「あるマシンを、全く構造のことなる別のマシンで再現する」もの。非常にさまざまな種類のものがある。商用のものとして有名なのは、マッキントッシュで動作するソフトウィンドウズやVirtual PCといったものがある。どのエミュレータにも共通することは、エミュレートしようとするコンピュータやハードウェアを、エミュレートするコンピュータのなかに仮想的に、ソフトウェア的に作り出すということである。ソフトウィンドウズの場合は、マッキントッシュのなかに仮想的なPC/AT互換機を作りだし、その上でウィンドウズを走らせる、ということになるわけだ。
コンピュータはすべてソフト次第であるから、その気になればどのようなコンピュータもエミュレートすることができる。が、似たような構造のコンピュータならともかく、全く構造のことなるコンピュータをエミュレートすることは、コンピュータに非常に高度な、「重たい」処理を要求することになる。ソフトウェアはどうやってもハードウェアには勝てない。だから今までの比較的処理能力の低いコンピュータでは、エミュレーションはそれほど一般的なものではなかった。
ところが近年のパソコンの処理能力は、PentiumやPower PCの登場以後、飛躍的に向上してきている。簡単にいえば、一般的なパーソナルユースではマシンパワーが「有り余る」様になってきているのだ。そのため、それぞれ全く構造が異なるコンピュータやアーケードゲームを無理矢理エミュレートすることが可能になったのだ。
現在のエミュレータには非常にさまざまな種類があるが、ここではアーケード系の、それもマルチゲームエミュレータを取り上げる。