「世界最大の恐竜博2002」見学レポート

◆中学生のためのスタディツアー

スライドを用いた講演(第1部)と、先生方のガイドによる会場案内(第2部)。第一陣の研究者による解説を、同時通訳サービスつきで聞いてきました。
恐竜に濃い中学生が沢山。オンナノコも結構いましたよ。京都からの参加者も。ワタクシは拙弟と参加しました。(保護者・兄弟の同伴OKだったので。ふふ!)

Q&Aコーナーでの子供たちからのツッコミは、ナカナカ鋭くて面白かったです。

(主催:朝日新聞社、NHK、NHKプロモーション)


全体の印象

それにしても、やけに会場に既視感が…というのも、会場は幕張メッセ・国際展示場。そうそう昨年のSF2001、受け付けはまさにココでした…。

ポール・セレノ、徐星、富田幸光各氏によるパネル講演。豪華面子! NHKがかんでるので、どこかで聞いた効果音が…司会進行のお姉さんも、キレイだったし…。

…といった舞台装置のハデさに比して、講演内容は、いまひとつ薄かった気がします。兄弟の参加によりコドモの年齢層が上下にばらけていて、レベルをかなり下のラインまで落としてある、ような印象を受けました。

まあ、今纏めて書いてみると、それなりに濃い内容かもです。ただ、あの時、会場のボク/ワタシたちは、みんな「物足りね〜」ってカオをしてた。って気がします。 とりあえず「人の知らないことを知りたいから来た!」って時期が、中学生というものなのでは…。 折角なのだし、もうちょっと背伸びした内容でも良かったかも? なんて・思いました。


●第1部(講演)

◆ポール・セレノ氏(米国・シカゴ大学教授)

「われわれ発掘隊は、ラクダに乗り、アフリカのサハラ砂漠へと恐竜化石を探しに行きました。今なお、かの地ではラクダが重要な交通手段なのです。」

(ラクダに乗る発掘隊のスライドが、映し出されてました。)

「今回の展示では、スコミムスの逞しい両腕にぜひご注目下さい。ワニの様なこの細長いアゴ、そして肉食恐竜である割に太いこの前肢は、彼らが(肉は肉でも)魚食であったことを示唆しています。」

(「スコミムス」とは「ワニに似た」という意味だそうです。太い前腕は捕魚に、長いアゴは、魚の小骨の多い部分を食べるのに便利なのだそうです。…ホントか…)


◆徐星氏(中国科学院古脊椎動物・古人類学研究所 准教授)

「今や、人間が哺乳類の一種であるのと同じように、鳥類も恐竜の一種であると考えられています。現在地球上で繁栄している鳥類は、恐竜が生き残っているとも考えられるのです。
両者は、共に卵生である事、抱卵をする等行動も似ており、叉骨や恥骨等、骨格も似ています。」

(※メモを取っていたところ、拙弟が袖をひき「ねえねえ、スライド見てよ。」
見ると、ティラノサウルスのキャプションが「覇王竜」となってるではありませんか。一瞬でなんだか和む我々。中国語って、いいよねえ…。)


◆富田幸光氏 (国立科学博物館 地学研究部 古生物第三研究室長)

「1989年、石川県の白峰村で、中学生の女の子が肉食(meat-eater)類の歯を拾いました。その後、大規模な足跡群、それからワニが出ました。その後、福井‐石川県境(福井側)を10年間(1999年まで)掘り続け、フクイラプトル、フクイリュウが発掘されました。」

「私はモンゴルでも発掘調査を行いましたが、その時は発見から切出しまで、約2週間ほどでした。日本の地盤はたいへん硬く、また地形も入り組んでいて、発掘はたいへん困難な作業です。」

「展示が来ているトバリュウは、全身で300本ほどある骨のうち、12本くらいしか出ていないので、全身の復元はムリです。でも大腿骨が出ていますので、そこから32トンという体重が推測されています。ずんぐりむっくり型ではないかと考えられています。」

(フクイラプトル…2000年夏に論文が発表され、正式な学名となりました。
フクイリュウ…まだ正式な学名をつけるには到っていないそうです。)


●第2部(コーナー)

Q:鳥と恐竜の違いについてですが、どのような条件に当てはまっていれば鳥、あるいは恐竜である、といった基準はあるのですか。

A: たいへん、いい質問です。
以前は、叉骨と羽毛を持っていれば鳥、と判断する生物学上の分類の目安がありましたが、叉骨を持ち、羽毛を備えた爬虫類がいたことが明らかになった時点で、この条件は使えなくなりました。
現在、それはとても難しい問題となっています。とりあえず、その生物の前後関係を系統図にして位置付けていく「分岐分析」という考え方がありますが、まだ固定していません。(徐星)

Q:鳥に似た恐竜の羽毛は、体を暖めるために発達したのかもしれない、と聞きました。どうして皮膚を厚くしたり、脂肪を貯めたりせずに、羽毛になったんですか? 能率が悪くないですか?

A: これもいい質問です。まさにこの点を、鳥と恐竜の関係を強く否定する米国の学者が、反対の中心論拠として述べています。
それについては、現在まったく判らないのです。ただ、あの羽毛に似たものが、飛行に役立つものでないことは明らかです。(徐星)

Q:展示のジョバリアが立ちポーズなのは、何故ですか?

A: 象を参考にしました。象は普段四脚で全体重の40%を後脚、60%を前脚で支えていますが、後脚だけでも立てます。
ジョバリアは後ろ60%という後ろ寄りの重心であること、また骨の太さから算出される、支えうる体重、四肢の長さのバランス、これらから、こういったポーズが可能であり、このような行動を取っていたのではないかと推測しているわけです。(P・セレノ)

Q:きょうりゅうは、なんまんねんいきるんですかー?

A: 恐竜の寿命は、実は、良く判っていません。あれだけ巨大化するのには500年かかる、という説もあります。小型のは10年くらい? 現在の爬虫類と比べれば…でもこんなにでっかいのについては、ちょっと判らないんだよ。ごめんなさいね。(富田幸光)


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