◆ 1998年3月後半 ◆

3/16〜31
【トップページ】  【過去日記トップページ】

ご意見・ご感想は→tshibata@picnic.to


3/31(火)……むかでのうたがきこえてくるよ

 なんともう3月も終わりになってしまった。これで1年の4分の1が終了。うーん、時間は夢のようにすぎさっていく。最近本当に時間が惜しくて仕方がない。
 月末恒例、今月読んだ漫画の集計をしてみた。今月は少女漫画チャレンジも始めたし、冊数が相当多いだろうなーと思いつつ数えてみたところ、雑誌が103冊、単行本が94冊、情報誌が2冊という結果だった。雑誌が月100冊を超えたのはけっこう久しぶりかもしれない。小学校から大学卒業くらいまでは毎月こう、っていうかもっと読んでたんだけどね。でもそのころは今ほど単行本は買ってなかったけど。

【雑誌】別冊ヤングジャンプ 1998・5/5増刊 集英社
 ヤンジャンが3倍厚くなったって感じ。ヤンジャンは俺にとって全然面白くない雑誌なんだけど、増刊になるとそれが3倍って感じもする。でも「増刊」って響きに弱い俺なので、ついつい買ってしまう。
 わりと面白かったのは七瀬あゆむ「永遠の秘密」。これを目当てに買うってほどじゃないけど、居心地のいい世界。それにしても家族内恋愛モノって増えたなあ。あとは戸田泰成の絵がちょっと気になる程度。なんとなくDAPHNIAを思い出すペンタッチ(ヘンなもの思い出すなよって感じだが)。

【単行本】「龍」18巻 村上もとか 小学館 判型:B6
 京劇招致運動から二・二六事件あたりまで。そろそろ昭和の激動色が強くなってきた。いつもながら骨太なドラマ。

【単行本】「演歌の達」3巻 高田靖彦 小学館 判型:B6
 これはおもしれーわ。地味だけど。レコード会社のディレクターである主人公がさまざまな人々と出会いながら、自分の納得のいく音楽を売り出すために奮闘するって話。絵もうまいし、ストーリーもよくできている。1巻、2巻も欲しいんだけどなかなか売ってない。3巻が出たからそろそろ再版がかかるころだと思うんだが。

【単行本】「過去への旅人」1巻 山田貴敏 小学館 判型:B6
 過去の事件を調べ上げる探偵。なんとなくテレビドラマみたいな安っぽさはあるんだけど、俺は山田貴敏の絵は好きなのだ。「風のマリオ」「マッシュ」のころが山田貴敏は一番好き。あと、単行本に入っていない「だいきらい」という短編も好きなんだけど。でもそれ以降ドラマ作りがどんどんワンパターン化してきたような気がする。

【単行本】「ラブレター」2巻 作:じんのひろあき+画:若狭たけし 小学館 判型:B6
 書道というテーマながら元気いっぱいで面白い。最近ちょっとテンション落ち気味かなーという気はいないでもないけど。

【単行本】「気持ちいい発見」 田中ユタカ 雄出版 判型:A5
 いつもどおりの田中ユタカ。圧倒的に男にとって都合がよく、気持ちのいい世界をコンスタントに描き続けている。まさにプロの仕事って感じ。絵もうまいし、ベタベタに甘いんだけどやっぱり心地いい。常に似たようなテイスト、コンスタントに楽しめる、そして都合のいい世界、エロ漫画界のハーレクインロマンスって感じ。

【単行本】「バージェスの乙女たち−ワイワクシアの章」 蜈蚣Melibe 三和出版 判型:A5
 かなり強烈。表紙は耽美系で美しいんだが、中身はブッ飛んでいるので強烈なものに対する耐性を持たない人は間違って買わないように。表紙には「P.H.系耽美作家が描く極北世界」とあるけど、まさに極北。人形のような何を考えているのか分からない独特の絵柄もかなり怖い。
 ストーリーは有機人形と呼ばれる、遺伝子に処置を施されて、性欲処理のために肉体改造された肉奴隷少女たちの物語。この巻の主人公的キャラクターであるワイワクシアは性器を口の部分に、口を股間に移植された少女。そのほか、口淫専門の肉奴隷として、最後には四肢を切断され、目と性器を糸で縫い合わせ、声もつぶしてしまう尺八人形とか、もう異常に過剰な世界が展開されている。
「家畜人ヤプー」が好きな人は買い。あの世界が嫌いな人は目を背けるべし。それにしてもさすが三和出版・フラミンゴ系。強烈なり。そして蜈蚣Melibeは4月に新しい単行本も出る。楽しみだ。


3/30(月)……怪奇漫画男

 仕事で帰りが遅くなり、家に着いたのが31日の午前2時半ちょっと過ぎ。そこから以下の漫画を読んでホームページを更新していたら朝の6時を過ぎてしまった。そんなことしてるヒマがあったら寝とけって感じなんだけど、ここで寝たら仕事に負けた感じで悔しいのでやることはやっておく。
 本当は京極夏彦の新刊「塗仏の宴〜宴の支度」が出たのでそっちも読みたいんが時間がない。京極夏彦の本は読みやすいので、厚くても読み始めればすぐなんだけどね。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 4/13 No.17 小学館
「奈緒子」(作:坂田信弘+画:中原裕)がアツイ!奥田がすごくかっこいい。今回は読んでてすごくゾクゾク来た。そして駅伝はまだ始まったばかり。これからどんどん白熱してくるかと思うと楽しみでたまらない。青山広美「ダイヤモンド」も力強く燃えている。とくにラストのページのネームはかなりゾワゾワと来た。こっちも楽しみだー。
 今回の吉田戦車「ぷりぷり県」はぷりぷりの新しい風習が垣間見れて楽しかった。「ぷりぷり県」になって吉田戦車のパワーが落ちたみたいなことをいう人がいるが、俺はすごく面白いと思う。実に吉田戦車の「ない風習を作る」という特性が発揮されてていいと思うんだけどなー。伊藤潤二「うずまき」は月イチ掲載。怖いなかにも抜けた味があるあたりがいい。

【雑誌】少年ジャンプ 4/13 No.18 集英社
 今週は森田まさのり「ROOKIES」が泣けた。こんないい先生がいたらいいな、とは思うがたぶんいないんだろうな。「漫画が子供に対して悪影響を与える」みたいなことをいう人がいるけど、漫画はこういった素晴らしいものも見せてくれる。というかこれだけ「正しいものは正しい」ということを真っ正面から恥ずかしがらずにいっているメディアって、漫画以外にはそうないと思うんだけど。そして、そういう恥ずかしげでステキなことに説得力を持たせているメディアもまた少ない。
「I''s」(桂正和)は伊織がなんだかタイヘンなことに。次回が気になる。

【雑誌】コーラス 5月号 集英社
 わりと気に入ったので定期的に買うことにした。
「エバー・グリーンの森」(佐野未央子)は今月後編が掲載。これは非常に面白かった。この雑誌のなかではベスト。絵もいいし、ラストの数ページは鳥肌立ちまくり。非常に美しく気持ちよく読めた。前後編で終わらすのはちょっともったいなかったかも。
 よしまさこ「うてなの結婚」は今号からの新連載。まあわりと楽しんで読めた。あと、「天然コケッコー」(くらもちふさこ)は今回もいい。

【雑誌】パイク 春の姑娘スペシャル ふゅーじょんぷろだくと
 わりと絵のうまい人が多いなーって感じ。中でもTAGROのカチッと描かれた完成度の高い絵は目を引く。山本夜羽「毛皮のマリエ」はまあこんなもんかな、って感じ。普通に楽しめる。うらまっくのハウツーセックスもの「なっちゃんのじょうずにできるかな?」はなんだかマヌケな味わいでけっこう笑えた。この人はギャグからシリアス、ラブコメまできちんとこなす。器用だなあ。
 巻中になぜか入っているエヴァのアンソロジーは、わりとうまいけど俺はあんまりパロディ系に興味がないのでどうでもいい。久我山リカコ「瀬加田さんの人体丸」はテンポのいい展開がさすがって感じ。いつもながらうまいっす。あと、あめかすり『「真理子」(マリコ)』はちょっと不安定な絵柄だけど惹かれるものがある。ストーリーも切なくて業が深くて面白かった。全般的になかなか読める雑誌だと思う。

【単行本】「怪奇版画男」 唐沢なをき 小学館 判型:A5
 待望の単行本。そんなわけで詳しくは唐沢なをきのページ参照。


3/29(日)……ラララ、むじなくん

 そろそろちゃんと仕事をやらなければならない時期に差しかかってきた。本当は今日も休日出勤して仕事を片付けておいたほうが、後が楽ではあったのだが、なんだかやる気になれず家にずっといた。でも開き直れない小心者な俺は、家で仕事をやったりもしてしまう。いさぎよくないなあ。例によって明日あたりからは更新が日記ばかりになると思う。

【単行本】「ムジナ」全9巻 相原コージ 小学館 判型:B6
 前から買おうと思ってはいて、古本屋で揃いで置いてあったので購入。最初っから最後まですごく面白かった。序盤の実験シリーズ、終盤のストーリーの盛り上がり。素晴らしい。

【単行本】「わたしが殺した男」 曽根冨美子 集英社 判型:B6
 なんだかものすごく濃かった。女の情念ドロドロでこれでもかこれでもかという展開。怖い。高校時代の親友の夫と不倫していた主婦が、彼の心が自分の次の子供に行ってしまったのを見て殺害に至る。彼の関心をつなぎとめるためにドレスやら香水やら化粧品やらで着飾っていた彼女だが、そのためカード破産寸前の状態に陥り、それが夫と娘にバレ、家族から犬扱いされる。その後、家庭は平穏を取り戻したかに見えたが、今度は夫を殺害された親友とのドロドロの女の戦いに突入。
 与太者に相手を強姦させるとか、ヤクザを使ってシャブ漬けにするとか、ドロドロの悲惨な戦いが続く。読んでて気が滅入ってくるような醜さ、業の深さが面白かった。

【単行本】「VERSION」1〜2巻 坂口尚 潮出版社 判型:A5
 読み終わってから気づいたが、実は3巻で完結だった。しまった。まあ3巻はそのうち見つけたら買おう。ストーリーは「我素」という学習能力を持つ細胞を巡って、探偵とヒロインたちが奔走するという話。さすが坂口尚。かっこいい。

【単行本】「BUNNY HOUSE」 O.RI ビブロス 判型:A5
 絵がわりと個性的で前からちょっと気になっていた。古本屋で見つけたので試しに買ってみる。絵は好みだけど、ストーリー的にはイマイチ。いろいろと特徴を持ったバニーさんが何人も出てきてお客さんにサービスするのだが、ワンパターンな感じがする。女の子の描き分けもあまりできてないので、読んでて少し混乱した。


3/28(土)……goo goo heaven

 ここのところ、ようやくこのホームページもgooの検索で引っかかるようになった。ホームページを作ってからすぐgooの「URL登録」というのに登録してみたのだが、いつまで経っても引っかかるようにならなかった。ようやくgooもURL登録を再開したってことなんだろう。
 あと、ホームページをAIRnetに引っ越してからすぐにYahoo!にURL変更を依頼したのだが、それから約1ヶ月半、まだ変更してくれない。3回くらい変更の申請は出しているのだが。これも早いとこお願いしたいところ。

【雑誌】ヤングマガジン 4/6 No.16 講談社
 もうすぐヤンマガUPPERSが創刊だけど、本当にこの雑誌は宣伝に気合いが入ってるよなー。広告などを見た印象でいうと、俺は「ヤンマガをもう一冊作ろうとしている」という感じがした。青BUTAは「赤BUTAをもう一冊作ろうとした」みたい。成功するのかどうかはよく分からないけど、俺としては愛沢トモコやサガノヘルマー、安達哲の漫画が読めるってだけでOK。
 ヤンマガNo.18(4/6発売)から江川達也が新連載を開始するらしい。最近の彼を見ているとあんまり期待はできそうにないけど、さてどうなるものやら。
「日直番長」(タイム涼介)はいつもどおり心が和むヘンな展開。「僕といっしょ」も安定して面白い。もちろん「超学校法人スタア學園」(すぎむらしんいち)も。ここらへんのギャグ漫画陣は安定して不安定な展開をしてるところが素晴らしい。
「チューリップティーズ」が発売になるということで俺をいたく喜ばせた地下沢中也が登場。タイトルは「デカちゃん」で2週連続掲載。これは「チューリップティーズ」よりは危なくないけど、まあ楽しめた。でも大人しめ。「罪とカバ」の東和広はなんだか絵が多加崎フリッツに似ているなーと、あんまりフツウでない連想をした。ちなみに多加崎フリッツとは、昨年の6月くらい発売のヤングサンデーで「Let Me Be Your TEDDY DOG,」という作品でデビューした新人だ。この話は「ハナコ」と名乗る犬の着ぐるみを着たちょっとアタマ足りなげな女の子が、画家志望の青年の家に強引に住みつくという話。なかなか面白かったので、以後の登場を楽しみにしていたのだが、どうもその後は見かけない。
 最近、「イッパツ危機娘」(原田重光)がなんだかやけに面白い。今回もドイツ人留学生、ナジャ・アウマンが素晴らしい。ものすごく馬鹿馬鹿しくて面白い。「そんなことしたところで眠気はおさまらんぞ 拷問の方が効果的だ!!」って、そりゃあんた……。単行本出たら買う。それとこっちも単行本出たら即買いなのが小田原ドラゴン「おやすみなさい。」。「月間鉄郎アイドルランキング」という何にも役に立たないものを作っている主人公がいじましくて最高。

【雑誌】モーニング 4/9 No.17 講談社
 今週はひさびさに「ゴン」(田中政志)が登場。相変わらずうまいんだけど、俺としては「FLASH」とかのほうが好きだなあ。最近、「旅の途中」(本宮ひろ志)がけっこう面白い。この人はなんだかんだいわれるけど、やっぱり100万人読者を背負える器だってのは確かだと思う。そういう太い面白さを持っている。
「クッキングパパ」(うえやまとち)は田中みたいな新キャラが登場。こんだけ長いことやってるのに飽きずに読ませるんだから大したもの。「変體累ヶ淵NAKED」はついに巻中カラーゲット!いくぞすごいぞNAKED。
 榎本俊二「えの素」もいつもながらすごいノリの良さで突っ走っている。スゲエや。「ヨリが跳ぶ」(ヒラマツ・ミノル)は最近力の入る展開でスッゲエ面白い。「ブル田さん」(作:高橋三千綱+画:きくち正太)はやけに簡単に決着をつけてしまったが。次号に出てくる豪速球投手って日本シリーズなのかなあ。なんか予想しづらい。
「染盛はまだか」(清田聡)は最近かなりいいので、単行本出たら購入すること決定。巻末に載っている「ミラクルヘアカット」(サカタタカシ)はなんとなくガロ系の作風なんだけど、ちょっと古いかな。まあそこそこ。
 ところで、今回「モモちゃんのアメリカお楽しみ旅」というプレゼントコーナーの漫画を描いている岩下繁幸ってかつてのそらみみくろすけだよな。「放課後戦隊ゴタッキー」というわりとどうしようもない漫画を描いていた人。面白い人だっただけに復帰して欲しいなあ。アフタヌーン四季賞でときどき佳作くらいを取っている。あとプレゼント漫画で思い出したけど「激変地獄丸」を描いていた三浦文祥にも復活してほしい。

【雑誌】快楽天 5月号 ワニマガジン
 さらにエロ度ダウン。パワーも落ち気味でちょっと心配。これは「H漫画」というよりも「美少女漫画」という言葉のほうがしっくりくるな。
 SABEはいつも通りやる気なさげな漫画。ちゃんと描いてよーん。新人・EMYeMDMA「愛されていた日々の覚え書き」は表紙を見たときはオッとか思ったんだけど、中を読んでみたらたいしたことなかった。残念。
 加藤礼次朗「男根平次」は扉のアオリ文句が最高。「俺は変態!!恋の機微など分かってたまるか!!」だもん。いやー、すごい。今号で一番面白かったのは華沢れな「そこから見える風景」。よくある感じのお涙頂戴系だけど、かなりいい。植物人間状態の患者に甲斐甲斐しく愛を注ぐ女性の話。なかなか泣ける。あと、うらまっく「鏡のある部屋」も良かった。いつもと違って、シリアスでハードなお話。絵はいつもどおりいいし、話も読ませる。やっぱうまいや。

【雑誌】コミックピンキィ VOLUME.1 オークラ出版
 なかなか一筋縄でいかないナイスな雑誌だった。かなりアナーキーなエロ漫画雑誌。コラムとかもやけにイッちゃってるし、作りバリバリの読者投稿コーナーも素敵だ。さすがもりしげの単行本を出した勇気ある出版社、オークラ出版だけあって確信犯的。俺はよく知らないけど、インターネットでは鼻ツマミ的人気を誇っているらしい、根森明という人もコラムを書いてるぞ。永山薫の「知らないとモグリ超決定 超殿堂エロ漫画」はコンセプトがいいと思う。過去の名作エロ漫画を一本取り上げて紹介するというもの。第1回は森山塔「ラフ&レディ」。
 巻頭の橘セブンは元ロケット兄弟の片割れ。絵はわりと好みだけど、話は大したことないな。もりしげ「学校占領III」はいつもながら救いが全くない、徹底した鬼畜ぶりが素晴らしい。こりゃヤベエわ。良い子の皆さんに言っておくが、お父さんお母さんには見せないでね。こんなもん見せて規制運動でもおっぱじめられたら、俺が読めなくなるから。
 See-O「バッジとシール」は政治家と援助交際していた少女のお話。絵もうまいしなかなか読ませる。佐川一政「佐川クンの交友録」はムチャクチャな絵で、これでもかという露悪的なお話。今回のターゲットは島田荘司。うーん、すごい。
 あと、巻末の「メジャーデビューへの道」(舞登志郎)が力の入った絵でパワフルな展開で面白かった。全然エロじゃないけど、そんなこたあどうでもいい。面白いから読めって感じ。
 なかなか面白かったので次号も買おう。隔月25日発売のようだ。


3/27(金)……むやみにみやむー

 今日読んだ中で漫画ゴラクは駅のゴミ箱からのゲット物件。俺は駅のゴミ箱から漫画雑誌をゲットすることはけっこうある。といっても、わざわざゴミ箱のフタを開けてまでガサゴソしてるわけじゃなくて、とりやすい形で表面にポンと置いてある状態のだけ拾うようにしている。ゴミ箱もフタがオープンになっている、直方体の奴だけがターゲット。俺が通勤に使っている路線は網だなに雑誌が捨ててあることが少ないのが少々残念。

【雑誌】ヤングアニマル 4/10 No.7 白泉社
 何はなくとも「ベルセルク」(三浦建太郎)。っていうかほかの漫画で読めるのが少ないような気がする。「ベルセルク」は新章突入。だけど、まだどんな話になっていくのかは全然分からない。なんだかちょっとだけ宮村優子が絵描いてるのがなんだかなーって感じ。俺は別に声優には思い入れがないし、絵から声が聞こえるわけでもないのでこういうのはそんなにありがたくない。あってもいいけど。
「ふたりエッチ」(克・亜樹)は今回も絶好調なマヌケぶり。ひょっとすると、克・亜樹作品の中で俺はこれが一番好きかも。あとは二宮ひかる「ナイーヴ」が今回も面白かった。そして柴田ヨクサル「エアマスター」。俺がヤングアニマルを読むときはたいていこの4作品を誉めているような気がする。と思ってここ数回分のヤングアニマルについて書いたコメントを振り返ってみたところ、この4作品以外で俺が触れていたのは「拳闘暗黒伝セスタス」くらいだった。
 巻末の「VOICE」(宇仁田ゆみ)はYAまんがチャレンジ第1回佳作受賞者。なんだか南Q太系のお話。まあまあ完成度が高くて楽しめた。

【雑誌】漫画ゴラク 4/10 No.1602 日本文芸社
 久しぶりに拾う。「我王の乱」(作:川辺優+画:山口正人)は、ゴラクだと三国志もこうなるって感じ。英雄たちがみんななんだかヤクザのり。いやー脂っこい。で、今回のゴラクの最大の注目はなんといっても作:やまざきみき+画:土光てつみの「キャバクラの首領」。なんだか異常な濃厚さと強烈さ。キャバクラの店長が、「オラァッ!キャバクラ『ボンバーギャル』店長の俺をナメんじゃねえぞオッ」と叫びながら、ヤクザの腕を長ドスで切り落とすという豪快さ。ド迫力の画面と「ボンバーギャル」というマヌケな響きのミスマッチが最高。

【雑誌】少年チャンピオン 4/9 No.18 秋田書店
「おまかせ!ピース電器店」(能田達規)は毎度心が和む。「ないんなら作っちまえ」というプリミティブなサイエンス心がいいなー。「ドカベンプロ野球編」(水島新司)はあいも変わらず暴走している。そろそろダイエーが優勝しないとこれは止まらないかもしれん。
「グラップラー刃牙」(板垣恵介)は愚地独歩vs.渋川剛気が決着。うーん、俺の予想は見事にハズレ。「悟空道」(山口貴由)は三蔵がいやらしくていい。「大介ゴール!」(馬場民雄)は相手のチームのラフプレーに大介がキレる。次号は激しくなりそうで楽しみだ。

【雑誌】ララ 5月号 白泉社
 連載モノは今回初めてララを読む俺には分からないものが多かったけど、「彼氏彼女の事情」(津田雅美)は楽しんで読めた。少女漫画雑誌って前号までのあらすじが詳しく書いてあるので、こういうときは便利。今までがどうだったかはよく知らないけど、今回は非常に幸せで甘い展開。大ゴマの使い方が効果的だと思う。
 あと、「天使の繭」(米沢りか)は、こういう読み方をしていいのか分からないけど思わず噴き出してしまった。あまりにもベタベタな恋愛モノで、好き合っている二人がニカーッと笑い合うところの表情がなんかヘンテコ。米沢りかファンの人には申しわけないけど、なんか笑えてしまった。

3/26(木)……このキなんのキ、キララのキ

 少女(女性向け)雑誌トライアルを始めて10日が経ち、読んだ雑誌数も今日で15冊。なかなかいい感じで進んでいると思う。収穫もけっこうあったし。やっぱり新しいジャンルに挑むと、知らなかった漫画家にいろいろ出会えるので楽しい。もちろんハズレもいっぱいあるし、チェックは面倒だけど、やらないよりやるほうが断然面白い。始めてみて良かった。これからもパリパリと読んでいこう。

【雑誌】コミックバーズ 5月号 スコラ
 掲載作品リストはコミックバーズのページ参照のこと。
 中川いさみの「トリハダ日記」は最終回。「大人袋」とかと比べるとやる気なさげで、あんまり面白くなかったのでまあ潮時だろう。冬目景「羊のうた」は水無瀬がいい感じ。やっぱり「黒鉄」よりもこっちだなあ。比較してもしょうがないけど。山口譲司「BIRTH」はなかなかグロテスクで迫力がある。この人もなかなかメジャーになれないが、俺はけっこう好きだ。
 なお、次号では吉田戦車が新連載「スカートさん(仮題)」をスタート。なんか怪しげで楽しみ。
 バーズは個々の作品は読めるものが増えてきたって印象があるんだけど、やっぱり雑誌全体で見ると覇気がどうにもない感じがする。売れてないんだろうなあ。まあ売れてようが売れていまいが、読者にとってはどうでもいいんだけどさ。

【雑誌】ヤングサンデー 4/9 No.17 小学館
 巻頭カラー「よいこの星!」(柏木ハルコ)は今回もねちっこい展開。お腹のあたりがチリチリ来るようないたたまれなさが素晴らしい。「太郎」(細野不二彦)は最近熱血ボクシング漫画。やっぱりサラリーマンやってるときよりもボクサーやってるときのほうが断然面白い。
「コンデ・コマ」(作:鍋田吉郎+画:藤原芳秀)が迫力があって面白かった。この人の拳法漫画は手から出る光線とか気孔といった小技を使わず、地に足のついた描写で押し通すあたりが地味だけど非常にいい。「the山田家」(阿部潤)は今回はやけにリリカルというか。いい話なんだけど、唐突に始まって唐突に終わりすぎるので余韻があまりないのは残念。
 とがしやすたか「青春くん」。相変わらずとがしやすたかの描く情けない男の至福の表情はいいなー。いい顔してるぜ。「愛米」(コージィ城倉)はラブが飛ばしまくり。いやー、ベタベタで面白い。この人の漫画もかなり力業だ。「マザー・ルーシー」(沖さやか)ではルーシーママ登場。娘に劣らずパワフル。「ザ・ワールド・イズ・マイン」(新井英樹)はモンちゃんがやけに大人しくなっている。ヒグマドンとの邂逅と、そこからの不可思議な展開。さて、どうやって収拾をつけていくのだろうか。いつもすごく楽しみ。

【雑誌】スーパージャンプ 4/8 No.8 集英社
 徳弘正也「狂四郎2030」がいやらしくて良かった。こういう責めって好き。「ロマンス」(高見まこ)。今回もいやらしくて美しくて切なくて面白い。「瑠璃子女王の華麗なる日々」(巻来功士)はなんかベタベタで馬鹿馬鹿しさの漂うSM描写がいいなーと思っていたが、今回が最終回。最後までベタベタ。

【雑誌】プチフラワー 5月号 小学館
 わたなべえみ「てのひらの中の雲」がすごく良かった。小学生の女の子二人がなかよしになり、その後関係にひびが入るまでをリリカルに描いている。絵、ストーリーともに良かった。あと、奈知未佐子「風の小箱」もいい話だった。この人の作品は前にYOUを読んだときにもいいと思った。単行本買うかな。

【単行本】「キララのキ」1〜2巻 岩館真理子 集英社 判型:B6
 昨日雑誌で読んで面白そうだったので、さっそく買ってくる。謎めいていて、そして怖いくらい美しくて面白かった。ミステリアスで予断を許さない展開がいい。

【単行本】「純粋培養閲覧図」 望月花梨 白泉社 判型:新書判
 掲示板にもよく書き込んでいただいているK・Kさんのオススメの望月花梨。本屋に行ったらこれが置いてあったので購入。たしかに面白い。とくに最初の話のほうがよくできていると思った。2番目の「カルスの花園」は登場人物が増えて、話がちょっと錯綜しているかなーという感じ。

【単行本】「エロ研」 かかし朝浩 司書房 判型:A5
 前から気になってはいたのだが、気になったらやっぱり買わなきゃダメだよな、とか思って購入。元はAV女優だった現女教師が、高校のエロ研部の顧問になって、部員総出でやりまくりーって感じのお話。実に楽しげでたわけてて、バッチリ面白かった。

【単行本】「犬雨」 たかしたたかし 司書房 判型:A5
 こちらも気になっていたので。かわいい絵柄だけじゃなく、ちんちんと体液がバリバリで実用性もあり非常に頼もしい。これからも楽しみなエロ漫画家だ。


3/25(水)……いがらしを呼ぶ男

 今日はなんだか調子に乗って雑誌を買いまくってしまった。アフタヌーンと激漫があるうえに、女性向け漫画雑誌を4冊。さらにサンデーとマガジンをもらってしまったので、まあかさばることかさばること。家に帰ってから今日入手した雑誌を積んで高さを測ったところ23cmほどあった。よくカバンに収まったもんだ。

【雑誌】アフタヌーン5月号 講談社
 相変わらず高いレベルで安定している。やっぱりこの雑誌は特別だな。
「菫画報」 小原愼司
今回はホームズ系の探偵モノ仕立て。それぞれのキャラクターが役にハマっていて面白い。いつもながらの力の抜けた味わいがいいなあ。
「EDEN」 遠藤浩輝
遠藤浩輝は大好きなのだが、「EDEN」はまだイマイチ盛り上がってない。ちなみに4/23には「EDEN」の1巻と短編集の1巻が出るということですごくうれしい。
「勇午」 作:真刈信二+画:赤名修
勇午がまたしても大変な事件に巻き込まれて、次号あたりからガンガン来そうな感じ。楽しみ。
「なるたる」 鬼頭莫宏
新連載。うれしー。なかなか気持ちいいメルヘンな話だが、柱の言葉によると次号はさらにメルヘン度がアップするらしい。そうか、今度はメルヘンで来るのか。
「犬神」 外薗昌也
ちょっと小休止な感じの展開だが、事態はどんどん動いている。23と史樹の間にはまた辛い別れが待っていそうだなあ。
「地雷震」 高橋ツトム
今回も痛々しい話になりそう。インターネットという小道具の使われ方がまたベタベタな感じなのは気になったりもするけど、まあいいや。
「ディスコミュニケーション」 植芝理一
最近Hだなあ。好きだけど。ところで、最近の高校生とかって「ABC」などという言葉を使うもんなんだろうか。
「四年生」 木尾士目
いつもながら青臭いなあ。これはかなり好みが分かれる作品だろう。俺はあんまり好きじゃないほう。どうでもいいけど、老人のしわの描き方はまだヘタだな。
「ヨガのプリンセス プリティー・ヨーガ」 稲留正義
最近面白くなってきていたが、突然第一部最終回。第二部はあるんだろうか。あってもなくてもいいけど。
「そらトびタマシイ」 五十嵐大介
読切58ページ。俺としては今回のアフタヌーンではこれがイチバン。ある日、何気なく踏みつぶしてしまったフクロウのひなの霊によって憑依されかかった少女の話。独特のネーム、画面構成、作画。やっぱり五十嵐大介は素晴らしい。それにしても「はなしっぱなし」が終了してからすでに1年9ヶ月も経っていたとはオドロキ。
【雑誌】少年サンデー 4/8 No.17 小学館
 ロリショタ系の人たちの間では最近注目らしい「DAN DOH!!」(作:坂田信弘+画:万乗大地)。今週号では「モンキーターン」(河合克敏)でもなんかマネされていた。相変わらずの児童虐待ぶりでいい感じ。「ARMS」(皆川亮二)は今週もジャバウォック氏大暴れ。かっちょいい〜。それから今週イチバンいいなーと思ったのは「なぎさMe公認」(北崎拓)。今週はラブパワーで、なぎさがかなりランナーズハイ。リエの健気さもいい。面白いっす。
「GS美神極楽大作戦!!」(椎名高志)は最近わりと読んでいる。盛り上がってるなー。あと、巻末で地味だけどなかいま強「ゲイン」は樋口がたまの高校に転向してきて、またいいチームになりそうだ。キャラクターも立ってるし、いつもながらにきっちりと面白い。職人芸って感じだ。

【雑誌】少年マガジン 4/8 No.17 講談社
 巻頭でヤンマガUPPERS執筆陣による、UPPERS宣伝リレー漫画が掲載。UPPERSって190円なんだねえ。それにしてもUPPERSの宣伝はやけに気合いが入っている。アフタヌーンでも手の込んだことしてたし。楽しみな雑誌だけど、さてどうなるか。
「Jドリーム完全燃焼編」(塀内夏子)では前回予選組も加わって、ポジション争い激化。なんとなく新キャラクターの得体がしれないというのと、新しい代表組がポッと出という印象があって、浮ついた感じがしなくもない。でも、まあ塀内夏子のことだからこれからきっちり仕上げてくるんだとは思う。
「はじめの一歩」(森川ジョージ)は完全に殴り合いモードに入って非常にかっこいい。もっとガンガンいってほしい。そして今週はなんといっても「真・中華一番!」(小川悦司)だろう。空から降ってきた彗星の中に山菜チャーハンという素晴らしい演出。あまりの馬鹿馬鹿しさに感激する。

【雑誌】激漫 Vol.13 ワニマガジン
 ISUTOSHIが新連載「高校星プラウラ」。この人の絵は骨太なうまさがあって前から気になっていたので、連載はけっこう楽しみ。「星に願いを」(天竺浪人)はかなり大きく物語がうねり始めた。次はどうなってしまうんだろう。
 十羽織ましゅまろ「血みどろっチャオちゃん」は意味もなくパワフルで面白い。それは「LIZARD KING」(馬場康士)も同様。ちなみに「LIZARD KING」の今回の扉は「SLUM DANK」のパクり。いやー悪ノリしてるなー。「水の誘惑」(氷室芹夏)は今回で第二部・完。この後、不穏な展開が待っていそうでさらに楽しみになってきた。「MARO」(ABILITY)は今回もすごくバカバカしいのだが、一時期よりもテンションが落ちてきた感じはする。マヌケなネームは健在だけど、もっともっとガンガンやってほしい。

【雑誌】きみとぼく5月号 ソニー・マガジンズ
 こぎれいな画風の人が多いけど、なんとなくどの話もわりと他愛もない感じだなーと思った。目に付いたのは秋沢ヒトミ「ハル」。にじんだようなペンタッチと、雰囲気のある画面作りがなかなかいい。話もわりと好み。あとは「clover」(鵤いくら)がけっこう良かった。いとこにべったりで何から何まで依存していた少女が、彼女から自立していくという話。

【雑誌】なかよし 4月号 講談社
 うーん、このくらい対象年齢の低い雑誌だと、さすがにあんまり読めない。「カードキャプターさくら」(CLAMP)とかは面白いらしいけど、途中だからよく分からんし。
 あと、こういう雑誌は付録がけっこう楽しいなーとか思った。なんだか下らない実用性があって、職場に持っていったりするとけっこうウケる。あと別冊付録の、八木ちあき講師「まんが家になろう!」は付録のわりにきっちりまとまってて案外役立つかも。こういうのを読んで、若いうちからコマ割りの大切さを学んでいってほしいもの。

【雑誌】花とゆめ 4/5 No.8 白泉社
 こちらはヒキの強い続きモノが多いので、今日初めて読んだ俺はどうにも入っていけなかった。こういうのは単行本でまとめ読みのほうがいいかも。

【雑誌】YOUNG YOU 4月号 集英社
 俺の知り合いの信頼できる漫画読みの人が、「少女漫画(女性向け漫画)は集英社がいい」といっていたが、ここまでいくつか雑誌を読んできて俺もそう思った。少年誌・青年誌の場合、俺は集英社の雑誌とは相性があんまり良くないんだけど、女性向けのほうは面白く読めるのが多かった。今のところ、いちばん当たりと思ったコーラスも集英社だし、YOUNG YOUもわりと楽しめる。
 まずは榛野なな恵「ピエタ」の前編。暗くて陰鬱な展開でなかなか面白い。「Papa told me」は読んでいるが、それとはまた違った味がある。「ベル・エポック」(逢坂みえこ)もよく話は聞くだけあって、たしかに面白かった。絵も話も鮮やかな出来。この雑誌の中では、「キララのキ」(岩館真理子)が一番いい感じなのだが、ここまでの話を知らないのが残念。単行本は2巻までということだからまだ追いつける範囲。しゃあない、買うか。

3/24(火)……宮廷コミック

 今日読んだ雑誌は上品なもの、オシャレなもの、強烈なもの、下品なもの、脂っこいものと揃っていてなかなかイヤな組み合わせ。CUTiE comicとフラミンゴ、漫画サンデーといったあたりはある意味対極的な位置にあるといえるかもしれないな、とかふと思った。

【雑誌】CUTiE comic vol.2 宝島社
 待望のvol.2。vol.1に続いて、今回も力のある人がてんこ盛りで捨てるところがない雑誌。ただ、ハズレはない代わりに大当たりもないなーって気がする。大吉も凶もなく、中吉が揃っているおみくじみたいな印象をうけた。似たようなテイストの人ばかりなので、一つ一つの作品がイマイチ目立たない。なんとなく「食パンを一斤食べる」みたいな単調さがあるのも事実。でも、個々の作品はやっぱり面白いので、買っておいて損はないと思う。
 今回の顔ぶれは、楠本まき、安野モヨコ、橋本ライカ、小野塚カホリ、やまだないと、鈴木志保、室田朋美、池上花英、大久保ニュー、大崎千亜喜、魚喃キリコ、南Q太。もういかにもって感じ。この中では安野モヨコ、魚喃キリコ、南Q太あたりはいつもどおりいいのでとりあえず置いておくとして、橋本ライカがのびやかな絵柄でけっこう好き。そのほかのメンツもみんなレベル高くて安心して読める。楠本まきは俺はよく知らないんだけど、7年ぶりの新作とのこと。タイトルは「KISS××××」。うーん、かっちょいいや。

【雑誌】別冊YOUNG YOU 4/30 集英社
 表紙に「オール長編読切り」と書いてあるんだけど、短編もあるし続きモノもある。前に読んだKiss Carnivalでも思ったけど、「読切」って言葉の定義が俺の感覚と違うのだろうか。でも長編の定義はいくらなんでも違わないよなあ。
 それはまあともかく巻頭カラー「シャボンの祈り」(成瀬涼子)が面白かった。ヒロインが高校時代の憧れの先輩と再会するのだが、彼は事故によりそれ以後に起こったことをすぐに忘れてしまうという「前向健忘」という病に犯されていた……という話。何をしても自分のことを忘れてしまう彼だが、それでも好き…という哀しい展開なんだけど、爽やかで美しい物語。この雑誌の中ではこれが一番。
 あとはお金持ちの家に生まれて、人を疑うことを知らず、周りのものすべてを肯定してしまうお嬢さまに振り回される男子学生のお話、「ぱらだいす」(中野純子)がわりと面白かった。
 雑誌全体で見ると、面白い作品と面白くない作品の落差がけっこう激しい感じ。

【雑誌】フラミンゴ5月号 三和出版
 うっ……わぁ。やっぱ濃いわ、この雑誌。本当に「選ばれた者」向け。これを読みこなすには体力がいる。調教、SM、スカトロと徹底しててホント素晴らしい。俺的には今一番スゴイエロ漫画雑誌だと思うけど、絶対に万人向けじゃない。劇薬系。ただ、今月号よりも先月号のほうがスゴかったかな。楽しみにしていた北原武志の連載が掲載されていなかったのが残念。表紙の「クサリがグッサリ!!」というコピーはかなり脱力。
 前回「volunteer Breeding」が最終回を迎えた海明寺裕はさっそく新連載。タイトルは「girl Hunt」。またなんかひねくれた仕掛けをやってくるんだろうと思うとワクワクする。この人は技巧的にはエロ漫画界ではトップクラスだと思う(描画技術ではなく、読者を幻惑する演出などの面において)。白井薫範「ひとひらの花さえすべて君に」は最終回。やってることはすごくエグいけど、これも愛だ。単行本でまとめ読みしたいところ。三和出版はちゃんとこういう作品も単行本にまとめてくるあたり偉いと思う。
 町野変丸はいつもどおりなんだけど、この本の中に入るとなんとなく普通に見えてしまう。冬魔乱「シーメール学園」は話の収拾が全然ついてなくて完成度は高くないんだけど、意味もなく濃いところは買える。蜈蚣Melibe「なごり雪」は「バージェスの乙女たち」の序章。有機人形という、「家畜人ヤプー」的世界を描いている。4/13に単行本が出るらしいのだが、なんだかかなり欲しくなってきてしまった。あと最後にしろみかずひさ「IN THE WAKE OF POSEIDON」。なんだか絵柄とかずいぶん壊れてるような気がするんだけど、「『球根栽培』の第2話目の作画が間に合わなかった」と書いてあるということは、ひょっとして昔の作品の再録?なんか背景とか各所の描写にアブなさの漂う作品。

【雑誌】ドルフィン5月号 司書房
 肉弾ばいんばいん系エロ漫画雑誌。今月はちょっとクオリティは低めかな。巻頭カラーのマーシーラビットは、話がカラッと明るいところは俺ポイント的にいまいちなんだけど、身体や体液の描き方は気に入っている。嫌味のない作風で安心して楽しめる。みやびつづる「艶母」はいやらしい人妻もの。この人は、本当にエロ小説的人妻らしい、ちょっと崩れ気味に爛熟した体型が持ち味。ぬるぬるでねちっこい描写が素晴らしい。人妻モノ好きの俺としては、最近けっこう注目の漫画家。米倉けんご「DOG STYLE」はなんだかすごくハードな展開。うひゃー。なんか絵柄も話に合わせて変えてきている。たぶん試行錯誤段階にあるのだろう。描線とかちょっと荒れ気味な感じはするけど、煮詰まった雰囲気は出ていていいと思う。

【雑誌】漫画サンデー 4/7 No.13 実業之日本社
 駅で拾った。ひさしぶりに読んだが、定食屋的脂っこさは健在。かどたひろし「チキン!」は相変わらず絵がうまい。ただ、どうにも一般受けしない作品を描く人だなあという印象がある。絵はA級なんだけど、漫画はB級って感じ。場違い的に丸まっちくてかわいい絵柄のナカタニD.「にくげなるちご」はわりと面白くて、画面の雰囲気もいい。この雑誌の中では数少ない女性でも楽しめる漫画だと思う。
 それにしてもなんかここらへんの雑誌はいつ読んでも変わらない感じだなあ(←肯定的な意味で)。

【単行本】「我らの流儀」3巻 大武ユキ 講談社 判型:B6
 ようやく最後の巻が発売になった。前からいっていたことだけど、どうにも惜しい作品。話としては面白いし、作画もうまいが、漫画的表現技法がイマイチ。数あるサッカー漫画の中でも、群を抜いてモダンなプレイスタイルのチームを描いているのに、試合のシーンでバストアップや寄ったアングルが多く、どんなサッカーをしているのか分かりにくい。試合の展開も把握しづらい。もうちょっと俯瞰的なアングルを織り混ぜるとサッカーの試合のシーンも面白く見せられるのになーと思う。
 どちらかというと人間関係をメインに話を組み立てていく人なので、これはこれでいいのかもと思うが、せっかくかっこいいサッカーを描いているんだからもっと欲張ってもいいのでは。

【単行本】「スカタン天国」1巻 北道正幸 講談社 判型:B6
 いつもながらにうまい。こういうトーンに頼らず、ペンで細かく描き込まれた絵柄に俺はかなり無条件で弱い。話もベタベタでパワフルなノリの良さが素晴らしい。楽しい漫画なり。


3/23(月)……ハヤ子の酒

 今日はなかなか漫画が大漁。以下にレポートしたもののほかに単行本3冊と雑誌1冊を買ったのだけど、読み切れなかったので明日回し。それにしても今日もかばんが重かった。

【雑誌】少年ジャンプ 4/6 No.13 集英社
 やっぱり「世紀末リーダー伝たけし!」(島袋光年)はいい話を描くな〜。今回はおばあちゃんと少年のお話。絵はヘンだけど、漫画的センスはバッチリさーって感じ。尾田栄一郎「ONE PIECE」はいつも通り面白い。あとは「ROOKIES」(森田まさのり)がいい。セリフとかは多少クサくもあるけど、いい話はいい話なのだ。

【雑誌】エクストラ・ビージャン 4/30 集英社
 この雑誌はやっぱり「どす恋ジゴロ」(平松伸二)でしょ。今回の恋吹雪のお相手は旅館の女将&クマ。馬鹿馬鹿しくていい。ひらまつつとむ「氷のギャンブラー」は麻雀系ギャグ漫画。「飛ぶ教室」の人も今ではこんな漫画を描いてるんだなあ。ビッグ錠は「ビッグ錠のニューヨークひとり旅」という旅行記もの。ああ、好きだぜビッグ先生。あと、東元「街角行進曲」はデモクラしくてかっちょいいお話。踊り子とジャズマンの一幕のストーリー。この雑誌の中ではこれが一番。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 4/6 No.16 小学館
 単行本のお知らせを見ていたら唐沢なをき「怪奇版画男」が3/30に発売するとのこと。うおー、これはう・れ・し・い・ぜっ!
 青山広美「ダイヤモンド」は連載第2回め。けっこう大仰な展開になりそうで期待できる。もっともっとエスカレートしていってくれるとうれしい。「いいひと。」(高橋しん)は絵柄のわりに説教臭いので、正直俺はあんまり好きじゃないんだけど、最近わりと楽しい展開。「月下の棋士」(能條純一)は氷室の勝負師としての生き方が加速してきて面白い。
 ゲストで「今日から俺は!」の西森博之が登場。「ナガシマさんプリ〜ズ!!」というタイトルどおり、雑誌の記者がナガシマさんに取材に行って、そこで一世一代のお願いをするというもの。さすがにきっちりまとめてくる。「奈緒子」(作:坂田信弘+画:中原裕)は奥田が正念場を迎えている。迫力があって心理描写も細かい。ああ、面白い。「センチメントの季節」(榎本ナリコ)は単行本が4/30発売。いつも楽しませてくれる。

【雑誌】コミックアルファ 4/7 No.1 メディアファクトリー
 本日創刊。水島新司、かわぐちかいじ、永井豪、三浦みつると旬は外しているものの一級品の顔ぶれ。なんかビッグコミックオールドを思い出すメンツで、おそらくオヤジ層を狙っているのだろう。でもいくらなんでも手あかがつきすぎって感じはあるなあ。たぶん売れないだろう。創刊号なのにイキが悪すぎ。見ていてワクワクしない。
 でもまあさすがにベテラン揃いだけあって、個々の作品はわりと読める。永井豪「ASTRA SPACE FAIRY」は、宇宙から子種を求めてやってきたお姫様のお話。実に永井豪らしい愛すべき駄作って感じ。永井豪は傑作も描くが、駄作もすごく多い。前にジャンキーズでは「永井豪の作品は90%くらいが駄作ではなかろうか」みたいなことを書いたことがあるが、駄作に味があるってのが永井豪のいいところ。俺は永井豪の駄作ってすごい好きだ。
 三浦みつるは肝心なところは描かないんだけど、妙に色っぽい描写がかなり好き。あと今回の掲載作品で俺的に一番気に入っているのがバロン吉元「シャイニング」。頭の薄い関取がそのコンプレックスをバネに奮闘するってお話。この人の異常に脂っこい絵柄と少し間の抜けたストーリー展開は、妙になごむところがあって面白い。前にアフタヌーンでやってた「小さな巨人」も好きな作品だった。画:六田登+作:野田周「たかこ」は17年ぶりに故郷に戻ってきた女性・たかこの話。陰気な展開になることを期待。島本和彦「スカルマン」はどんな感じになるか分からないけど、馬鹿馬鹿しくなってほしいなあ。
 たぶん売れないけど値段分は楽しめるかなーって感じ。それにしてもオヤジくさい雑誌だなあ。

【雑誌】近代麻雀ゴールド5月号 竹書房
 電車の網だなでゲット。相変わらずの近代で麻雀な世界。うういずみ「黒衣の孔雀」が意味もなく濃くて下らなくて楽しめた。日高トモキチ「イタカ」は、日高トモキチの作品を久しぶりに読んだ感じだけど、ずいぶん画風が変わってるなーと思った。ハードボイルドな麻雀漫画なり。福本伸行「天」はいつもながらに演出がうまい。戸田ダイス「レディ・ランド」は力の抜けた画風&ストーリーがええ感じである。

【雑誌】「静かなるドン」スーパー総集編 No.17 実業之日本社
 こちらも電車でゲット。これまでの経過は全然知らないし、非常に脂っこいオヤジ系なんだけど、ちゃんと読むときっちり楽しめる。エンターテインメントしてるなあ。

【雑誌】COMIC PIAZZA98 星雲社
 やけに漫研くさいノリだなーと思ったら、代々木アニメーション学院編集なのね。新人13人をデビューさせているけど、正直いって面白くない。ヘタならヘタなりに、ヤンマガ赤BUTAみたいにパワフルでどこか一個すごい突き抜けた部分があるといいんだけど、みんな小さくまとまったヘタさって感じで読む気になれない。
 じゃあなんで買ったかというと園山二美が描いているから。さすがに作画レベルも高いし、これは楽しんで読める。彼女に捨てネコを押しつけられた男のお話。わりと他愛もない話なんだけど、きっちり楽しめた。

【単行本】「ハヤ子サケ道をいく」2巻 玉川敏秀 講談社 判型:B6
 面白かった。連載終了後、単行本まで間が開いていたのでもう出ないのかなーと思っていたのだが、描き下ろしに時間がかかっていたんだろう。実にいい漫画なので、オススメ漫画レビューに追加。


3/22(日)……頭文字D

 いつも月曜日更新だった兄のホームページだが、今週は風邪ひきということでお休み。来週をお楽しみに。

【雑誌】別冊マーガレット 4月号 集英社
 うーん、別マは俺的にはつらいかな。といってもストーリーではなくて。女性向け漫画をちょこちょこ読んでみたけど、ストーリーはどんなのでも俺としては読めそうだということは分かってきた。で、何がダメかというと画面構成。1ページのコマ数が多すぎるうえに、その1コマ1コマがきっちり描き込まれているのですごく読みづらい。さらにあまり意味のない斜めの枠線などが多用されていて、セリフの量が多いので読んでてすごく疲れてしまう漫画が多かった。あまりテンポよく読むことができないなーって感じ。絵はわりと好みの人もいるんだけど。これで判型の小さいコミックスになったらさぞキツかろう。レベルが高いってのは分かるのだが。河原和音、斉藤倫あたりは絵は好みなので、もうちょっと画面を整理してくれれば……とか思う。
 そんな中で読みやすかったのは「まっすぐにいこう。」(きら)。さすがに俺でも名前を知っていた作品だけあってけっこうよくできていると思う。コマ割りもわりとオーソドックスで、1ページのコマ数も適正範囲内。あと、永田正実「恋愛カタログ」、藤村真理「水に絵を描く」あたりはわりと楽しんで読めた。「ウルフ物語」(岩田江利子)は唐突な展開がなかなかいい。異様なノリがこの雑誌の中では目を惹く。

【雑誌】Kiss Carnival 4月号 講談社
 表紙のうたい文句「オール新作読み切り」に惹かれて買って見たのだが、続きものがけっこうある。うーん、だまされた。っていうかこの場合の「読み切り」って「1話完結の短編」って意味じゃないのだろう。
 で、気になったのは「何にもない」(佐藤真由美)。ドタバタした感じのストーリーがいい感じ。あとは埜納タオ「さっちゃんはネ」がええ感じの、松本充代とか松井雪子をちと思い出すような絵柄でストーリーもなかなか。楽しんで読めた。

【雑誌】りぼん 4月号 集英社
「連載」ということばをひらがなで表記するような雑誌を読んでいるころから、女の子って愛を模索しているのだなあ、とちょっと感心した。巻頭カラーの矢沢あい「下弦の月」なんかもあんまり子供向けって感じじゃないんだけど。女の子は早く大人になるわけだ。
 全体的にはかわいくかわいくって感じで、小さな女の子からオタク男まで居心地良く楽しめる雑誌と思った。イメージとしてはチョコレートパフェ。どれもコンスタントにオタク男のハートを直撃する、甘いいやし系の漫画が揃っている。俺もオタクだからわりと楽しめたけど、直撃ってわけでもないあたりが俺のあんまりストレートでもないところだな。
 印象に残ったのは、前述の矢沢あい、高須賀由枝「グッドモーニングコール」、小花美穂「こどものおもちゃ」あたり。矢沢あい以外はストレートなラブコメで分かりやすい楽しさ。

【雑誌】amie 4月号 講談社
 全体的になかなか面白く読みやすい。不穏な噂も聞いてるけど。
 まずは桜井明子。女の子が安野モヨコで、男がよしもとよしともって感じの絵柄。話的にはよしもと系かなあ。そんなわけなので、当然楽しめてしまうのだった。青春一直線な感じだねえ。山名沢湖「いちご実験室」はなかなかファンタジイを感じるお話。コミティアなどでもすでにおなじみって感じではあったが、俺は意外と読んだ回数は少ないな。面白い。
 藤たまき「ひみつのエコーボックス」は絵の適度な崩れ方が心地良い。あとは新人の藤堂はくる「彼女はそれを我慢できない」がわりと楽しかった。きれいな絵できっちりラブコメしている。

【雑誌】ウインクル 4月号 海王社
 少女漫画4連チャンした後にいきなりエロ漫画読むところがまた。なんとなく一服の清涼剤という感じ(いやな清涼剤だな)。この雑誌は今まで読んだことなかったけど、わりと好み。毎月30日発売の雑誌を今ごろ読むのもどうかと思うがまあいいか。
 まずはなんといっても上藤政樹「学園特警ヴェガポリス」。いつもながらヘタな絵だが、楽しんで描いている感じが素晴らしい。今回のネタはかなりヤバい。某私立大学(「低狂」とかユニホームに書いてあるし)の「裸具美慰部(らぐびいぶ)」や、別の某大学の「愛酢勃茎部(あいすほっけえぶ)」がいきなり女の子をひっさらってカラオケボックスにGOだったり、赤と青の点滅光線を出す動物などがバリバリと出てくる。しかも絵もイッちゃってて最高。
 南京まーちゃん「僕が彼女に着がえたら」は最終回。男の子と女の子の身体が入れ替わっちゃうというよくあるタイプのストーリーなんだけど、ラストのオチがいい感じ。素直な絵柄もなんだか惹かれるものが。あと奴隷ジャッキー「SO SWEET NIGHTMARE」。微笑ましいラブコメH。なかなか面白い。「かたやき本舗」(夢ノ二)はなんとなく水田恐竜を思い出すコミカルな絵柄。幸せなラブコメで楽しい。吾妻ひでおはかなりどうでもいい作品。

【単行本】「電撃スパイ」 大噴火五郎 白夜書房 判型:A5
 安彦良和な絵柄で、パワフルで馬鹿馬鹿しいエロ漫画を描く電光石火轟であり、そして弾丸三四郎でもあるところの大噴火五郎の単行本。今日の日記のタイトルは彼の三つのペンネームがみんな頭文字Dであるということにちなんでいる。この本の初版は1989年だから、もうかなり前の作品だけど今読んでも馬鹿馬鹿しいしいやらしいし、かなり面白い。最近めっきり見かけなくなったけど、漫画家やめちゃったのかなあ。この単行本は、以前俺の母校の近くの古本屋で見たときはプレミアがついて1500円だったが、今日地元の古本屋を覗いてみたら600円で出ていたのでゲットしてきたわけだ。


3/21(土)……ウゴウゴジーテ

 お部屋に新たにもう一つ本だなを導入するため、家具の移動を行う。スライド式書棚を動かすために中身を全部出したのだが、入れるのは簡単だけど出すのはけっこうたいへん。あとしまい直すのも。それが終わった後、近くのデパートに新しいのを探しにいったのだがピンとくる奴はなし。こういうものは納得いかないものを買うと絶対後悔するので、今日は見送ることに。スライド式書棚はもう買わない。あれはたくさん入るけど、中の本が出しにくくなるしスライド部がガタピシするので、俺は嫌いなのだ。なんていうか、本当に棚でしかないって感じの芸がなくて、なおかつ安いのが欲しい。

【雑誌】ヤングマガジン青BUTA No.1 講談社
 創刊号。赤BUTAほどの野蛮さはなくちょっと大人しめなのだが、大半の作品が「赤BUTAに続く」ということになっているということで、赤青セットととらえても良さそう。長田裕幸「電脳栽培ショーチクバイン」はわりとフツーに面白い作品。「鋼」(内谷正人)はとにかく「力強ければそれでええんかいっ!」という感じで、話の内容はどうでもいいものの、意味もなく力強いタッチでわりと間抜けな展開にひかれるものがある。
 石川雅之「カタリベ」はフツウにうまい。赤BUTA系はワイルドで力強い作品が多いので、こういうきちんと絵がうまくてストーリーもちゃんとしている作品というのは珍しくさえある。「はしのはなし」(大西実生子)もちゃんとできた漫画。絵も見せ方もけっこういい。逆に異常なのが「脳みそ開眼」(カタピラガー)。なんか昔の小林よしのりみたいな感じで、さらに下手くそにして異常にしたような作品。ヘンで面白かった。
 安定してヘンなところではまずタイム涼介「新人日記」。相変わらずくだらねえ。そして、最近イチ押し、かたぎりわかな。ここのところヤンマガ系で立て続けにヘンな話を描いているが、これもナイス。タイトルは「うさぎグルーヴ」。かわいい絵柄だけど、唐突で脈絡がなく、さらにツッコミのないボケがエンドレスに続く。いやー、面白い。

【単行本】「ハルチン」 魚喃キリコ マガジンハウス 判型:A5
 魚喃キリコの今までの単行本と違って、カラッと明るい。ハルチンというがさつで豪快な女性(25)の、しょーもない生活を描いている。楽しく気軽に読める単行本。こんなのも描けるんだなあ。気持ちよく笑える。

【単行本】「恋愛的瞬間」1〜2巻 吉野朔実 集英社 判型:新書判
 きれいなんだけど、もうちょいって感じ。1話完結っぽく進んでいくが、第1話のストーリーを軸に引っ張っていったほうが楽しめたのではと思った。でも吉野朔実はまだまだいいのがあるらしいので、ほかのにもまた挑戦するつもり。

【単行本】「動くG-taste」 画:八神ひろき+動画:松本圭司 講談社
 くっだらねー(褒め言葉)。パラパラ漫画で動く「G-taste」。3本1300円で買って1分で楽しんで終わりって感じ。この馬鹿馬鹿しさはなかなか趣がある。


3/20(金)……アリスでありんす

【雑誌】少年チャンピオン 4/2 No.17 秋田書店
 ちょっとテンション落ち気味のチャンピオン。でも「グラップラー刃牙」(板垣恵介)は実に相変わらずテンション高し。この人の漫画は本当にどっちが勝つか読めない。「普通そっちを勝たすか〜?」ってほうをいきなり勝たせたりするからなー。「鉄鍋のジャン!」(西条真二)はどうせジャンが勝つのは分かってるが、それでも見せる。どうせこの陸家の人たちは百蘭王じゃないんだろうけど。それにしても餃子を早く握るのって味に関係あるの?
「悟空道」(山口貴由)はHくさくていい。色っぽいぜ。「バロン・ゴング・バトル」(田口雅之)は今回もいい。ゴードンが正々堂々としていて気持ちいい。「ジョジョの奇妙な冒険」に例えれば第二部のワムウだ。そしてラミエルはカーズっぽい。次号から始まるであろうバトルもかっこよくなりそうだ。あとはおおひなたごう「おやつ」。下らない小技が冴えている。

【雑誌】モーニング 4/2 No.16 講談社
 巻頭カラー「デビルマンレディー」(永井豪)はあんまり評判は良くないが、じょじょに面白くなっているような気はする。ただ、永井豪先生の場合は駄作になってもそれはそれで味があったりするので、うまく収拾がつかなくなったらハデに話をぶっこわすというのも俺的にはありだ。
 今週はスポーツ系2作品がビリビリした。まずは「ヨリが跳ぶ」(ヒラマツ・ミノル)。次号ではいきなりヨリのパワーが炸裂するのだろうなーと期待を抱かせる今回のラスト。かっちょええ〜。そして「ブル田さん」(作:高橋三千綱+画:きくち正太)。ヒルトンも清川もかっこいい。そして次は白石に期待だ。
「変體累ヶ淵NAKED」(作:杉元伶一+画:米餅昭彦)はいつもどおり濃い。真一の驚愕の表情がすさまじい。あとは「染盛はまだか」(清田聡)かな。これからバンド編に突入。乾いた絵柄がいい感じ。そして次号からの展開も楽しみ。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 4/5 No.7 小学館
「龍」(村上もとか)では何やら龍が記憶喪失になっている感じ。わりとストイックな展開になっていて面白い。相変わらず、堂々としたストーリー運び。石坂啓「アイムホーム」。けっこう面白いと思う。あとは石坂啓らしい説教臭さ、あざとさが出なければいいのだけれど。「ケントの方舟」(作:毛利甚八+画:魚戸おさむ)は今回で最終回。といってもこれまでまともに読んでなかったんでコメントするほどのこともない。
 そしてあぶさんは52歳なのだ。何もいうまい。

【雑誌】ウルトラジャンプ No.16 集英社
 ハイエンドオタク系代表格。買っちゃうんだけど、なんとなく読み込もうと思える漫画がないような気がする。上すべりしている感じ。うーん、俺はあんまり乗れないや。
 木城ゆきとの新連載「水中騎士」はなんだかずいぶん線が太くなって、少年漫画みたいな感じ。どうなっていくかはよく分からないけど、さてどんなもんだろう。すがわらくにゆきはビームには載ってなかったけど、こっちには登場。タイトルは「大宇宙大侵略!!」。ほのぼのだけで味になっていて読めるんだけど、すがわらくにゆきだともっとスパイシーな奴をやってほしいところ。
 大暮維人「天上天下」はまあまあ面白くなってきたかなーって感じ。ただ、このくらいの話だったらエロのほうが好き。もうちょっと。松本嵩春「アガルタ」はいつもながらうまいなー。かっちょいい。それから櫻見弘樹が読切「事件ですよ!」で登場。ドタバタ系の学園モノ。まあまあかな。
 藤原カムイ「福神町綺譚」はいよいよ次号から本編連載開始。やっぱり漫画が始まらないと、インタラクティブもなかなか難しい。一本真ん中にドカーンと太い芯がないとパロディもしにくいしね。次号からようやく動き始めてくれるということで、前から関わっていた人間としても非常に楽しみ。次号予告でも扱いデッカいし、今度こそ本気だって感じ。ちなみに今回の「福神町通信」で欄外の住民名簿に俺の名前が載ってたりもする。そして「明智屋(変装グッズ)」というのは俺がNIFTYのホームパーティ(現在はパティオに移行済み)で出したアイデアだったような気がする。「ぜんまい式ぜんまい巻き機」ってのもそうだったかな。

【雑誌】アリスくらぶ vol.5 コアマガジン
 どんどんテイスト的には薄くなっているなーという気がするアリスくらぶ。俺としては「アリスの城」のころの、ホンモノのロリ系の人が集まった過剰な情念の感じられる誌面のほうが好きだった。幼女が好きで好きで仕方がなくて、そしてそういう妄執があふれ出てきて作品になってしまったという感じで。今のアリスくらぶは絵がかわいくて幼女以外のものも描けるんだけど、「ロリで1本」という発注があったからロリを描いたって感じの人が多いようにも見える。
 しかし、ホンモノ系の人たちを寄せ集めた本というのは限られた人にしか受け容れられないもので、現在のような形のほうが一般受けするのだろう。そして出版社側が一般受けするもののほうを選ぶのは当然だ。クオリティは相変わらず高いので、これはこれで楽しめばいいのだと思う。それに「アリスの城」時代で俺がいちばん楽しみにしていた大山田満月は現在では商業誌に出てくることはまずないし、こういったホンモノ系の人ばかり集めるというのも無理があるのだろう。
 さて、内容。まずは町田ひらく「アンフェール藝術院」。漫画チックな絵の作品が多いなかで、この人の絵と突き放した冷淡なストーリーは圧倒的に目を引く。最後のコマはちょっとなんだか分かりにくかったけど。それから馴染しん「みんなが知らないこと。」はロリ系では注目の作家って感じかな。鼻を省略する絵は俺としてはそれほど好きじゃないんだけど、全体的にかわいいからマル。天織龍樹「アリスとあそぼう」は単純にかわいくてOKな感じの作品。Hじゃないけど楽しめるからグッ。
 最後にホンモノ系二人。鎌やん「狼のレクイエム」はギャグ仕立てではあるが、ホンモノならではのタマシイの叫びが感じられる。コミカルなんだけど、ままならない自我と世間の風当たりなどについての葛藤が感じられて思わず泣けてきさえもする。月角「梅襲」はいつもの月角。ちょっとこの作風も飽きてきたなーって気もするけど、やっぱり濃い。
 全体的に見ると、濃さはほどほどでそれなりにバラエティにも富んでいる。楽しんで読めるしけっこういい出来だと思う。


3/19(木)……びーらぶひでき

 最近、ときどきAIRnetのサーバーが落ちていることがある。しかも、AIRnetのユーザーホームページはwww.xx.airnet.ne.jp(xxのところがサーバーによって違う)というサーバーに置かれるのだが、俺の使っているwww.tk.airnet.ne.jpだけ落ちているときがあるようなのだ。まあ、そんなわけなのでつながらなかったときはしばらく時間を置いてからまたアクセスしておくんなまし。俺の経験上、AIRnetはサーバーが落ちてもわりと早く対処してくれるみたいで、2、3時間経つと直っていることが多い。
 少女漫画、というか女性向け漫画トライアル第2弾。今日は書店で適当に選んだYOUとBE・LOVE。ここまで4冊読んでちょっと思ったが、女性誌だけあって育児・恋愛漫画が多いのは当然として、病院モノ、ペットモノもわりと目に付いた。だからどうだってわけでもないけど。

【雑誌】ヤングサンデー 4/2 No.16 小学館
「殺し屋イチ」(山本英夫)は、「サルまん」の相原みたいな顔したヤクザの若頭がなかなか飛ばしている。痛そうな暴力描写がかっちょよかったりもする。「花マル伝」(いわしげ孝)は、今回はラブコメ的展開。山咲かわいいじゃん。作:七月鏡一+画:西沢一岐「ホタルロード」はまだ西沢一岐の良さが出てないかなーって感じがする。意外と原作付きでなく、ピンでのびのび描かせたほうがいいタイプかも。
「よいこの星!」(柏木ハルコ)はさらにねちっこい展開になってきて非常に面白い。子供社会のみみっちい陰湿さが描けていていい。「アガペイズ」(山田玲司)は最近アツくなってきた。さて、ここからどうする。あとは巻末指定席「ザ・ワールド・イズ・マイン」(新井英樹)。またモンちゃん&トシの殺人行が始まりそう。しかも今度はトシまで腹くくっている感じなので、さらにたいへんなことになるかも。いつも面白いぜ。

【雑誌】ヤングジャンプ 4/2 No.16 集英社
「サラリーマン金太郎」(本宮ひろし)は、金太郎が労組委員長になってさらに社員全部を巻き込んでいくことに。相変わらずの大風呂敷ぶりが痛快。「HOTMAN」(きたがわ翔)。きたがわ翔は俺としてはあんまり好きでないけど、この作品はまあまあ読める。いつもながら絵はうまいしね。「天国にいちばん近いフィールド」(作:森田森魚+画:七瀬あゆむ)はラブコメ色が増しつつあるが、これで野球強くなったりしたら球児には失礼かも。どうでもいいけど。「ゴルフ19」(みやすのんき)は今週も馬鹿げている。なんか「プロゴルファー猿」を女の子版にして、話をさらに馬鹿にしたみたい。しかもエロが入っているところがなんともみやすのんきだ。

【雑誌】YOU 4/1 No.7 集英社
 奈知未佐子「風から聞いた話」が非常に良かった。「狐の嫁入り」をモチーフにしたお話。単純な絵柄なんだけど、きれいでやさしくて面白い。あとわりと面白かったのは新連載・小田ゆうあ「誰か彼女をとめてくれ」あたり。これはパワフルな受付嬢が暴れるみたいな話。「ナース・ステーション」(島津郷子)と、読切の「春の国の住人」(深沢かすみ)あたりもけっこう読めた。それから「伊賀のこカバ丸」(亜月裕)は、こんなものもやってるんだなーとか思って感心してしまった。

【雑誌】BE・LOVE 4/1 No.7 講談社
 表紙&巻頭カラーのごとう和「エンジェル日誌」は面白い。俺はさすがに子供を生んだことはないし、生ませたこともないので、育児ものに対するシンパシイは全然ないんだけれども。中村真理子「ギャルボーイ!」もわりといいかな。ある雪の日のお話。ところで、この漫画は単行本が31巻も出てるんだねえ。さすがに今からだと読むのはつらいな。「永遠の誘惑」(前原滋子)は、同級生の友人の息子とのラブ・ストーリー。ちょっと無理のある設定かなーと言う気はしないでもないけどわりと読めるのでいいや。「カーテンコール」(三原陽子)はピンク色の髪をした男がなんかヘンテコ。だけど、話は面白いし主人公のぽっちゃり感も悪くないので楽しめた。「半熟レストラン」(萩丸雅子)は最終回。ラストだけ読んでいうのもなんだけど、きれいなしめくくりという感じはした。

【単行本】「虹龍異聞」 湊谷夢吉 アスペクト 判型:A5
【単行本】「魔都の群盲」 湊谷夢吉 アスペクト 判型:A5
【単行本】「ブリキの蚕」 湊谷夢吉 アスペクト 判型:A5
 地元の本屋さんにあったのでいちおう買っておく。なんとなく坂口尚に似たタッチなんだけど、それよりもほんのり水っ気のある絵柄。あんまりトーンを使わないで、ペンで細かく描き込まれた描線はわりと好み。話は昭和初期あたりから戦時中のものが多いが、適度に力の抜けた作風で気軽に読めた。一編一編の完成度が高く、それぞれに面白い。俺的には3巻収録の「ブリキの蚕」がとくに気に入った。


3/18(水)……ジャバウォックってなんじゃば

 今日は酔っ払いモード、なんだけど漫画は読む。終電でおうちに帰ったのだが、終電ってけっこう漫画が拾えるのでうれしい。今日はミスターマガジンとアクション、ヤンマガを拾えてかなりホクホク。カバンが重いのはなんとかしたいところだけど。今日は以下にレポートするもののほか単行本3冊と、女性向け漫画雑誌を2冊購入したのでかばんが重くてしょうがなかった。最近、漫画に関しては歯止めがきかなくなりつつあるなー。歯止めをきかせるつもりもないんだけど。

【雑誌】少年サンデー 4/1 No.16 小学館
「め組の大吾」(曽田正人)はやっぱり面白いなー。うまいうえに過剰で、過剰なうえにうまい。さすがだ。「ARMS」(皆川亮二)もいい感じ。久しぶりにジャバウォックが覚醒。いやー、かっこいい。「MAJOR」(満田拓也)は寿也がまたいい奴に戻った感じで、少年漫画ならではの楽しさがしっかり詰まっている。
「ガンバ!Fly High」(作:森末慎二+画:菊田洋之)は非常にさりげなく挿入されている、全然必要性のない読者サービス入浴シーンがなんだか素晴らしい。「なぎさMe公認」(北崎拓)は今回は熱いラブコメ。熱血とラブラブが同居していて面白かった。「GS美神極楽大作戦!!」(椎名高志)は最近けっこう面白い。かっちょええ。

【雑誌】少年マガジン 4/1 No.16 講談社
「Jドリーム」(塀内夏子)は待望の復活。今回は「完全燃焼編」ということで、W杯予選がまたも始まる。新キャラがいきなり二人も出てくるとか、ユース・メンバーが主力になっちゃうとかちょっと無理があるようにも思えた。ただ、なかよしだけじゃイカンというのには俺も賛成。W杯予選はもっとチリチリするようなハードな展開を期待したい。
「サイコメトラーEIJI」(作:安藤夕馬+画:朝基まさし)は、俺的にちょっと気に入っている警官マニアの変態さんが出てきていい感じだ。「はじめの一歩」(森川ジョージ)は今週も面白い。来週あたりは問答無用の殴り合いに突入しそうで楽しみ。

【雑誌】ミスターマガジン 3/25 No.6 講談社
 久しぶりに拾ったけど、あんまり面白くないなー。面白げな感じのすずきやすし「サクラのきもち」が今週で最終回。絵の完成度が高いうえに、最終回は泣かせ系。なかなか面白いじゃんすか。「王道の狗」(安彦良和)はいつもの安彦良和。ここらへんは単行本でまとめて読もう。あとは犬木加奈子「地獄鳥」がわりと面白い。

【雑誌】ヤングマガジン 3/30 No.15 講談社
 今週はギャグ系が充実。まず、最注目作品は造田英樹「サトルと兄ちゃん」だ。俺的には。むちゃくちゃ絵はヘタだが、このアナーキーでイカれた展開はすさまじい。野卑なパワーを感じる。そして最近注目のかたぎりわかな。今回はペンネームがひらがなだ。脈絡のない展開が素晴らしい。こちらもすごく面白い。それから「おやすみなさい」(小田原ドラゴン)もしみったれた展開がステキだ。情けない主人公、情けないギミック。いい。こちらも最近かなりイカす「イッパツ危機娘」(原田重光)。今回も馬鹿で楽しい。「僕といっしょ」(古谷実)も安定して面白い。「アゴなしゲンと俺ものがたり」(平本アキラ)も地味な感じだがけっこうイケる。これだけギャグが充実してて、さらに今回休載の「超学校法人・スタア學園」(すぎむらしんいち)があったら最強だったな。
 そのほかでは「天然少女萬」(こしばてつや)がいつもながらいい感じ。萬がどんどんかわいくなってるよなー。あとは「ストッパー毒島」(ハロルド作石)。毒島絶好調で読んでて本当に頼もしい。

【雑誌】アクション 3/31 No.13 双葉社
 なんか全般的に濃い感じ。その筆頭はジョージ秋山「金権満女リカ」。相変わらずジョージ秋山の漫画には一種異様な迫力がある。「1 1/2からの愛」(作:伊藤裕作+画:松久寿仁)も濃い。いきなり赤ちゃんプレイですかー。それから「舞」(木村栄志)は盲導犬調教士の話。なんともレアなジャンルだ。あとジゴロものの「バンビと紅芙蓉(前編)」(永井紀子)もええ感じ。19歳のジゴロとヤクザ女のお話。

【単行本】「俺たちのフィールド」28巻 村枝賢一 小学館 判型:新書判
 W杯1次予選、ウズベキ戦に決着&韓国戦に突入。相変わらずギッチギチのハイテンション。過剰だなあ。

【単行本】「ARMS」3巻 皆川亮二 小学館 判型:B6
 3巻にしてようやくジャバウォックが大暴れ。そして第一部完結。絵といい、ストーリーといい気合い入ってるなー。涼がかっこよくて、カツミがかわいい。敵役のキャラクターたちもいい感じだ。


3/17(火)……末は少女か大臣か

 今日は会社から早く帰れた&読む漫画が少ない。こんな夜は宿題だった少女漫画トライアルでもしよう、というわけで雑誌を2冊購入してくる。手始めに、前から気になっていたFEEL YOUNGと、知り合いが勧めてくれたコーラス。少女漫画トライアルはどの程度継続的にやるか決めてはないけど、まあ気が向いたときにぽちぽちと読んでいこうと思う。単行本でのトライも当然やるが、やっぱり俺の漫画読書の基本は雑誌だということを最近強く意識するようになったので、雑誌をいくつか買っていくことにしようと思う。そんなわけでオススメ雑誌があったら掲示板とかで教えていただけるとうれしい。
 なお、少女漫画に関する知識はそんなにないし、少年・青年漫画的文法にどっぷり浸かってきた人間なりのコメントしかできないけど、その点はあらかじめご承知おきを。あと、続き物に関してはこれまでの経緯を全然知らないので、掲載された話を読んでみた感想しか書けないがあしからず。

【雑誌】コーラス 4月号 集英社
 これは信頼できる漫画読みの人がオススメしてくれただけあって、読みやすいしなかなか面白い。継続して買ってもいいかな。まず、吉田まゆみの読切「くしゃみ3回」がなかなか楽しめた。きれいなお姉さんの演歌の花道。絵もうまいし、話もよくできている。扉絵でかどたひろしをちょっと思い出すところが、俺の男性向け漫画育ちなところだな。
 次に「エバー・グリーンの森(前編)」(佐野未央子)も気持ちのいい絵と儚く艶やかな話作りが気に入った。次号で後編が載るようなので、これを読むためにこの雑誌また買っちゃうかも。くらもちふさこ「天然コケッコー」も良かった。ここまでの話を読んでみたいところだけど、40話にしてもう単行本が7冊も出てるのかー。巻末の読切「春の隙間」も最後のほうがとくに気持ち良くていい。
 少女漫画はよく立ち読みでパラパラとめくったりするが、全般的にコマがゴチャゴチャして読みづらいのが多いなーという印象がある。だが、全般的にこの雑誌は、俺みたいな人でも読みやすい気持ちのいい画面構成の作品が多くてなかなかいいと思った。

【雑誌】FEEL YOUNG 4月号 祥伝社
 安野モヨコとやまだないとが載っていないときに買っちゃったのはちょっとアンラッキー。なんとなく次号予告を見る限りでは、次号のほうが面白そう。
 桜沢エリカは気持ちのいい絵ではあるけど、なんとなくこの味にも飽きたかなーという感じがする。実はこういった系統では南Q太とかも最近飽き気味。こういうタイプは、いつもコンスタントに面白いんだけどだいたい常に面白さの質と量が同じくらいの話を描いてくるので、俺的にはわりと飽きてしまう傾向がある。面白いんだけどね。
 三原ミツカズ「ハッピー・ファミリー」は楽しく読めた。この人は「集積回路のヒマワリ」も面白かったので、「ハッピー・ファミリー」も通しで読んでみたいところではある。あと目白花子「変身OLアラシ」が印象に残った。
 こちらは、コーラスに比べるとゴチャゴチャしている感じで多少読みづらかった。次号買うかどうかは立ち読みしてからって感じかな。

【雑誌】漫画ばんがいち 4月号 コアマガジン
 才谷ウメタロウ「Graduation Work」はわりとありがちで都合のいい話だけど、気持ちのいい絵でなかなか。で、今月は巻末の2作品が注目かな。まずはイデハルテル「お気に入り」。白抜きしたみたいな茫漠とした主線が特徴的。話はわりとどうでもいいけど、絵がかっちょいい。もう1作品、山田可南「もらいもの」はノリも絵もちょっとやおいっぽい感じがする。荒削りな感じで今回の作品の完成度はそんなに高くないが、うまく行けばそこそこイケるかもって感じ。
 あと、この雑誌の単行本のお知らせによると、大暮維人の単行本「JUNK STORY」が4月4日に出るとのこと。コアマガジンの単行本はなかなか出ないけど、出るときはかっこいい装丁なので好き。増補改訂版を出さないでくれるともっと好き。

【単行本】「東洋妖人伝 用神坊」1〜2巻 いとう杏六 秋田書店 判型:新書判
 最近の少年チャンピオンの中では、俺的に注目株。地味ながらも着実に面白くなってきている。謎の秘儀使いのYO(ヨー)さんが、秘儀でいろいろな事件を解決したり、逆に混乱の度合いをさらに深めたり……って話。イタズラ心にあふれてて楽しい。YOさんがタダのいい人でなく、あくまで利己的なところも味がある。絵はちょっとくどいけどうまいし、見せ方も悪くない。

【単行本】「Pの悲劇」 高橋留美子 小学館 判型:A5
 古本屋で何気なく購入。とくに買う必要もなかったけど、むらむらと欲しくなってしまったのだ。この人は長編をしっかり描ききることもできるし、短編も一話一話きっちり見せてくる。さすがにうまいなー。


3/16(月)……オー、痛いデース

 家に帰って風呂に入ってパンツを履いたら、なぜか足に激痛が走る。そして黒い塊が床に転がり落ちた。何かと思ったらアシナガバチ。どうやら洗濯物を干していたときにくっついて、そのままたたまれてしまっていたらしい。そんなわけで俺は今日一つの教訓を得た。「パンツを履くときにはハチに注意」。皆さんもご注意あれ。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 3/30 No.15 小学館
 新連載、青山広美「ダイヤモンド」がスタート。なんだかすごく濃くなりそうな絵柄。「トーキョー・ゲーム」で「リーチ・ハイテイ・小三元・ホンイツ・ホンロー・トイトイ・サンアンコー・サンカンツ・南・ドラ32」で「378京3023兆6869億……」という1億点棒が378億本必要な、ものすごい麻雀の勝ち点を登場させたこともある青山広美だが、今度も最後は1万点とか入る試合をしたりするのだろうか。ちなみに「トーキョー・ゲーム」は竹書房から全2巻で出ている。古本屋でわりとちょくちょく見かけるので興味があったらどうぞ。そんなに面白くはないけどね。
「センチメントの季節」(榎本ナリコ)は春の章の第2話。いつもちゃんと面白い。そろそろ単行本出ないかな。でも今のところ全9話だからちとハンパか。「ラブレター」(作:じんのひろあき+画:若狭たけし)。薫がいい。やっぱり真琴よりもいい。それにしても書道でここまで熱く見せるんだから毎度毎度大したもの。「バトルオブ大新人」は8人目。さいとうしげき「雨あがり行進曲」。俺は競馬は好きでないけど、まあまあ楽しめた。絵はちょっと岡田ユキオっぽいかな。

【雑誌】少年ジャンプ 3/30 No.16 集英社
「ONE PIECE」(尾田栄一郎)はいつもながらきっちり面白い。ファンが多いのも当然だ。見せ方、テンポ、キャラクター、よくできている。「遊戯王」(高橋和希)。敵役のおにーちゃんのしゃべり方が素晴らしい。「オー、なんとかかんとかデース」「なんとかですネー?」。オー、ペラペラペラリンコって感じデスネー。今号は「BASTARD!!」(萩原一至)が掲載されているが、俺にとってはどうでもいい漫画なので、何をしようとも果てしなくどうでもいい。っていうか俺にとって、好みでない漫画はすべてどうでもいいんだけど。だから別に続いてもかまわないし、何やったってそんなに気にならない。そういうスタンスなので、嫌いな漫画ってほとんどないな。

【単行本】「きりきり亭のぶら雲先生」1巻 きくち正太 スコラ 判型:A5
「ブル田さん」が原作付きな分、こっちのほうは好き勝手やっていていつものきくち正太ノリ。コミカルなドタバタ系。ときにギャグ、ときにええ話って感じ。のどかなノリがあって好きなんだけど、俺的には「ブル田さん」のほうがやっぱり読んでて気持ちがいい。

【トップページ】  【過去日記トップページ】

ご意見・ご感想は→tshibata@picnic.to