特集2

ETV

Do you know NHK educational television?

 

前口上

 教育テレビ…。まず、諸君の多くは、教育テレビなど見もしないのではないだろうか。昔乍らの貧弱な子供向け番組や、眠気を催す教養番組しかやってないと考えてはいないだろうか。民放のバラエティ番組やドラマに比べ、地味な番組しかやってないと考えてはいないだろうか。先ずNHKを見ない人もいるだろう。受信料を払わない、その他の理由で。

 しかし、それは大きな間違いだ。とんでもないことだ。もしそう思ってるようなら、すぐにその考えを改めるべきだ。


 まずは思い出せ。「できるかな」を見たあの時を。「おーい!はに丸」の面白さを。「はたらくおじさん」の懐かしさを。「なんなんなあに」「ばくさんのかばん」「大きくなる子」…。幼い頃、教室で見た教育テレビの番組に、君はドキドキワクワクしなかったか?子供番組は、子供だけのものではない。大人になった今見ても、十分に楽しめるものなのである。

 加えて今、事態は大きく変化している。あまたあるテレビ曲の中で、一番鋭く「壊れて」いるのは、他ならぬ教育テレビだ。民放の番組は、確かに多くのお金を使い、豪華な出演者と舞台装置を誇っている。しかし、その一方で、スポンサーや納得しづらい自主規制によって、大きくその創造性は制約されてしまっているし、あまりにマスを対象としているために、平面・平均的な、悪く言えば特徴のない内容になってしまっている。深夜番組はまた別であるかもしれないが。一方、教育テレビ(特に学校放送)は、学童向け、という決して揺るがぬ大テーマがあるため、視聴者のわがままに阿て、その方向性がぶれることがない。また、そのテーマに沿ったものでさえあれば、比較的自由(どころかものすごく自由)に、クリエイターたち独自の表現をなすことができる。そして、「子供向け」のものであるがゆえ、まさにそうであるがゆえ、非常に力のこもった、「良い」「真摯な」表現がなされるのである。


 悔い、改めよ。そして、すぐに平日の午前中に注目せよ。見ることの出来ない者は、録画予約をセットせよ。君の知らなかった世界がそこにある。


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