■「MYSCON4」参加レポート

こんにちは。とりこです。いつもは、友人の山名沢湖さんと、読書交換日記サイト「とりイカ」を、へぼへぼながらもどうにかこうにか、運営しております。
さて、先日、ミステリ系ネット者のイベント「MYSCON4」(2003年3月15〜16日)に、参加して参りました。初参加で不安もありましたが、とても楽しくて、あっという間でした。
どうも有難うございました。>スタッフの皆様
当日の様子を、カンタンにですが、ご報告いたします。


◆若竹七海インタビュー(18:00〜)

道に迷い、開始時刻に遅刻してしまいました。
…実は、南北線・東大前駅で大森望氏をお見かけし、「あっ、大森さんについてけば、迷わないかも!」
そう思うも束の間、アッサリお姿を見失ってしまっていたのでした(マヌケ)。

そんなわけで、会場に到着するとインタビューは既に始まってしまっておりました。後ろからこっそり入れていただいて、お話を拝聴。

初めて拝見する若竹七海さまは、好奇心いっぱい、はきはきと明るい方、という印象でした。声色豊かで気取らないお話ぶりはとても楽しかったです。辛辣で気がねなくて、仲良しの女友達とデンワしている時のようなリラックスした雰囲気。ワタクシは断然本人ファンになりました。

「登場人物に、モデルはいますか?」
「例えば、『スクランブル』では6人中5人にモデルがいます。そのうちの一人は、私」

「初めて若竹作品を読む方への、オススメは?」
「うーん・難しーなー。人によって違うし……薄いので『クールキャンデー』かな? 安いし。」

「近頃、読んで、面白かった本は?」
「おととい、ジョセフィン=ティの新作を読みました」
「近頃、観て、面白かった映画は?」
「R・アルトマン監督の作品は、面白いなあと思うのと、そうでもないのとがありますが、『クッキー・フォーチュンの謎』は面白かったです」
「それと、まだ日本には入ってきてないのですが、英国のTVドラマシリーズに『ジョナサン=クリーク』というシリーズがあって、これがもう、物凄くトンデモなの! はやく入ってきてくれないかなー、と、心待ちにしています(※)」

「僕はホラーが好きなのですが……ホラー作品は、また書いていただけるのでしょうか」
「スミマセン……書きかけで、止まってしまってます。基本的に、ホラーは好きなので、書きたい気持ちは、とてもあるのですが。難しいです。どこかで聞いたような話になってしまうのを避けるため色々してるうちに、……頑張ります。スミマセン」

「雑誌掲載作品で、文庫化していないものも随分あるようなのですが?」
「雑誌に書いたもののうち、三分の一は本にしていません。古いものも、例えば『心の中の冷たい何か』とか、もう全面的に直したくなるので……でも、それをすると、新しいものを書くのと同じくらい労力が必要になるので、それで文庫になっていません」

「キャラクターは、ミステリプロットの生贄ですから」と、嬉しそうに仰るお姿が印象的でした。

インタビュワーのないとーさまは、だいぶ緊張のご様子でした。若竹さんは、ひょっとすると、その倍くらいリラックスなさっていたような……
話に詰まるないとーさまを、「大丈夫? ジョナサン・クリークの話でもして、繋いどこうか?」と思いやる若竹さまのお姿が、ココロに残っております。なんつて。

※…ジョナサン・クリーク(Jonathan Creek)→(公式HP


◆休憩(20:00〜)

インタビュー終了後、大広間で開催される全体企画の「お題」の説明があり、その後、休憩時間となりました。
7人ほどで適当に集まり、ぞろぞろとコンビニへ買出しに。お菓子やら飲み物やら買いこみました。
そういや、バナナを買いたがってる人がいたなあ。つい「やめなよ〜」とか止めちゃいましたが、別に止めなくても良かったかも…(てか、買わせといた方が面白かったかなあ←コラコラ)。

会場の、鳳明館・森川別館は、古い造りの旅館でした(あの旅館のお手洗いって、アレ、決して「トイレ」ではない。「便所」だ。ってな具合)。
しかし、廊下や階段は実にツルツルに磨かれており、滑りのいい靴下を履いた足先で、スリッパを保持しつつ階段を昇降するのは、実にたいへんな困難を伴うのでした。(後で、筋肉痛になったワタクシ)
「会場は、たいへん冷える」と、事前にいただいた諸注意のメールにあり、気がかりだったのですが、各部屋でストーブががんがん焚かれていて、むしろ汗ばむほどでした。ほっ。(※呑んでたせいもあるかも)

浅暮さまのお話によると、結構美味しいお蕎麦屋さんが、旅館の近くにあるのだとか。
もし、また参加する時は、今度はそこ行ってみようかなあ、なんて思いました。


◆全体企画「ダイイング・メッセージング」(21:00〜)

今年のお題はこんな具合。

「某松本家にて、殺害事件が起こった。被害者は三つ子で、3人は、それぞれ謎のダイイングメッセージを残している。2つまでは明らかにされているので、各グループで3つめをそれに付け加え、お話を完成させてください(勿論、謎も解いてね)」

参加者は9手に分かれ、制限時間内に解題し、代表者が皆の前でそれぞれ発表する、という体裁。

正直言って、このお題は難しかった。と思います。何も思いつかないので「わああー」と拍手などして、余所のグループにプレッシャーを与えるワレワレ(そんなことしてないで早く考えろ)。
でも、何も思いつかないよう。
「コレ、『ドム』って読めない?」と声が挙がるも、纏まらないうちに余所のグループから「ドム」と聞こえた、ということで、あえなく却下。
市川尚吾さまがユカイなTシャツを着ておいでで、それを利用できないか、という声も挙がり、でも、具体案は出てこない……(つのる焦燥)

その後、「あまり1」案と、そらけいさまによる「コレ、カオに見えない?」が採用され、スタッフの近田さまがそれらを適当に纏めて下さりました(有難いことです)。このまま何も出なかったらどうしよう、なんてひやひやしましたが、どうにか恰好ついて、良かったです……(合掌)。

皆様の発表を横目に、 DR.メフィストさまご持参のお酒を分けていただきました。ひょいと一口飲んでみたら、ぶはっ。その正体はグラッパ(40度)。目にきた。しみるー。
でも、カップにいただいた分は「クー」で割って全部飲んじゃった。以降へべれけと化すワタクシ。

ので、皆様の発表、スミマセン、あまり憶えてません。南湖さんのグループのオチは日本地図使ってたな、とか、ハングルに見立てて解読したグループがあったなあ、とか。
そうそう、中盤、心臓に悪い何かを見ました。……今後、ちょっと考え直そうとか思った。何を。(さあ?)


◆個別企画・部屋B(読書会『法月綸太郎の功績』)(22:45〜)

※ネタバレ完全OKの部屋だったため、課題本「法月綸太郎の功績」のネタバレがあります。一応、伏字しますが、避けたい方はどうぞ飛ばして下さい。

ビールが回ってきて、もはや会場が暑いのか自分が熱いのか判らないのでした。企画A「海外ミステリの部屋」に若竹七海・小山正のご夫妻がお揃い、とお伺いして、そっちもよさそうだなあ…と、迷いつつ、ウロウロ。
でもまあ、折角読んだし。と、読書会に参加することにしました。

司会は蔓葉さま。法月をまっすぐお好きなんだなあ、という印象でした。法月をキライな人はその場に誰もいないので、全体に和やかな進行でした。

収録作の人気を、その場で票を取ったところ、「都市伝説パズル」>「イコールYの悲劇」>「縊心伝心」、の順と判明。「中国蝸牛の謎」「ABCD包囲網」はムリ筋だよね、と穏当に意見も纏まるのでした。
ちなみに「中国蝸牛」は、雑誌掲載時は、2回の連載だったとか。知らなかった。そうだったのかあ。

単行本の構成として、「縊心伝心」がトリに配置されているところからみても、コレが一番、という意見には、相当納得がいきます。
でも(私見ですが)コレは、女子にはコメントしづらいモノがあるのでは、と思うのでした。何しろ、オチの動機が母娘相克なので、女子的には「こういうのって、あまり見たくない部分」というか。

母娘相克を扱っていても、アプローチの仕方が(例えば笙野頼子とか)コンプレックスを解題したり打破したり、それに対するアクションを伴うものならまだしも、ここは「悲劇が起きたのは、それが原因だった」というアレなので、もう、何ともはや。オチとして弱い、とか、ムリがあるとか余韻を理解してない、とかそういうのでは全然なくて、むしろ「ありえない話ではない」からこそ見たくないというか。

そうそう。コアな法月ファンは、法月氏のことを「ノリりん」と呼ばなきゃモグリだそうです(同席の女子連、かえるさま・彩古さま情報)。
用例:「ねーねー、もうノリりんの新刊買ったー?」
キャー、いやーん、ノーリりーん!!(……)


◆深夜企画(00:30〜)

真夜中に、大広間で何かが起こる! というので、お喋りしつつ、大広間でのんびり待ち構えていると、黒のスーツでばしっと身を固めた一行が、舞台方面にずかずかと入ってきました。
その面々とは、松本楽士さま(検察)、INOさま(弁護人)、白衣着用の雪樹さま七沢さま(それぞれの助手)、黒のローブ(?)に身を包んだ裁判長GAKUさま。(※1)
「ワケガワカリマセン」といった体の、ミスラボのmatsuoさまを、手錠にて捕縛すると、「matsuo、お前を、フクさん殺害の容疑で逮捕する!」
そうしてここに、前代未聞のMYSCON裁判が開廷されたのでした。

「裁判長! このような怪しい紙片が、殺害現場である、鳳明館・森川別館のローマ風呂にて発見されました!」
紙片に書き残されたメッセージは、「風呂場でmatsu。」
「この『。』(読点)は、「O」(オー)なのだ!」「それは違う!」 検察と弁護の噛合わない応酬の中、ひたすら目を剥くmatsuo氏に、不利な状況が次々と提示され(?)(※2)、その時突如、
「あっ、あそこに!」。

そこには白シャツ+黒ズボンの上に浴衣を纏ったおがわ氏が、黄色いバラ(※造花)を咥え片膝をつき、ポーズを取っておいでなのでした。
「黄色いバラの名探偵が、今宵、謎を、解決ぅぅ!」(※3)
ズバア! と立ち上がりスポットライト(※ホントはそんなのなかったけど、あったものと見なす。というか、見えてたから。もう。)を浴び前へと進み出、舞台中央で浴衣をぶわり脱ぎ捨てると(キャー)、黄色い薔薇(造花)を片手に捧げ持ち、名探偵は、ノリノリの怪演を繰り広げるのでした。

長身痩躯(?)に甘いマスク(?)、そしてあまりに堂々たる・すっ飛んだアドリブ。あまりに凄くて殆ど詳細は思い出せません。申し訳ない。おがわさまのポーズとかカオとかしか出て来ん……スゲエ人材が世の中にはおいでなのですなあ。(※4)
証拠は全て自らの持論に有利! 不都合な供述は聞こえません! とでもいうような、正しい名探偵ぶりを発揮していた。ような気がする。違ったかな。 

客席から飛ぶ「寝言は死んでから言え!」等の罵声をものともせず(てか、まるで、聞こえてない…?意に介さない…?)、バラと美貌と名推理。に相応しいリスペクトを周囲に求め、ナルシスティックな謎カリスマを発散しつ続ける、名探偵・おがわさま……

結局、証人として喚問されていた「蔓葉・F・フジオ」氏が、真犯人だった、と言うオチにて、幕。(「風呂場でmatsu。」のアナグラム=蔓葉・F・フジオ」だとか)
「だって…だって、フクさんたら、ボクとの約束を、守ってくれないんだもの……!」
そう、動機は痴情のモツレ。って「MYSCONやおい」じゃん! いいの? 今後、このカップリングって公認ナノデスカ?(←キサマ)

※1…後から考えてみると、コレって、結構な眼福でありました♪ 
※2…色々面白かったです。字にするとイマイチ興ざめになるので、書きにくいのですが……風呂場に残された、赤い血文字が「YAHOO! BB」だったりとか。
※3…台詞うろ覚え。とりこ脳内脚色の疑い濃厚かも。スミマセン。まあいいじゃん←コラ。
※4…いや、「ミステリ系」には。


◆「探偵講談 in MYSCON4 by旭堂南湖」(02:00〜)

会場でお見かけしていた、普段着姿の南湖さまは、丸い背中に五分刈アタマ、地味な緑のセーター、眼鏡。
小柄で物静か、目立たない物腰なのに、これがアナタひとたびメガネ外して羽織袴の高座の衣装に着替えると、途端にふた回りほど大きく見えるのでした。歳すら急激に若返っておしまいに。一体本当は、お幾つなのですか! 
高潮した頬、伸びた背中、うわーか・カッコイイ! マジで別人。仰天。

演目は海野十三「蝿男」。笑いありアクションあり恋あり怪異あり、波乱万丈の物語でした。流暢な語り、一時も緩まぬテンション、スゴイ体力記憶力だ…サスガプロの技! 会場がたいへん暑く、また高いテンションが長く続いたこともあり、途中、少々しんどかったのですが(※単に、ワタクシがヘボなのかも)、ぐいぐいとひき込まれ聞き入りました。

屋敷のお嬢さんの命を狙い、空気取りの窓から怪しくも出現する蝿男。
お嬢さんが危ない! 
しかしそれは、蝿男をおびき出す為の罠だったのだ! 探偵と蝿男の乱闘が! 

このお話は、講談という形式と相性がいいかも、と思いました。
偶々、先日、ちょっとだけ朗読を聴く機会があったのですが、目で文字を追わない、文字面というイメージングを伴わないことによって失われるものがある一方、「声だけを頼りに聞く」ということで増幅されるものもあるのだなあ、と思いました。目で読んで興趣に優れていても、朗読されるとまた違ったものともなるなあ。そのようなことを考えていた矢先だったので、うーん、面白いなあと思いました。


◆夜明かし@大広間(04:00?)

その後、更に2本講談がかかったようです。ワタクシはカンベンさせていただきました。申し訳ありません。隣で熱心に聴いておいでだったちはらさまは、残りもきっちり楽しんだ旨。いつか、詳しい感想お伺いしたいです(スゴイ集中力だ。サスガであります。)

ヨレヨレしつつ、大広間にマサトクさまSTRさまに預けておいたマイクッションを取りに戻るも、そのまま高橋さま安田ママさまら、出張DASACON、みたいな徹夜トークになだれ込むのでした。

マサトク「それでね、ウチの社員ちゃんが」
安田ママ「ああっホントに、『社員ちゃんが』とかって、言うんだ〜!」
とりこ「『きのこの山』と『たけのこの里』なら、断然『たけのこ』ですよね」
マサトク「3000万の借入金について決済する方が、甘いものを今食べるかどうか決めるよりラクなんだよ!」

カッコエエです・社長! 

※あともうちょっと書き足す。かも。


◆エンディング(07:00)

人事不省となられた社長を足蹴にしつつ(ウソ)、徹夜組は、お片づけを開始。
てきぱき、たいへん順調で、7:00には解散の運びと相成りました。

外はとてもいいお天気で、さんさんと降り注ぐ朝日は、実に眩しかったです。



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