◆ 1998年4月中旬 ◆

4/10〜20
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4/20(月)……ようこそここへ福神町

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 5/4 No.20 小学館
 原秀則の野球漫画「青空」が再開。「やったろうじゃん!!」の後半以降からの流れでわりとベタベタ。でも俺はこういう商業主義的ベタベタさって嫌いじゃない。逆に割り切れてない中途半端なもののほうが嫌い。そういう点で原秀則はけっこうプロフェッショナルっていうか、「職業漫画家」って感じがするので俺は好き。嫌う人もいっぱいいるだろうけどね。
「美味しんぼ」(作:雁屋哲+画:花咲アキラ)ってこの後、どうやって山岡士郎の逆恨みを収拾させるつもりなんだろうか。400回以上かけて執拗に描いてきたねじくれなので、そう簡単に仲直りってわけにもいくまいなあ。いくらなんでもかっこ悪いし。
 今号は「七夕の国」(岩明均)が掲載。話が大きく動き始めた。で、次号は4/25発売号に掲載。「しっぷうどとう」(盛田賢二)は阿南×古橋戦が決着。なんか意外とあっさり終わってしまった。もうちょっとためて盛り上げても良かったかも。
 ちなみに「超ボンバー増刊」Manpuku!は5/1発売で、スピリッツ本誌の次号は合併号となる。ところでいつも気になるけど、「BOMBER」って本当は「ボマー」だよなー(厳密にいえばカタカナで書いている時点で本当じゃないが)。でも「ボンバー」のほうが爆弾感があるような気がしなくもない。

【雑誌】ヤングマガジン 5/4 No.20 講談社
「超・学校法人スタア學園」(すぎむらしんいち)。今週も面白いなー。細かなギャグが素晴らしい。「おやすみなさい。」(小田原ドラゴン)。毎度書いてるけど、この人いいわ。しみったれたストーリーの中で、メンズポッキーが利いている。
「天然少女萬」(こしばてつや)は切ない展開。この漫画けっこう好きなんだけど、単行本がすでに19巻も出てるからさすがに今から買おうって気はしない。新連載、永野数馬「劣等25%」は松本大洋フォロワーな絵柄で、イカれたギャグ。前半は静かに始まったと思ったら、後半イキナリ飛ばす。連載は12回とのこと。ちょうど単行本1冊分だな。永野数馬の場合はギャグという武器があるからいいけど、松本大洋に似ているのって今やそれだけでマイナス要因ではある。マネる人が異常に多いからかっちょ悪い。「イッパツ危機娘」(原田重光)。今回は前後編でのピンチ。相変わらずクーニャンの友達二人がええ感じだ。「カイジ」(福本伸行)は目のほうが痛そうなんで、目を選んでほしかったなー。
「はっするウエポン」(三枝まなみ)は読切。ヤンマガってこういう新人の読切が載るから好きだ。この話はどこかヘンな雰囲気を持つ少女、河原さんが主役。彼女のおかあさんはなぜかこうらがあって、きゅうりをボリボリかじっているのだが、河原さんが家に連れてきた友達はなぜか消えてしまう。翌日になると復活するが、身体がすべて木製になってしまっているのだ。どうやらそれは彼女の母親の仕業らしいのだが……って感じのお話。話も絵も個性的でヘンな漫画。なかなかいいんじゃないだろうか。
 ところで、ヤンマガに第38回ちばてつや賞の中間発表があるんだけど、そこに名前のある山田可南って3/17の日記に書いたばんがいちに載ってた人かな?

【雑誌】ウルトラジャンプ No.17 集英社
 藤原カムイのインタラクティブコミック「福神町綺譚」がいよいよ本編始動。さすが藤原カムイ。かっちょいい画面と雰囲気作ってくるねえ。謎めいていて面白くなりそうな雰囲気たっぷり。考えオチで終わる可能性もたっぷりだけど。読者参加型のなんとかっていうのはあんまり成功した試しがないので、先行きどうなるかよく分からない。
 この「福神町」には俺もわりと古くから関わっている。もうかれこれ3年になるかな。ときどき日記にも話を出していたので「なんのことだろう?」と思った人もちょっといるかもしれないからいきさつを説明しておこう。と思って文章を書き始めたらだいぶ長くなってしまったので「俺の呟き・拡張版」に「福神町に関する覚え書き」を追加しておいた。詳しくはそちらを参照のこと。
 大暮維人「天上天下」。やっぱ、この人の乳の描き方は見事だなー。エロ描いてほしいっす。画:紅林直+作:草薙だらい「疾風になれ!!」は短期集中の自転車漫画。熱血していてけっこう面白くなりそう。あろひろし「みがわりアクシデンツ」。妙にデッサン狂ってるような気がするんだけど、この人って絵がヘタになったような……。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 5/4 No.21 集英社
「世紀末リーダー伝たけし!」(島袋光年)。最近ちょっとテンション落ち気味な感じがする。やっぱりまだ週刊連載はキツイのかも。今回はボス的存在であるところのゴン蔵が主役。まあわりと面白かった。「ONE PIECE」(尾田栄一郎)はクロvs.ルフィが白熱。スピード感があってかっちょいいねえ。「I''s」(桂正和)。いつきがイイ娘すぎるー。俺だったら断然いつきのほうがいいけどなあ。などと選べる立場にない人間にまで「俺ならこっち」とか思わせたりするところが三角関係ラブコメのいいところ。

【単行本】「うちのママが言うことには」1〜5巻 岩館真理子 集英社 判型:B6
「アリスにお願い」と合わせて古本屋でゲット。
 これって5巻までしか出てないはずだったと思うけど、たしかに中途半端。これでは納得できない人も多かろうなあ。俺は物語は必ずしもきれいに終わらなければならないものではないという考え方の持ち主なので、まあ途中経過を楽しめたから良しとする。
 どっちかというと「キララのキ」のほうが好きだけど、これはこれでほのぼのとしていていいんじゃないだろうか。絵を含めて画面もスッキリとしていて美しいし、結婚前後の男女のいろいろな心理の変化も見ていて楽しいし。5巻分はきっちり楽しめたと思う。

【単行本】「アリスにお願い」 岩館真理子 集英社 判型:A5
 こちらはミステリアスな作品。後書きにもあるように、たしかに信のキャラクターに対する掘り下げは足りなかった嫌いはあるかもしれないけど、全体的には美しくて怖くて、凍ったグラスのような硬質な手触りが見事。面白かった。


4/19(日)……ア!オクサイ

 いやー、なんか昨日の日記は我ながら堅苦しくて青臭かった。元来、青臭い奴なんで、ときどきああいうのが自分の中で盛り上がっちゃって爆発したりするんだよね。
 ぐちゃぐちゃいったけど、俺としては別に「ジャンル」ってものを全否定しているわけじゃない。使い方間違えなければ便利だし。でも、自分勝手な思い込みでグダグダいってる人を見かけると、いいたいことがたまっちゃったりするわけだ。

【単行本】「プロレス少女R」 るいべはやみ マガジンハウス 判型:A5
 掲示板で話題になっていたところにタイミング良く古本屋で置いてあったもんだからすかさずゲット。
 チマチマとした絵柄でぎっちり描き込まれてるんで、読むのに時間がすごくかかった。引いた視点からチョコマカといろいろやってて面白い。登場人物の壊れっぷり、絵の力の抜け方、疲れるけど読んでて楽しい。女子プロレス知らなくてもノープロブレム。

【単行本】「天使たちの進化論」 清水玲子 白泉社 判型:新書判
 まあまあ面白かった。でも、ほかの作品はもっと面白いようなことを聞いているので、揃いで置いてあったらまた買う予定。

【単行本】「SPEED KING」1巻 間部正志 講談社 判型:新書判
 兄貴のページで紹介している「ノーホシTHEルーザー」の間部正志、2冊目の単行本。
 表紙を見た感じだと普通の陸上系スポーツものなんで(中身も実際そうだけど)、あんまり期待してなかったんだが、きちんと普通に面白い。高校の陸上チャンプを兄に持つ不良学生が、女の子目当てに陸上部に入部したところ、元々あった素質に一気に目覚めてしまう……って感じのストーリー。主人公のキャラクターもワイルドでパワフルで立ってるし、女の子もかわいい。「ノーホシTHEルーザー」のような濃さはないものの、ちゃんと楽しめる。

【単行本】「ホテル・カルフォリニア」1〜2巻 すぎむらしんいち 講談社 判型:B6
 例によってK・Kさんに送ってもらった単行本。いやー、もう頭あがらないっす。俺もなんかヘンなもの送りますので、楽しみに待っててくださいねー。
 で、この作品。すぎむらしんいちらしい、ムチャクチャでコミカルで面白い。全5巻のうち2巻しか読んでないので、続き読みたさが募る〜。


4/18(土)……上の森ではそう申しても下の森ではじょうかのう

 昨日のジャンル話のちょっと続き。
 作品を読み終わった後で「これはもうスポーツ漫画ではない」とか「SF漫画としては評価できない」とか、「エロの出てこないエロ漫画は良くない」みたいなことをいう人がよくいる。こういういいかたって前から嫌いだった。
 例えばある人がある漫画を読んだとする。その人はその漫画を読んでいる最中は非常に面白いと思った。ところが、その人はこの漫画を「エロ漫画」だと思っていたのに、エロはほとんどなかった。で、「このエロ漫画はエロが少ないのでダメ」という判断を下す。そして、その漫画に「ダメな漫画」という烙印を押す。
 これって非常に不毛だと思わないだろうか。読んでいるときは面白いと思ったのに、ジャンルというものにとらわれるあまり「ダメな漫画」という評価を下してしまったのだ。別に作者が「これはエロ漫画ですよー」と断っているわけではないにも関わらず。自分の思い込みを作品に押しつけてしまったがために、自分が本来面白いと思った作品にまでマイナスの評価を下してしまう。なんと馬鹿馬鹿しいことか。ジャンルがどうこうよりも、自分にとって面白かったかどうかを優先させるべきではないだろうか。
 これと同じような例として、自分の好きな作品が中途半端な終わり方をしたときに「こんな良質の作品を打ちきる編集部は見る目がない」みたいなことをいう人も俺は好きじゃない。その漫画の表紙に「打ち切りのため最終回です」と書いてあるわけじゃないから、読者にはそれが打ち切りがどうかなんて判断できないはずだ。「打ち切りっぽいな」くらいは分かったとしても。でも「打ち切りっぽい」という思い込みだけで、論を展開させていくのには無理ある。ひょっとしたら作者が続けるのがイヤになって投げ出したのかもしれないし、予定通りの回数で終了なんだけど作者にきっちり話をまとめてしめくくる能力がなかったのかもしれない。自分の思い込みで編集部をなじるというのは、愚かだと思うのだ。
 話は逸れたけど、結論としては「ジャンルにとらわれすぎるのは危険」そして「自分の勝手な思い込みを作品に押しつけない」ってことだ。ここらへん、自分でもそういった過ちを犯す可能性があるので、重々注意していきたいと思う。とくにWebって、好き勝手語れるわりにあんまり反応が返ってこないから、意味もなく自分の勝手な思い込みを助長してしまう可能性がある。反論がないからって、ほかの人がそれを認めたってことではないのにね。

【雑誌】ヤンマガ赤BUTA 5/2 No.17 講談社
 巻頭カラーは華倫変。タイトルは「忘れる」。今回はイマイチ。当たり外れがかなり激しい。でもインタビューは面白かった。影響を受けた漫画家で、山本直樹、望月峯太郎、西原理恵子あたりは分かるけど、いましろたかし逆柱いみり三本義治って、そりゃフツウじゃないぞ。さらに漫画家を目指す直接の契機になったのが、高木りゅうぞうって……。うーん、やはりタダモノではない。でも、面白い作品を描かなくなったら俺的にはタダモノだけどね。
 まちぞう「下之森丈」は連載決定。うひゃー、こんなの連載させちゃうかね。イカれた作風がたまらない。丈の首がうようよ伸びまくって気持ち悪くて最高。実に赤BUTAらしい野蛮でパワフルな作品。あとは、マーコ鈴木「ニャンコサイズ」。絵はうまくないし、話もそれほどではないんだけど、仰角を多用したり猫の側からの視点に切り替えたりと、アングルやフレーミングを工夫しているし、コマ割りもかなり考えてやっている感じがある。この人は絵がうまくなれば、かなり伸びるかもしれない。
 全般的には今回の赤BUTAはあんまり面白くない。ただ、赤BUTAは新人使いまくりのリスキーな雑誌だからそれは俺としては覚悟している。読める漫画が2〜3本あればそれで良しとすべきだろう。これだけどうしようもない野蛮でパワーだけはあるという新人を送り出す土壌があるってのはすごく頼もしい。この中から一人でも二人でも化ける人が出てくれば俺としてはかなりうれしい。
 赤BUTA/青BUTAは講談社という体力のある出版社ならではの雑誌といえる。作家はいっぱい抱えておくほうが編集部としては望ましいのだが、作品を発表する場がなかったら当然のことながらそういった人たちは離れていってしまう。新人に場を与え試運転したり、作家をつなぎとめておくには非常にいい雑誌だ。この中から芽の出る人もいるかもしれないし、いざとなったら穴埋めにも使える。つまり総合的に見て、出版社全体としての戦力に厚みが出るのだ。だから、この雑誌が売れなかったからといって、講談社にとっては失敗ではないんだろう。
 で、来月は青BUTAの番。坂井恵理が掲載されるのはうれしいけど、この人は予告カットを見る限りではまた絵が変わっている。正直なところ、だんだん俺の好きな画風(ペンのタッチが生きている水気のない画風)から遠ざかりつつあるのが気掛かり。そっちのほうが売れるのかもしらんけど。あと、たしかガロに描いていた福満茂之も登場。

【雑誌】少年チャンピオン 4/30 No.21 秋田書店
 今週は「おまかせピース電器店」(能田達規)が表紙&巻頭カラー。幸せそうで元気いっぱいの表紙が楽しくてすごくいい。瀬口たかひろ「オヤマ!菊之助」は増刊で特集号が出るらしい。この漫画ってそんなにウケてたのかなあ。俺はけっこう好きだけどね。
「大介ゴール!」(馬場民雄)はチーム全体のテンションが上がってきてアツイ展開。面白い。「鉄鍋のジャン!」(西条真二)はキリコが勝利。キリコは華やかでかっこいいねえ。

【雑誌】オールマン 5/6 No.9 集英社
 うわ、なんかすごいラインナップ。別に豪華とか面白いというわけでなくて、頭からしっぽまで集英社系の旬を過ぎた人+作家のアシスタントあがりらしい人って感じ。これこそB級、というよりBクラス。
 江川達也、北条司、原哲夫、里見桂、ジョージ秋山と来て、いつまでたってもBクラスな春日光広、金井たつお、末松正博、天沼俊と来る。そして、「ソムリエ」の甲斐谷忍はみやすのんき、北代聡は平松伸二の影響が色濃い。極めつけはのだしげる。男の絵は本宮ひろし、女の絵が金井たつおという風情。うーん。
 そんな中で深谷陽「運び屋ケン」は目を惹く。「そろもんのユビワ」(ちくやまきよし)も絵がわりとうまくてハートフルなお話。前、「算数王子」を描いていた中山雅也の「聖パロロ女学園軟式相撲部」も馬鹿馬鹿しくていい。あとこの雑誌ではジョージ秋山「弘法大師空海」がいちばんいいかな。

【単行本】「からくりサーカス」3巻 藤田和日郎 小学館 判型:新書判
「勝の幕」完了。「からくりサーカス」の中では今までのところ、いちばん盛り上がったあたりですごく面白い。鳴海がかっこよすぎる。さすが泣かせるなあ。


4/17(金)……ジャンルに貴賤なし

 少女漫画など、女性向けの雑誌へのトライアルを始めて約1ヶ月が過ぎた。その間に30冊を超える数を読んでみて、だいたい俺が買うべき雑誌とそうでない雑誌が見えてきた感じがする。少女漫画文法にも多少は慣れてきたし(気のせいかもしれないが)、収穫はいろいろあった。これからは雑誌を買うペースはちょっとゆるむと思うが、その分単行本にもチャレンジしていくつもり。雑誌については次はガムやエースなどのオタク系やコロコロなどの幼年系を巡回してみようかなーとか考えている。
 こうやって、トライしてみてあらためて思ったのは、ジャンルに関係なく面白いもんは面白いってことだ。前々から、ジャンルなんてものはその道の初心者にはナビゲーションとして必要だけど、読めば読むほどその境界線は曖昧になるものだと思っている。大事なのはジャンルではなく、その作品が面白いかどうかだという思いを強くした。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 5/6 No.2 講談社
 Uppers第2号。当初の意気込みから期待したほどではない。B級というよりも、Bクラスっていうほうがイメージ的には近いかも。面白い作品と面白くない作品がけっこうくっきり分かれている。
 巻頭カラーは「援助交際撲滅運動」(略してエンボク……らしい)。原作:山本英夫+画:こしばてつやという凶悪に濃い組み合わせ。内容も援助交際しようとしたオヤジを、コギャルとその彼氏が手に釘を突き刺してはりつけにするという凶悪さ。そして「援助交際撲滅運動」に乗り出す男たち。こりゃ濃いわ。
「ぢゅにゃ」(サガノヘルマー)は第2回になって本領を発揮し出した感じ。「レロン袋」というナゾの袋に先生を詰め込むあたり、なんだか異様。さすがサガノヘルマー。「恋人プレイ」(玉置勉強)は玉置勉強の中では今までの玉置勉強作品の中ではかなり好きになれそうな部類。この人って長編のほうが向いているのかも。短編だと一作一作、ちょっとずつ足りないかなーと思えるところもあったのだが、長編では急いで語らなくていいぶん良さそう。なんとなくこの人の作品って、150km/h投げれるピッチャーがコントロール重視して145km/hで投げているみたいなイメージが俺にはあったんだけど、そういうタイプには短いイニングを完璧に抑えるリリーフよりも、先発完投で長いイニングを投げるほうが向いているような気がする。ただ、これはあくまで俺の印象なので実際のところはどうだか分からない。ジャンキーズのレビューでの玉置勉強評も、インタビュー読んだ限りではかなりハズしてたしなあ。
 そしてこの雑誌ではなんといっても田中ユキ。今回は後編だったけど、非常に面白かった。はかなく切なく、そして残酷さと暖かさの同居する作風はこれからも注目。絵もすずしげでうまいし。もっ、最高。面白いぞっ。

【雑誌】ヤングマガジン 4/27 No.19 講談社
「ストッパー毒島」(ハロルド作石)。毒島のフォームがすごくかっこいい。足をくにゃりと曲げて上げるとこがなんかメジャーチック。チックといえばチックくん。「71点」ってとこがいいな。小田原ドラゴン「おやすみなさい。」は今回もいい。鉄郎の着ている服のダサさ(模様とか)、細かいところもナイス。「日直番長」(タイム涼介)。こちらも細かい芸が行き届いて面白い。犬のヒドゥラが何をしたかが気になる。
 原田重光「イッパツ危機娘」が復活。でも今回は少し大人しめ。相変わらず下品だけど。「プラスチック解体高校」(日本橋ヲヨコ)は最終回。まあきれいな終わり方。

【雑誌】Jour 5月号 双葉社
 新田小雪目当てで購入。新田小雪は、昔ヤングキングで「藤崎工業高校の女たち」を描いていた人だ。今回の掲載作品は「はっぴいピィちゃん」というショート・コメディ。なんとなく前より線が太くなったなーという印象がある。内容はわりとベタベタなギャグ。まあ普通に楽しめるかなって感じ。あとはそんなに印象に残った作品はなし。

【単行本】「白いガクラン」 しりあがり寿 新潮社 判型:A5
 1993〜1995年あたりの作品を集めているんだけど、このころのしりあがり寿は不調だった感がある。あんまり面白くない。それなりにのどかな味はあるんだけど、笑えるってほどでもないし。


4/16(木)……えんたつ山のたぬきさん

 この前、単行本が全巻揃ったこともあり「演歌の達」(高田靖彦)をオススメ漫画レビューに追加する。最先端の漫画もたしかに面白いんだけど、俺としてはこういう中堅どころで頑張っている漫画も評価したいと常々思っている。こういったタイプの漫画のテーマはすでに百遍も二百遍も語られていることなのかもしれない。でも、面白いものは面白いのだ。そして面白いものにはたくさん出会えたほうがいいに決まっている。先端を行っている漫画家のファンって、「その人だけ」というふうに視野が狭くなっちゃう人がわりと多いんだけど、そういう人たちにぜひこういった泥臭い漫画も読んでもらいたいなーといつも思う。その世界に浸るのはそれはそれで気持ちがいいけど、世の中にはもっともっと面白い漫画がいっぱいあるのだ。ストライクゾーンは広ければ広いほうが、面白い作品に出会える確率は広がるし、「アレも読むけどコレも読む」ってほうが絶対楽しいと俺は思う。

【雑誌】ヤングサンデー 4/30 No.20 小学館
 山口かつみ「オーバーレブ!」が巻頭カラー。涼子が覚醒した感じで、なかなか燃える展開。今回はいつもよりも画面の使い方がダイナミックだし。「頭文字D」のマネみたいにいわれがちな漫画だけど、これはこれで俺は好きだ。
「桜通信」(遊人)。この漫画だけでなく「マイホームみらの」とかもそうなんだけど、大学に落ちたくらいで人間ってこんなに自暴自棄になるもんかなあ。っていうか俺の周りの人たちはけっこう淡々と浪人したり就職したりしてたんで、ここまでやられるとなんか違和感を感じる。
「殺し屋イチ」(山本英夫)。好調。ヒモに殴る蹴るされているヘルス嬢の傷跡を見て、イチがやたら興奮してるところとかかなりいい。「太郎」(細野不二彦)。いつもいうけど、ボクシング編は面白い。ガルシアも太郎も不利な状況で燃える。「よいこの星!」(柏木ハルコ)ではまりあがさらに四面楚歌な状況に。追い込むなあ。そして巻末はお約束の「ザ・ワールド・イズ・マイン」(新井英樹)。この人っておばさんを描くのもうまい。
 次号では佐藤秀峰が登場。この人は2/5の日記で触れた、高橋ツトムとか曽田正人にちょっと絵の似た新人。前作「おめでとォ!」がわりと面白かったので、今回も期待。

【雑誌】モーニング 4/30 No.20 講談社
「ショムニ」の安田弘之が新連載。タイトルは「鉄魂道!」(テッコンドー)。サブタイトルとして「ラヴリーウーマン列伝」とあるように、パワフルでラヴリーな女性の活躍を一話完結で描くらしい。相変わらずしっちゃかめっちゃかにパワーのあるノリでいいんだけど、この人の場合、一話完結でなくて続き物でどんどんエスカレートさせていったほうがいいかもという気がしなくもない。まあこれから面白くなればOKだが。
「ナイショのひみこさん」(魚戸おさむ)。「巨乳ぅ〜」という擬音がバカバカしくて惚れた。「変體累ヶ淵NAKED」。いつのまにか杉元伶一の名前が消えて、米餅昭彦一本になってるけど、原作者いなくなったのかな?
「デビルマンレディー」(永井豪)。わりと邪悪な展開になってきた。もっともっと。今週は久しぶりに吉田戦車の「油断ちゃん」が登場。今回はスーパー赤サソリの鮮魚加工室に勤める、実業団バレエ部のバレエダンサー(男)を地元商店街に亡命させるという話。かなり馬鹿馬鹿しい展開で好き。油断ちゃんのひねくれぶりとか、バレエダンサーの「魚も好きだが……バレエも好きだ……」というセリフとか、下らないセリフやアイテムがいい。
「ヨリが飛ぶ」(ヒラマツ・ミノル)。鳴海ユリが力尽きてしまいそうだけど、このままで終わっちゃうのだろうか。いいキャラだっただけにもっとやってほしいんだが。あっ、それと岩下繁幸=そらみみくろすけの描いていてたプレゼント漫画、4週連続が最後の週。次号からはたぶん違う人になるんだろうなー。がんばれそらみみ。

【雑誌】ヤングジャンプ 4/30 No.20 集英社
 駅のゴミ箱で拾う。相変わらず読むところがない。
「天国にいちばん近いフィールド」(作:森田森魚+画:七瀬あゆむ)は、絵は好みなんだけどこれで甲子園とか行かれた日には全国の球児が怒りそうな気がしないでもない。

【雑誌】ぶ〜け 5月号 集英社
 全般的にけっこう面白かった。集英社の少女漫画雑誌はやっぱり俺に合うのが多い。
 巻頭カラー、佐野未央子「木綿の天使たち」。絵に雰囲気があるし、画面が整理されてて読みやすい。とくに女性の表情がいい。「柏屋コッコの人生漫才」。女性系のギャグ漫画の中では珍しくパワフルで楽しく読んだ。爆笑するってほどでもないけど、ほどよい笑いがある。おかざき真理「シャッターラブ」。切れ味の鋭いコギャル的青春漫画。これがこの本の中では印象に残った。女の子たちの冷たい目つきがカッチョイイ。「音引き」を「→」で表現する(「んじゃ、土よ→日にね→」とか)のは、ちょっと違和感あるけどなんかコギャルっぽい。

【雑誌】メロディ 5月号 白泉社
 メロディも俺的にはわりと読みやすい雑誌。買うのは2回目(だと思う)。
 巻頭カラーの我孫子三和「楽園へ行こう!」は洗練されたかわいい絵柄でわりと好み。話は新章に入ったばかりであんまり動いてない。まあ楽しく読めるのでよし。清水玲子はイラストで登場。青インクと赤インクの2色刷りで非常にきれい。清水玲子はそのうち手を出してみる予定。
 新連載「シャベリタガール」(和田育子+原案:田代親代)はアナウンサーを目指す新卒女性のお話(それにしてもベタなタイトルだな)。わりと楽しくなりそう。桑田乃梨子「男の華園−A10大学新体操部−」。こちらはオクテ野郎に春のきざしって感じ。気持ちよく読める。巻末に掲載の、メロディ創刊記念まんが賞で銅賞を受賞した朔野安子「薔薇のベッド」もわりと良かった。ガメつい高利貸しみたいなことをやってる少女が実は……というお話。絵もうまいし、お話もさわやかで幸せ。ただ、もうちょっと画面を整理するともっといいかなという気がする。

【雑誌】パイク 皐月号 No.9 ふゅーじょんぷろだくと
 どうでもいいんだが、この半透明の帯、カバーとのからみが悪くて読んでてすぐにずり落ちたりしてうっとうしい。デザイン的にはいいのかもしれないが、正直いって邪魔。で、今号から月刊化だそうで。
 まず表紙も描いている相良直哉の漫画は落ちたとのこと。「エスパーあんず」を描いている猫井ミィは男の目つきとかがちょっとSABE似かな。絵がうまくてわりと良さ目。TAGRO「スケ番クラス委員副委員長」はいつもながら丸まっこい完成度の高い絵柄。けっこういやらしい。あめかすり「銀座線が通過中」は少女漫画的絵柄で、不思議なノリのお話を描いている。欄外の力の抜けた電車の絵がけっこう好き。
 巻中にあるお約束のパロディ漫画は、ネタが「カードキャプターさくら」と「ポケモン」。両方とも俺は詳しくないんで、どうでもいいや。絵柄的には惹かれる人も何人かあり。「ないチチ▽バラード」(美女木ジャンクション)。むやみな巨乳がテラテラしててわりと好き。なお、タイトルの「▽」はハートマークの代用。それにしても文字コードってどうしてハートマークが入ってないんだろうっていつも思う。
 うらまっく「ぱんつがない!」はいつも通りのかわいい絵柄なんだけど、この話で次号に続けちゃうのかー。巻末には高取英の漫画デビュー作「ハレーすい星がくる日」が掲載。絵はうまくないがけっこう面白い。


4/15(水)……Judyしてっ!

【雑誌】少年サンデー 4/29 No.20 小学館
「DAN DOH!」(作:坂田信弘+画;万乗大地)。キャディの女の子の舞衣がかわいい。つくづくロリ系とショタ系に訴える漫画なり。高橋留美子「犬夜叉」は毎度面白い。かごめ、犬夜叉、両者の想いが切ない。いつもながら見せ方がうまいなー。
「MAJOR」(満田拓也)。そろそろ三船東は負けるべきころだと思うので、海堂付属のピッチャーには頑張って欲しい。スポーツ漫画では名門校は悪役として扱われることが多いが、前から思っていることだけど名門校には名門校なりの、創意工夫や苦労があるはずなのだ。ちょっと努力したってだけでポッと出の奴にポイポイ勝たせちゃうのってやっぱよくないと思う。サッカー漫画でもシステマチックなプレイをするチームは悪役扱いされがちだが、そのシステムを完成させるための努力はやっぱり見てあげるべきだ。これからの日本のサッカーが目指すべき方向性は組織的サッカーだと思っている俺としては、少年たちが組織的サッカーに憧れるような漫画がもっと出てきてほしいもんだと思う。
 ひさびさ登場、猪熊しのぶ「SALAD DAYS」。これはサンデー版「BOYS BE…」を狙っているんだろうか。「俺たちのフィールド」(村枝賢一)は相変わらず過剰な展開。ダミアンが今回はかっこいい。「なぎさMe公認」(北崎拓)は、今回はラブコメ度高めのお話。ベタベター。でも好き。

【雑誌】少年マガジン 4/29 No.20 講談社
「はじめの一歩」(森川ジョージ)は攻勢に出た鷹村に暗雲。スタミナの問題なのかなあ。「シュート!熱き挑戦」(大島司)は中学時代のライバルが再登場。実は前から、「中学編のライバルたちはどこに行ったのだろう。あんなにすごい奴らが高校生になったからって出てこれなくなるわけないじゃん」とか思っていたのだが、これでやっと少し整合性が。「勝負師伝説 哲也」(原案:さいふうめい+漫画:星野泰視)。房州強し!さて、哲也はどうやって切り抜けるんだろうか。「Jドリーム完全燃焼編」(塀内夏子)は、鷹が正々堂々と行き過ぎなような気がする。もうちょっとずるがしこいプレイを見たいんだけど。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 5/1 No.9 小学館
「蒼き炎」の石川サブロウが新連載。タイトルは「ファイター伝説 金と銀」(原作:やまさき十三)。ボクシング漫画で、面白くなりそうな気はする。「あずみ」(小山ゆう)は今回も非情にバッサバサと斬りまくり。安定して面白い。「演歌の達」(高田靖彦)は、達に新たな仕事が回ってくる。どんな感じでこの仕事に取り組んでいくのか、非常に楽しみ。
「シネマ」(六田登)は兄と妹がようやく自分の気持ちに素直になる。今回は今までの中でも面白かったほうだと思う。「オムライス」(星里もちる)。わりとワヤクチャでベタベタな展開になりがちな星里もちるの漫画だけど、ついつい読んでしまう。けっこう面白い。岡崎二郎「国立博物館物語」はいつもどおり楽しめる。

【雑誌】YOU 5/1 No.9 集英社
 女性向けの雑誌の中でもわりと「主婦向け」って感じだろうか。全般的に見るとそこそこのレベルだけど、印象に残る作品は少なめ。
 奈知未佐子「風から聞いた話」はやっぱりいい。今回はインド旅行に行った旅行記をやりつつ、なおかつその旅行の最中に思いついた話も掲載している。旅行記だけで終わらないところがいい。あとは「誰か彼女をとめてくれ」(小田ゆうあ)と「伊賀野こカバ丸」(亜月裕)がわりと読めるかなーって感じ。


【雑誌】Judy 4/25 No.6 小学館
 この号から月2回発行(10日と25日)になるらしい。読める作品が多いという感じがした。
 巻頭カラーの柴門ふみ「私を騙した男」はわりと面白かった。この人って最初のうちはなかなか読ますんだけど、だんだん辛くなっていくって傾向があるような。「神さまの贈りもの」(野崎ふみこ)は幸せな育児もの。楽しく読めた。
「ケイリン野郎」(くさか里樹)。女性誌掲載のスポーツものの中ではわりといい。池田さとみ「適齢期の歩き方」は気持ちいい絵柄で、お話も幸せ。面白い。


4/14(火)……ひらけ!デンキッキ

「お気に入りの漫画家たち」に追加するために天竺浪人のページをセコセコと作る。「ハイエンド系」(いまいち掴みきれてないんだけど)がエロ漫画界を席巻しつつある今、すでに一世代前(なんと世代交代の早い業界であることか)の人かなーという気もするんだけど、Webでまとまったコンテンツとして残しておくと後々便利だと思うので作ってみた。
 まあ、多少古くたって好きなもんは好きなのだ。

【雑誌】漫画サンデー 4/28 No.16 実業之日本社
 駅のゴミ箱から採取。いつも変わらぬ定食屋の味。
 この濃厚な脂っこさの中だと、普通の漫画雑誌でも掲載されていそうな「にくげなるちご」(ナカタニD)とかが浮いてる感じさえする。「にくげなるちご」は絵的にも話的にもやさしいお話でけっこう読める。あと「静かなるドン」(新田たつお)くらいかな。

【雑誌】コーラススペシャルSpring 集英社
 メインは83P一挙掲載の一条ゆかり「有閑倶楽部」なんだけど、そのほかの読切のほうが俺としては面白く感じた。全体的に読める作品が多く、楽しめた。
 まずは巻頭カラー、村田順子「Pot-au-feu」。バブルが弾けて目が覚めたOLと、昔付き合っていた男がヨリを戻すって話。あんまり好きなタイプの話ではないけど、話作りがわりとしっかりしてる感じなのでちゃんと読める。絵もわりといいし。石井まゆみ「ロッカーの花子さん番外編」は、これが花子さんなのかーと思った。かわいくてきれいでいい。相模なつき「悲しき雨音」はかなりクセのある絵だけど、けっこう気持ちよく読めてしまった。わりと居心地のいいお話。
 そのだつくし「プライドマン」はちょっとラフで、自然な感じの乾燥した描線がなかなかいい。「空の砦」(小栗左多里)も絵がわりと好き。サラリと描いてるふうで素朴な感じが。とくに子供に自分オリジナルの方言を教え込む怪しいじいさんがいい感じ。

【単行本】「北神伝綺」上巻 作:大塚英志+画:森美夏 角川書店 判型:A5
 A'DASHで読んだ「木島日記」が面白かったので購入。
 これはなかなか面白い。柳田國男が作り上げた民俗学の闇に隠された「山人」への弾圧を扱っていてそれに宮沢賢治や竹久夢二、伊藤晴雨も絡んできて緊迫感のある怪しい面白さがあるんだけど、なんといってもその物語の魅力を引き出してさらに高い次元に押し上げてるのが森美夏の絵。山田章博を思わせるような妖しさを持ち、禍々しさと邪悪さを秘める。シャープな描線、白黒のコントラストの利いた画面作り、すごくかっこいい。

【単行本】「越後屋小判」 奈知未佐子 小学館 判型:B6
 というわけでまたも買ってしまった奈知未佐子。今回の単行本は1994年初版だからわりと古め。全般的に新しい作品ほど感動的で俺は好き。そんなわけでこれよりも「風から聞いた話」「月の馬」「花渡り」のほうがオススメ。ただ、この単行本もやっぱり読ませるし、いい話もけっこう入っている。読んで損はないと思う。


4/13(月)……生でぬるぬるイかせてッ!(略して生イカ)

 ぬるぬると気持ち悪い天気だった。湿気が多いってのもあるけど、帰りの電車がわりと混んでて冷房がきいてなかったもんだから、座ってたけど生ぬるい空気と湿気を吸った背広臭で吐き気がしてきた。これで背広着てラッシュアワーに通勤してる人は地獄だろうな、とか思う。
 日記に検索システムを導入したので、ついでに掲示板の過去ログ用にも同じ検索システムをくっつけておいた。日記のほうが「日記スーパーサーチ(NSS)」なのに対し、掲示板のほうは「掲示板ウルトラサーチ」略してKUSである。

【雑誌】少年ジャンプ 4/27 No.20 集英社
 桂正和「I''s」が表紙だったのだが、そのおかげで「どこのオタク雑誌だ?」とか思ってしまった。桂正和は女の子、とくに4色で描くとムダなくらいうまい。それにしても越苗がいきなりこんな特殊技能を持ってるってのは反則気味。でもまあ、この作品は女の子がかわいければそれでいいとも思うけど。
「ONE PIECE」(尾田栄一郎)は今週もかっこいい。バギーもルフィも、そしてウソップも。今回はとくに倒れながらも叫び続けるウソップが最高。富樫義博「HUNTER×HUNTER」はわりと好調。新連載5連発の中では「ROOKIES」(森田まさのり)と並んでいいんじゃないだろうか。5連発の中で一番最初に終わりそうなのは「少年探偵Q」 (作:円陣+画:しんがぎん)かな。ショタ系は「地獄先生ぬーべー」(作:真倉翔+画:岡野剛)が露骨にやってるので十分だろうし。
 あと、最近面白めなのが「花さか天使テンテンくん」(小栗かずまた)。少年漫画らしい魅力があってなかなかいいんじゃないだろうか。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 4/27 No.19 小学館
 しょええええ。「ぷりぷり県」が急展開。なんと……(以下略。詳細は読んでみてください)。たしかに最近二人でレストラン行ったりとか伏線はなきにしもあらずだったが。急転直下。
 それから今週は2号連続掲載の山本直樹。タイトルは「日々の泡」。女性漫画家のアシスタントをやりつつ肉体関係にある男が、彼女を嫌いながらも「SEXできる」という安易な気持ちからズルズルと関係を続けてしまうという話。今回はSEXシーン多め。いつもながらかっちょいい絵と雰囲気を描くなあ。山本直樹としては普通の出来だと思うけど、それでも目が離せない。
「奈緒子」(作:坂田信弘+画:中原裕)は中継地点直前で五島が負傷。なんか力ずくな展開。「月下の棋士」(能條純一)では光本戦がこれで最終決着だろう。将棋盤の中に宇宙を見るか。深い、んだろうなあ。俺はそういう境地に至ったことなんかないから分からないけど。「ラブレター」(作:じんのひろあき+画:若狭たけし)はまた絵のタッチが変わったような。この人ってときどきすごく線が細くなるんだけど、これってひょっとして新しいペンをおろしたとかそんな感じなのかな。
 あと、次号から原秀則「青空」が再開。なんかずいぶん休んでたんで、「そういえばこんな作品もあったなー」と思った。それからスピリッツ増刊Manpuku!は次回は5/1発売。山本直樹が載るらしい。そのほかのメンツはまだ予告が載ってないんでよく分からない。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 5/12 5月増刊号 小学館
「増刊」という言葉に弱い俺。この2文字を見るとわりと条件反射的に手が動く。増刊に掲載される読切って、単行本になかなか入らないから買えるうちに買っておかないと後悔することが多いのだ。このオリジナルの増刊は、増刊にしてはイキが悪いので俺としてはあんまり用はないのだが。
 巻頭カラーは松本霊士「コックピット・レジェンド」。男の世界なり。空に散った飛行機乗りのお話。しらいしあいの「ホニュウ類ヒト科オヤジ目」は、オヤジと若い女の子の心暖まる触れ合いを描いた短編。わりとイケる。一條裕子「金子の部屋」はいつもの一條裕子って感じの淡々としたノリ。あと、この雑誌でいちばん読めるのは井浦秀夫「AV列伝」かな。前回に引き続いてAV男優、清水大敬の話。人に歴史ありって感じでグイグイと読ませる。この人はほかの雑誌でも似たようなことをやってるけど、面白いからまあいいや。

【雑誌】弥勒 5月号 平和出版
 この雑誌はりるひの描く表紙でかなり得してる感じがする。内容はそれほどレベル高くないんだけど、表紙が快楽天を思わせるようなスタイリッシュな絵柄なので本屋でつい手に取っちゃう。俺としては前号の、女の子の表情が何個も並べてあるって奴が今までの中では一番好き。
 もりしげ「マリエルのメイドさん日記」はもっと鬼畜でもいいかなーと思うけど、時節柄難しいのかもしれない。俺的には濃ければ濃いほど楽しいんだが。ぺるそな「あんたなんて大っキライ」は怪しい雰囲気がけっこういい。あと目につくのはきたる三月「淫れる森の美女」。クリッとしたイタズラっぽい目つきのキャラクターたちが印象的。

【単行本】「つるばらつるばら」 大島弓子 角川書店 判型:新書判
 昨日呑みに行ったときに参加者の方に貸していただいたもの。ありがとうございます。
 3編の短編が収録されていたけど、どれもきれいなお話で面白かった。話の仕掛けとしては、少年が考える精神年齢に応じてキャラクターが描かれる「夏の夜の貘」が一番好み。全体に絵空事っぽさがいい感じだと思う。大島弓子もそのうちガバッと全集買って読みまくろうかなーと思っている作家の一人。何を今さら、といわれそうだけど俺は少女漫画ビギナーなので勘弁してほしい。

【単行本】「バージェスの乙女たち−ディノスミクスの章−」 蜈蚣Melibe 三和出版 判型:A5
 大島弓子の後にこれを読むってのもどうかなあと思わないでもないけど、俺はわりとすぐ頭を切り替えて目の前の話に没頭していくタイプなんであんまり気にならない。
 それにしても、やっぱりこの人の趣味的世界はすごい。なんか天然な怖さを感じる耽美的極北世界。表紙はわりと美しいんだけど、それに騙されると痛い目に遭う。この表紙って、なんか読者を騙すために確信犯的にやってるのか、それともナチュラルでこういう表紙にしたかったのか、俺にはよく分からない。
 前の巻の「ワイワクシアの章」では口とヴァギナを置換した女性ディムロイドが出てきたが、今度はペニスと口を置換した男性ディムロイド「ディノミスクス」が登場。普通の人にとっては化け物的な、蜈蚣Melibeにとってはおそらく楽しくてしかたないのだろう、不思議な世界が描かれている。このキャラクターたちでラブコメみたいなことやるんだからスゴイよなー。
 あと美少女が豚に肉体改造される「豚嬢」、スルタンを裏切った妾が顔や身体の皮をはがれてそこに仮面などをつけて男根虚勢機に改造されてしまう「仮面のナターシャ」もかなりくる作品。作者自身が登場するコスプレ写真もなんか怖い。

【同人誌】「濡れた幼妻」 ポルノ★スター
 昨日のオフでご一緒させていただいた方(「つるばらつるばら」を貸してくれた人とはまた別の人)から頂戴する。ありがたや。
 沙村広明、たかしたたかし、OKAMA、冬目景、玉置勉強、清水潤、OGAI、宮本直哉という豪華メンバーを揃えた「ヴァンパイアセイバー」の本。中でも沙村広明は、32ページと何やら無闇に力が入っていてすごい。俺はこの元ネタのゲームは、ゲーセンでほかの人がやってるのを見物したことがあるくらいなので、キャラクターとかはよく分からないんだけど、それでも読ませてくるあたり大したもの。少女がよく分からないズルズルにぐちょぐちょにされるところが痛そうでいやらしい。
 あとの作品は元ネタよく知らないため、作品の魅力を半分も読み取れてないと思うのであんまりコメントできない。たかしたたかしはさりげなくスカトロもやってて濃くていいなーとか、玉置勉強のエヴァとごちゃまぜにしたパロディは分身くんのちんちんが大きくていいなーとかそれくらい。OKAMAと冬目景はイラストのみ。


4/12(日)……ナッチグー!

 某Webページのオフで、辛いモノを食べ酒を呑んでくる。しかし、俺も最近酒に弱くなったなーと思う。呑んだ後、尾を引く度合いが強まってきた。今もなんだか頭が痛い。最近、呑んだ後すぐに寝ないので起きているうちに二日酔いの頭痛が襲ってくる。そんなこといってるんだったらさっさと寝ればいいのになーと思うけど、やっぱり漫画は読んじゃうんだよね。

【雑誌】ビッグコミック 4/10 No.7 小学館
 駅のゴミ箱から拾ってきた。多少描く人の変動はあっても、いつも変わらぬビッグコミック。目に付くのは「ムカデ戦旗」(森秀樹)と「のたり松太郎」(ちばてつや)くらいかな。勝川克志とか、ここらへんも常に同じテイスト。ゴルゴはあるし、まだ石ノ森正太郎「HOTEL」は載っているしで、「ああ、ビッグコミック」って感じ。

【雑誌】ASUKA 5月号 角川書店
 どれもうまいけど、「これは」という印象に残る人はほとんどいなかった。こなみ詔子「湯の花つばめ」が少年少女のドタバタラブストーリーで読んでて楽しく、この中ではわりと気に入った。あとは作:赤川次郎+画:清水利江の新連載「天使よ盗むなかれ」が面白くなりそうな感じはする。

【雑誌】パイク No.8 如月号 ふゅーじょんぷろだくと
 もうそろそろ次号が出ようかっていうのに買ってきた。パロディものに関しては元ネタを全然知らねーのでどうでもいい。読みたかったのはあめかすり「ブルーに敏感」。少女漫画みたいなふわりとした絵柄で前からちょっと気になっている。話に関してはもっと精進の余地あり。うらまっく「遊星より愛をこめて」はウルトラマン系コスプレ大好き少女の話。いつもながらかわいくて微笑ましい。ベタベタはすぎるくらいがちょうどいい。あと相良直也「ANGEL DUST(中編)」は前を読んでないのでなんともいえないけど、絵はやっぱり好き。

【単行本】「演歌の達」2巻 高田靖彦 小学館 判型:B6
 ようやくゲット。これで1〜3巻全部揃った。骨太にドラマが作られていてすごく面白い。本屋さんで見つけたらだまされたと思って買ってみてほしい。

【単行本】「月の馬」 奈知未佐子 小学館 判型:B6
【単行本】「花渡り」 奈知未佐子 集英社 判型:A5
【単行本】「風から聞いた話」 奈知未佐子 集英社 判型:A5
「YOU」(集英社)で2回読んで2回とも良かったので購入。どれもすんごくいい。今、俺の中で奈知未佐子がマイブウム。
 おとぎばなしをベースに、非常に優しくてのどかで美しいファンタジイの世界を描いている。一編一編丁寧に作られててすごくジーンとする。あっさりとした絵柄で、見せ方もうまいし、実にイイ話が満載。買って良かった。そんなわけでオススメ。


4/11(日)……しばたは急病につき

 なんだか昨日の日記はきちんとアップロードしたつもりだったんだが、書き込みに失敗していたみたいだ。トップページやビームのページなども含めて。原因はよく分からないけど、今は治っているはず。昨日は更新を休んでいたように見えたかもしれないけど、実は本人はしたつもりになっていたのだった。

【雑誌】COMIC P! マガジンハウス
 突然登場した、コミックアレ!の後継的雑誌。継続して出るのか分からないけど、すごくいいので続いてほしい。俺的にはものすごくいい雑誌なんだけど、それだけに売れないと思う。パラパラとめくっても俺とかはすごく面白そうだと思うが、これをパラパラめくって面白そうだと思える人ってけっこうな漫画オタクなんじゃないだろうか。しっかり読むとものすごく面白いんだけど、逆にきっちり読まないと面白いということが分からない。だから売れないだろう。ひょっとするともっと客寄せ的な人材が必要なのかもしれないな。
 高野文子「おはようの歌」は今回はテンション低め。高野文子にしては、あんまり良くないほうかな。まあ普通の面白さ。画:江口寿史+高田嘉「HOMERUN CATCHER」はわりと良かった。江口寿史はこうやって絵だけなら、女の子の表情とかすごくいいし、けっこうイケるなあ。しりあがり寿「シリーズゲロゲロプースカNo.2 冬のマタギくん」も良かった。この人は「弥次喜多」以来、完全にこのノリを自分のモノにしたなーって感じ。ロビン西「中学番長日本一決定戦」はワイルドでダイナミックで面白い。ちんぽと持ち主の対照図がナイス。
 冬野さほ「bunk bed」は相変わらずイカれた作風。スティーブン・ミルハウザーな雰囲気。そして諸星大二郎「荒れ地にて」。これはすっごく面白かった。不思議なキャラクターや事象が、何気なく淡々と登場しては消えていく、実に怪しくて素晴らしい世界。るいべはやみ「4人はアイドル」はちまちまとしてて面白かった。キャラクターたちがほとんどアップにならず、引いた視点で物語が進んでいく。前に描いていた女子プロレス漫画よりもこっちのほうが全然おもしれー。
 魚喃キリコはいつも通りのノリ。業田良家「詩人ケン」は力強い言葉でなかなか泣かせる。土田世紀「あいつ雲」は普通の物語なのに、なぜか登場人物の目にすべて涙が浮かんでいるというヘンな漫画。こういうバカバカしいの描かせるとツッチーは素晴らしいね。
 総じてみっちりと中身が詰まっていてものすごく良かった。漫画好きは絶対買っとくべし!

【雑誌】コミックビンゴ 5月号 文藝春秋
 比古地朔弥「神様ゆるして」と作:宮本輝+画:土田世紀「春の夢」、松井雪子「Bunny Flash」が連載終了。比古地朔弥は非常に面白かったのだが、最後のページの集中線とセリフがなんだか陳腐。全般に非常によかっただけにラストの1ページだけが惜しまれる。単行本になってほしい。「春の夢」もあっさりと終わった。松井雪子最終回は不可思議な感じの展開。ここらへんで終わっておくほうが吉だとは思う。
 これでビンゴは相当つまらなくなるなーと思った早々、遊人が新連載。タイトルは「キャートルズ」。この内容で「新感覚」とかいっちゃうところに文春の厚顔無恥さを感じる。あと、榎本俊二「ハンサム弾」もスタート。最初はわりと低調。もっとハイテンションで飛ばしてほしい。
 そんなわけで今号で終わった3作品がなくなったことで、次号からはすごくつまんなそう。作:金子達仁+画:中川和彦のサッカーW杯予選のノンフィクション「決戦前夜」も安っぽすぎる。もっとうまい人に描かせられなかったもんかなあ。というわけで比古地朔弥があるぶんコミックアルファよりもいいかなーと思っていたビンゴだが、アルファが次号山川直人が登場ということもあって、評価は逆転しそうな気配。

【雑誌】ヤングマガジン 4/20 No.18 講談社
 今週は「ストッパー毒島」(ハロルド作石)が休載。
 江川達也の新連載「THE LAST MAN」はやっぱり絵はうまい。今回はかわいい少年少女がちょっと惹かれた。さて、どうなるんだろうか。あんまり期待しないで見ることにする。「工業哀歌バレーボーイズ」(村田ひろゆき)は志の低さが非常にいい感じで、ついよんでしまう。下らなくて案外イケる。しかし、彼らがバレーボールをやってるところって俺は記憶にないんだけど。
 古谷実「僕といっしょ」は女の子がけっこうかわいい。楽しい。日本橋ヲヨコ「プラスティック解体高校」は次号で最終回。なんとなく惹かれるんだけど、読むとそれほどでもない、なんか煮え切らない漫画だった。ここのところはけっこうドラマチックで悪くないけど。「1・2の三四郎」は三四郎vs.赤城が決着しそうな気配。豪快でかっこいい。
 小田原ドラゴン「おやすみなさい。」は今週もいじましくて楽しい。今回は鉄郎が電気消して毛布かぶって、家人に隠れてギルガメを見るというまたしても情けない話。福本伸行「カイジ」はなんだか痛そうな機械が登場。強引に緊迫感を高めている。さすがだ。

【単行本】「東洋妖人伝 用神坊」3巻 いとう杏六 秋田書店 判型:新書判
 これはいつもどおりの鮮やかさで面白かったのヨ〜。楽しい漫画ヨ〜。

【単行本】「サイコグラフィア」 石村里沙 偕成社 判型:A5
 コミックFantasy掲載作品。ファンタジックでエロチックでミステリアス。ちょっとグロテスクで耽美的。なかなか面白かった。

【単行本】「悟空道」2巻 山口貴由 秋田書店 判型:新書判
 今回は透孩児編。三蔵法師が非常にいやらしい。ぱゆんぱゆんとしていてな。「覚悟のススメ」よりはテンションは低いけど、それでも面白いからいいや。「西遊記」を元ネタにした漫画ってかなり多いけど、その中ではかなりいいほうだと思う。

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