◆ 2000年11月下旬 ◆
11/21〜30
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11/30(木)……みつおとみちるが増刊IKKIを五分以内に二往復
う〜風邪ひいた〜。読まなきゃならん本とか、やらなきゃならん仕事とかいっぱいあるのに〜。さらに明日はインタビュー仕事が一本入っているので、喉が痛いのはちとヤバい。本当はせめて睡眠時間くらいたっぷりとったほうがいいのだが、こういう日に限って日記がむやみに長い。
11月のオツアン、「笑ヘル漫画」が終了。上位5位はこんな感じ。
1位 / 16票 :岡田あーみん「こいつら100%伝説」
2位 / 13票 :ながいけん「神聖モテモテ王国」
3位 / 12票 :うすた京介「セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん」
3位 / 12票 :相原コージ+竹熊健太郎「サルでも描けるまんが教室」
5位 / 9票 :吉田戦車「伝染るんです。」
ちょっと意外だったのが、山上たつひこ「ガキでか」に票が入らなかったことかな。ここらへんはたぶん、ウチに来る人たちはリアルタイムでここらへんを読んだ層とは世代的に微妙にズレてるからなんじゃないかと思う。単行本の巻数が多いから、後から手を出しにくいところはあるし。実際俺も、ここまではつまみ食い程度であんまりちゃんと読んだことがないので、そのうちまとめ買いしようかな〜と思いつつここまできているクチだったりする。
で、12月は「エスエフマンガ」 で行ってみることに。もうすぐ21世紀だし。SFという言葉の定義についてはそちら側の人たちの間でも決着がつかない厄介な話題だけど、今回のアンケートに関しては、そのへんの個々人の受け止め方の相違を見るのも楽しかろうと思う。そんなわけで投票よろしくオネガイシマース。
12月の買いはこんな感じで。雑誌も含めたスケジュールは購入スケジュールCGIのほうを参照のこと。
日 | タイトル | 作者 | 出版社 |
上 | 「愛子十六歳」 | 駕籠真太郎 | 青林堂 |
上 | 「午后の風」 | 坂口尚 | チクマ秀版社 |
上 | 「タラチネ」 | 南Q太 | 祥伝社 |
上 | コミック.H | | ロッキング・オン |
1 | 「木島日記」2巻 | 作:大塚英志+画:森美夏 | 角川書店 |
1 | 「箱舟」 | しりあがり寿 | 太田出版 |
5 | 「なんてっ探偵アイドル」2巻 | 北崎拓 | 小学館 |
5 | 「目隠しの国」3巻 | 筑波さくら | 白泉社 |
5 | 「海猿」8巻 | 佐藤秀峰 | 小学館 |
6 | 「エリートヤンキー三郎」3巻 | 阿部秀司 | 講談社 |
7 | 「アンダーグラウンド」 | 大武ユキ | 竹書房 |
8 | 「えっちーず」5巻 | 陽気婢 | ワニマガジン社 |
9 | 「HELLSING」3巻 | 平野耕太 | 少年画報社 |
10 | 「喜劇駅前花嫁」 | 駕籠真太郎 | 太田出版 |
11 | 「魔法を信じるかい?」1巻 | 谷川史子 | 集英社 |
12 | 「そこに布団はないけれど」 | うらまっく | 蒼竜社 |
14 | 「おまかせ!ピース電器店」21巻 | 能田達規 | 秋田書店 |
14 | モーニング新マグナム増刊 No.18 | | 講談社 |
15 | 「神々の山嶺」1巻 | 作:夢枕獏+画:谷口ジロー | 集英社 |
15 | 「ダスクストーリィ」2巻 | TONO | 集英社 |
15 | 「無頼伝 涯」3巻 | 福本伸行 | 講談社 |
15 | 「新世紀エヴァンゲリオン」6巻 | 画:貞本義行+作:GAINAX | 角川書店 |
中 | 「母子醇乎の宴」 | MARO | エンジェル出版 |
中 | 「メジャーデビューへの道」 | 舞登志郎 | オークラ出版 |
16 | 「特命係長只野仁」1〜2巻 | 柳沢きみお | ぶんか社 |
18 | 「かってに改蔵」10巻 | 久米田康治 | 小学館 |
18 | 「やまだまるもちゃん」 | さそうあきら | 竹書房 |
21 | 「韃靼タイフーン」1巻 | 安彦良和 | メディアファクトリー |
21 | 「ひっち&GO!!」1巻 | 永野のりこ | メディアファクトリー |
21 | 「ニッポン昔話」 | 花輪和一 | 小学館 |
22 | 「イハーブの生活」1巻 | 小路啓之 | 講談社 |
22 | 「蒼天航路」21巻 | 王欣太 | 講談社 |
22 | 「クーの世界」2巻 | 小田ひで次 | 講談社 |
22 | 「ミルククローゼット」2巻 | 富沢ひとし | 講談社 |
22 | 「AMONデビルマン黙示録」2巻 | 衣谷遊/永井豪 | 講談社 |
25 | 「LAZREZ」1巻 | 作:TDK+画:竹谷州史 | エンターブレイン |
25 | 「恋の門」2巻 | 羽生生純 | エンターブレイン |
25 | 「BAMBi」5巻 | カネコアツシ | エンターブレイン |
25 | 「羊のうた」5巻 | 冬目景 | ソニー・マガジンズ |
26 | 「クーデタークラブ」1巻 | 松本光司 | 講談社 |
26 | 「サオリ」1巻 | 松本光司 | 講談社 |
26 | 「超・学校法人スタア學園」21巻 | すぎむらしんいち | 講談社 |
26 | 「ユキポンのお仕事」3巻 | 東和広 | 講談社 |
下 | ビッグコミックスピリッツ増刊 Manpuku! | | 小学館 |
んでもって本日購入未読分は以下。町田ひらく、東陽片岡、坂口尚と、おいしいところがもりもりと。でも時間がなくてそこまで手が回りまへーん。
【雑誌】GOTTA 1月号 小学館 B5平
【単行本】「SS」2巻 東本昌平 小学館 B6
【単行本】「犬・犬・犬」2巻 作:花村萬月+画:さそうあきら 小学館 B6
【単行本】「奈緒子」28巻 作:坂田信弘+画:中原裕 小学館 B6
【単行本】「昴」3巻 曽田正人 小学館 B6
【単行本】「段ボール低国の天使たち」 東陽片岡 実業之日本社 A5
【単行本】「11.1」 町田ひらく 一水社 A5
【単行本】「坂口尚短編集1 午后の風」 坂口尚 チクマ秀版社 A5
【単行本】「おさなづま」6巻 作:森高夕次+画:あきやまひでき 双葉社 B6
【単行本】「CURA」3巻 六田登 双葉社 B6
【単行本】「チロといっしょ」 長島はちまき 桜桃書房 A5
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ増刊 IKKI 第1号 小学館 B5平
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小学館期待の凄玉雑誌。なんつっても執筆陣が松本大洋、山本直樹、日本橋ヨヲコ、相原コージ、比古地朔弥、黒田硫黄、唐沢なをき、本秀康、画:平凡&陳淑芬+作:坂元裕二、永田綾、しりあがり寿+EVA、伊藤潤二、小野塚カホリ、さそうあきら、森田信吾、片桐利博(原案&監修:信沢あつし)、滝沢聖峰、林田球、茶屋町勝呂、稲光伸二、英時世、石川賢、見ル野栄司、松永豊和とくる。ゴージャスな面子を惜しげもなくドバドバ投入。ボリュームも満点。ただ、個人的には、体調のせいもあってかこれだけの面子のわりにはワクワク感がイマイチ弱かったように思えたのも事実。もちろん期待値は高いし、その通り面白いんだけど。これは面子はすごいんだが、だいたいどのくらいの面白さレベルの作品を描くか、ある程度想像できちゃうようなラインナップであったこともあるかな。小学館らしく隙はないんだけど、想像を超えてくるような熱量には欠けているとか思ったしだい。意外と連載作品が多いので、読切→完全燃焼という図式になってないからかも。
あと、個人的にはもっとアニメっぽい作品も1本くらい入れちゃっても良かったと思う。そういう作品が読みたいというのではなく、全体のバランスを考えると、手触り滑らかなのも一つは必要かと。息抜き、箸休めとしてのゆるいギャグ作品も、強力なのが一本欲しいですな。瑞々しく汁気が多いのもないと、このボリューム感がかえって息苦しさにつながってしまいかねない。装丁などから見ると、やはりこの雑誌の位置づけはアフタヌーン対抗かな。サンデーGXがウルトラジャンプ対抗であったように、最近の小学館はずいぶんガツガツした姿勢が感じられるようになった。これは賛否両論あろうけれども、意欲的なのは確かだし、評価したい。ところで表紙ロゴのダサさはなんとかならんかな。
さて、作品のほう。まず松本大洋のやたらひさびさな新連載「ナンバーファイブ」。砂漠ばかりの星にて繰り広げられる、「虹組」と呼ばれる特殊な戦士たちの面々の活躍を描くってな感じ。鉄コンに出てきた蝶・虎・龍にカッコは近いか。愛と戦闘と冒険とファンタジーな娯楽作品になりそう。とりあえず描写はとてもカッコイイので、今後の展開を楽しみに待つ。山本直樹「安住の地」。岩ばかりの地で始まった、少女と二人の男の生活。いつもながらにかっちょよくエロい。ちんこでけー。日本橋ヨヲコ「戦場ヘヴンズドア」。小学館に活動フィールドを移しちゃうのかな。なんかいかにもこの人らしい、青さ、力強さのある話作り。漫画を描く少年、そして小説を書く少年と、わりと好きそうなネタだけに面白く読んでいけそう。
比古地朔弥「まひるの海」。少年が、海辺で出会った妙に色気のある少女。今回は、ヤンキン系列とかで描いているヌルめの奴でなく、エロっちい方面にいってるので期待できそう。「けだもののように」みたいに行ってくれるといいなあ。黒田硫黄「セクシーボイスアンドロボ」。この人、ホントに出版社にこだわらず、いろいろなとこに出没するなあ。そしてそのどれもがすごくうまいときているから参ってしまう。今回も魅力的なキャラをまずポーンと出して、ぐいぐい読ませてくれる。この増刊の中でもひときわ輝いてる。唐沢なをき「漫画家超残酷物語」。ああこれいいわ。エロ漫画家青年たちのトキワ荘的青春物語。過剰に押し出さず、しれっとギャグしてて。
伊藤潤二、小野塚カホリ、さそうあきら、森田信吾などなどといったあたりもさすがに手堅く持ち味を発揮しててきっちり読ますなあ。安心。稲光伸二「フランケンシュタイナー」はちょっと線が太くなったかな。相変わらずうまいけど。「天気待ち」を含めた単行本発行キボーン。松永豊和「エンゼルマーク」。老人、エンゼルがわさわさ行列。同じようなものが一杯集まって、規則正しく動いている構図が印象強く楽しい。
【雑誌】ヤングサンデー 12/14 No.53 小学館 B5中
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遊人「PEACH!」。いやー、この人はホントーによくここまでバカな漫画を描くなあプロだなあ。今回は、趣味でやっている定期的なコスプレフェスティバル会場でのショーの後に英会話のレッスンを受けたいというコスプレアイドルを、主人公が籠絡すべく頑張っちゃう〜というお話らしいっす。どうでしょうこの設定。虎皮ビキニのコスプレアイドルさん、自分のしっぽをさりげなく「ペロン ペロ〜ン レロレロレロ」とかしてるしさあ。かなわねえ。山田芳裕「度胸星」。こちらは非常に正統的に盛り上がっている。テセラックが存在的にキャラ立ちしまくっててロマンをかきたてるぅ。超ひも〜。
【雑誌】モーニング 12/14 No.53 講談社 B5中
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高橋のぼる「リーマンギャンブラーマウス」。今回は新ギャンブルに突入。最近のシリーズは、女体盛り料理勝負フェーズから、まぐろ子おんなごころフェーズへと移りつつあるのだろうか。まぐろ子の行動のおきゃんぶりが愉快であります。上野顕太郎「ひまあり」。久々の登場もやはり言葉ネタ。だけど、今回はインパクトが弱め。
【雑誌】ヤングジャンプ 12/14 No.53 集英社 B5中
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井上雄彦「REAL」の第5話めが掲載。車椅子であろうとなかろうと、バスケに賭ける男たちの想いは熱く。今回はストーリー場は転換点って感じで、試合のシーンはあんまりないけれど、描写とかはいちいちかっこよくやはり面白く読める。
そういえば記事でパラリンピック関連の話題が出てたけど、パラリンピックといえばこんなことが。たぶんそのうちリンク先は消えちゃうと思うので要約しておくと、シドニーパラリンピックのスペイン代表10人全員が医療上の資格審査を受けてなかったということが判明し、健常者が参加していたのではないかという疑惑を持たれているんだそうだ。けっこう生臭いんですね。
【雑誌】週刊少年チャンピオン 12/14 No.1 秋田書店 B5平
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八神健「ななか6/17」は2回め。今回はなんでななかがこう(幼児化)なったのかの説明に突入。読切で読んでた人にとっては先刻承知なことだけど。水島新司「ドカベンプロ野球編」。驚異的にアッサリON日本シリーズ編終了。相変わらずすごいやっつけ方だ。結局今回の見せ場って、岩鬼がファールフライをとったかとらなかったかだけ。2戦
めは3ページ。「打線に火をつけたのは三回表 岩鬼の豪快な空振りの三振だった」「空振りのバットがレフトフェンスを直撃したのだ」。もうヤケクソ。3〜6戦は4コマで終了。MVPは微笑三太郎がいつの間にか、4割4HR10打点で獲得。呆然とするスピーディな展開。素晴らしい。
卯月妙子「新家族計画」。なんかやってることは揃いも揃って無軌道な感じだけど、妙に落ち着くホームコメディにもなってたりして、けっこうイケる面白さ。サバサバした絵柄がいい感じで作用。深谷陽は再登場。タイトルは「ミチコさんの思春期」で、男女精神(肉体)入れ替わりモノ。いつもながらに完成された作風でうまい。外人さんを外人さんらしく描く腕前はさすが。駕籠真太郎「六識転想アタラクシア」は、いよいよこのSFチックな世界の構造がだいぶ見えてきたかなという感じ。なお発売が遅れていた「駅前花嫁」は12月10日発売のアナウンスあり。砂「ポストイディプス」。今回もセリフとポーズがビシッと決まっていてカッコイイ。とくに扉ページのすぐ後の涼子のポーズはすごいな。フキダシの配置も絶妙。
【雑誌】ヤングキングアワーズ 1月号 少年画報社 B5中
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平野耕太「ヘルシング」が掲載されているけど、今回はつなぎな回。イスカリオテな方々は情け無用でかっこよいけれど。ちなみに最新単行本は12月9日発売予定。篠房六郎が登場。「オトナ篇」。なんか間違って、借金抱えて首回らぬ中年オヤジに魔法のバトンが与えられ、魔法少女的コスチューム着用型オヤジに変身。周囲を阿鼻叫喚の渦へ。という感じのパワホーギャグ。驚くほど高いレベルにある作画技量を惜しみなく下らないことに注ぎ込んでいて、ある意味とてもゴージャス。この手のギャグ風は、ツボにハマれば大ヒット、外すと痛いことになるけれども、今回はわりと当たりのほう寄りかな。
11/29(水)……製版! ザ・医者
うーん、このところ読むべきもの、書くべきもの、聴くべきもの、やるべきことなどなどが多すぎて、頭の中が虹色オーバーフローって感じだぜー。それはさておき先週合併号だったので、本日週刊少年マガジンはお休みデース。忘れててちょっと探しちゃったぜ?
【雑誌】週刊少年サンデー 12/13 No.53 小学館 B5平
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田中モトユキ「リベロ革命!!」は合宿編がスタート。ちょっと女の子ネタも振り始め。スポ根モノの合宿フェイズってけっこう好きなので期待。ここでがっちりやっとくと、次の成長に説得力が出てその後がより面白くなるし。
【雑誌】Bstreet Vol.3 ソニー・マガジンズ A5平
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探偵系のアンソロ本第3冊め。斎藤岬、亀井高秀、木々、雨宮智子、浅田寅ヲ、冬目景が漫画を執筆。上品で洒落た作品が多く、安定した読み心地。ただ、ちと今回のラインナップはこぎれいで手堅いところが揃っちゃった感があるので、例えば雁須磨子みたいなぼよよんとちょっぴり笑わせてゆるませる作品も1本欲しかったところ。雁須磨子は次号(2/28発売)には描くみたいだけど。
そんな中でとくに良かったのは、雨宮智子「虹の彼方に」。洋モノテイストで、うまいこと謎を盛り込みつつ短編としてもきれいにまとめている。この人はバーズでもときどき良質の短編を描いている人だけど、そろそろ単行本にまとめてくれるとうれしいところだ。スズキユカ「銀の匙」はすっきりとした気持ちの良い絵柄が特徴で、わりと気になっている人。押しはもう少し欲しいかな。冬目景「幻影博覧会」。鉛筆っぽいタッチが美しい。後書きに「しばらくお休みしますが、落ち着いたらまた再開します」とあるんで、Bstreetはこれからはしばらく載らないってことなんだろう。バーズ1月号の予告にはちゃんと名前あり。
【雑誌】ヤングチャンピオン 12/12 No.24 秋田書店 B5中
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単行本1〜2巻同時発売となった作:高見広春+画:田口雅之「バトル・ロワイアル」。映画公開も近づいて絶好調に濃厚。しかしやっぱり今回の二人、中学生っていうよりホストと風俗嬢って感じだよなー。あと26人。葉月京「恋愛ジャンキー」は今回もウハウハで、かつ生殺しだー。やはり実績とボリュームのミホちゃんのほうが好みだけど、別に俺が好んでもな。
【雑誌】オースーパージャンプ 12/20 No.9 集英社 B5中
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なんか手堅くまとまったごはん系の作品が多い増刊。せっかく増刊枠なんだから、何本かはトンガった作品もあってほしいところだが。目立ってイカしてるのは、巻来功士のべったり濃い55ページ読切「迷宮魔術団」くらいかな。相変わらずムンムン濃厚。それから高見まこ「美弥の恋」では、夢谷吾郎がだいぶおっさんになってきた。それにしても見るたびに女変えますな、この人は。
かるま龍狼「人妻姫」が巻頭カラー。いつも思うけど、コメディとエロがどちらも充実。これだけきちんと両立できている人ってのもなかなか珍しい。陽気婢「内向エロス」。第3話め。前号は第1話と全然違う話になってたけど、今回はちゃんと教師+エロ漫画家である陽気婢先生の物語に戻ってて安心。えっちシーンはほとんどないけど、雰囲気的には楽しく、興味深く読める。ところで「えっちーず」シリーズは12月8日発売の5巻が最終巻になるのだそうだ。TAGRO「卒業 SEASON2」。ときどき出現する変態生理学ゼミシリーズ。今回は、変態っつってもあまり引くようなことはやってなくて、けっこう可愛らしいラブコメテイスト。ガッツーンと濃いのもいいけど、甘いのも楽しい。ラブも変態もどっちも好きだなあ。
松本耳子「フィンガートリップ」。パチンコ屋さんのバイトの女の子が、お客さんの一人にメロメロになちゃう〜というお話。この人の描くケロちゃんっぽいキャラは、けっこうイキイキしてて良い。2001年1月12日に単行本が出ることが決まった朔ユキ蔵「逆走センチメンタル少女」。シャープな線とヘンなお話で、相変わらず面白い。彼女ある男に惚れちまった女の子がヤツを待ち伏せ。「ようようあんちゃん、彼女のおまんまん触って家に帰ったらその感触の記憶を元にオナニーするであろうその手で、わいのおまんまんもいろうてみんかのう。あと、わいの書いたポエムこれじゃけ、読んでみいや」。こんな言葉遣いはしませんが、まあそんな感じのことを逆走ab(センチメンタル)少女であるところの女の子がいったりやったりする漫画です。
今回もBENNY'S「桃色西遊記」がいい。柔らかい絵柄。むっちりした女体。下品とまではいかずに、でもエロはハード。好調に推移している。この人や井ノ本リカ子は少し単行本が出てもいいと思うのだけど。森高たかし「DOOMS DAY 2000」。この人は健康的なエロが持ち味。雰囲気が明るく、実用性もちゃんとキープしていてけっこう気に入っている。
【単行本】「バトル・ロワイアル」1〜2巻 作:高見広春+画:田口雅之 秋田書店 B6
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高見広春の小説を田口雅之が漫画化……というのは今さらいうまでもないか。実写映画のほうも2001年正月に公開。
海に浮かぶ孤島にて、たった一人の勝者を決めるためクラスメート同士で殺し合いをすることを政府が課す「プログラム」。これに参加させられた少年少女たちの姿を描く本作品、小説のほうはたいへんに読みやすくエキサイティングだったが、漫画のほうは田口雅之の作風のおかげもあってギットギトに脂っこくなった。およそ中学生とは思えない、場末のバーのママかなんかかと思える女生徒やら、一杯飲み屋で日本酒をグイとやるのが似合うような気合いの入った男子生徒。これはこれで原作とはまた違った味わいがあってけっこう面白く読める。原作がハンバーガーなら、漫画はギトギトのビフテキって感じで。中でも気になるのは、第1話の扉からスカートをまくってやけに大人っぽいパンツを見せつけている相馬光子サンであろう。なんか必然性のなさそうなポーズがステキです。
【単行本】「外道ハンターX」 G.B小野寺 雄出版 A5
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世に凶悪な性犯罪がはびこると、エロ漫画が規制を受ける。そいつは困るぜやめてくれ。そんな想いが一人のエロ漫画家男子をして性犯罪者を退治する正義の味方「外道ハンターX」へと変身させる。そんなわけで女の子を襲ってはねこみみを装着させたりして楽しむ性犯罪者などを、外道ハンターXが退治する、勧善懲悪(なのであろう)痛快漫画である。全速力なスピード感、開けっぴろげな馬鹿っぷり。そんなあたりが非常にナイスで笑わす作品。外道ハンターXの必殺技であるヘンなトーンクラッシュもなかなかステキ。また、独立して単行本になってる「外道校長 東堂源三郎」もちょりっと収録。個人的にはこっちのほうがヒット率が高かった。
11/28(火)……5万リラ節
ガリンペロリーン! 「わかってまんがな」のたなかじゅんと、「ナッちゃん」のたなかじゅんって同一人物だったのね……(情報ソースは「ピエゾコミック」のマンガ家紹介のコーナーより)。「わかってまんがな」のころと比べてだいぶ絵が変わってるし、よくありそうなペンネームなんで違う人だとばかり。うーん、俺の眼力なんてアテにならんなー。
【雑誌】コミックバウンド 12/12 No.5(休刊号) エニックス B5中
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さようなら〜。というわけで早くも休刊。
太田垣康男「ボロブドゥール」や作:ピエール瀧+画:漫★画太郎「虐殺!ハートフルカンパニー」、作:森高夕次+画:藤代健「トンネル抜けたら三宅坂」、土田世紀「吉祥寺モホ面」、笠原倫「サカマン」……と、終わるのが惜しいと思える作品の名前が次々挙がる。なんだかんだいってけっこう面白い雑誌になってたのにもったいない限り。対象読者層があまりにも不明瞭だったし、売り出し方も弱かった。せめて月2でなく月刊にしとけば赤字の出る回数が半分になるのでも少しもたせられたのかもしれないけれど。
今号に関しては、休刊号ならではのヤケクソ感が目立つ作品が見られて、それはそれで面白かった。とくに「虐殺!ハートフルカンパニー」と「吉祥寺モホ面」。
いくえみ綾「朝がくる度」第2回め。なるほどなるほどと頷きつつ読む。前回の時点ではどう転がるか分からなかったけど、主人公の妹さんが大きなウエートを占めるお話になるわけですな。それにしても自然かつきれいにまとまった絵、肩を凝らせず軽快に読ませ節目節目はしっかり決めるストーリー運びなどなど、さすがにうまいなあ。吉田まゆみ「アナタになりたい」。えーと連載になるのかな。いいとこの娘さんである同級生を羨みつつ、彼女と友達であることを誇りに思っている主人公。今はいい旦那さんもいて幸福なのだが、その親友が航空機事故で死亡してから心地よかった構図が崩れ始め……といった感じでお話は展開。地に足のついたストーリー運びでしっかり読ませるお話。ビッグコミックスピリッツよりも、やっぱこっちで描いているときのほうが面白いなあ。梅田シズル「まねき猫ホワリ」。この雑誌の中では、絵的にはまだ未熟なんだけど、親しみが持てる作風でわりと楽しく読めた。
【雑誌】漫画アクション 12/12 No.50 双葉社 B5中
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ながしま超助「ぷるるんゼミナール」。出ました決めゼリフ「オッパイ大き過ぎてゴメンナサ〜イ!!」。ミスコンはむちゃくちゃだし、キャラクターの行動は無軌道だし、〆もテケトーだし、いや〜なんだかすごい漫画になってきたなあ。山本よし文「オッパイファンド」。ああ、またカミナリが鳴ってる〜。それにしてもこの本郷と一文字の「タプタプタプタプ」な叫び合いとか、ものすごく馬鹿で面白い。美女木ジャンクション「リフトUPガール」。女が男を抱え上げて腰を振る「逆駅弁」がなかなかすごいです。
【単行本】「としうえの魔女たち」1巻 むつきつとむ シュベール出版 A5
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いいねえいいねえ。ラブコメムードがとても強くて。お話としては、母親の同級生なんだけど童顔で子供っぽい、でも中身はもちろん大人な女性・小鳥さんに、高校男子な清孝がどんどん惹かれていくというラブストーリー。設定的には若干無理があるんだけど、それを吹っ飛ばすほどに女子中学生みたいな容姿の小鳥さんはかわいくて魅力的。甘くてほんのり苦いお話もいい読み心地だし。この人のラブストーリー構築力はかなりなもんです。
【単行本】「ももいろさんご」1巻 花見沢Q太郎 少年画報社 B6
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とても良い漫画です。主人公・三悟が美人三人姉妹の住む洋館に下宿。さらにバイト先の同僚で憧れの人である百合子さんも巻き込んで、甘くてヌルくてドタバタな生活が繰り広げられるってなお話。この4人の女の子が非常にかわいく、もうウッハウハ。でも読者を焦らし焦らし、サービスシーンという餌はコンスタントにまきつつ、たのしくたのしくお話は展開するのだ。ウルトラジャンプの「BWH」といい、こういう漫画描かすと花見沢Q太郎は抜群にうまいなー。あと同時収録の読切2本も良い出来。それにしてもこれ「1巻」なんすか? もう連載は終わったのだとばかり。
【単行本】「水野純子のヘンゼル&グレーテル」 水野純子 光進社 A5
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かわいー。病的にかわいー。というわけで水野純子ひさびさの単行本。しかも描き下ろしだ。この話は、なんでも食べちゃう化物に操られた街の人々や両親を救うため、ちょいと乱暴なスケバン娘・グレーテルねえちゃんと、弱っちいけど声がやたらデカい弟のヘンゼルくんが大活躍するお話だよ。隅から隅まで完成されたかわいさを誇る絵柄と道具立て、独自のリズムを持った軽快なノリで一気に読ませる。眺めてるだけでも楽しいのに、読んでもイケるのだからかなり強い。たいへん面白うございました。
【単行本】「うさぎちゃんでCue!!」2巻 佐野タカシ 少年画報社 B6
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最終巻。この巻は佐野タカシにしてはパンチラが少なめな印象で(つっても通常の3倍くらいチラーリしているのだが)、シリアスな展開が多くなっている。ちと物語的に急いで片付けてしまった感じはあるかな。もう少し、寄り道してサービスシーンを多くしながらノリノリでイケてたらより良かったと思うのだけど。
【単行本】「テレビばかり見てると馬鹿になる」 山本直樹 太田出版 A5
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MANGA Fコミックス第1弾。MANGA F、エロティクス、スーパージャンプ、漫画アクションに掲載された作品を収録した短編集。内容的にはいかにも山本直樹。必要最低限にして必要十二分な線により描かれたエロシーンは、かっこよく、かつとてもエロい。現実と非現実の境界線がしだいにあいまいになっていくような作品構成も手慣れたもの。山本直樹にとっては「手慣れたもの」とはいえ、コレを山本直樹レベルでやれる人なんて、まずいないだろうと思われる。やはりワンアンドオンリーな作家である。近日中に山本直樹ページのほうでも少し詳しく書く予定なので本日はここまで。
【単行本】「ゴリラーマン」全19巻 ハロルド作石 講談社 B6
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一気読み。雑誌では読んでたけど、単行本で読むのは初めて。
まったく喋らず何を考えてるんだかも分からないけれど最強な転校生、池戸(通称:ゴリラーマン)を中心にした、ウダウダ日常系の不良系漫画。彼らの頭悪げでかつマターリした非常に楽しそうな学園生活を描いている。などとまあ堅苦しい言葉はここまでとして、読み返してみて改めておもしれーなーと思う。端々で効き目を発揮してる細かいギャグ(ときに妙にマニアックだったりする)とか、ゴリラーマンの顔面パワーとか。ゴリラーマンの、表情はまったく変わらないけどむちゃくちゃダイナミックなアクションも痛快至極。しかも、学園青春友情モノと見ても実はかなりよくできてたりする。第1巻が1989年発行だけど、今もってちゃーんと面白く読める。長く続いてたのはダテじゃない。
11/27(月)……凄rock
ふむふむ。コミックアイズもWebから定期購読申し込みできるようになった模様。集英社はけっこうここらへん意欲的に進めているようだ。次は別マとコーラスあたりでやってくれるとうれしい。
あと、新刊単行本は以下の3冊を購入。
【単行本】「うさぎちゃんでCue!!」2巻 佐野タカシ 少年画報社 B6
【単行本】「テレビばかり見てると馬鹿になる」 山本直樹 太田出版 A5
【単行本】「藤子・F・不二雄 SF短編 PERFECT版5 メフィスト惨歌」 藤子・F・不二雄 小学館 A5
【雑誌】ヤングキング 12/18 No.24 少年画報社 B5中
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宮尾岳「並木橋通りアオバ自転車店」。身体の弱い妹と、優しいお兄ちゃんの心暖まる物語。コンスタントに後味の良いお話を描いている。いい仕事してますなあ。大石まさる「りんちゃんクッキーのひみつ」。この料理ってやっぱり大石まさるが実際に作ってるのだろうか。料理の写真がも少しおいしそうに掲載されるといいんだけどなあ。ヤングキング新人賞受賞作家、角沢大輔「Come'z Kassy」。うわー。こりゃなんとも個性的な絵柄だなあ。美人数学女教師の鮮やかな授業風景って感じの漫画なのだが。やたら利きまくったパース、美人であるはずの先生のギラギラした目、目立つ歯茎、蝋細工みたいな質感を感じさせる肌など、話が明るいものでなかったら正直怖いと思う。コマ割りや構図も特徴的だし、かなり特殊な作風。ただ、エネルギーはビシバシあふれているので、この過剰さを生かせば一部読者層の心に激しくヒットする作品を描いてきそうな感じもする。
【雑誌】週刊少年ジャンプ 12/11 No.52 集英社 B5平
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作:ほったゆみ+画:小畑健「ヒカルの碁」。先週は盛り上がっていていいな、と思っていたのだけど、勝負シーンはもっとはしょらないで描いてほしいなあ。読者としては、「丁々発止の勝負」がそれなりのボリューム感をもって展開されていれば碁の内容は分からないにしてもそれなりの満足感は得られると思うのだけど。逆にないとやっぱりもの足らなく感じてしまう。10/16の日記でも似たようなこと書いたけど、そういう意味では現在は一つのヤマであり正念場であるともいえそう。ここをどのようにしのいで、さらなる盛り上がりにつなげていくかが腕の見せどころ。尾玉なみえ「純情パイン」。今回も良し。きしょい男子とひどい女子。いいコントラストだ。
【雑誌】ヤングマガジン 12/11 No.52 講談社 B5中
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みんなであそぼうエリートヤンキー三郎すごろく。というわけでピンナップでソレが付いてます。12月に単行本2冊(「クーデタークラブ」1巻と「サオリ」)発売が決まった松本光司の「クーデタークラブ」。今回も例の「ドキッドキッ」心臓音で盛り上げ、強いヒキをもって以下次号。読ませる力が強くて面白いなあ。東和広「ユキポンのお仕事」。ユキポンの家庭教師先のエロ小学生がかなり病んだ人間になってて楽しい。MEE「トレジャーハンター楓 栄華の碑」後編。やはり見どころは、ぷりっぷりむちむちな、お乳とか太ももとか。身体全体にボリューム感があって、目に映えます。
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 12/11 No.52 小学館 B5中
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吉野朔実「瞳子」が掲載。今回で最終回。ハッピーでもなくアンハッピーでもなく、現在の心地よいポジションを保ったままきれいにエンド。読後感がサッパリしてて、これまでの流れから考えても似つかわしいラストだったように思う。邊炳俊「新日マンション201号」は、第110回スピリッツ賞入選作で、韓国人作家による作品。一人暮らしの男の部屋のムサさを感じさせる作画はなかなか達者で、作品としても十分読みやすいと思う。なんとなく韓国人作家の漫画って、今まで読んだものは、リズムが日本人作家のと違うなーという感じを受けるものが多かったけど、これはそういった違和感はあまり感じなかった。ストーリーだが、漫画家の男が、部屋にあるものを傷つけると、現実のその対象物も傷ついてしまうという状況を描いている。例えば部屋に貼ってあるボクシングのチャンピオンの写真の目のところにダーツを刺したら、実際のそのチャンピオンが失明したというニュースがテレビで流れるといった具合。ちょっと皮肉な味わいを持った作品。まとまっていて良かったが、もう一押し、もう一ヒネリなんか刺激があるとより良いかな。SFショートっぽい話としてはわりとありがちな感じもするので。
秋重学が掲載されていたので購入。タイトルは「リーダー」。バンドのメンバーが麻雀をやってはいるんだけど、麻雀の勝負についてはあまり重きはおかれていない。麻雀漫画というより、バンドマン青春漫画。こういう青春くさい話をきっちりまとめる腕前はさすがって感じ。
天竺浪人の50ページ読切シリーズがすごく面白い。今回のタイトルは「峠」。目立たずに大学生活を送っていた男が昔から繰り返し見る夢。その中にいつも出てきていた女(それは時間とともに成長していく)が、大学に入ってまさに眼前に現れる。夢の中の姿と寸分変わらぬ彼女は、美人で、他を寄せつけぬ雰囲気を持っていたが、実際につきあってみると案外話せるヤツだった。男が夢の話を打ち明けると彼女も興味を示し、催眠術による時間逆行で忘れてしまっていた記憶をたどっていこうということになるが……という話。まずなんといってもヒロインの女性が魅力的だ。芯の強い、凜とした美しさがあって。さらに過去へと記憶を遡っていく過程も、順を追って読ませる。エロもシッカリしていて、総合力が非常に高い。作品レベルがコンスタントに高いのも素晴らしいところ。エロ系のフィールドでは、図抜けた語り手といっていいと思う。
吉田蛇作「変態家族DX」。この人、最近わりと目につくんだけど、けっこう好き。肉付きのいいぷりぷりしたキャラにはちゃんと独自の味があるし、エロもコメディもちゃんとこなしている。突出してはいないんだけど、いつもいい仕事してるな〜という印象。三部敬「痩せたトタン屋根の猫」は、ラスト4ページのカラーが美しくて印象的。お話も後味良く、きれいにまとまっている。上月まんまる「アスファルトの体温」。なんかちょっと画風変えたかな。この人、器用でとてもうまい人なんだけど、今回の絵柄もいい感じ。ちょっと、昔のまなべゆうとかのタッチを思い出したりもする。もっとメジャーなフィールドでもやっていける人かもしらん。
【雑誌】コミックピンキィ 1月号 オークラ出版 B5中
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舞登志郎「メジャーデビューへの道」が単行本化決定したらしい。これはうれしい。エロじゃあないけど、奇妙にアツくて、奇妙に抜けてるところが楽しい作品だ。ところで今回の「メジャーデビューへの道」はこれまた思いもよらない展開になってて面白いですわい。このほかでは魔道うに「ガラスの約束」は、ぽっちゃりしためがねっ娘が可愛くて良かった。地味めな感じの顔立ちがほっとする味わい。
ところで読者コーナーである「鼻毛王国」の編集部内輪漫画内に鳥肌実が出没してるんだけど……。とうか、この読者コーナー担当者の人(IKKAN)って、ガロで鳥肌実特集書いた人なのね。なるほど。
【雑誌】MEN'Sドルフィン VOL,17 司書房 B5中
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火野聡司「メルヘンブルグの若奥さま」は、なんかまた絵が変わったかな。よりデフォルメが利いてぐにゃぐにゃになってきた感じ。やりまくりな奥様とメイドの、ドタバタハチャメチャエロコメディで、ノリがいいし、エロもけっこう充実していて良い。桂よしひろ「ねえ、ちゃんとおフロ入った?」。かなり器用でうまい人だが、濃いエロもちゃんとこなせて芸風が広い。今回はちょっと暗めでエロはハードに。父母を亡くし、弟のために身体をいやらしいおじの凌辱にまかせ、さらに身体を売る姉のお話。この人は技量は確かなものがあるが、一歩間違うと器用貧乏になってしまうような気もするので、まとまった話が作れる力が身についてくれば、と思う。うさぎのたまご「いけない妹」。この人の作品はわきゃわきゃ楽しいノリと、明るい絵柄でありながら実は濃いエロが特徴。今回はお得意の妹ネタということで、またしてもノリノリ。司書房系の若手ではかなり気に入っている作家さんの一人。そういえばうさぎのたまごって、ときどきコットンコミックの読者コーナーに投稿しているのを見かけるような。
11/26(日)……ムシシでバシシでバクシーシ
う、今日は東大の駒場祭で砂×古屋兎丸のトークショーがある日だったのだ……。行きそびれた……。
そんなわけで鬱だヒキコ。家から出ないでもできること、ということで2000年12月21日ごろ発売予定の花輪和一豪華単行本「ニッポン昔話」がWeb(http://www.bigcomics.shogakukan.co.jp/)で予約可能らしいので予約してみた。たぶん本屋でも買えるだろうけど、重そうだし、確実に入手できないとイヤなんで宅急便のほうがええかなと思ったしだい。でも宅急便だと代引きでしか買えないというのはちょっとやっかいだな。まあ書店受け取りもできるけど。12月5日(火)までに予約すると発売日ごろに到着するとのこと。
なんでもこの単行本、限定5000部の1冊1冊すべてに「肉筆サイン入り護符」が付き、さらにシリアルナンバーも肉筆らしい。1冊1冊すべてにサイン入れたり、番号書いたりしている花輪先生。想像するだにいい光景だ。ミンナデヨヤークヨヤーク!
志村志保子「わたしが月曜日に欲しかったモノ」が掲載。眼鏡っ娘である将棋少女の、ちょっと切ない乙女心を描いた作品。短いながらもきれいにまとまっていてうまい。
【雑誌】CUTiE comic 1月号 宝島社 B5平
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オーツカヒロキ「アトミックパンチ!!」が新連載。かっちょいい男子と、雑魚的でちっとも相手にされずうざったがられている女子。女子がひたすらかっこ悪くジタバタしているとき、天から何者かが……。といった出だし。一瞬、いくえみ綾「ハニバニ!」を思い出したりも。オーツカヒロキの絵は、カラーでもモノクロでも、線に勢いがあって塗りにメリハリがあるので目に映える。羽海野チカ「ハチミツとクローバー」。はぐちゃんも、ただコロポックルであるわけでなく、いろいろと心の中は騒いでいるのだ、というわけでちょっと切ない。それから今月号では、コダマユキ「さくらんぼうの宴」がとても良かった。若い夫婦が、家の前に金とともに捨てられていた、動くこともできない口もきけない寝た切り老人を拾い、そのまま世話をすることになる。自分が子供を生めないかもしれないということを気にしていた女のほうは、この老人をすごく気に入り「おじじ」と呼び、まるで自分の赤ん坊のように何くれとなく世話を焼くようになる。捨て老人という題材自体かなりインパクトが強いが、それを拾った二人の気持ちとうまい具合にからませて、ちょっとほろりとさせるいいお話に仕上げていく手際はとても見事だった。おじじが唯一笑うシーンなんて、味わい深くて実にいいなあ。
津田雅美「彼氏彼女の事情」。今回はもう完全に一馬が中心のお話になっていて、あんまし女の子は出てこない。それでもきゃいきゃいと楽しそう。田中メカ「お迎えです。」。絵もお話もキレイにまとまっているなあ。軽やかでかわいい恋物語になっていて、読後感よろし。小林まさみ「おまけの小林くん」。うーん、すごくドタバタ学園ラブコメしている! これをドタバタ学園ラブコメと呼ばずして何を、というくらい。とても楽しく、華やかでいいですなあ。あと筑波さくら「目隠しの国」は、ラブラブいちゃいちゃモードにちょっと暗雲、という感じになっていてさあどうなる。
【雑誌】別冊YOUNG YOU 12/30 集英社 B5平
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特集は「今世紀中になんとか幸せをつかむ!!」。うおー、ギラギラしてまんなあ。別冊YOUNG YOUは、YOUNG YOU本誌に比べてだいぶ落ちる印象なので買ったり買わなかったりなのだけど、今号は架月弥が掲載されてるんで迷わず購入。読み切りで47ページとボリュームもあり。タイトルは「ワークブック2001」。美人でゴージャスな姉にコンプレックスを持っていて、自分の恋がうまくいかないのも、そのコンプレックスのせいなのかしらんとか考えている女の子が主人公。このヒロイン、なんかいろいろ思い込んでは突っ走ってかなり面倒くさい人であり、その感情の振幅に合わせて物語もふらふら。それでもなんだかずいずい読ませてしまうあたりが架月弥の不思議な魅力。きれいなんだけどユルい作画が、毎度うまいこと作用している。あと内田春菊の新連載「解決はしません」。こちらはFEEL YOUNG掲載作品に負けないくらい、いやーな雰囲気を持ったお話。なんといっても「サイコ・ラブ・ストーリー」と銘打たれているし。お話としては、派手で遊んでいるように見えるけれども、頼れる人のいない孤独な女性が主人公。彼女が、とくに肉体的な異常はないのに、突如呼吸が苦しくなるという症状を発するようになってしまい、頼れる人がいないという状況がより重くのしかかってくるようになる……というところで第1話終了。かなりハードな読みごたえを持った作品になりそう(というかもうなってる)。しかもタイトルからして解決しないらしいし。
【単行本】「ブザー、シグナルゴーホーム」 志村志保子 講談社 新書判
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鮮やかに洗練された、とてもよくできた少女漫画という印象を受けた。この作品集には4本の短編が収録されているのだけど、そのどれもが繊細で丁寧な作りで面白く読める。とくに気に入ったのが、自分の父親と結婚したがっている不倫相手とともに、少年が星を見るため内緒で遠出をする「星ばかり見ていた」。星空の高みから柔らかく着地していくような、締めくくり方がとてもうまい。絵的には、ひまわり畑に立つ少年少女が印象的な「ランゲルハンス島まで」も良し。上のほうで書いたけど、志村志保子はCookieの今月号に描いていたので好きな人はチェック〜とか思ったのだった。
いい作品だなあよくできているなあ、と素直に思える作品。動物や植物といった進化の高位にあるものどもとは違い、より進化のおおもとに近い生命の原生体に近いもの、「蟲」。それらが起こすさまざまな現象に対処することを生業とする「蟲師」の目を通して語られる、不思議な物語。舞台はだいたい日本の山奥の村々。人の世界と自然の境界線。漆原友紀の丁寧な描線は、うっそうとした木々や土、日本の田舎、木造家屋、山々の闇の中にいかにもありそうな、素敵にミステリアスなものどもを、とても美しく描き出す。そして物語もこれがまたとてもきれい。蟲の話から入りながら、それに関わる人々の美しい思い出や切なる想いを丹念に語っていく。絵もそうだけど、話作り、それから物語全体の雰囲気作りがすごーく丁寧で、大事に大事に取り扱いたくなる。
【単行本】「ミルフィーユ」 古泉智浩 青林工藝舎 A5
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恋愛とセックスの作品集なのだそうだ。古泉智浩の絵は、なにやら生ぬるい空気を思わせる、適度なだるさがあるのだが、この野暮ったい絵でありながらちゃんと恋愛物語になっているのは驚きだ。甘ったるくもなく、苦くもなく、でも生っぽい。描かれているのが美男美女でなく、なんかホントにどこにでもいそうなかっこよくない奴らばかりだからというのもあろうけれども、これは古泉智浩世界に漂う独身男部屋的な匂いのする空気がなせるワザでもあるのだろう。この単行本の後半に収録されている人魚シリーズ3作なんかはしっかり切なくて後味もいい。オシャレな絵でなくても恋愛はイケるのだ。
【単行本】「アンファン・テリブル」1巻 作:相田公平+画:佐藤久文 集英社 B6
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ヤングジャンプで月イチで連載されているシリーズ。「アンファン・テリブル」というと、要するに「恐るべき子どもたち」くらいな意味だが、ここで描かれる少年少女たちはだいたいまあ中学生高校生くらい。その彼らが、ときにはクラスメイト同士で殺し合ったり、外部の者を冷酷に翻弄したりする。とはいえ、「理由もなく」「すぐキレる子供たち」だけが描かれているわけではない。命のやりとりの合間に少年少女の恋的感情が描かれたりして、別に子供だからといって異生物的なものと決めつけるばかりではないのだ。それだけに血がどくどく流れる殺害シーンとかはよりショッキングになるわけなのだけれども。この作品、トリッキーなストーリーもよくできているのだが、佐藤久文の、沙村広明、冬目景、奥瀬サキといったところを思わせるような、シャープで達者な作画の力はやはりデカい。下手な人が描くとともすれば安くなりがちなネタを、皮肉でクールなタダの殺し合いゲームだけに終わらせない高いクオリティがある。アクションシーンや残虐シーンだけでなく、純粋に美しいシーンなどもすごくうまく描ける高い技量を持った人なんで、原作付きでない、この人単体の作品も読んでみたいな、と思う。
11/24(金)〜25(土)……3か9
なんとなく酒欲が高まっていたこともあり、仕事帰りにちょろーりと一杯、というのを突発的、かつ無性にやりたくなって職場がわりと近めであるサイトウマサトクさんに声をかけ、その後、ムネカタさん、LZDさん、らンさん、YASUさんにもご足労いただいて渋谷で始まった呑み。個人的には2時間くらいさっとひっかけて帰るってな感じのものと考えていたのだけど、その目論見をぶち壊しにし、結局朝までコースに突入してしまった責任の大半は、やはり自分にあるのだろうなあと反省。結局深夜まで渋谷で、アルコール度数75.5度のレモンハートデメララをゴクーリと呑んだり落書きしたりして、その後タクシーで池袋へGO。サイトウマサトク亭に押しかけ、インターネットしたりいろいろと朝まで。途中から記憶が途切れ気味なのだけど、ムネカタ日記を読むに、どうもまたろくでもなかったようでたいへん申し訳ありませぬ。
とまあ今回は失敗してしまったのだけど、職場が近い人と仕事帰りに突発的にちょろーり呑みというのは、また機会を捕まえてときどきやりたいな、とか思ってるんです。今度はちゃんとしますのでよろしくお願いします。>一緒に呑みに行ってくれそうな方々
そんなことをしながら、まあそれなりに買い物も。感想書いたもの以外だと以下のようなものを購入。
【雑誌】Cookie 1月号 集英社 B5平
【雑誌】CUTiE comic 1月号 宝島社 B5平
【雑誌】LaLa 1月号 白泉社 B5平
【雑誌】別冊YOUNG YOU 12/30 集英社 B5平
【単行本】「ブザー、シグナルゴーホーム」 志村志保子 講談社 新書判
【単行本】「蟲師」1巻 漆原友紀 講談社 B6
【単行本】「ミルフィーユ」 古泉智浩 青林工藝舎 A5
女の子が表紙だと華やかだなあ。というわけで今月は、富沢ひとし「ミルククローゼット」が表紙。「ミルククローゼット」のほうは、ようやくにしてタイトルの意味するところが垣間見え始めてきた。そろそろクライマックスが近くなってきたのかな? あさりよしとお久々登場、新連載のタイトルは「細腕三畳記」。なんだかオムニバス連載になるようで、今回はペットとして猫を飼うことになっていたのに、なぜか三葉虫が家にいてガックリな女の子のお話。個人的には猫より三葉虫のほうが面白そうな気はするのだけど。ああ、そういえばカブトエビ。飼育キット飼ったまま、まだ孵化させてないや。ひぐちアサ「ヤサシイワタシ」も新連載。大学写真部在籍の、面倒な女と無口な男。女はいろいろ騒がしくてうかつで厄介で。でも夢は見る。それだけに迷惑でもあり。主人公の性格にまとまりがないだけに、物語のほうも、なかなか忙しくなっていきそうな感じだ。
桜玉吉「なぁゲームをやろうじゃないか!!」。今回はチョコ玉子食いまくり。ハマってますなあ。なんかこういうのを見せられると、俺も始めたくなっちゃったりして、ヤバいなとか思ったり。黒田硫黄「茄子」。今回はこれまでのオヤジではなく、中学生さんが主人公。男子はバカで単純で、女の子はズバッと印象的に。日常生活の描写が抜群にうまくて、さっすがだなあと思わせる。落とし方もやはり素晴らしい。ごく自然な描写がビシッとハマるってのは強いなあ。木尾士目「五年生」は今月で最終回。もっと悪意あるいやーなラストにするかと思ったけど、案外爽やかに。まあこのくらいがちょうどいいバランスなのかもしれない。小田ひで次「クーの世界」も第2部最終回。こちらもきれいな締めくくり。これ以上ないくらい作画は丁寧だし、きちんとファンタジーしてたし、やはり小田ひで次はいいもの描くなあといった感じ。次もまたすごいのをひっさげて登場していただきたい。四季賞2000年秋のコンテストで池上遼一特別賞を受賞したマナベウミ「ニュー・レインボー」は、きれいに完成したファンタジーテイストの作画・話作りが持ち味。雰囲気作りはかなり秀逸だと思う。ただお話、とくにオチはフツーすぎるのでも少しヒネりは欲しい。ただ、作風は完全に完成されててこれ以上はあんまりのびしろがなさそうな人だし、どこか掲載誌を選んですぐにでも定期的に仕事してったほうがいいタイプって気がする。
【雑誌】エクストラビージャン 1/5 集英社 B5中
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今回の目玉は、町田ひらく「めすいぬのむすめ」が掲載されていることかな。絵本作家と挿絵画家。それぞれの、「今思い出しても泣いてしまう子供時代に読んだ童話の思い出」。そのイメージを、大人になった二人の現状やセックスとうまい具合にからめ合わせて、実にかっこよく物語を作っている。セリフや事物の配置の仕方、料理っぷりが実に見事でイカしてるなあ。菅原あつし「常野物語」は、見たものをそっくりそのままに記憶できる「しまう」能力を持つ一族を描く、恩田陸「光の帝国」を原作とする物語。一挙84ページ掲載である。すべてをそのまま記憶できてしまうという特殊能力を持っているということは、幸福なのか不幸なのか。読みごたえもあるしなかなか面白いけど、これが原作と比べてどのくらいの出来なのかは、原作読んでないのでよく分からない。恩田陸はそのうち読もう読もうと思っていつつ読んでないので、ますます「読まなくちゃ」という気持ちが強まってきた。読むぞ。そのうち。
巻頭カラーの新連載、名香智子「パンドラ★パニック」。いいですな。王家の世間知らずなお姫様・パンドラが近隣諸国の貴公子が集まっている大学に入学。そんでもって見目うるわしき青年もいろいろ登場するのだが、パンドラが恋に落ちてしまった相手はなんと……といった感じでお話がスタート。お姫様の世間知らずなおっとりっぷり、天然ボケっぷりが上流上流してて見てて楽しい。波津彬子「ローランドの遺産」後編。面白かった。上品ではつらつとしたお嬢さま。美しい思い出。そして恋。上品で、ちょっとミステリアスで、軽やか鮮やか。お話もきれいでよくまとまっている。
「3大フレッシュ読切競演」と題された企画で、たなか友基「ふぇいくぱっど」、佐伯淳一「友だちが降ってきた日」、ゴツボ*リュウジ「JET!侍」が掲載。この中ではお話的には「友だちが降ってきた」がわりと良い。空から落ちてきた宇宙人の女の子を拾った、幼馴染み同士なカップル。二人は短い間だったが、宇宙人の彼女とおともだちになるも、別れのときがやってきて……という感じ。爽やかキレイな締めくくり。あと「ふぇいくぱっど」のほうは、風味的に吉崎観音っぽいかな。女の子がかわいめでラブっちいのが長所。
【雑誌】ビッグコミックスペリオール 12/8 No.25 小学館 B5中
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作:久部緑郎+画:河井単「ラーメン発見伝」。今回は各地のラーメンについてインターネットのホームページを開設し、レビューしている素人批評家のお話。ジャンルは違えど似たようなことをしている人間としてはなかなかドキッとするようなネタですな。東陽片岡「お三十路の町」。ああええ話だ。毎日、東大の敷地で拾ってきたぎんなんしか食わないで暮らしている姉妹のお話なのだが、情けなさとかやる気なさが絶妙で、読んでて妙に休まるものがある。
それと、次号から太田垣康男の新連載「MOONLIGHT MILE」が始まるそうだ。これがどうやら宇宙モノであるらしい。やはりこれから宇宙モノが来る。っていうか来て。
【雑誌】ヤングアニマル 12/8 No.23 白泉社 B5中
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三浦建太郎「ベルセルク」。かなりすごい勢いで盛り上がっている。群衆の魂が一つ方向に向かって終結していくさまは、ボリューム感があって迫力満点。大きな物語ならではの興奮を味わわせてくれる。文月晃「藍より青し」。今回の話もラブラブしてて良いのだが、やはり期待は次号。きましたきましたクリスマス特別篇。昨年のクリスマスもかなり素晴らしくベタなことやってくれたので、今回も一発お願いしたい。二宮ひかる「ハネムーンサラダ」。うーん、今回はまた色っぽくていいなあ。一回した後の「やだ下りてくる!」にかなりソソられた。キレイでしっとりしてかつH。
【単行本】「カスミ伝Δ」1巻 唐沢なをき 講談社 B6
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くノ一カスミが帰ってきた!! というわけで今度の「カスミ伝」シリーズ最新作である「カスミ伝△」(かすみでんさんかく)は講談社のマガジンZが舞台。漫画のお約束を逆手にとった実験的なアレコレをギャグとして利用しまくるのが特徴のこのシリーズだが、やっぱりそれは△でも健在。具体的にそれがどういうものかというと……うー、ネタばらしになってしまうので書けねえ書けねえ。ただ個人的にちと思うのは、実験ギャグのキレは、とりあえず1巻を読んだ時点ではイマイチかな、ということ。安定感はあるのだけど、やはり唐沢なをきだけにもっともっとすごいのを期待してしまうのだった。
唐沢なをきページのほうも更新。
【単行本】「パラノイアストリート」1巻 駕籠真太郎 メディアファクトリー A5
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駕籠真太郎が一般青年誌に進出。しかも月刊連載である。コミックフラッパー連載のこの作品は、住人の2人に1人が探偵であるところの町に嫌気が差し、放浪の旅に出ることにした「渡り鳥探偵」黒田が、助手とともに各地に赴いては事件に巻き込まれるというお話である。といっても駕籠真太郎作品だけに、普通の探偵モノに終始するわけがない。黒田の赴く地は、すべてのものを計測器の測定結果によって決めるところだったり、住民がすべて逆さになって生活しているところだったり、なんでもかんでも接着する町だったり。そのように町ごとに一つ、ガシッとルールが定められていて、それをひねくりねじくりして異様なシチュエーションを作り上げ、遊び倒している。それにしても、よくもまあこういうネタが次から次へと出てくるものだ。
この作品において特徴的なのが、駕籠真太郎としては珍しく、黒田という、読者視点に立ったツッコミ役がいるということだ。これまでの駕籠作品の場合、ツッコミ不在でえんえんボケまくるというのが多かった。あえてツッコミを用意せずついて来れるものだけついて来いというスタイルもカッコイイのだが、今回は一般青年誌連載ということも考慮して、あえて分かりやすい構造とした模様だ。臓物をぶちまけるとかのグロ描写もこの作品についてはさほどないので、そういうのは苦手という人にも読みやすくなっている。というわけで今までの作品と比べても間口が広く、駕籠真太郎入門用にちょうどいい作品となっている。といっても内容が浅くなるなんてことはなく、軽妙なギャグに関してはこの作品でも切れ味抜群でとても滑稽で面白い。異常なルールによって縛られた世界を用意し、そのルールを利用してさまざまなギャグを生み出していくという意味において、構造的には「駅前シリーズ」によく似ているともいえる。
駕籠真太郎ページも更新。
【単行本】「串やきP」1巻 SABE メディアファクトリー A5
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コミックフラッパー(メディアファクトリー)掲載作品。SABEページも更新。
新たな安住の地を求めて、家族の待つ北極を離れ、海へ出ようとしたオオウミガラス。だが海は甘くなく、シャチに追われた彼は、ほうほうのていで日本のどことも知れぬ岸辺に流れ着く。その後、アワビ密猟帰りのあやしい人間の女に囚われたオオウミガラスは、羽の部分にペンギンの剥製の羽を装着され、「変なペンギン」として生きていけといわれる。オオウミガラスとしてのアイデンティティを失い、家族のもとへは帰れない。失意の彼は、やがて動物好きな兄妹に拾われ、「串P」という名前をつけられペンギンとして暮らしていくようになる……。
とか書いちゃうとタダのかわいそうなペンギンの話みたいなんだけどね。これがまたやっぱりフツーのお話に終わらるわきゃないのがSABEってもんで。オオウミガラスとして生きることができなくなった串Pは、生きていくうえでの目標を失い、ただ闘うことのみに生きがいを見出す者へと変貌していく。んでもって、付近のペットたちを植えつけられた羽で斬殺する、破壊者となっていくのだ。デパートの屋上のオーストラリア展で日本に連れられてきたカンガルーとの息を飲む凄絶なバトル。なんとまあ、これがどうやら動物格闘モノとして進んでいってしまうのだ。
この作品において特筆すべきは串Pの目。いかにもペンギンでございといったかわいらしさはなく、光を失い常に血を求めてギョロギョロしている。ペットのくせにこれだけテンパッてるっていうのはかなりな迫力だ。それから最初に出てきた密猟女。これもかなり動物に対して歪んだ感情を抱いているようで、串Pが戦闘マシンとして目覚めていくのをうれしそうに見つめる目つきはかなりヤバい。ちなみに串Pの飼い主である兄妹もそれぞれにヘンで、とくに兄のテンションの高さはかなり異様である。
これ書いている時点ではまだ1巻段階なのだが、これからどんなふうに串Pは闘っていくのか、そして異様な世界を見せてくれるのか。とても楽しみである。
【単行本】「なるたる」6巻 鬼頭莫宏 講談社 B6
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もちろん物語はまだまだ続くけれども、いちおうこの巻にてシイナの小学生編は終わり、第一部も完結。全貌をまだ見せないまま、情勢は破滅方向へ向かってごろごろ加速度をつけて転がっていっている。今回は女の子たちが陰湿なイジメを受けたり、その報復でイジメ相手が惨殺されたりと、たいへんいっやーな後味を残してくれるようなエピソードが多い。これはけっこうひいちゃう人も多かろう。鬼頭莫宏の描くこういうシーンの描写は、たいへんねちこくてエロい。そういう性的な匂いがするからこそ、より抵抗を感じちゃう可能性もあるかな。個人的には、ビリビリするような刺激の強い後味の悪さというのは好きなので、面白く読めた。
11/23(木)……30ansキの皮算用
ぐわっ。また夕方まで寝ちまった! っつーわけで地元の本屋さんにしか行けなかったのだけど、この本屋が会社の近くにあるのと同じ系列であるためか、昨日買い逃した単行本はまた買えず。悔しいので「警視総監アサミ」でも読もう。
【単行本】「警視総監アサミ」1〜2巻 作:近藤雅之+画:有賀照人 B6
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婦警アサミの奮闘記。……などと書くと白々しいやね。えーとつまりこの漫画は、婦警さんがエッチなことをする作品です。いちおう事件っぽいことが起きて、それを解決するためにアサミやら、その同僚やらが奔走するんだけど、それとはまったく関係ないかのように、そして事件よりも重要であるかのように、アサミの先輩である萬田警部補が白タキシード上司にフェラチオしたり泡踊りしたりパイズリしたり。雑誌(ビジネスジャンプ)掲載時からたいそうなインパクトを受け続けていたので、単行本で読み返すとインパクトが弱まり気味なのだが、とにかく唐突で強引で、本来物語上は賑やかし程度のポジションしか占めていないエロが、カンペキに作品を占領してしまうノリに呆気にとられることには変わりなし。でもやっぱコレ、雑誌読み作品だよね。なんか事件が起こったぞ〜とか思って、まあいつものとおりやたら強引にエロシーンをぶちまけ、次号でなんかあるかと思って2週間後に読んでみたら、まったく伏線もなくあっさり事件解決。あまりの歯ごたえのなさに驚くとともに、ああ、これはまったくエロシーンのためだけに作られた事件だったのだなあ、いやそれならこんな事件にしなくても良かろうに、とかさまざまな感慨に満たされてしまう。途中に2週間入ることによって、よりそのショックが増大すると思うのであります。それにしてもこんなの警視総監にするような日本はダメだぁ!(なるんかいな、ホントに)
【単行本】「DAY DREAM BELIEVER」全2巻 福島聡 講談社 B6
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モーニング掲載作品で、2巻同時発売。最近講談社は2冊同時パターンが増えてるね。
昼は博物館の学芸員、夜は娼婦。そんな二重生活を送っていたヒロイン・日下部霞。古代の遺跡の土偶に記されていた紋様と同じ形のアザを持つ彼女に、怪しげな男が近づいていく。彼がいうには、カスミは何やら不思議な超能力を持っているらしいのだが。そしてこの男・依田、それからもう一人の能力者・比留間が手を組むことになり、3人で銀行を襲い、さらに物語はどこへとも知れず疾走していく。
お話としては正直なところ、作者の目指す地点まで行けていたのかどうかはよく分からない。中途半端にも見えるし計算されたラストにも見える。まあカスミたちの能力が何で、土偶との関係がどうなのかみたいなところが全然語られてないところから見て、もっと膨らませるはずの話だったんではないかとは思うけれども。それにしても改めて読んでみて、漫画的技術のうまさにほれぼれし直す。迷いがなく確信を持って惹かれた線、構図どりのうまさ、印象に残るポーズ、そして表情。セリフ回しも思わせぶりで実に巧みだ。例えばヒロインのカスミ一人を取り上げてみても、色っぽさ、いたずらっぽさ、ずるがしこさ、素直さ、荒々しさ、快活さなどなどの要素を、場面場面でしっかり描き分けており、表現の幅はとても広い。すんごいモノを描けそうな気配がぷんぷんしているだけに、再登場を首を長くして待ちたい。
【単行本】「ディスコミュニケーション精霊編」3巻 植芝理一 講談社 B6
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これにて長らく続いた「ディスコミュニケーション」も完結。最後のほうは、夢使いであるところの三島塔子・燐子の姉妹がメインとなり、ちょいと京極夏彦の影響を受けてるのかな〜、って感じの、「人はどうして誰かを好きなるのか」といった物語の根本テーマに迫る謎解き的な物語になっていった。物語が盛り上がっていくにつれ、三島姉妹が変型したり、扉ページがぶち抜きで派手になっていったりと、表現上の思いっ切りの良さが目立ってきて、また面白くなっていった。精霊編のノリノリの楽しさは相当なもんで、かなり良かった。このシリーズ、最初の奴、冥界編、学園編、精霊編と続いてきたが、まあ正直言うと長くしすぎた感はある。「ディスコミュニケーション」の枠組みで全部をやるのではなく、何本かの作品に分けちゃっても良かったんでは、とかも思うのだけれど、それだけネタをいっぱいぶっこんでたってことだし、終わりが良かったのでまあいっかーという気持ちがあるのも事実。
次回作は三島姉妹が完全にメインとなった「夢使い」。きっとこっちを描いているほうが、松笛、戸川のつかみ所のない二人を描くより楽しくなっちゃったんでは。ともあれ、この人の良さはがちゃがちゃと画面を埋め尽くしているときとかの抜群の楽しさにある。その楽しさをより押し出すためにも、次作はノリノリでブレーキをかけずに突っ走っていってほしい。
人生まで賭けてしまう、熱き勝負師の血が流れた家族たちの生き様を描く物語。じたばた汗臭く生きる人間を描く腕前は抜群な人だけに、この作品もぐっと力が入って面白い。ハッタリも十分に利いているし。
【単行本】「R.I.P」 三原ミツカズ 飛鳥新社 A5
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自殺した男に興味を持った天使トランシルバニアンローズが、彼に自分の羽根の片方を与えて、天使の能力を持たせる。彼は、自殺した人間の魂のみを昇華できる、特殊な能力を持った天使(的なもの)となるが……。もうすでに独自の境地の、完成した作風を築き上げちゃっている人だが、この作品もやはりうまい。ちょうど単行本1冊分で、うまいことお話をまとめあげている。手際の鮮やかさ、破綻のなさはとても見事。
【単行本】「バツイチ30ans」全2巻 小池田マヤ 竹書房 A5
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「30ans」は「トランタン」と読む。面白いと聞いていて、雑誌で立ち読みした回(chapitre XXVII)がとてもすごそうだったので購入。
お話としては、離婚し30歳を迎えた女性が、昔ツルんでいた同じくバツイチになっていた男友達と再会したことも契機となって、周りのこと自分のことをかなり深く突っ込んで見つめ直し、新たな人生に向かっていくというもの。この人の場合、すでにおなじみとなった4コマ漫画コマ割りでストーリー漫画を進めていくというスタイルが独特。4コマ漫画コマ割りといっても、4コマの中で一つの話が終わるってわけではない。でもちょっとずつ起承転結は4コマ内で作っているため、テンポ良く読める。このスタイルは読んでみると分かるように、かなり効果的だ。そして前述のchapitre XXVIIあたりでは、それまで頑なに続けてきたそのフォーマット、殻を実に気持ちよく割って、逸脱してくれる。ここらへんのカタルシスは相当なものだ。そこまでぐじぐじヒロインを追い詰めていっていただけに。外的要因よりも、むしろ自己嫌悪、自己否定で煮詰まっていくさまにはかなり凄みがあった。だからこそ開放の説得力がいや増す。
こういったタイプの大人な物語は、実は自分としてはあんまり得意とするところではないのだが(子供だからな!)、そこらへんを差し引いても面白く読めた。
11/22(水)……山はジーニアスか
感想書いた雑誌のほかには、福島聡「DAY DREAM BELIEVER」、植芝理一「ディスコミュニケーション精霊編」3巻を購入。本日はSABEとか駕籠真太郎とかいろいろ出る日だったようだが、昨日のお泊まりの影響で大した本屋さんに行けず、買えずじまい。とりあえずほぞでも噛んでおこう。
【雑誌】別冊ヤングジャンプ VOL.11 集英社 B5平
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ぶ厚くてかさばる増刊号。今回はわりと充実してたかな。読める作品は多めだったように思う。
山本夜羽「ジーニアス!」は、ガラは悪いけど情熱は人一倍な編集者と、美人漫画家のお話。ガツガツぶつかっていく編集者の熱意が、しだいに彼女には重荷になっていき……という漫画家&編集者人生譚といったところ。お話としては読ませるし、キャラも立ってる。ただ、この漫画家のねーちゃんが、大したこともしてないのに勝手につぶれてっちゃってるようにしか見えないのは難。も少し追い詰められっぷりをしつこく描いたほうが説得力が増したのでは。作:木村元彦+画:宮城シンジ「ドラガン・ストイコビッチ物語 背番号10」。タイトルどおり、サッカーJリーグ名古屋グランパスエイトの10番にしてユーゴ代表を長年にわたって引っ張り続けてきたストイコビッチの物語。今回は前編。驚くほどドラマチックなサッカー人生を歩んできたストイコビッチだけに、やっぱり読むと面白い。たぶん書籍の「悪者見参」「誇り」を読んだほうがいいんだろうと思うけれども(手許にあるけどまだ読んでないのだった)。
作:美一葉+画:岡野恵「といっちゃん」。これはなかなかいい。サラ金の跡取り娘である小学生の女の子が、ギャンブルで借金を山ほど抱えてしまった担任の先生から取り立て、そして夜逃げの手伝いをするというお話。やたら金融業界に詳しい女の子という設定がまず面白いし、岡野恵の作画もイキイキとして良い。以前読切が掲載されたときに、「一色まこと似」と書いたことがあるけれども、だいぶ独自の絵柄になってきている。個性的でしっかりした作風をすでに確立していて、かなりの実力者。掲載誌に恵まれれば。ヤンジャン系よりも、むしろビッグコミック系かモーニングあたりのほうが合いそうな気はするんだけど。岡本倫「MOL」。こちらも良い。人形好きが高じて人間の女の子が愛せなくなった男の前に、生体実験によって生み出された人形大の女の子が現れ、彼女の寿命が来るまでの短い時間を一緒に過ごす……というお話。設定的にはかなりベタなのだが、お話は驚くべきことに実に真摯なラブストーリーとなっていて、読者を引き込んでいく。荒削りながらキャッチーな絵柄でなかなか強いお話を描ける人で、これからの活躍にも期待したいところ。
今回もバリバリ実用方面に突っ走っている。ドルフィンとかの実用系って、最近流行りらしいエロ劇画風味取り入れ方向というよりも、あくまで美少女漫画的エロスを濃く煮詰めていっている感じがして好感が持てる。ところで目次ページの、普通は編集後記が入るようなところまで「人妻専科」「SEXフレンド紹介」といった広告が入っているというのは、なかなか徹底している。ちなみに裏表紙は、本屋でちょっと恥ずかしい、いつもの看護婦さん股おっぴろげ広告。バーコードをスキャンした後なかなか袋に入れてくれなかったりといった、本屋さんによる羞恥プレイが全国津々浦々で行われているとかいないとか。
天崎かんな「東風荘の住人」は、修羅場の漫画家さんの話なのだが、なぜだか原稿を届けに行くための新幹線が風俗新幹線で、車掌さんとやりまくり〜というなんかヘンなノリの作品。この人、絵はクセがわりとあるけど、エロが強引で生きが良くてわりと好き。この作品と、あと一つ、じゃみんぐ「編集姫」にも霊感編集者キタムラという人が出てくるのが気になるところ。井ノ本リカ子「病院天国」。2色カラーで登場。柔らかい絵柄が相変わらずいいなあ。華やかで色っぽい。この人とか、BENNY’Sとかはけっこうストックはあると思うんで、もっとバシバシ単行本出してほしいところ。VARY GONZO「BADMEN 2nd」。なんか珍しく好調に掲載され続けている。今回は化物に乗っ取られたパーティ会場が、大乱交場にならんとしている。かなり混沌。まだこの程度では本格的な段階には至っていないという感じもするけど。そのほかとくにあらすじとかは書かないけど、北方国明、みやびつづる、深田拓士、水形陣八郎もけっこう実用的な作品を描いていた。実用系作家の層はさすがに厚い。
【雑誌】週刊少年サンデー 12/6 No.52 小学館 B5平
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コージィ城倉「平成ときめき力士プニャリン」。今回もプニャリンは、ペペロンチーニを作らせるべく兄にまとわりついているだけ。勝負事はまったくなく、マイペースで楽しいなあ。
【雑誌】週刊少年マガジン 12/6+13 No.52+53(合併号) 講談社 B5平
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大島司「シュート! 新たなる伝説」。やはりこういうネタか〜。いまどきこの程度のトリックじゃ、高校生は驚かんと思うぞ〜、っていうかあんまりトリックになってねえぞ〜。という、まあいってしまうと身もふたもないハッタリがこの漫画の持ち味であり、実はけっこうソレが好きだったりするのだ。平沢たかゆきの「創った男達」シリーズ。今回はAIBOだ! そうきたか。今回は初日がインターネット販売なので、最後の「押さないでください押さないでください、ソフトはまだあります」がなかったのがちょっと残念。福本伸行「無頼伝 涯」。うおー、人間学園の生徒たちがキャベツを作ってるー。なんかうれしい。おいしいキャベツになぁれ、おいしいキャベツになぁれ……っ!
【雑誌】ヤングサンデー 12/7 No.52 小学館 B5中
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今号は「殺し屋イチ」「ザ・ワールド・イズ・マイン」がお休みで若干弱り気味。その中で面白かったのが山田芳裕「度胸星」。「Q方向」という言葉だけでもテセラック萌えが高まろうというもの。早いとこ、度胸たちの活躍場所も火星へと移行してほしいものだ。もっと宇宙を。
【雑誌】モーニング 12/7 No.52 講談社 B5中
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諸星大二郎がモーニング二度目の登場。「鳥の物語 其の弐 本牟智和気」。大和軍が、皇子である本牟智和気を擁して出雲へ侵攻せんとする途中、伯耆(今の鳥取のあたり)にて起きた出来事を描いた日本古代史もの。本牟智和気は生誕のときに起きた火事により口を利くことができなくなっており、彼に言葉を取り戻させることができるかもしれない鳥(当時は人の魂は鳥の形をとるとされていた)を呼ぶように命令されていた男、それから鳥を呼ばうことのできる能力を持った呼女といわれる女性を中心として物語は展開。シリーズ第1弾のSF的世界観とは打って変わった古代史モノとなっているが、落ち着いた筆致による語り口はやはり快い。ページ数もけっこうあるのでまとまった読みごたえがあるのもうれしいところ。山下和美「天才柳沢教授の生活」。教授夫妻+娘の3人で雲仙旅行。今回はむしろ柳沢夫人がメインのお話。歳をとっていてもいろいろと迷いはあり。でも結局は夫婦の、言葉には出さない信頼関係がきっちり描けている。堂々としたもんです。
【雑誌】週刊少年チャンピオン 12/7 No.53 秋田書店 B5平
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以前読切でやった八神健「ななか6/17」が新連載として帰ってきたのだ! というわけで始まった。「あの事件」以来、精神だけが6歳に戻ってしまった女の子、霧里七華・17歳。外見は女子高生なのにいうことやることは無邪気で天真爛漫な彼女に、幼馴染みの稔二および周囲はいろいろ振り回されてしまうのだ〜といった感じのドタバタコメディ。少年ジャンプの「密・リターンズ」の人だけど、シンプル爽やかかつ甘味のある絵柄は相変わらず気持ち良くって魅力的。ななかはめがねでかわいいし。といっても図書委員的なスタンダードなめがねっ娘的なかわいさではなく、もうちっとぱーっと明るく邪気のないかわいさなので趣はだいぶ違うけど。松本英「コドモバングミ Is not Dead!」が読切で登場。ちょっと前、短期集中でやってた「アイアンメイド・アリス」の人。子供番組の取材ですごい山奥にやってきたスタッフたちだが、そこには恐竜がいたりして、ほかのみんなは逃げようとするんだけどおねーさんは平気の平左で番組を続行しようとするのだった……といった感じのドタバタギャグ。ちょっとクセの強い絵柄ではあるけど、ドタバタを強引に推進する力を持っていて、ノリ良く面白い。
11/21(火)……超純水で逝っとくLOVE
オマエモナ01レポート。なんか楽しそうでいいなあ。それにひきかえ俺は。鬱だ氏のう。
会社にトマーリ。仕事場で今のアクションを読むのは、ちょっとだけ気が引けるものがあったりするかも。まあそんなわけで本日は雑誌3冊のみ。これだけだともの足りない方もいるかもしれないので、本日は特別企画、うまい棒レビュー。このところ駄菓子屋秘宝館というWebで通販して、職場にてみんなでもりもり貪っているのだが、約3週間くらいで12種類360本を消費。みんなうまい棒が好きなのだなあ。
とんかつソース味 | かなり濃い味わいで、好みが分かれそう。ソースの風味は濃く、なかなかスパイシー。職場ではわりと人気 |
チーズ味 | まあ定番。カールに近い。ちと匂いはキツめなので、デートのおやつには不適 |
テリヤキバーガー味 | 甘めの味。テリヤキバーガーとはいえ、ひき肉の味はせず、テリヤキソースの味がする |
コーンポタージュ味 | わりとオススメ。コーンポタージュのパウダーをなめている感じで、味としてはしょっぱめで濃い |
ヤサイサラダ味 | これもけっこうお気に入り。ちょっと油っ気が多く、フレンチドレッシングをふりかけたという感じ。も少しあっさり味だとうれしいんだけど |
メンタイ味 | 俺の中でうまい棒といえばコレ。しょっぱさの中に、ほのかな辛みを思わせる風味あり。味はやはり濃い |
ピザ味 | チーズ+トマトピューレな感じで、わりと無難。ただこれもヤサイサラダ味同様、油っ気が多い |
タコヤキ味 | トンカツソース味よりも軽めな、後味のいいソース味。別にタコヤキっていう感じではないけど、いかにも駄菓子っぽいB級な味わいが魅力 |
ココア味 | ほかのうまい棒より一回り細く、表面にテカりがあって、カリントウを思わせる。味は甘すぎず悪くないが、ほかのものより細いためか、ふわふわ感が弱く歯に残る感じ |
チキンカレー味 | なんか凡庸な味。カレー風味ではあるんだけどパンチは弱い |
蒲焼味 | これはかなりキている。表面がテカテカしていて、噛み心地も妙にしけった感じがする。濃い甘みといい、ここまで食べたうまい棒の中ではオススメ度最低ランク |
サキイカ味 | 今は駄菓子屋秘宝館では買えないみたい。サキイカっぽい香りはするけど、なんかいまいち特徴がない |
駄菓子屋秘宝館で買える種類でまだチャレンジしていないのはチョコ味とサラミ味のみ。近いうちに挑むことになろう。
【雑誌】ヤングマガジンUppers 12/5 No.23 講談社 B5中
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遊人「VAN3」。うおー、さすが遊人先生。扉っからして馬鹿パワー全開。いい車乗ってればモテモテであると信じる男二人が、クレスタバンで渋谷にGO。なんのかんのでヤり。どうでしょうこの強引な展開、まったく教訓にならない結末。清々しいね! しかしタイトルもベタですなあ。はっとりみつる「イヌっネコっジャンプ!」。相変わらずパタパタしててすごく楽しいなあ。毎回ちゃんとパンチラもあるし。これから何をどうしようというのかって感じだけど、今のままの雰囲気を保てる範囲内であれば何をどうしようとオッケーって気も。桑原真也「0(ラヴ)リー打越くん!!」。いよいよ物語は大詰め。インパクトの強い物語だっただけに、ラストは泣けそうな予感あり。
【雑誌】OURs LITE 1月号 少年画報社 B5
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今号は、なんといってもあびゅうきょ「晴れた日に絶望が見える」だ! トーンを使わず隅から隅まで描き込まれた美しい作画、そして神の使いにして無垢で無情な少女。対照的に男は存在する価値を持てない。現代社会において尊厳ある生を選ぶことがいまや不可能となった男という存在には、もはや死ぬ価値さえない。この堕落し汚れきった世界に対する根本的な絶望を、恐ろしく美しい絵柄で短いページの中に詰め込む。あびゅうきょ先生は間違いなく本気であるだけに、その業の深さにビリビリしびれる。美味で中毒性のある危険な作風。この煮詰まった美と危うさに一度魅せられたらもう引き返せない……かどうかはその人しだいではあろうけれども。
2000年11月号で読切で掲載された芦田豊雄「暴流愚」が連載化。読切のときは、異能の剣士・暴流愚はすでに新撰組の用心棒をやっていて、人斬り以蔵と切り結ぶという話だったが、連載ということでそれ以前の、暴流愚が新撰組に与するようになる前のところから始まる。黒目が小さく白目が目立つ、シンプルながら個性的なキャラクターの造形が特徴的。シッカリとアクションもできるし、わりと期待できそう。甘ヌルい作品が多い雑誌であるだけに、こういう作品が一本あると全体のバランス的にもすごく良いと思う。石田敦子「純粋!デート倶楽部」。「ナンパではなく」「合コンでもなく」「身体の関係はもちろんない 手もつなげない…」「ただ一緒にいてドキドキときめく…」「そんなデートを提供します!」。これが純粋デート倶楽部のポリシー。うおー、これはかなりイッちゃった設定だなあ。お話はきれいでとてもよろしいけれども。愛よりも恋を選ぶあなたにオススメしたい期待の新作。
おがきちか「ハニークレイマイハニー」。短期連載第1回め。最近メキメキいい作品を描いているおがきちかだけど、これもよくなりそう。古代の土人形から女の子が出てきて、発掘した男の家に住み込み、メイドとしてお仕え〜というコメディ作品。甘みはあるけどしつこくない。TAGRO「スナオちゃんとオバケ国」。ウダウダちゃんがかわええのう。目の光がどくろマークであるところにいたく惹かれる。小野寺浩二「妄想戦士ヤマモト」。素晴らしき誕生日の贈り物。ドジな眼鏡っ娘メイドが男の隠された本性を呼び覚ますう。欲望に忠実でパワフルで、でもちゃーんと笑えるギャグにしているところがとてもグッド。どざむら「だらだら星人来たる!」。えっちい作品もいいけど、こういうドタバタコメディも楽しくていいですな。
【雑誌】漫画アクション 12/5 No.49 双葉社 B5中
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ながしま超助「ぷるるんゼミナール」。前回からそうだったけど、ミスコンなんだか乱交パーティなんだか。特注の5連ピンクローターを使うのも、ミスコンで選ばれるためならまあ仕方ないよね、という感じ。こういうことを平気の平左でやってくれてて、読んでてとても頭が悪くなりそうなところが素晴らしい。高橋のぼる「キラリが捕るッ」。扉ページのキラリの妙な気合いの入れ方もいいけど、キラリが倒れるたびにわらわらと寄ってくるチームメート、とくに外人さんのテンションの高さが笑える。なんか心底楽しそうだ。
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