだったら日本は一矢報いていたのになあ」という願望が支配しています。たとえばこんなオハナシがあります。陸軍省がドイツからの設計図を元に開発したJumo213(!)エンジン。日本に唯一存在するFW190Aにくっつけて、和製FW190D-9を作り、B-29を迎撃するという…。ちょっと冷静に考えれば「それは、ない。」というオハナシですね。そもそも当時の日本の技術では排気タービンが作れるはずがありませんし、FW190の方もJumo搭載に当たって尾翼、主翼を改修しているはず。全体的にオハナシに思いつきの感が強く、中途半端な印象を受けます。どうせやるならあびゅ先生くらいやらなくちゃ。ところで関係ないですが、最近の天変地異は、ホントーに神の復活計画なのではないか、と思えてきましたよ!何てったって出雲ですしね。
デビューマン 1 | 吉本蜂矢 | 少年画報社 | <漫画・単行本> | 古書価250円 |
へへへ、見つけましたよ。この作品の面白さは「2ちゃん」とか「OHP」とかを見ていただければと思いますが、とにかく勢いの良さに惹かれます。あとは描かれている女子高生が、今の目から見れば流石にやや古いですが、その当時の「リアル」を実に反映していたこと。「女子高生はマヌケである」(男子高校生と全く同様に)ということを、ここまで正面から描いた作品はないでしょう。何故この人、現在活躍の場が少ないのでしょうか?もっともっと売れるハズなのに。
黒のリヴァイアス | 青島文化教材社 | <立体> | 特価1750円 |
いざ出てしまうと感慨深いですねえ。こんな地味ーなアイテムを出してしまうアオシマに、心から拍手を送りたいと思います。中身は接着が必要な昔ながらのプラモですが、全体のプロポーション、モールド、ヴァイタル・ガーダーのギミックなど、なかなか良くできていると思います。ゲートも百式風の、表面にゲート跡が残らないようなものですしね。「こすって銀SUN」でぴかぴかの仕上げにしようと思っています。
Last-Update: Thursday, 13-Nov-2014 09:16:49 JST