つれづれなるマンガ感想文9月後半

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「つれづれなるマンガ感想文」10月前半
一気に下まで行きたい



【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」43号(2004、集英社)
【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」44号(2004、集英社)
【書籍】・「ECDIARY」 ECD(2004、レディメイド・インターナショナル)
【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2004、テレビ東京)
・「キン肉マン2世」(11) ゆでたまご(2000、集英社)
・「キン肉マン2世」(12) ゆでたまご(2001、集英社)
・「キン肉マン2世」(13) ゆでたまご(2001、集英社)
・「キン肉マン2世」(14) ゆでたまご(2001、集英社)
・「キン肉マン2世」(15) ゆでたまご(2001、集英社)
・「キン肉マン2世」(16) ゆでたまご(2001、集英社)
【映画】・「さよならジュピター」 原作:小松左京、監督:小松左京、橋本幸治(1984、日本)
・「キン肉マン2世」(7) ゆでたまご(1999、集英社)
・「キン肉マン2世」(8) ゆでたまご(2000、集英社)
・「キン肉マン2世」(9) ゆでたまご(2000、集英社)
・「キン肉マン2世」(10) ゆでたまご(2000、集英社)
【映画】・「アイ,ロボット」 監督:アレックス・プロヤス(2004、米)
【映画】・「ヴァン・ヘルシング」 監督・脚本・製作:スティーヴン・ソマーズ(2004、米)
・「キン肉マン2世」(3) ゆでたまご(1998、集英社)
・「キン肉マン2世」(4) ゆでたまご(1998、集英社)
・「キン肉マン2世」(5) ゆでたまご(1998、集英社)
・「キン肉マン2世」(6) ゆでたまご(1998、集英社)
【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2004、テレビ東京)
【映画】・「メガフォース」 監督:ハル・ニーダム(1982、米)
【映画】・「キャノンボール2」 監督:ハル・ニーダム(1983、米)
・「マッスル・リターンズ  キン肉マン復活編!」 ゆでたまご(1997、角川書店)
・「キン肉マン2世」(1) ゆでたまご(1998、集英社)
・「キン肉マン2世」(2) ゆでたまご(1998、集英社)
・「ハトのおよめさん」(1) ハグキ(2000、講談社)






【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」43号(2004、集英社)

もう先週号になっちゃいました。読みきり作品、吉原薫比呂「KESHIPIN弾」。机の上の消しゴムをはじき飛ばす遊び「ケシピン」に青春を賭けた少年たちを描いたギャグマンガ。この作者は確か、以前「オシッコしたくなって、どちらが先にトイレに行くかを勝負する」というマンガを描いていて、勝負もののパロディに強いようだ。
90年代ジャンプの勝負ものパターンが見えて、面白い。
ラストシーンが冒頭のシーンにつながっていくというのもベタで良い。
もうひとつの読みきり原野洋二郎「鬼より申す!」は、江戸の元禄時代、鬼の少年が「桃太郎」を求めて桃源心闘流吉備津道場に、道場破りにやってくる。
それをむかえうつのは道場主の娘・児屋(こやね)だが……という話。絵が上手く、即戦力タイプ。たぶんおねーさま系美少女が好きな作者だと思うので、その辺を思う存分描かせてあげればいいと思う。

あと「じゃんぷる」の「あったらイヤなUFO」がすごく面白いので見て……っつってももう売ってないんだけどね。すいません。
(04.0929)


【雑誌】・「週刊少年ジャンプ」44号(2004、集英社)

初連載作品「無敵鉄姫スピンちゃん」が残念ながら全1巻で終わってしまった大亜門の読みきり「伝説のヒロイヤルシティー」
悪人より正義のヒーローの方が多いくらいの街で、市民の支持を得たいがために数少ない小悪党をヒーローたちで取り合う、という設定はすごく面白い。ただ、あいかわらずオタクネタが多いが大丈夫だろうか。「プリキュアの歌がいつの間にか『三つ目がとおる』に」とか、私もわかりまへん。
後は、下ネタが受け入れられるかどうかかなあ。

もうひとつの読みきり作品は彰田櫺貴(あきた・れいき。名前がむずかしい!)「メガネ侍」。メガネを武器として戦う武士「メガネ侍」の活躍を描く時代ギャグマンガ。なんか最近のジャンプって時代劇っぽい設定が多いですね。
メガネ=めがね萌え、というのが作品内でワンオブゼムだったのでホッとした。「妄想戦士ヤマモト」みたいなマンガだったらどうしようかと思ったが、さすがにそこら辺は差別化を図っている。
他のメガネにまつわるギャグも、なかなか面白い。

大場つぐみ、小畑健「デスノート」。相沢さんが泣くラストシーンは、サラリーマンはみんな泣くだろう! オレも元サラリーマンとして泣けた!
(04.0929)


【書籍】・「ECDIARY」 ECD(2004、レディメイド・インターナショナル) [amazon]

日本人ラッパー・ECDが書いた三カ月間の日記におすすめ書籍、CDレビュー、それと短編小説を加えた本。主体は日記である。

実は最近ぜんぜんヒップホップを聞いてないんだが、買った。それは自分が定期的に書いていることだが、HIPHOPとか日本語ラップの、日本でのあり方みたいなものに興味があるからだ。
あまりにも日本の土着にないものをいかに根付かせていくか、ということがHIPHOPの課題になっていると思われ、それが気になってしょうがないのである。オタク文化との奇妙な類似性もある。

本書はその辺のことにはあまり触れられていないが、1960年生まれの男の生きざまを見せてもらった感じで面白かった。
最近、微妙に年上の人間が何を考えているかが気になってしょうがないのだ。だがウェブ上で、専業ライター以外で35歳以上でテキストを書いているヒトがほとんど見つからない。事情はもう死ぬほどにわかるが、やはり寂しい。
で、この日記が書かれたのは3ヶ月という短期間ではあるが、その間にCCCD問題、輸入CD規制問題、イラク派兵問題、イラク人質事件などさまざまなことが起こり、それに対して筆者が真剣に取り組んでいる姿が見える。

とくに、イラク人質事件に関しては、私もそれほどいろんな意見を採取したわけじゃないんだが、かなり納得できるレベルの人質とその家族批判(出前を送りつけるとかそういうんではなくてね、きちんとした言論上での)とは正反対なのが興味深かった。

けっきょく、このあたりの問題は、人が与えられた権利を確固たるものとして認識し、権利は権利として行使してよい(裏返せば、一般的に人は自らの権利を行使していない)と考えるか、そうではなく、言い方は悪いがもっと粘着質の「世間」の力と個人とのパワーバランスを考えるかで意見はまっぷたつに分かれるだろうと思う。

もうひとつ、ささいなことかもしれないが印象に残ったのが、レコード屋で手にとったレコード(レアもの?)を近くの客に「見せてくれ」と言われ、渡したら「これ、ぼくが見つけて戻したやつなんですよ」と言われ(要するにだからオレのだ、と言われたってコトね)モメた、という件(3月20日(土))。
古書店や中古CD屋などのレアもの漁りの場では、「手にした者がそれを得られるのが絶対のルール」だと思い込んでいたので、マニアな男が「自分がさっき見つけたから箱に戻しても自分のものだ」と堂々と主張するとは思わず、心底驚いた。
(04.0929)



【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2004、テレビ東京)

9月26日放送分。

公式ページ

ハロモニ。秋のきゅう技大会と題し、「きゅう」の部分を「急」とか「救」とか「旧」にこじつけて、要するにバラバラだよね、バラバラなテーマのゲームをする。
なんか、作家さんが知恵を絞り抜いた感じだー。
藤本美貴は今週もお休みだー。

・「急技大会」
巨大パズル。タイムアップで飛び出してくるヤツの服装が悪い意味で意味なさすぎ。だからこその道重の困惑リアクション。本当だったらもっとできる子です。あれは一種の道重側からのダメ出しです。

・「救技大会」
ほふく前身ゲーム。懐かしのMusix!。紺野が「ほふく前身」を「ほふっ……」ってかんじゃったところに司会安倍さんの「『ほふっ』で疲れちゃったねー」という無邪気サディズムツッコミが!(笑)
「小川のくつ下は自前かどうか」にわざわざテロップが付く究極のどうでもよさがいい。

・「旧技大会」
紙切り。あの、「笑点」とかのテレビに必ず出ていた人のお弟子さんだと思うけど、あの人に弟子がいたとは知りませんでした。
石川梨華のいちばんヘタクソな「自由の女神」がトピックになっていたけど、すでに私は彼女を「これから卒業していく人」として見ている。ハロモニ。ではもうそろそろ石川梨華的な役割をだれかがバトンタッチしなければいけないと思う。
そんなわけで、今週はなにげに小川や道重に「笑い」の役割がふられていたんだろうと深読みしてみる。

あと、石川梨華・飯田が抜けた後に「ハロモニ。」において実は心配しているのは、よっすぃ〜の暴走。
気づいている人は気づいてると思うが、この人のボケは全部自分に注目が集まってほしい、というタイプの全身全霊をこめたボケである。
かつてナンシー関が指摘していた「『いいとも』における鶴瓶」に近い。

すべろうが何だろうが、悪い意味でやり通してしまうことがある。たとえばものまねのときにかなり真剣に役づくりをしていたが、すべりそうだと察知したコージーがそれをバッサリ斬ったりしたのは記憶に新しいところ。
で、実はよっすぃ〜的ボケは今まではそれほど目立っていなかった。それはとりもなおさず、辻加護と石川梨華というボケにおける強力すぎる伝説超人がいたからなのだが、彼女らが卒業してしまうともうよっすぃ〜の「はずすとデカい」ボケに歯止めをかける人がいないのだ。
(27時間テレビで「バカのプロ」を決めるときに、「起立〜着席!」でオトした辻に対し、そこで終わらせずにすぐにかぶせてボケようとした加護にネット上で少なくない人々がダメ出しを行っていた。しかし、よっすぃ〜の場合目立たないだけでこのテの「ボケつぶし」はかなり平気でやっている印象がある。)

まあ、藤本がなんとかしてくれるかなあ……。でも藤本もよっすぃ〜には甘そうだよなあ。

いや、役割をふられたときには最強なんだけどね。吉澤さん。

・笑わん姫
正直、もう飽きました。キノコたちを他の人に変えるとか、変化がほしい。

・コント「公園通り三丁目」
もともととっぴょうしもない役ばかり与えられてきた辻加護は、「マキエルの子分」という設定ではとうてい目立てない。しかも普通の服を着たカゴエルは胸が大きすぎてちっとも男の子に見えないし。
亀井の「きよし」もムリがあるし……。
モンロー石川は面白すぎる。だから四期にばかり頼ってていいのかと。

・HPH
ライブの写真集が出るということで、キャメイのゲストが高橋愛。「私の方がかわいい!」的な主張のキャメイにノーツッコミなのが高橋愛。後藤真希ですら「言ってる意味わかってる?」とつっこんだのにノーリアクション、これが高橋愛だ!!

前回の放送

(04.0926)


・「キン肉マンII世」(11) ゆでたまご(2000、集英社) [amazon]

悪行超人にとって……
人気があるなんてことは最大の屈辱だぜーっ

週刊プレイボーイ連載。万太郎が「火事場のクソ力」を手に入れるための試合シリーズ「クソ力修練(チャレンジ)」第2戦、万太郎VS鬼畜ハンゾウの続き。ザ・ニンジャの魂を継承する万太郎。
そして第3戦、最後の対戦相手はボーン・コールド。正義超人専門の殺し屋超人。ほのめかされる超人評議会のミンチとミートとの因縁。ボーン・コールドにさらわれてしまうミンチ。

この巻で特筆すべきは、番外編「超人人気投票発表!!」だろう。実際に読者に行った人気投票をマンガ形式で発表している。マンガのキャラクターの人気投票はとくに珍しくはないし、その結果に対してキャラクターたちがマンガ内で喜んだり文句を言ったりということも珍しくはないが、キン肉マンシリーズがいちばんフィットしていると思う。
これは、「人気投票」というマンガにもプロレスにもある企画が「キン肉マン」の「超人レスラー」という設定のキャラクターにマッチしているからだろう(かつての「キン消し」ブームの原因も同様)。作者の意識した仕掛けや作品内のキャラクターの言動が、プロレス的でありマンガ的である点が楽しさを倍増させている。
順位さえその後の展開への仕掛けではないかと思わせるところが、また楽しい。

・10巻の感想

(04.0925)



・「キン肉マンII世」(12) ゆでたまご(2000、集英社) [amazon]

週刊プレイボーイ連載。キン肉万太郎VSボーン・コールド決着編。ミートとミンチの因縁話、ボーン・コールドの悪行の影にはあの超人が……などいろいろと盛り込んでいるが、個人的には動揺したミートの代わりに万太郎に協力してアドバイスを授けるテリー・ザ・キッドとチェック・メイトが泣ける。

・11巻の感想

(04.0925)



・「キン肉マンII世」(13) ゆでたまご(2000、集英社) [amazon]

週刊プレイボーイ連載。長い間開催されていなかった「超人オリンピック」がカネのために復活。日本代表を決める戦いの万太郎の対戦相手はザ☆農村マン。いやあすばらしいよ農村マンも。

大規模な超人募集で選ばれた超人オリンピックの参加超人全員が載っているページがすばらしい。ここにはワンダーがありまくり。もちろん前作「キン肉マン」の超人もいいところに出てきます。

・12巻の感想

(04.0925)



・「キン肉マンII世」(14) ゆでたまご(2000、集英社) [amazon]

週刊プレイボーイ連載。超人オリンピック、今回もいきなりプロレスにならず運動会的な競技もやるのね。カナダの代表が「ザ・軍艦魔鬼」という寿司超人。ビーチ・フラッグス対決で謎のおっさん・佐々木米男登場。イケメン・マッスルといい、II世からの新キャラもなかなかに面白いのが出てくるね。

超人と人間でペアを組んで二人三脚、というのが面白い。

・13巻の感想

(04.0925)



・「キン肉マンII世」(15) ゆでたまご(2000、集英社) [amazon]

週刊プレイボーイ連載。いよいよ超人オリンピックもグランドファイナル。対戦カードを巨大パチンコ台で決めるなど、「キン肉マン」のエピソードをそのまま踏襲しつつお話を進められるのは、本作が「架空のプロレス」を描いたプロレスマンガだからだろう。

クロアチア代表・プリクランVSイラク代表・デストラクション。
ブラジル代表・ヒカルドVSアメリカ代表・摩天楼(マテンロー)。
日本代表・キン肉マン太郎VS古代インカ代表・ウォッシュ・アス。

キン肉マン太郎VSウォッシュ・アスがスゴイ。あまりにもすごすぎる。よくこんなわけのわからないマンガが500万部以上も売れてアニメ化もされたよな〜。本当にすばらしい。

・14巻の感想

(04.0925)



・「キン肉マンII世」(16) ゆでたまご(2000、集英社) [amazon]

週刊プレイボーイ連載。キン肉マン太郎VSウォッシュ・アスの続き、チヂミマンVSケビンマスク、イリューヒンVSデストラクション。客席にはフセインぽい人とプーチンっぽい人が……。

そしてキン肉万太郎VSバリアフリーマンの試合開始!

・15巻の感想

(04.0925)



【映画】・「さよならジュピター」 原作:小松左京、監督:小松左京、橋本幸治(1984、日本) [amazon]

西暦2125年。人類は宇宙に進出していた。宇宙に住む人々は新しいエネルギー源確保のため、木星を太陽化する計画を推進。しかし、数年後にブラックホールが太陽に接近するということがわかり、急遽計画を変更、木星を爆発させてブラックホールの軌道を変えることにする。
だが、その計画を阻止しようと環境保護系宗教団体(?)「ジュピター教団」が暗躍していた。

しつこく続ける当サイト内突発的コーナー「80年代にひたりたい!」シリーズである。
本作は84年の作品だ。しかし、私は本作を語る立場にはないかもしれない。それは日本特撮やそのSFファンとの関係の歴史などを、まったく知らないからである。
ネットで検索すると、本作はとにかく非難、非難、非難の嵐である。だれもが口を揃えて「煽るだけ煽られて、期待はずれだった」と語る。
むろん、私もその悪評を小耳に挟んではいた。しかし、けっこう楽しめてしまった。それは私が2004年、すなわちこの映画が公開されてから20年後の未来人だからだろうか。それとも過去に見た「宇宙からのメッセージ」(1978)[amazon]のショックがあまりに大きかったからであろうか。

おそらくその両方だと思う。本作に対する「裏切られ感」は、当時の映画ファンが「日本もカネと時間をかければアメリカ並みのSFX作品ができる」と信じていたということである。
言い訳を繰り返すようだが、私は特撮のことはよく知らない。しかし、現在、同じことを信じる人はまずいないのではないか。日本の特撮ものは現在でも面白いものがたくさんあると私は思っているが、それはアメリカのCGバリバリのSFX作品とは少し違う尺度で見て感じていることである。
たとえば「ハムナプトラ2」みたいな作品を日本でつくれ、とか言われたら現在でもやっぱりムリだと思うし、別につくらなくていいし。

だから、現在の価値基準で見ると、ナナメにかまえてつっこみ待ちをしなくても、わりとマジで楽しめると思う。
「お話が錯綜しすぎている」という批判もネット上で複数見かけたが、小松左京の小説っていつもこんなもんじゃないのか。また「無重力セックスが見ていて脱力もの」と言う意見もあり、これには同感だが、「宇宙からのメッセージ」の「宇宙ホタルを捕まえるために、宇宙遊泳するやつら」や「惑星大戦争」の「クマみたいな怪物に鎖でつながれちゃう浅野ゆう子」よりはマシだと考えているのは、私の期待値がよほど低かったからなのだろうか……。

未来人たる現代の目で見ると興味深いことも、いくつかある。
ひとつは、いい意味でハリウッド映画的な方法論にのっとっていないことだ。だからお話の先が読めそうで読めない。そもそも、「人類救出のためとはいえ木星が消えてしまう」というもの悲しいお話を、現在映画化するか? というとまずしないだろう。通らないよこんな企画。当時の映画界に「文芸志向」のようなものがあったのか、それとも何か別の理由か……。

もうひとつは、「なぜかクサいほどに欧米風」な感じだ。未来世界では国境を越え人々が付き合うようになるので、さまざまな人種・民族が混じり合って生活する、というのはこの時期よりずっと前からあった考え方だが、やはり未来も欧米がイニシアチブをとっていると考えるのか、主役の三浦友和もムリヤリ、なんとなく欧米風の風俗習慣を強要されている。

本作より以前に、人種が混交した世界としては日本ではアニメ「機動戦士ガンダム」(1979)がすでにつくられている。ここにおける人種の混ざり具合は、今見てもまったく違和感がない。もともとが実写より虚構性が強い「アニメ」であるという利点もあっただろうが、他にもアムロがサルマタを履いていたり、ハヤトが柔道をやるシーンがあったりと、わりと自然に視聴者がなじみやすいようにできていた。キャラ的にも気丈なセイラやミライと比較して女子マネージャーみたいな役割を引き受けているフラウがいたりと、ヴァリエーションがある。

「ガンダム」と比べると本作のクサさは一目瞭然で、本田(三浦友和)と、白人男がひさしぶりの再会を喜んで殴り合うシーンはケンカをしているようにしか見えないし、幼なじみと数年ぶりに再会していきなりセックスしてしまうというのも、それが欧米流と考えられていたのかもしれないなどと勘ぐりたくなってくる。

個人的にはそのクサさがきわまったのが「ガンヘッド」(1989)だと思っているが、なんで90年代を目前にしてそこまで「人種混交だが欧米主流の未来社会」のクサさが生き残ったのかは知識不足でわからない(「ガンヘッド」のアメリカン的クサさは、あれはあれで突き抜けて「味」だとは思っていますが)。

女性キャラのバリエーションのなさもかなりマズい。いや、いちおう「本田の恋人だがジュピター教団の信者」、「ジュピター教団の狂信者」、「細かいことは忘れたが女性の科学者」とキャラ分けもされているが、日本人好きのしない顔立ちの人ばっかり。小野みゆきの顔は欧米人に混ざってもキツい。

そうしていろいろ考えると、現在、日本のドラマはガイジンの使い方がうまくなっているのでは、と思った。逆に言えばオミットする方法がうまくなっていると言えるかもしれない。
たとえば「仮面ライダー555」の映画版では、人類がオルフェノクに支配されているという設定だが、中途半端に海外ではどうなってるとかは描かず、ぜんぶ日本で起こったできごとだとツッパリ通すことで世界観を貫いていたと思うし。

ま、そんなこんなで見るべきところはいろいろある映画でした。あ、それと松任谷由美の主題歌は当時からいい曲だと思っていたけど本編に合わないねえ。
(04.0925)



・「キン肉マン2世」(7) ゆでたまご(1999、集英社) [amazon]

週刊プレイボーイ連載。ジェイドVSスカーフェイス、キン肉万太郎VSスカーフェイス。ジェイドの因縁話は、これぞゆで節で泣かせる。ついにスカーフェイスの正体が明らかに、ってバレバレだけど。

・6巻の感想

(04.0921)



・「キン肉マン2世」(8) ゆでたまご(2000、集英社) [amazon]

週刊プレイボーイ連載。キン肉万太郎VSスカーフェイス決着。万太郎、オリジナルホールド「マッスルミレニアム」を開発。一期生VS二期生終了。

次なる戦いへの息抜き的展開。万太郎の初恋の人、凛子が登場。コギャルでパンチラを見せたりといった、青年誌的気遣いが。しかしゆでたまごの女性キャラに萌えている人っているのか?

「キン肉マン」のごく初期に登場していた幼稚園の先生・マリ登場。ミートくんと涙の再会。

・7巻の感想

(04.0921)



・「キン肉マン2世」(9) ゆでたまご(2000、集英社) [amazon]

週刊プレイボーイ連載。いまだに「火事場のクソ力」をコントロールできず、なおかつ弱い「タキ火のクソ力」しか持っていない万太郎は、超人評議会へ呼び出される。
万太郎は真の「火事場のクソ力(本作では「K・K・D」と略される)」を手に入れるため、キン肉星刑務所に収監されている超凶悪犯三人組「ノーリスペクト」と戦う「クソ力修練(チャレンジ)」に挑戦することを命ぜられる。

その第一戦が「キン肉マン太郎VSフォーク・ザ・ジャイアント」。

「超人評議会」のシーンはまるっきり「スター・ウォーズ ファントムメナス」のパクリ。「火事場のクソ力」をフォースのような力になぞらえていてちょっと苦笑してしまうが、面白さとしては断然この「2世」の方が面白いぞ!

・8巻の感想

(04.0921)



・「キン肉マンII世」(10) ゆでたまご(2000、集英社) [amazon]

週刊プレイボーイ連載。「クソ力修練(チャレンジ)」、キン肉マン太郎VSフォーク・ザ・ジャイアント決着。そして次なる万太郎の相手、鬼畜ハンゾウと伝説超人(ザ・ニンジャ)登場。オリジナルの「キン肉マン」で人気のあった超人が、順番に出てくる趣向みたいですね。

京都を舞台に、万太郎VS鬼畜ハンゾウ開始。



・9巻の感想

(04.0921)



【映画】・「アイ,ロボット」 監督:アレックス・プロヤス(2004、米)

公式ページ

近未来、ロボットは人間の生活に欠かせない存在となっていた。ある日、世界的ロボットメーカーの博士が自殺する。最初からこの自殺をおかしいとかぎとった殺人課の刑事・スプーン(ウィル・スミス)は、「ロボット三原則」により絶対に人間に危害を加えないはずのロボットが博士を殺したのではないかと疑い始める。

えーとね、確かアシモフの小説が元になってます。映画として目新しい部分は何らないのだけど、とにかくつくりが丁寧。ハナっからロボットそのものが嫌いで、自律型のメカに頼らない生活を送っているスプーンが見事に「刑事ものの、刑事らしい刑事」でそこがイイんだよな。
冒頭、「2004年もの」のスニーカーをおろしてニヤリとするシーンや、全自動で目的地に連れていってくれる車を手動で運転したりするという「古いもの好き、機械はあんまり好きじゃない」表現もいいし、あと「いかにも刑事ものの刑事」っていう表現ね。朝起きてダンベルで腕を鍛えていたり、過去の事件が何度も夢に出てきてうなされたり、上司の意にそわない単独行動で謎にせまったり……。そういうのがけっこう「ワカッテル」感じでいいんですよ。

女性のロボット技術者兼精神科医が出てきますが、スプーンとのロマンスさえほとんど描かれないのはかえって気持ちいいですね。

脚本もかなり練れていると感じた。けっこう小さなどんでん返しがあって、「どうせバレバレだろ」と思っていると驚かされたりして。

刑事ものと、ロボットが好きならオススメです。
(04.0921)


【映画】・「ヴァン・ヘルシング」 監督・脚本・製作:スティーヴン・ソマーズ(2004、米)

公式ページ

記憶を失った謎のモンスターハンター、ヴァン・ヘルシング(ヒュー・ジャックマン)がドラキュラ伯爵と戦う。

「アイ,ロボット」と同じ日に見たのだが、こっちはかなりダメだった。まずヘルシングのキャラクターがぜんぜん描かれてないし、彼の使う回転ノコギリの手裏剣みたいな武器とか、面白いギミックにも何ら必然性がない。ヘルシングにモンスター退治を依頼するキリスト教組織みたいなのの描き方も中途半端。

また、トランシルヴァニアのドラキュラをめぐる謎やフランケンシュタインの怪物のからませ方、最後の決着の付け方などとにかくムリヤリすぎる。この監督は「ハムナプトラ2」も見たけど、なんか薄味なんですよね。編集が荒いというか……具体的にどこがどうとは説明できないんだけど。

クライマックスで、コウモリの羽を生やして怪物に変身したドラキュラと人狼ががっつんがっつんブン殴り合うところなんかは、アイディアとしてはバカバカしくて面白いんだけど、なんか「思いつき」の域を出てない気がする。

端的に言って「長い」。
(04.0921)


・「キン肉マン2世」(3) ゆでたまご(1998、集英社) [amazon]

週刊プレイボーイ連載。恐竜の化身超人、レックス・キングVSテリー・ザ・キッド。レフェリーが万太郎というのがミソ。
それと万太郎VSチェック・メイト。
子供に手をあげたチェック・メイトに怒りの炎を燃やす万太郎。まあ例によって「超人が人間の子供に手をあげた」のは最初じゃないんだけどね。っていうか、2巻でケビンマスクが人間のレスラー殺してるんだよ。

・2巻の感想

(04.0920)



・「キン肉マン2世」(4) ゆでたまご(1998、集英社) [amazon]

週刊プレイボーイ連載。地球に来て堕落した、万太郎ほかヘラクレス・ファクトリー第一期生。第二期生との入れ替え戦を命じられる。要するに正義超人同士の戦い。
セイウチンVSクリオネマン。ガゼルマンVSジェイド。「ベルリンの赤い雨」がオリジナルよりカッコよくなってる!
セイウチンカッコいいよセイウチン。普通ならこんなかっこわるいキャラ、何週も使わないよね。でも使うのがゆで節。クリオネマンのアイディアも、バカバカしいが秀逸。

・3巻の感想

(04.0920)



・「キン肉マン2世」(5) ゆでたまご(1998、集英社) [amazon]

週刊プレイボーイ連載。テリー・ザ・キッドVSスカーフェイス、キン肉万太郎VSデッド・シグナル。道路標識と信号機の超人、デッド・シグナルもこりゃいい意味でバカバカしいですな。
準決勝記者会見の、出場者がフィギュアのブリスターパックに入って登場するというプロレス風趣向が楽しい。

・4巻の感想

(04.0920)



・「キン肉マン2世」(6) ゆでたまご(1998、集英社) [amazon]

週刊プレイボーイ連載。じょじょに友情パワー的エピソードが出てくる。ジェイドとその師匠との出会い、傷ついた一期生のためにがんばる万太郎。万太郎VSクリオネマン。ジェイドVSスカーフェイスは、二期生同士の対決で盛り上げる。

・5巻の感想

(04.0920)



【テレビ】・「ハロー! モーニング。」(2004、テレビ東京)

9月19日放送分。

公式ページ

連帯責任ゲーム。

「全員が何か特定のお題ができたらごほうび」という、定期的にやってるゲーム。
今回は、この番組の平均クォリティからいったらかなりダメダメな方でしょう。
「モーニング娘。」という存在自体にすら危機感を感じてしまいました。
辻加護が抜けて、さらに藤本がお休みですからね。
フックとなる人材がいないし、つくろうとしていない。

失敗したゲームがひとつもなかったのも、ちょっとどうかと。
変なプレッシャーを与えて変な空気になるのもどうかとは思うが。
要するに、過去の連帯責任ゲームの経緯から妙に緊張感のあるモノになりすぎてしまった、っていうのがあって、それの仕切直しだった、とでも考えないかぎり今回のゲームは結果も含めて理解できないです。

「地球戦士W」。ガイジンタレント(なんだろうな)を集めての地球戦士世界会議。なごやかムードで行きたいWに対し、「じゃんけんは韓国が発祥、日本人はそのマネをしているだけ」と言い出す韓国代表、「日本のカレーは不味い、インドにはカレーライスという食べ物はない」というインド代表など、毒舌キャラばっかりでかみ合わず。
日本のテレビ界がガイジンタレントに対し「ここヘン」キャラみたいのしか求めていないという、こりゃ社会の縮図ですよ。
中途半端にテレビ慣れしたガイジン連に、イライラしっぱなしでした。

こういうときは加護ちゃん、ダメ出ししていいんだよ!
あと辻がそろそろ痩せすぎの領域に入ってきたのが気になる。

「公園通り三丁目」。またマキエル出てるよー。安倍かわもちがかわいかった。そんだけ。

スタジオライブは美勇伝。歌は意外によかったが、はたけ作曲って後藤真希のと2曲しか聴いたことないけど、音楽に詳しくないから的確な表現ができないがものすごく「昭和ポップス」なテイストなのね。作詞は湯川れい子ってことは、完全に狙っているんだろうけど。ものすごく懐かしい感じの曲だった。
まあ何でこんなコンセプトにしたかはよくわからないんだけど……。

「HPH」。モーニング娘。カルタの話題でキャメイと新垣。ムラ田さんが戻ってきていた。なぜか「ドミニク共和国」というネタを「エチオピア」まで広げようとするムラ田さん。いやー「地球戦士」でも思ったけど国ネタはやめた方がいいよ。見ているこっちがハラハラする(笑)。
でっかい地球にゃ愛があるとは言えね。

前回の放送

(04.0920)


【映画】・「メガフォース」 監督:ハル・ニーダム(1982、米) [amazon]

「正義は勝つのさ。80年代でも」(エース・ハンター)

自由主義国家が出資してつくっている秘密裏にして無国籍、そして最強の超エリート軍隊、それが「メガフォース」だ!

英国の最高司令官・ホワイト陸軍大将と美人のツアラ少佐は、「メガフォース」の秘密基地にやってきた。
ホワイトはアフリカ各地で東側に荷担し、争乱を起こすグエラ率いるゲリラ・タンク部隊への攻撃を、メガフォースの指揮官、エース・ハンターに依頼する。
グエラはかつてエースと訓練をともにした仲で、メガフォースに入れるほどの優秀な戦士だった。しかし、エースを裏切って入隊はしなかったのだ。
作戦を立て、さまざまな新兵器でメガフォースは奇襲を敢行。しかし、情勢が変わった(というか、やりすぎた)ために退路を断たれてしまう。
メガフォース軍団は、輸送機の着陸地点に待ち伏せているグエラの戦車軍団と戦って脱出するため、出撃する。

80年代にひたりたい! というわけで、「キャノンボール」(→感想)に関わった人たちが制作し、鳴り物入りで82年に公開されたバカ中学生度100パーセント、濃縮果汁のような作品を紹介する。なお、香港のゴールデン・ハーヴェストが提供だがNG集は付いていません。

指令車タック・コム、戦闘バギー、ミサイルを搭載したバイク(どれもイナヅマの走った塗装が印象的)が砂煙を上げて走るシーンを、映画を見ていなくても記憶している人も多いだろうし、私もラジオのCMで確か島津冴子が「メガフォース!」って叫んでいたのを思い出してしまった。
本作に対する心情は、多くの人は「愛憎相半ばする」といったところではないか。
ネットで感想を検索してみても「期待はずれだった」、「あきれた」、「チャチかった」などの意見も少なくない。

確かに、あまりに宣伝が派手すぎたというのはある。しかし、日本でスター・ウォーズが公開されたのが78年。あれを見ちゃったら何を見てもチャチく見えてしかたない時代であったとも思う。
実際、テレビの小さな画面で見たが、人が言うほどチャチい感じはしなかった。制作費87億円ということだが、そこまでかかっていないにしても、カーアクション、新兵器の戦闘シーンはよくできている方だと思う。たとえば現在のカーアクションものと比べると、カット割がタルいので野っぱらを車やバイクがグルグル回っているような印象がつきまとうが、それでもがんばっている方だろう。
この辺は、今でも根強いファンがいるゆえんだと思う。

もっとも、ハル・ニーダム監督ももうちょっとマシに撮れただろうというのはある。本作も「キャノンボール」、「キャノンボール2」同様、メガフォースが出撃するまでに映画時間で40分かかり、なおかつその40分間がダレる。エースとツアラ少佐のロマンスとかいらないっての。
あと、ごく単純なプロットのはずなのにわかりにくいところがある。
逆に、「4分間で作戦を遂行する」というシーンで、攻撃中ずっと画面右隅にカウントダウンの数字が表示されていて4分間きっかりに攻撃が終わるという演出は面白い。

本作の基本設定はおそらく自由主義国VS共産主義国という対立項で戦闘が生まれるという、この当時のアクションものの定番。だから、エースのライバル、グエラが「正義が勝つ時代は70年代で終わった」と言う意味が私にはよくわからない。冷戦構造を考えても、70年代にそれほど自由主義国がバリバリ勝っていたとは思えないから。
そこへ持ってきて本稿冒頭に引用したエースのセリフ「正義は勝つのさ。80年代でも」が2回も繰り返されるのだが、このあたりもさらにわからない。

「メガフォース」のリーダー・エースはリーダーというより女好きのただのあんちゃんであり、その仲間たちも軍隊というより単なるツーリング仲間という感じである。
精鋭部隊につきものの特訓シーンも、ほとんどない。
おまけに宿敵・グエラは戦闘が終わっていないのにノコノコとエースの前に現れるし、二人は懐かしさに抱き合って喜ぶ。最後の脱出シーンではグエラにお別れの言葉を言うためだけに、エースはわざわざ輸送機に乗り遅れる危険をおかす。

推測するに、制作者が「正義が勝っていた」と感じていたのは映画内のセリフに出てくる70年代よりもっと前、自分の子供時代だった60年代、50年代なのではないか。そして、その頃に戻って心おきなく戦争ごっこがやりたかったのではないか。
そもそも、1回見たかぎりではグエラが何で東側に荷担しているかの理由も、ハッキリわからないんだから。

そして、この映画を見た少なくない人々が許しているのも、その無邪気な「戦争ごっこ感」に対する郷愁があるからではないかと思いましたよ。
(04.0919)



【映画】・「キャノンボール2」 監督:ハル・ニーダム(1983、米) [amazon]

81年のヒット作「キャノンボール」(→感想)の続編。交通ルール完全無視の、アメリカ大陸横断自動車レースを描くカーアクションコメディ。香港のゴールデン・ハーヴェストが提供なのでラストにNG集が付いてます。
前回のキャノンボールで優勝できなかったアラブの王子は、父王に命ぜられ自らキャノンボールを主催、優勝してみせろと言われる。
当然、前回出場したJJ(バート・レイノルズ)とヴィクタ(ドム・デルイズ)のコンビも参加。後はスーザン・アントンらしき女レーサーがツナギの前の方のチャックを上げたり下げたりして胸の谷間を見せたり見せなかったりするうちに、映画は終わる。

80年代にひたりたい! と思って借りたが、コレはちょっと浸りきれなかった。
レース開始まで映画時間で40分以上もかかっており、緊張感がないのも前回と同じだし、そもそもキャラクターの説明をキチンとしていない。ジャッキー・チェンは前作では日本人という設定だったが今回は中国語しかしゃべらない中国人という設定らしいし、後もなんかよくわかんない。
BGMはどれも死ぬほど懐かしいけどね。

ギャグは、どれもドリフやひょうきん族のいちばんつまんないときのレベル。なぜ自分は1作目の感想をこんなに一生懸命書いたのだろう……。
今回はバイクは参加しないのに、ジャッキーの見せ場をつくるためだけに暴走族が八百屋を襲うシーンが突如登場したのには大苦笑。

そもそも、映画に詳しくない私は告白しておくが、テリー・サバラスとかシャーリー・マクレーンとか言われてもぜんぜんピンと来ないっつーの! ありがたみゼロ! シャーリー・マクレーンはアレでしょ。神秘主義に傾倒して行っちゃった人でしょ。それくらいしか知らない。知ーりーまーせーんー。ゴメンねー。

まあ、この監督の映画を「キャノンボール」、「トランザム7000」(これは佳作)[amazon]と見てきて、ズッコケたときのダラダラ感は予想できたんだけどね。

「トランザム7000」もそうだったけど、一攫千金を夢見てニヤニヤしながら計画を練るカタギじゃないけどちょっと抜けてそうなヤツら、っていう設定、映画でもドラマでもマンガでもめっきり減ったねえ。一作目の「ルパン三世」がそういう雰囲気だった。今はもしやっても、集団詐欺ものみたいにプロット自体の面白さが重視になってると思う(まあそっちのが見ていて面白いんだろうけど)。

嗚呼、私が果たせぬ夢を託してきた、そんな胡散臭いヤツらはフィクションの世界でも消えてしまったんでしょうか。
(04.0918)



・「マッスル・リターンズ  キン肉マン復活編!」 ゆでたまご(1997、角川書店) [amazon]

「マッスル・リターンズ」、「キン肉マン幼年編」、「キン肉マン特別編 ロビン・メモの巻」、「デス・ゲーム」を収録。
初出表記がないので、いつどんなふうに描かれたのかサッパリわからん。とりあえずどの作品も番外編的な要素が強いので、重度のキン肉マンファン以外は読む必要はないかと。

「マッスル・リターンズ」は「キン肉マン」本編から7、8年後という設定で、7、8歳成長した実にキモ悪いミートくんを見ることができます。 ケビンマスクなども出てくるが、当然「キン肉マン2世」との整合性はナシ。なぜなら、ゆでたまごだから。

「デス・ゲーム」だけはキン肉マンではないです。ブルース・リーの「死亡遊戯」へのオマージュですね。オマージュっていうかね……まんまなんですよ。これ、ジャンプの愛読者賞かなんかだったんじゃないかな。そうでないと、この作品の意義がわからない。
確か、現在コンビニ売りの、ゆでたまご作品のいろんなやつを集めた単行本に収録されていると思いますが、重度のゆでたまごファン以外は読む必要はないと思います。
(04.0918)



・「キン肉マン2世」(1) ゆでたまご(1998、集英社) [amazon]

週刊プレイボーイ連載。前作から28年の歳月が流れた。長い間続いた平和は破られ、悪行超人が再び攻めてきた! しかし、平和に慣れきっていた正義超人側は後継者を育てていなかった。28年前、第一線だった超人たちはキン肉マンを始めすでに老体。悪行超人にあっという間にやられてしまう。
危機を感じた正義超人は、短期間での後継者育成のために、閉鎖されていた超人レスラー育成学校、ヘラクレス・ファクトリーを復活させる。そこへの入学者の中には、キン肉マンに甘やかされて育ったダメ超人・キン肉万太郎もいたのだが……。

いやあ、「『キン肉マン』が復活」と話題になってからもう6年も経つんですよ! せつねえなあ。思えば、本作が始まる頃だったかそれ以降だったか、「80年代ジャンプ」の遺産を(悪い意味でいえば)食いつぶすようにそれらに連載された作品の続編ラッシュがあった。
そんな中、どん滑りの作品もなくまがりなりにも何作かが続いているのは、よく言えば作家・作品の地力のためとも言えるし、悪く言えば読者があまり変化を求めなくなってきているのかなとも思う。

この第1巻にかぎって言えば、本作は間違いなく面白い。
「ブタと間違われて宇宙に放り出された」のは初代キン肉マン。その後、田園調布の掘っ建て小屋に住み、「まあガムシャラにならずに生きていこうよ」という、同時代では「パイレーツ」とか「1、2のアッホ」のような世界観を表現しつつ、最終的には少年ジャンプの「友情パワー」を体現する作品となった作品だ。
対するに、2世の万太郎はキン肉マンに甘やかされて王家の中で育ったおぼっちゃん。「常に正義超人ではナンバーツーだった」父とは違う人生を歩もうとするテリー・ザ・キッド。父のスパルタ教育に耐えかねてぐれてしまい、悪行超人側に回ったケビンマスク。
役者は揃ってます。

ミートくんが「マッスル・リターンズ」(→感想)に出てくる「子役が中途半端にオトナになったような姿」で出てこないのは心底ホッとした。

何にしても、万太郎がバーリ・トゥード風の練習をしているところにいちばん時代を感じますね。

・「キン肉マンII世」シリーズ [amazon]

(04.0918)



・「キン肉マン2世」(2) ゆでたまご(1998、集英社) [amazon]

週刊プレイボーイ連載。地球に赴任してきたキン肉万太郎が、いよいよ悪行超人と対決。
悪行超人の団体名「d・m・p(デーモンプラント)」がnWo風のTシャツを着ていたり、携帯電話の超人「テルテルボーイ」が折り畳み式ではないところにすでに時代を感じる。

・1巻の感想

(04.0918)



・「ハトのおよめさん」(1) ハグキ(2000、講談社) [amazon]

アフタヌーン連載。ハトのおよめさんを主人公にしたギャグマンガ。
一時期、アフタヌーンは本作しか読むところがないと言われていたことは有名(私が勝手に言った)。ブッコ、ブッコ、ぶっ殺す。
(04.0918)

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