山本直樹
夏の思い出
太田出版 全1巻
ISBN:ISBN4-87233-160-5 C0079 価格:本体971円
初版発行:94/04/02 判型:A5 モノクロのみ
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まずは表題作「夏の思い出」が面白い。20人以上もの美少女を強姦して殺した、殺人鬼を取り調べている刑事の話。美少女を強姦して殺すときの快感を喜々として訴え続ける殺人鬼の話を聞いているうちに、刑事のほうも自分の中に眠るそういった衝動に気づいていく、という話。なんといってもこの殺人鬼のキャラクターが実にいい。
それから「ヤングフォーク」もけっこう好きな作品だ。1973年、「中二時代」という学習雑誌に書いてあった「7月23日に世界は滅亡する」という記事を読んで、世界の滅亡が来るのかどうかと思いながらも、それでも別にできることもなく淡々と日常を過ごし、音楽を聞き、女の子といやらしいことをしていた中学生のお話。こういったおおむね何の変哲もなく、なんとなく過ぎていく日々を描かせても山本直樹はすごくうまい。
あと、巻末の掌編「どれいちゃんとごしゅじんさまくん」「分校の人」なんかも、独特の静かなおかしみがあって気に入っている。
●収録
タイトル | 初出 |
夏の思い出 前編 | ビジネスジャンプ1993年9月1日号 |
夏の思い出 後編 | ビジネスジャンプ1993年9月15日号 |
ヤングフォーク 前編 | ビジネスジャンプ1994年1月1日号 |
ヤングフォーク 後編 | ビジネスジャンプ1994年1月10日号 |
天国の扉 | ビジネスジャンプ1994年増刊「漫革」 |
静かな生活 | コミックBE!1993年2月3日号 |
産業'93<夏スキー編> | ビッグコミックスピリッツ1993年増刊号21 |
どれいちゃんとごしゅじんさまくん その1 | ふんふんVol.2 |
どれいちゃんとごしゅじんさまくん その2〜5 | ふんふんVol.4〜7 |
分校の人 | ふんふんVol.8〜9 |