近未来のスポーツだ!

一気に下まで行きたい

・「メダロット・ナビ」 フジオカケンキ(2001、講談社)
・「メダロッター りんたろう!」(2) 藤岡建機(1999、講談社)
・「鉄鋼闘機 ガイラ」全2巻 上山道郎(1996、97、小学館)
・「メダロット」(1)〜(3) ほるま・りん(1998〜99、講談社)
・「メダロッター りんたろう!」(1) 藤岡建機(1998、講談社)




主に近未来を舞台にした、架空の競技を題材としたマンガも、コロコロ・ボンボン系には多い。
厳密には「ホビーマンガ」とは言いがたいかもしれないが、「架空のホビーマンガ」と言えなくもないので入れた。
このジャンルは、ゲームで「架空スポーツ」などを題材としたものが多く出されてくれば、必然的に増えてくる可能性はあるだろう。
最近いちばん有名なのは、もちろん「ポケットモンスター」である。
(99.0907、滑川)



・「メダロット・ナビ」 フジオカケンキ(2001、講談社)

メダロット・ナビ

コミックボンボン連載。意外にも(?)せつない系ロボットSF作品。

少年・カスミは、過去に自分のメダロット・メタビーを失っている。機体はあるが、メダロットの命ともいえるメダルが失われてしまったのだ。
ある日、カスミは新しいメダルを見つける。それを装着し、再びメタビーは蘇るが、当然以前のメタビーではない。しかしカスミは新しいメタビーとケンカしながらも友情を育んでいく。
一方、メダロット・バイザンは、そこへ行けば人間になれるという伝説の「世界樹」に行くために「天国の門」(軌道塔。軌道エレベーターのことか)へ向けて、追っ手を振りきりながらの逃亡の旅に出る。

メタビーとバイザンのエピソードが交互に描かれるが、共通するのは「人間とメダロットの関係とは何なのか?」ということ。それが新しいマスター・カスミを持ったメタビーと、人間そのものになろうとするバイザンを通して描かれる。

おそらくは実現しないだろう希望を持ってどこまでも旅を続けるバイザンの姿には、非常にグッと来るものがある。なんというんですかねえ……「マスター」である人間と関係を結ばないと生きていけないメダロットの姿は、まあ紋切り型な言い方だが人間そのものの姿と重なる。そこがすごくせつなく描かれている。
構成も面白く、メタビーを失ったカスミの回想から時間が行きつ戻りつしたり、バイザンのエピソードと交錯したりして、最終的には宇宙ステーション「クラスター」で2人のメダロットのエピソードは結合する。

ひとつ、困惑したのはメタビー側のエピソードが、「メダロット」というゲームボーイのゲームを知らない私にはいまひとつわからなかったこと。本作はいちおうゲームのコミカライズ(というより前日譚と番外編)なのだが、ゲームのあらすじをちょっと見たら漂流する「クラスター」の中で、カスミとメタビーは冒険するはずなんだが……。そちらの結末と関わっているのかもしれない。

いずれにしろ、構成の妙としては「エイリアン9」とかが好きな人にオススメだし、内容としては「泣き」のSFが好きな人にオススメです。あとバリントン・J・ベイリーの「ロボットの魂」とか。
装丁も美しい。
(01.1223)



・「メダロッター りんたろう!」(2) 藤岡建機(1999、講談社)
(「メダロット」という未来型競技)

コミックボンボン連載。一流のメダロッターを目指す波島鱗太郎が、「ダメ ロット部」と呼ばれる弱小チームに入り、愛機カンタロスとともに数々のメダ ロットを倒していく……というのは1巻と同じ。ストーリー的には「少年マン ガ」よりも対象年齢が低い「児童マンガ」という感じなんだけど、主人公りん たろうの「ナントカだぜーっ!」というキメ文句(「だぜ」パワーというそうだ)は熱血少年マンガのノリで、よいです。

なお、「めがねを取ると美人」がいる。(99.0106、0517、滑川)



・「鉄鋼闘機 ガイラ」全2巻 上山道郎(1996、97、小学館)
(ストライキングという未来型格闘技)

鉄鋼闘機 ガイラ

コロコロコミック連載。「近未来、身長6メートルを超える有人格闘ロボッ ト・デュエルギアが行う格闘技戦『ストライキング』」に挑む少年、コウハンスの物語。

一見大味なようで妙なところに細かい設定、格闘技とメカ戦との混合などなかなか面白い。コウの搭乗するデュエルギア・ガイラのデザインがエヴァに似すぎているとか、搭乗者とデュエルギアとの「同調率」(要するにシンクロ率(^_^))がポイントになっていたりするところなんかは気にしないでヨシ!

エヴァ的記号を取り入れるなら、わたし的には異種格闘技戦における打撃技VS関節技という命題も取り入れてほしかったが、コウの使う「羅漢金剛拳」がけっこう考えてあるので筆者は全部承知の上なのかもしれない。なお打ち切りっぽいラストは、非常にざんねんである。(99.0106、0517、滑川)



・「メダロット」(1)〜(3) ほるま・りん(1998〜99、講談社)
(「メダロット」という未来型競技)

メダロット

コミックボンボン連載。ポケモンの競合商品として出てきたゲームのコミカライズ。
ちょっと未来、未知の物質「メダル」を「ティンペット」という骨組みにセッ トすることによって人間並みの知能を持つロボット「メダロット」の量産が可 能になった。メダロット同士をバトルさせる「ロボトル」が行われたり、メダ ルを集める「ロボロボ団」なる悪の組織が現れたり……つまりロボットである 以外はまんま「ポケモン」。1、2巻は「まあまあ」といったところで、正直惰性で買った3巻だったが、3巻目で大どんでん返しはあるわ、「メダロット」の造物主は出てくるわ、表現は「エヴァ」するわで、けっこう楽しめる。
それにしてもあちこちで散見するマンガでの「エヴァ」的表現、なんとかならないものか……。(98.0125、990301、滑川)



・「メダロッター りんたろう!」(1) 藤岡建機(1998、講談社)

(「メダロット」という未来型競技)

メダロッター りんたろう!

コミックボンボン連載。一流のメダロッターを目指す波島鱗太郎が、愛機カンタロスとともに数々のメダロットを倒していく熱血メダロットマンガ(メダロットに関しては、マンガ「メダロット」の私のレビュー参照)。
「メダロット」のほるま・りん同様、絵が特徴的なんだけど、こういうのって雑誌全体の路線なんでしょうね。次世代アニメ絵、ってカンジ。内容はオーソドックスな スポ根モノ。担任の先生の名前が佐藤玉魚(たまを)。(99.0103、滑川)







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