現状においては、漫画の文化論的研究は進んでおらず、その歴史的な価値も見出されておらず、漫画文化を保存しようという動きも始まったばかりである。加えて、漫画はさらに「消費される」ものとなり、昔の漫画に目を向けようという人はそう多くない。昔の漫画は全く過去のものとなり、普通の人は触れないものになっている。漫画文庫のブームで、70年代くらいの漫画がリバイバルされてはいるが、それ以前の漫画に関しては全くといっていいほど再評価&再発見は進んでいない。そうした漫画は一般の人の手には入らないのだ。
ところで、誰も見向きもしないものに愛情を向ける。そして誇りを持つ。それが「濃い」人のヒロイズム(&ナルシズム)である。いま、「濃い」人たちが目を向けているのが、戦前から戦後すぐの時代の、「もっと昔の」漫画である。「のらくろ」「冒険ダン吉」といった戦前もの、戦後の貸本漫画…こうしたものに惹かれる「濃い」ひとが多いのである。当然、こうした漫画は一般の人が触れないからこそ、それだけで「濃い」ものになる。ここでは、そうした漫画を扱うページを紹介しよう。
タンク・タンクロー…これは知らないかなあ。戦前に大ヒットした漫画。実は私も「のらくろ」復刻版の復刻広告でしか知らない。突拍子もない、といったほのぼの漫画なんでしょうな。
→http://www.asahi-net.or.jp/~ja6n-skmt/
作者坂本牙城の他の漫画については→http://plaza3.mbn.or.jp/~TANK/pge11.html