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●中嶋哲也監督「下妻物語」(上映中/→公式)
「下妻物語」観てきました!
Yama-gatさまの感想拝見して、「こりゃー行かなくては」とか思ったのでした。
嶽本野ばらによる原作小説は、数年来イカちゃんから「はやくヨメ読め!」指令受けてたんだけど、不精して読んでなくて(スミマセン)、エッセイ集「それいぬ」(※)のみ既読。
「乙女は友達なんて要らないのです!」
(※)…「それいぬ――正しい乙女になるために」(文春文庫+PLUS)
筋を知らずに、でも野ばらちゃんの主張だけ了解してる状態でエイガを楽しめちゃって、わたしはたいへんラッキーだったかもしれません。(ラッキー!)
原作を未読なので、既読の感想はまだわからないのですが、現在のわたしには、この映画は大・変! 面白かったです。
「アメリ」とかぶる、というご指摘(マイナスの文脈というかんじもありますが)を見かけましたが、まあ実際そのとおりだと思います。
「アメリ」は自己を閉ざした少女が恋愛を通じて外界に触れる物語だと思うのですが、これは、やはり外界から閉じていて自己完結している少女が、自己世界を保ちつつ、しかし殻をひとつ破る(友達を得る)というお話。
笑いを交えて描いてあるところも含め、明るくて元気で、たいへん感動的です。
主人公・竜ケ崎桃子ちゃんは、「コドモのままでいる」ことを選ぶけれど、これ以上の展開では「等身大のリアル」を超えてしまう。観客と同じ高さの目線でありつづけることが、この物語においては最も必要なのだと思います。(まあ、社会人としては、シゴトはシゴトだろ、って思うけど☆ この物語の場合、主体が選ばれた存在になってしまうと、排除されてしまうものが出てくるから。)
強くあるために、閉じて、凍っていた。どうして外に出なくてはいけないの。ここでわたしは居心地がいいのに。邪魔しないで、わたしもあなたたちを邪魔しない。何故「かわいそう」なんて言うの。わたしちっとも「かわいそう」じゃない。むしろ、かわいそうなのはあなたたちじゃないの。
そのような主人公が外界を知る。外の世界には自分以外の誰かがいる、ということに気づく。自己防御の殻をやぶる痛みが「出産」のメタファーを通じて表現されることについては、ビミョウに ……?? というのもあるのですが、しかし、一瞬のブラックアウトの後に再生(リセット、再スタート)という展開には説得力がありました。ガラスに激突し流血するロリータ。うおー、パンクだ! カッコイイ!!
画面とBGMのバランスに、ウォン=カーウァイ「恋する惑星」を彷彿しました。ああいうかんじでPOP&ラブリー。女子人気・サブカル受けは、すっごく高いと思います。
あと、監督がCM出身の方なのだなあと思いました。米国の教育番組「セサミ・ストリート」は、コドモを画面にくぎ付けにしておくため、(彼らの集中力は数十秒が限度だから)ひとつのインパクトはそれくらいしか持続しないことを前提に作られている、と聞いたことがあります。
CMも視聴者に短時間の間にインパクトを与えなくてはならなくて、そういうふうに、求心力が強い短いカットを積み重ねて作ってあるんだなあ、と言う感じでした。
めまぐるしくスピーディで、かわいいものがいっぱい!
結果的に、思春期の女の子が早口で語り合うかんじにもつながってるという気がしました(赤毛のアン冒頭のせわしさとか・・・)
また、独特の色彩感も、可愛らしくて良かったです。
ピエール&ジルのおバカラブリーの毒を3倍くらい希釈して、ちょっとレトロ感を附加したような配色。例えば空と室内の明度のコントラストとか、ポジ(リバーサル)のフィルムでしか出せないようなぱっきりしたかんじで入ってきて、たまにちょっとごちゃつくときもあるけど、そこもまたよし。特に、畑のど真ん中をスクーターでつっきってくロリータ、なんて絵は、すっごくキッチュ&キャッチーで激ラブリー。
(こんな言い方で伝わるのか?)
しかし、このエイガのセンスを「みたことない、新発見」と感じる人は、いくえみ綾、くらもちふさこあたりのマーガレット系の優れた少女漫画をぜんぜん読んだことがないひとなのだろうなあ、なんて思いました。
畑のど真中をフリフリロリータが爆走・・・なんてのは、少女漫画文脈におけるクーデター/パンク精神の表現としては、随分昔から何度も登場している手法だと思うのです。連載初回の巻頭カラーとかで、すっごくありそうな絵面だと思われる。
(更に遡れば、山村暮鳥が「卓上噴水」とか「殺人ちうりっぷ」とか言ってたとこまでいくだろう。なんつて☆)
イチゴちゃんが河原で泣くシーンに人物の音声が入らないところなど、吹き出しは使わずにモノローグ(心理ネーム)で処理していくような構成と、とてもかぶるかんじ。
この映画が国際化するということは、日本の少女漫画は、心理描写で世界に打って出られるってことじゃん? なんておもったことでした。ホクホク。
土屋アンナはナイス演技! ヤンキー少女大喝采。渋谷シネクイントは、「全身ロリータファッションでのご来場者は1000円」フェアをやるなら「特攻服でキメキメの人も1000円」もやるべきなんじゃ。。。(いや、それだと観客がおびえるからダメ?) 小池栄子は、し、喋らないでいて欲しかった…(見返り姿はタッパも凄みもあって、スゴイカッコよかったのに…)
深田恭子は、いい役もらってよかったねえ! と思いました。演技は悪くないし、つんとした感じの似合うまっとうな美少女だし、あと痩せすぎず太すぎず、の着こなしも、女子からみてもたいへんうれしかったです。
あと、某ショッピングセンターのフィーチャーっぷりは、「パルコフィクション」とか観てないひとにはさぞかし新鮮だろうと思ったことでした。(←自分は観たのでエラそうに言ってみる)
マリ見てがお好きな人は、スタッフロールで悶絶するからおカクゴ召され☆(あれ絶対サービスカットだよね。)
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