2000年2月上旬

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2001年2月9日 (金)

アフタヌーンシーズン増刊 春号   講談社 <漫画・雑誌> 286円

 「みんみんミント」最高じゃあ!オパーイ、萌え〜!士貴智志という作家の「本分」がどこにあるか、きわめて鮮明に分かる作品ですな。そう、この人はこういう作品を描いていればいいのです。無理して「神風」なんて描くのをやめて、こちらに全力投球すべきだと思います。その方がはるかに建設的でしょうから。
 表紙のキャラ萌えとは裏腹に、内容は結構読ませてくれます。やはり「虫師」と「もっけ」の存在が大きいのですね。あとは遠藤浩輝の短編と「ラブやん」ですか。遠藤ってヤツぁなんてヒネた男なんだ!

ホットミルク 3月号   コアマガジン  <漫画・雑誌> 838円

 これにて休刊。永山薫を戦犯扱いする動きがあるようですが、それはお門違いだと思います。確かに「ジャンキーズ」というコンテンツはすべての読者にとって必要なものではなかったでしょう。ですが実は割高感を形成していたのは漫画の方ではなかったでしょうか?名のある/力ある作家が、毎号どれくらい登場していたでしょうか?瓦敬介と田沼雄一郎くらいではないですか。無名の作家が悪いとはいいませんが、業界一の古株である「ホットミルク」が取るべき選択は、自らの歴史の長さに立脚した有名作家による横綱相撲だったのではないでしょうか。
 ともあれ、「ジャンキーズ」だけに責任を負わせて簡単な答えを出そうとする風潮には、強い疑念を呈しておきたいと思います。

桃姫 3月号   富士見出版 <漫画・雑誌> 505円

 胃之上再び登場。かの連載の鬱憤をはらすかのようなハードな展開は相変わらず。あとはぐんぱん先生、EB110SSといったところでしょうか。

箱  しのざき嶺 三和出版  <漫画・単行本> 876円

 


2001年2月8日 (木)

フィールヤング 3月号   祥伝社  <漫画・雑誌> 352円

 エリカと春菊、なによりないとのヘタレっぷりは気になるものの、今回は全体的にいい感じ。モヨコのハイテンションは本当に凄いと思いますし、ミツカズ、小野塚の完成された世界はぐっと惹かれるところです。安彦麻利江のダルな感じもいつもの通りいいですし、やまじえびね、宇仁田ゆみの若手も光っています。もっと若手にページを割いてもいいと思いますが(キューコミみたく)、こういうテンションならまあいいかなと。

ヤングアニマル 4号   白泉社  <漫画・雑誌> 248円

 

エースネクスト 3月号   角川書店  <漫画・雑誌> 619円

 

コミックビーム 3月号   エンターブレイン  <漫画・雑誌> 467円

竹本先生は本当に天才なのではないか、と思います。

STUDIO VOICE 3月号   インファス  <一般・雑誌> 648円

特集は「TOKYO DRIFTER」で、日本映画特集になってます。もちろん「殺し屋1」なんかも載ってます。残念なのは漫画と映画の接点を唐沢俊一が書いている点。今時岡崎京子ですか…。それは唐沢の後の世代に、かれと同等の漫画=映画見がいないことを意味してもいるのですが。私にやれ、と言われても今はできないのが歯がゆいですな。もっと勉強しなくちゃな!

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2001年2月6日 (火)

Dear+ 3月号   新書館 <漫画・雑誌> 590円

 南野ましろ先生ってほんとうにすごいなあ。頭に描いてある山ってなんなんでしょう。それが当然になっているところがさらに凄いです。え?分からない?分からないほうがいいかも知れませんよ。今回の発見は古針乃莉「肉体の関係」。「王子」と呼ばれている美しい少年によこしまな欲望を抱く主人公、という筋なのですが、なんといっても繊細極まりない絵がいいのですね。まつげが長くさらさらの髪、という一般的美少年像を持ちながらも、目元の描き方に天野喜孝を思わせる「昏さ」がある。空間を上手く使った描き方も注目すべきところです。あとは竹美家らら、那須雪絵(!)がいいと思いましたね。

新宇宙戦艦ヤマト 1 松本零士 小学館 <漫画・単行本> 476円

 「総集編」のところで書きたいことは書いたので、特にコメントはしません。ただ思うのは、こうした作品を「楽しめる」ようになると、まんが読みとしてのふところがぐんと広がるよなあ、ということです。確かにヒドいといやあヒドい作品なんですが、そのヒドさが楽しめるようになると、ずっと多くの作品が楽しめるようになると思うのですよね。ということで読もうではありませんか、この巨匠の作品を。

いちばん上


2001年2月5日 (月)

CRAFT Vol.9   大洋図書 <漫画・アンソロ> 840円

 今回の執筆者は神楽坂はん子、天禅桃子、河井英き、高橋悠、宮城とお子、紺野キタ、高松由尚、吉川博尉、タカハシマコ。まず気になるのは神楽坂はん子「恋の祭典」。カヲル君的ホモ暗闇系少年が周りを誘惑しまくるというスジで、ちょっと懐かしくはありますがいい感じです。続いて高橋悠「走ってくる日、雪の降る降る」。もと暴走族だった青年は一念発起して保育士になる。そんな彼はある男の子の父親に一目惚れ。まず男の子から懐柔しようとするが、なかなかなつかない…というスジです。他愛ないスジといえばそうなんですが、絵がいいんですね。他の作品がどうしてもボーイズの様式に「閉じて」しまっているものですから(特に今回の表紙はキツかった…)。
 ほかは当然紺野キタとタカハシマコ。やっぱり紺野キタって凄い才能だわ、と思います。今回はちょっと無理をしたオハナシ、という印象がありますが、体の弱い妹というキャラクタを上手く使い、深みのある展開を作り出しています。そこはかとない近親相姦のかおり。もちろん画面構成のうまさがそれを強化しているのはいうまでもありません。そしてタカハシマコ。今度は少年がウサみみになってしまいますよ?ウサギは寂しいと死んじゃうんですよ?阿漕な展開もタカハシマコならよし!

新装版タイム・トルーパー 小林源文 世界文化社 <漫画・単行本> 648円

 21世紀末の世界、演習中に1個分隊が行方不明になる。実は彼らは上層部の特命を受け、歴史の改変を防ぐため過去に送られたのだ。送られた先は1944年のヨーロッパ。使命はドイツの核開発の阻止…。いしかわじゅんは賢明にも「ゲンブン先生はギャグのセンスに優れている」と見抜いていますが、この作品はまさにギャグ作家としてのゲンブン先生の才能が炸裂しています。21世紀末の人たちはみんな文明人でいらっしゃいますので、20世紀人をサル扱いするのですね。しかもそれが全く当然であるように。ノルマンディー上陸作戦が絡んでくるのでリアルな戦場描写があるのですが、その傍らで22世紀人たちはのんびり「これは骨董品だ!」「いやアートだ!」などと語り合っているのですね。一方でタマシイ込めて戦場を描いているのに!そこにゲンブン先生の底知れぬ暗黒の悪意を感じます。「ウサギの黒騎士」もこの調子でお願いします、敬愛するゲンブン先生!

エース桃組 vol.2   角川書店 <漫画・単行本> 476円

 ご…ごほ。ごほごほ。あ、ちょっと気を失ってました。あまりに凄いもので。
 「新・少年誌」の特徴は「萌え」にあるわけですが、この雑誌は「萌え」要素を極端に濃縮し、その理念形を追求しているように見えます。ダミなタイプのオタクが泣いて喜ぶようなオハナシばっかり!なんか全然脈絡なくオパーイが露出したり、パンツがチラリしていますよ??こっち側の作品では、全裸で巨大化してしまったが故に股間を隠しながら戦う少女、という「デカヒミ」(西館直樹)と、あるまじろう「くちづけ」が気になったところです。
 まあかように限りなくヌルまっている雑誌ではあるのですが、面白いことに「地雷」が仕掛けてあるのですね。たとえば大和田秀樹の魔女っ子ものとか。途中まで「たのしい甲子園」の大和田とはちいとも気づきませんでしたことよ。「肉体言語で語る」魔女っ子には吃驚です。それから最後までふぬけ/軟弱極まりない漫画をびっちりと並べながら(大和田も見た目は萌えですしね)、最後に田丸と平野を持ってくるのですからヒドいです。ちんちん出てるじゃないすか?「おっ死んじゃえよおまえ」ですか?ゲンセンカン主人ですか?
ちょっと深読みかも知れませんが、実はこの雑誌は相当な漫画読みに向けても作られているように思います。マニアが読んでも納得する意地悪な造り、とでもいうのでしょうか。もちろん私はこれを支持したいと思います。

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2001年2月3日 (土)

フラッパー 3月号   メディアファクトリー <漫画・雑誌> 429円

 「これはっ!」という作品はないですが、平均値が高いというのでしょうか、安心して読める雑誌だと思います。それは保守性の現れのようにも思うのですが。今回良かったのは「トランジスタにヴィーナス」。わらしべ長者ですか!

CYBORGじいちゃんG 21世紀版 1・2 小畑健 集英社 <漫画・単行本> 各571円

「ヒカ碁」で人気の作者の昔の作品です。当時は違うペンネームだったように思いますが。この当時から絵は上手かったのですね。ヤングバージョンの婆さんとかかなり萌えた記憶がありましたが、今見てもなかなかのものです。ギャグは師匠のにわのまこと、絵は当時流行りの萩原一至と江川達也の影響が見られますが、ちゃんと自分なりにまとめて再構成しているところが面白いと思います。たまにはノスタルジイにふけるのも悪くないですな。

モルダイバー 1〜3  伊藤伸平 徳間書店 <漫画・単行本> 古書価各100円

 モルダイバーといえばダメなOVAの一つの典型というべき作品ですな。北爪宏幸という時点で見なくても分かりますから。ですが漫画は別。ストーリーも別らしいですが、とにかく伊藤漫画になっているのですね。根性の曲がったヒロイン、頻出するメタネタ、SFへの(ねじけた)愛、人を食いまくった展開。この作品のヒロインが二人になったのがかの名作「パードル」なのですね。ああ、「キャプテン」をチェックしておかなかったこの身が恨めしい…。

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2001年2月2日 (金)

アニマル増刊嵐    白泉社 <漫画・雑誌> 343円

 アニマル本誌とどこが違うの?って感じのラインナップ。ふたりエッチ、マウス、藍より青し…まあこういった作品はチラリとしか読まないのでいいんです。目当ては西川魯介「SFフェチスナッチャー」ただひとつ。今回でなんと最終回。残念だ…。ですが単行本の2巻が出るとのこと。喜ばしいことなり。

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2001年2月1日 (木)

朝霧の巫女 1 宇河弘樹  少年画報社  <漫画・単行本> 505円

サイン本。改めて読み返してみても極度に面白いです。これは絶対みんな買わなくちゃダメです。パターンに陥ってしまった新・少年誌系の漫画に大きな改革をもたらすでしょうから。

マンガエロティクスF    太田出版  <漫画・雑誌> 700円

 ぜんぜん変わりばえのしない誌面ですね。「マンガF」の存在意義がいかに薄弱であったかが知れます。それはそれとして、今回目に止まったのは深谷陽と雁須磨子。カリスマ先生ったらもう…。それから卯月妙子もオハナシを作るようになってから、そのざっくりした線が生きてきていい感じです。もう一つ、新人登用に積極的なのは実に好ましいですね。女性的ハイエンド絵でエロをやるマツシマ愛コには吃驚ですが、筆ペンで画面を構成する月子は有望です。雑誌全体として見るとサブカル選民思想が鼻につきますが、新人の発表の場になりそうなので追いかけていきたいと思います。次回は華倫変が登場とのことですし。あれ?砂先生は???

マスターグレード RGM-79 GM   バンダイ  <立体 1500円

4割引なら、と思い。確かにスラッとしててカッコ良すぎますね。パテを盛ってどんくさく改造したくなります。逆改造とでもいうのでしょうか。

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Last-Update: Thursday, 13-Nov-2014 09:16:50 JST