◆ 1998年4月下旬 ◆

4/21〜30
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4/30(木)……馬鹿だった四月

 4月もおしまい。今月もいっぱい読んだなあ、とか思って例によって読んだ冊数を数えてみる。4月は雑誌のべ115冊、単行本67冊、同人誌1冊。勘違いしてる人をよく見かけるが、多く読んだからとって別に偉いわけでもなんでもない。オタク界はどんなに極めても、なぜだか常に上には上がいるのだ。俺よりたくさん読んでる人だって絶対何人もいる。
 それにしても今年に入ってからどんどん雑誌を読む量が増えている。1月53冊、2月63冊、3月103冊ときて、そろそろ天井だとは思ってたら先月よりも10冊以上多かった。なんか最近、食事をするような感覚で漫画を読んでいる。こうやって俺は際限なく物語を消費して生きていくのだなあ。

 最近、少女漫画雑誌をいっぱい読んでて感じたのだが、美少女漫画と少女漫画ってわりと近しいポジションにあるジャンルという感じがする(名前も近いし)。逆に少年漫画と美少女漫画は一見近そうに感じるけど、かなり遠いジャンルと思える。
 美少女漫画と少女漫画は、肉体に寄るか精神に寄るかで違いはあるものの、共通のベースとして男女関係がメインにある。また、「美」「可愛さ」にベクトルが向いていて、両ジャンルとも「いやし」が期待されているという気がする。基本的に少女漫画は「恋愛」、美少女漫画は「SEX」という、「これは入れなければならない」みたいな暗黙の了解があり(もちろん例外もある)、そういう意味では制約がけっこう厳しいジャンルともいえる。そのためか、両方ともわりと閉塞した業界って感じを受ける。
 少女漫画と美少女漫画の近しさを示す傍証として、最近少女漫画的技法を使った美少女漫画(陸乃家鴨、甘夏真琴、森永みるくなど)が増えてきて、それが市場で成功していることが挙げられる。少年漫画的手法は意外と美少女漫画になじまないのに、少女漫画的手法はいともあっさり溶け込んでしまうのだ。
 少年誌で描いていた近石まさしがエロ劇画にすんなり溶け込んでいるように、少年マンガはエロ劇画とわりと近いポジションにあると思える。美少女漫画、少女漫画の「いやし」に対し、こちらは「他者に対する勝利」、そしてベクトルが「力」のほうに向かっているというのがあるかな。両方とも美少女漫画や少女漫画に比べて、絵は汚くてもOKだし。その分力強さは必要だけど。

【雑誌】エルティーンcomic 1988 JUNE ACT.12 近代映画社
 わりとH系でなおかつCUTiE系入った雑誌(ACT.12だからCUTiE comicよりは古いんだろうけど)。エロシーンはベタな感じ。気になるのはMOMOTA「I WANNA FEEL LIKE YOU」。安野モヨコとかああいう系のオシャレでちょっとエロが入った漫画。やっぱり絵柄が惹かれる。こういうのちょっと飽きてきた感じもあるけどね。あとは小野塚カホリ「こえ」。SEXしても声をあげることのできない少女の話。絵が非常にシャープでかっちょいい。この中ではやっぱり群を抜いている感じがする。

【雑誌】きららセーズ 6月号 秋田書店
 巻頭カラーは東山むつき「極上天使」。絵は上條淳司系。気になったのはそのくらい。雑誌全体で見ると、俺的にはハズレかな。連載モノが多いので展開を理解してないってところもある。

【雑誌】コーラス 6月号 集英社
 女流演歌歌手の奮闘記、「くしゃみ3回」(吉田まゆみ)が巻頭カラー。義理と人情で、面白い。くらもちふさこ「天然コケッコー」はいつも通り面白い。「うてなの結婚」(よしまさこ)は絵がきれいでコミカルな話。楽しんで読めた。「Bee」(宮川匡代)は幸せな恋愛もの。なかなかきれいなお話。

【雑誌】きみとぼく 6月号 ソニー・マガジンズ
 立ち読みしてみたところ良さそうだった、新連載の架月弥「チョコの歌」が読みたくて買った。カナヅチの小学4年生の少女、歌野が主役。彼女のクラスに男の子が転校してくる。彼は足も速くて、おしゃべりですぐに人気者になるのだが、実はすごくウソつき。彼は、自分がウソつきであることを歌野だけには明かす。みんなに秘密ができてしまってとまどう歌野。そして……ってな感じのお話。話はなかなかいい感じで楽しめるし、絵もきれいで可愛くてうまい。今回のきみとぼくではイチオシ。
 藤原薫「昔の話」。ちょっとホラーの入った、妖美なお話。描線も緻密で雰囲気がある。なかなか良かった。

【単行本】「緋色の刻」上巻 山文京伝 コアマガジン 判型:B5
 うわ、豪華な装丁だな。ここらへんはさすがコアマガジン。B5と判型がデカくてハードカバー。表紙も凸凹のある艶のない和紙風の紙を使っている。そのぶん値段も1600円と高いけど。俺としては、こうやって丁寧に作ってくれるのはうれしいんだけど、コアマガジンの場合、一冊にこんだけ力入れるんならかつてのホットミルク掲載作品を単行本にしろよなって感じがする。
 で、この単行本。俺は全然詳しくないんだが、全国同人誌即売会でオリジナル作品としてNo.1の売り上げを記録したものらしい。わりと昔の作品なんで絵は硬いところはあるんだけど、人妻が凌辱されまくりでとってもいやらしい。こういうデロデロなのは大好きだ。


4/29(水)……よりどりみどりの日というわけでもなかった日

 昨日の日記、掲示板を読んでいる方々は事情は分かると思うけど、ちょっと自分でもしっくりいかなかった部分があったので修正。「ハイエンド系」のところ。その後ちょっと思ったのだが、「ハイエンド系」って、絵ももちろん大きい要素だけど、志ってのもかなり重要な要素としてありそうな気がした。
 こうやって日記で取り上げているあたり、俺が「ハイエンド系」って言葉を意識している証拠で、見事にアオられちゃっててちょっと悔しい。でも読むときはあんまり意識してないんだけどね。どうせアオられようがアオられまいが、漫画の好みはそんなに変わらないし、俺はいつもどおりサクサクと読んでいくだけだ。

【雑誌】阿口云 6月号 ヒット出版社
 最近毎月買っているんだけど、俺的にはあんまりピンと来ない雑誌ではある。わりと薄口な作品が多くて、濃ければ濃いほど好きな俺としては少しもの足りなかったりもする。そのうえ厚いもんだから読んでて飽きることもある。最近、B5平とじの厚いエロ漫画雑誌が増えてきているけど、俺としては中とじくらいの分量のほうがちょうどいい。
 なんといっても師走の翁「八角磨盤空裏走(はっかくのまばんくうりにはしる)」がベスト。茶道的なルールに乗っ取ったフェラチオ道の話。まじめくさってやるところが馬鹿馬鹿しくてよろしい。あと、最後のほうの青春ドラマ的ノリも非常に面白い。上連雀三平「ANAL JUSTICE」にも共通するような大馬鹿なノリ。それでいて実用性も確保。大したもんだ。牧部かたる「2人におまかせ」はタイトルからピンとくる人もいるかもしれないが、ネタバレになるので詳しくはいわない。ばいんばいんでパワフルなエロスが良かった。甘夏真琴「Family Affair」。この人の絵はやっぱりかわいくて目をひくなあ。うまいし鮮やか。
 巻末読者コーナー、「阿口云のすきま」。なんと担当者急病のため休載。読者コーナーでこういうことやるってのは、あんまり記憶にないなあ。

【雑誌】スーパージャンプ 5/13 No.10 集英社
 作:荒仁+画:山下京子「親方」が、オースーパージャンプから引っ越し。6/10発売号から連載になるそうだ。この作品はけっこう骨太でナニワ節的面白さがあって好き。大工の親方が主人公の下町人情ロマンである。あと目を惹くのは、いつもの高見まこ「ロマンス」くらいかなー。吾郎と奥様の愛欲の日々。上品だけど、ねっちょりといやらしい。

【雑誌】ビッグコミック 5/10 No.9 小学館
「のたり松太郎」(ちばてつや)とか「ムカデ戦旗」(森秀樹)とか、いつも面白いものがいつもどおり面白い。あとは谷口ジロー「遙かな町へ」かな。48歳の意識のまま、中学生の姿で昭和30年代の町にほうり出される、という話。いつものとおりの緻密な画面がかっこいい。話がどの程度面白くなるのかは連載第2回なので、まだ未知数。

【単行本】「月下の棋士」20巻 能條純一 小学館 判型:新書判
 この巻はA級リーグ戦、首藤戦。面白いんだけど、だいぶ長くなってきたのでそろそろ終わらせてくれるとうれしい作品。

【単行本】「おまかせ!ピース電器店」7巻 能田達規 秋田書店 判型:新書判
 毎度心が和む。東麗子もいいのだが、なんつっても月影アイだ。意地張ってるところが可愛くていい。モモ子ももちろんいいし、そのほかの女の子キャラクターもいい。何はともあれ、全体に漂う楽しいほのぼのムードが最高。ケンタローには腕白ってことばがよく似合う。


4/28(火)……黄金週間略してOGSK

 明日からゴールデンウィーク突入。俺はせっかくの休みなので、明日から国外逃亡とシャレ込む。W杯のころは混んでるだろうフランスへ、今のうちに行っておこうという感じだ。おかげで荷造りで忙しく、今日入手した漫画(雑誌8冊、単行本8冊)にも手がつけられない状況。というわけで更新は帰国するまでお休みします。
 ……もちろん寝言である。ゴールデンウィーク。俺は会社に籠もって仕事だ。おかげで休日出勤が山ほどつくから、来月はお金持ちだねー、うれしいな! まあ、それはさておき5月5日はコミティアだから、その日くらいは休めるようなんとかそれまでに仕事を一段落つける所存。そんなわけでゴールデンウィークも漫画読んでブツブツいうぞっ!(下らねえ決意)

【雑誌】少年マガジン 5/13・20 No.22・23 講談社
 合併号。というわけで、今週はMMR「1999年への秒読み(前編)」(石垣ゆうき)の登場。今回は少年犯罪多発の仕組みを、日本のピラミッドをヒントに解き明かしてくれるらしい。いいぞ、すごいぞMMR。
「はじめの一歩」(森川ジョージ)。今週は鷹村がボコボコだけど、その中で少しだけ力の源が見えてきた感じ。ブライアン・ホークかっちょいー。
「勝負師伝説 哲也」(漫画:星野泰視+原案:さいふうめい)。vs.房州編完結。そうか、こういう道があったかー。これは思いつかなかった。麻雀ずいぶんやってないしね。「真・中華一番!」(小川悦司)。やることがハデだなー。この過剰な演出がたまらない。あとは「ドクターK」(真船一雄)。手術道具を握ったまま立ち往生とは。医者の不養生ここに極まれり。

【雑誌】ヤングチャンピオン 5/12 No.10 秋田書店
 巻頭カラーでいきなり丸尾末広の新連載。タイトルは「笑う吸血鬼」。いつもながらの妖美な絵柄。話も怖め。これから楽しみ。そして魚喃キリコの読切「Hole」も掲載。これは「ハルチン」とわりと似た感じの明るい話で、なおかつ身もフタもない。魚喃キリコって意外とこういうのもうまいなー。というわけでこの2作品読むためだけでもこの雑誌は買い。
 村生ミオ「サークルゲーム」。なんかビージャンの「Women」とこんがらがりそうになる、濃い女ストーカーもの。それにしてもこの漫画、単行本18巻も出てるのか。藤澤勇希「球鬼Z」。濃い。ハナっから野球やる気がないような邪悪な敵。一歩間違えばギャグの過剰さが素晴らしい。例の似たことやってる連載「職業AV監督」(作:カンパニー松尾+画:井浦秀夫)。今回も面白い。こういう濃い業界の話はさすがに読んでて面白いもの。業界風を吹かさず、嫌味になってないところもいい。

【雑誌】快楽天 6月号 ワニマガジン
 月を追うごとにいやらしくなくなっていく快楽天。今月はOKAMA「せんたくき」が最終回。うーん。最終回までどうもピンとこなかった。かるま龍狼「くノ一!桜ちゃん」。この人はいつもいいなーと思う。センスいいし。笑わせるところは笑わせるし、ヌかせることろはヌかせる。毎回描いてくれるとうれしいんだけど……。
 巻中4色、YUG「Swim」。透明感のある涼しい絵柄で非常に美しい。ぽーっと眺めて気持ちいい作品。道満晴明「カエル」。オチが秀逸。「メア」(森永みるく)。子供だけじゃなく、育ったのもうまい。芸風広いね。さつきのそのいち「最後の贈物」。この人のはかなげで寂しそうな絵柄は好きだ。単行本出ないかな。
 次号はさべちんが巻頭カラー。度胸あるなー。落とさなきゃいいけど。これでBIGゲストが登場するらしいが、ひょっとして南Q太かな? あと、快楽天の増刊「変玉」が5/15発売。俺としてはしろみかずひさ、大越孝太郎が描くというのがかなり楽しみ。

【雑誌】ホットミルク 6月号 コアマガジン
 うーん、つまらない。今回は全般的に読める作品があんまりない。ちょっと薄味すぎるような気がするなあ。かといって少女漫画っぽい味があるわけでもなし。それと、先月号でも指摘した「文章ページにノンブルが振られていない」というのが直ってない。せっかく目次作ってるんだから、ノンブルは入れてほしいなー。
 百済内創「エレベーターガール」。乳がデカいのは好みだけど、もうちょっとエロにページ数があったほうがいいかも。それにしてもエレベーターガールって考えてみりゃ、けっこうムダな職業だよな。「終止符」(にしき義統)。う〜ん、なんだこりゃって感じ。前回の続編なんだけどセンターカラー4Pだけ。しかも1Pはまるまる扉。さすがに絵はうまくていやらしいんだけど、これじゃあねえ。羽津樹「Bat girl's」。風変わりなペンタッチ、そして奇抜なアングルとわりと気になる。話はスベリ気味だけど。というわけで全般的に「これはいい!」ってほどの作品はなかった。G=ヒコロウ「ネコガミハカセ」はスピード感のあるテンポのいいギャグで面白かったけど、これはどちらかっていうとデザート的作品だからなあ。もっとごはんとオカズの充実を望む。
 最近話題の「雑誌事評2」。更科修一郎がハイエンド系の解説をしている。今までいまいちイメージがつかみきれてなかった「ハイエンド系」だけど、最近ではだいぶ見えてきたような気がする。まあ、この言葉をアオっている人は、要するに縮小再生産傾向にあるエロ漫画界に対して「漫画家も編集者も読者も今の状況に満足するな!」というのが目的なんだと思う。その分かりやすい旗印として、現在新しいことをやろうとしている若手作家たちに「ハイエンド系」という名前を付けたって感じかな。たぶん、ここらへんをアオっている人たちの意図としては閉塞状況を打開する道具であれば、別に今いわれている「ハイエンド系」でなくても良かったのだと思う。岩谷テンホーが状況を打開してくれるのなら、それでも良かったはずだ。とにかく、今までのやり方に固執する編集部に「今、こんなもんが流行ってるんだぜ」と突きつけて、彼らを焦らせ何か新しいことにチャレンジさせるようにできればそれでいいのだと思う。そういう効果を期待する意味において、「ハイエンド系」が今一番可能性があったということなのだろう。
 定義自体は今回の雑誌時評2では分かりにくいかもしれないけど、狙っていることのキモはそんなところだと思う。今月掲載作品で俺的に一番「ハイエンド」感がしたのは広川犬介かな。アニメ、漫画、ゲームといったオタク文化の中で洗練に洗練を重ねてきた、こぎれいでオシャレで、「普通のアニメ絵とはちょっと違うぞ」と思わせるような絵柄の人たちが俺としては「ハイエンド系」って感じがする。

【単行本】「やさしい機械」 外薗昌也 新書館 判型:B5
 キノコ人間など、ちょっと変わった者たちが住まう、ラグナというファンタジックな世界で繰り広げられるゆったりとしたお話。1988年発行だからすでに10年以上前の作品。髪型のヤボったさとかがいかにも10年前って感じだけど、お話自体は面白かった。のんびりゆったりとして心優しい物語。判型の大きさ、カラーページの美しさ、緻密に描き込まれた画面、なかなかよろしい。

【単行本】「薔薇の小部屋に百合の寝台」 宮西計三 久保書店 判型:A5
 兄の蔵書とダブってしまったが、わりとレアな単行本だし良しとする。耽美で妖しく、ちょっとグロテスクな世界。すごいなあ。

【単行本】「百年の恋も覚めてしまう」 くらもちふさこ 集英社 判型:A5
 絵も話もよくできていて面白かった。コロコロ話を転がして行って飽きさせないし、主人公たちも魅力的。クリクリとした目の感じが印象的。くらもちふさこはまたそのうち買うと思う。


4/27(月)……エヴァンゲリング・ベイ

 そういえば関係ないけど、「○ヴo○○○○○」という伏せ字があったら、普通「エヴァンゲリオン」と読んじゃうよな、という話をこの前会社の同僚とした。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 5/11・18 No.21・22 小学館
 高橋しん「いいひと。」。やっぱり絵はすごくいいなあ。今まであんまりいわなかったが、実は俺はこの「いいひと。」ってあまり好きじゃない。この漫画、読めないときはまったく読めないんだけど(ネームが異常に多い回はとくに)、ときどき読めちゃうもんだからつい見てしまう。個人的にはこういう漫画が一番困る。完全に話がつまらなくって絵も見るべきところがなかったらさっさか無視できるんだけど、こういうのは好きな絵でなおかつときに面白いもんだから、ついつい読んでしまう。それで説教臭い話をやられてしまうとイヤになる。これの繰り返しなのだ。あんまり絵が好きでない場合は、それはそういうものだと受け容れてしまえるのだが、絵が好みなだけにもっと面白い物語を描いてほしくなっちゃう。「いいひと。」では仕事と関係ないあたりの話はわりと好きだ。今回のカラーページもすごくいいしねえ。俺としてはできればこの人にはビジネスもの以外をやってほしい。前にもいったことがあるけど、やっぱり俺はサラリーマン世界に夢は見れねえ(エンタツみたいなのは好きだけどね)。
「ラブレター」(作:じんのひろあき+画:若狭たけし)。新キャラクター登場。なんか一瞬、「スカタン天国」(北道正幸)のリカを思い出してしまった。「奈緒子」(作:坂田信弘+画:中原裕)。前回までの痛々しい五島の後は、実に何気ない顔で気持ちよさそうに走る吉崎。ここまでためて作り込んできたキャラクターだけに見ものである。この漫画はやっぱりすごく面白い。今週は「うずまき」(伊藤潤二)登場。まあいつもの通りかな。「しっぷうどとう」(盛田賢司)はなんか最終回に向かって突き進んでいるように思える。最近掲載順も最後が多いし。今、天方院戦が2対2なので、たぶんこれで大将戦は引き分けて、代表戦で古橋と烈がぶつかって、それで最終回……となるんだろうなーとか思うのだがさてどうだろう。
 次号のスピリッツは5/11発売。そのぶん5/1に増刊のManpuku!が発売。俺的に目立つところでは山本直樹、木村和久+秋重学、いけだたかし、古林仁史ってところかな。

【雑誌】ヤングキング 5/18 No.10 少年画報社
 この雑誌の中で、絵的に一番目をひいたのが吉本蜂矢「デビューマン」。話はそこそこだけど、高校生っぽい青さとスラプスティックさ(死語かな、これ)があってまあ楽しめる。有村しのぶ「HOPS」。この人の絵は昔から上品な色気があって好き。実用にまでは至らないんだけどね。あとはななし乃与太郎「モーターロック」。乾燥した絵柄でかっこいい。話もいいし。学校を辞めて働いてるけどイマイチやる気になれない少年と、彼と妙にウマが合うその一つ後輩の少女の話。なかなか気持ちよく読めた。

【雑誌】ヤングキング増刊エトランゼ 少年画報社
 巻頭カラーは佐野タカシ「イケてる2人」の特別編。いやー、相変わらずうまいっす。上記のヤングキングにも描いているけどそっちも楽しい。仕事人だなあ。千葉治郎「TRAGEDY RAVE」は反発し合っているように見えながらも、実はお互いに求め合う姉弟の話。心理描写がうまくて、切なく読ませる。面白い。静かに終わっていくラストも良し。幸田朋弘「ガーディアンズ」。この人のきっちり整った絵柄はわりと好きなんだけど、話がちょっと軽い。絵的にも話的にももう一押しあるといいんだがなあ。

【雑誌】少年ジャンプ 5/11・18 No.22・23 集英社
 うすた京介が読切。タイトルは「ゲンバリング・ボイ」。バンゲリング・ベイってあの2コントローラに向かって叫ぶ奴だよね。それはそうと、うすた京介の描く女の子はなかなかいい。前から水っ気のない描線もわりと好みだった。この話はちょっとギャクの入った青春モノって感じ。まあまあ。
 樋口大輔「ホイッスル」。うーん、正統派。この展開で、風祭が元いた学校が最初の試合で2軍を出してきて、風祭に苦戦して、そんでもって最後に監督が「2軍など出してすまなかった……」とかいってくれたりするとすごくうれしい(元ネタはもちろんちばあきお「キャプテン」)。

【雑誌】Kiss 5/10 No.9 講談社
 中山乃梨子「立花菊の甘えた関係」。キャラクターの表情がなかなか印象的で、話もけっこう楽しめる。くぼた尚子「きらきら」。10年間、離れていた母と娘が、父の死を機に一緒に済むことになる、という話。絵もうまいし、ラストへの持っていき方もいいんじゃないだろうか。今回のKissの中ではこれが俺としてはベスト。
 あとは最近、いろいろな方面からオススメされている「花きゃべつひよこまめ」(篠有紀子)が面白かった。そのうち単行本欲しくもあるが、11冊もあるからなあ。


4/26(日)……暗くなって魔城

 4/22の日記で、高岡書店で唐沢なをきの版画をゲットしたことを書いたが、その後、このホームページを読んでくれている方からメールをいただく。それによるとなんと池袋の芳林堂でも版画プレゼントが行われているらしい。芳林堂の場合、「怪奇版画男」を買うだけでくれるらしい。ぬがー。しかも、高岡書店のものとは絵柄が違ったらしい。ぬがー2
 でもさすがに版画1枚もらうために、3冊目の「怪奇版画男」を買う気はしないしなー。

【雑誌】デザート 6月号 講談社
 この雑誌はなんか特集がある。今回のテーマは「カッコイイ女になりたい!」。このテーマで4人の作家がそれぞれ読切を描いている。目についたのは寄田みゆき「レモンパーム」と水人蔦楽「初恋のようなもの」。寄田みゆきのほうは少年と少女が恋におちるのだが、少女のほうが白血病で……というお話。悲しいけれど前向きでなかなかいい。でも、この特集のテーマを考えると「白血病になりたいかぁ?」とも思ってしまう。水人蔦楽(みずのとつたら)は気持ちいい絵でのんびりとしたお話。この人はコミティアでたしか見たことあるような気がする。絵の魅力が大きい。
 巻頭カラー「…青春中!」(栗原まもる)。コロコロと崩れる絵柄がなかなか。絵もうまいし。あとは木村千歌「カンベンしてちょ!」が楽しげな感じ
 この雑誌は全般的にわりと絵もうまいし読みやすかった。

【雑誌】プチコミック 6月号 小学館
 俺にはイマイチ読める作品がなかった。
 さいとうちほ「ロミオの名前」は100ページの読切。なんだかどうにもダイナミックな展開。二転三転して、話はごろごろと転がりまわる。このダイナミックさを楽しむってのはいいんだけど、話としては破綻してるかも。

【単行本】「シンデレラDOLL」 千之ナイフ 辰巳出版 判型:A5
【単行本】「夜姫」 千之ナイフ 久保書店 判型:A5
【単行本】「プレゼント」 千之ナイフ 久保書店 判型:A5
【単行本】「赤いナイフの夜」 千之ナイフ 久保書店 判型:A5
 千之ナイフのかなり古めの作品集。この前古本屋に行ったら置いてあったので兄貴の蔵書とのダブりの可能性を危惧しつつも一応確保しておく。
 基本的にこの頃からいつも変わらぬ、少女趣味で耽美な世界。ええわ〜。キャラクターの描き分けがないとか、ストーリーがワンパターンだとかそんなことはどうでも良くなる。見ているだけで楽しい。4冊読んだけど、どれを読んでも内容は(そして登場人物も)たいして変わらない。二人で少年チャンピオンの売り上げを激減させたといわれる、内山亜紀との対談が「夜姫」に掲載されているのはなんとなくお得な感じ。

【単行本】「蛍の渡守」 奈知未佐子 集英社 判型:A5
【単行本】「ウッディー・スノーのお客さん」 奈知未佐子 光風社出版 判型:A5
 サクサク集まる奈知未佐子。今回の2冊は今まで読んだ分よりはオススメ度低めかな。「ウッディー・スノーのお客さん」は魔法使いのクルーナ・ジェとその弟子が登場する、「ジャングル・タムタム社」シリーズが中心。このシリーズは洋風のファンタジックなお話。この人の場合、和風なもののほうがさらにほのぼのとした暖かさが引き立っていいと思う。「蛍の渡守」のほうはけっこうな面白さ。手堅くきっちりまとめている。
 簡潔で可愛らしい絵でファンタジックなお話を描いていて、優しい気持ちになりたいときにオススメ。大人でも子供でも楽しめると思う。まず読み始めをどれにするかとなると、入手しやすさと新しさの点で「風から聞いた話」(集英社)かな。


4/25(土)……青きこんよう

 うーむ。最近、俺が利用しているAIRnetが不調。っていうか俺の使っているTKサーバーだけが不調なのだ(AIRnetのほかのサーバーは大丈夫らしい)。深夜の23〜1時くらいなんてつなぐと止まっているがごとく遅い。そんなわけでつながらない場合はしばらくおいてから再度チャレンジしてください>来訪者の皆様(これを読めるってことはつながってるってことだけど)。
 それにしても深夜のTKサーバーの不調はかなり異常。AIRnetのアクセスポイントでつないだときなんて、ヘタするとほかのホームページにも飛べなくなっちゃうくらい。メールも読めない。Windowsのダイヤルアップの詳細で、ほかのページにアクセスしようとしてるときの速度を見てみたら1分間で2KBくらいしか送信できてなかった(受信なんてとてもできない)。bpsってたしかbit per secondだから、33600bpsだと4.2KB/秒のはず。ということは通常の200倍くらい遅いってことか? しょうがないからドリームネットでつないだりもするんだけど、これだとAIRnetのメンバーズエリアに入れないのでメンテナンス状況とかが分からない。非常に困る。
 なんでもCGI利用者が増えてサーバー負荷が増えたかららしいのだが、そんなこと俺知らねーよー。俺もCGIじゃぶじゃぶ使ってるけど、CGI/SSIが使えるから契約したんであって今さら使うのをやめるつもりなんてない。なんか掲示板に書き込んでくれた人によれば、CGIを使う人は別のサーバーに引っ越させる計画もあるらしい。またリンク張り直しお願いなんて面倒くさすぎー。それに、すでにこのホームページの全容量って8MBか9MBに達しているしこれからもガンガン大きくなる予定なので、この容量を受け容れられるプロバイダはあんまりない。もう引っ越しするのはイヤなんでなんとかしてほしいもの。

【雑誌】アフタヌーン 6月号 講談社
 今月号は四季賞の発表。大賞が出た。受賞作品は篠房六郎「やさしいこどものつくりかた」。そういえばこの人、F-OWの掲示板に書き込んでた人だな。そのほか今回はもみじ拓が四季賞を受賞していたのが目に付く。あとは準入選の松永公仁「幕末志士のような花」、榎本幸居「凡愚ら常々」、佳作の山田林檎「美女と死体と台風と」、平木蔵人「臆病者の心」あたりが「読んでみたい」と思った。四季賞をまとめた単行本、出ないかなあ。
鬼頭莫宏「なるたる」
第2回。今回はわりとアクションシーン多し。画面的には気持ちいいが、まだ得体がしれない。これからどうなるのだろうか。
小原愼司「菫画報」
今号も楽しい。スミレのおかみさん姿が似合ってるなあ。
高橋ツトム「地雷震」
今回の「女性A」シリーズはわりと面白くなりそう。「インターネット」がどうもヤな感じだけど、まあいいや。
沙村広明「無限の住人」
天津がかっちょいい。久しぶりにチャンバラがメインって感じで面白かった。
外薗昌也「犬神」
4色カラーは含むが、カラーページはイマイチ。なんかナゾの新キャラクター登場。これもいつも通り面白い。
有川祐「反町くんには彼女がいない」
次号で最終回。面白い作品だった。次の作品にもやっぱり期待(とかいうのはまだ早いけど)。
植芝理一「ディスコミュニケーション」
最近ずっとH度が増しつつあった「ディスコミュニケーション」だけど、今回はまたさらにエスカレート。楽しい。
篠房六郎「やさしいこどものつくりかた」
 四季大賞受賞作。「舞台は中世ヨーロッパ(かそれに類似した世界)。錬金術師と思しき人物と、メイド、そして少年の3人が住まう洋館にある日、客が訪れる。客は屋敷の主人を「錬金術師のジュベレン公」かと尋ねる。その客を不可思議な生物が襲ったところを3人が奇妙なやり方で救けるものの、客は屋敷から逃げ帰る。どうやらこの3人は何か人外の存在らしい。その後屋敷を襲う魔女狩りの魔の手。その中で明かされていく彼らの正体とは……。」といった感じのストーリー。
 最初は「スカタン天国」的ドタバタチックな出だしだと思ったら、だんだんと哀しい展開になりラストへ向かって話が収束していく。絵柄も個性的だし、話も面白かった。もう少し簡潔にまとめられそうな気もするけど、これだけのページ数があるとかなり満足。作者のことばで「使い方を知らないため、トーンを使わなかった」とあるが、こういうペンでシコシコと描き込まれた絵柄と画面の雰囲気は好みなので、これからもあんまり使い方を覚えないでほしい。
【雑誌】コミックバーズ 6月号 スコラ
 掲載作品リストはコミックバーズのページ参照。
 冬目景「羊のうた」。今回も面白かった。冬目景は現代モノのほうが好き。山口譲司「BIRTH」。妖しくて邪悪な感じが漂っていていい。しかもいやらしい。山口譲司、やっぱいいなあ。取山忠治「ヘロイン」。SPEEDみたいなアイドルグループにおっさんが一人なぜか加わっているという話。アイドルにふさわしくないスネ毛やなどのイヤな毛を剃らされるマネージャーの姿が情けなくていい。「素ッ裸の幸せ。」(槻城ゆう子)。今回はわりと楽しめた。微笑ましいラブコメ。吉田戦車の新連載「スカートさん」は4コマ漫画。下らなくてまあまあ。
 で、次号からは奥瀬サキの新連載「flowers(仮題)」がスタートする予定。奥瀬サキはわりと当たり外れが激しいのでどうなるだろうか。何にせよ楽しみではある。

【雑誌】少年エース 6月号 角川書店
 なんとなくイマイチピンとこない内容。DASHのほうが面白いと思う。
「VS騎士ラムネ&40炎」(原案・構成:あかほりさとる+漫画:吉崎観音)が最終回で、最後のほうの見開きで主人公が叫ぶところがちょっとかっこよかったかなーって感じ。でも俺はここまでの話を全然知らないからなんともいえない。島本和彦「男の一枚レッドカード」。羽根が生えてて空を飛ぶサッカー選手と、それに対する解決が馬鹿馬鹿しくていいかな。あと「多重人格探偵サイコ」(田島昭宇+大塚英志)が気になるかなーという程度。

【雑誌】モーニング 5/7・14 No.21・22 講談社
 榎本俊二「えの素」。いつもダイナミックな展開がスゴイ。葛原さんが色っぽいなー。最近、永井豪「デビルマンレディー」は面白くなってきた。今回も淡々とジュンがヤられまくるし。前号で刑事をあっさりブッタ切ったところも良かった。
「ナイショのひみこさん」(魚戸おさむ)。独特のノリに圧倒される。今回も玉乃腰さんが現れるときの、「フェロモ〜ン!!」という擬音がいい感じ。

【雑誌】ヤングアニマル 5/8 No.9 白泉社
 山口よしのぶ「名物!たびてつ友の会」。最近なんだか面白いなー。てつ系は俺は縁がないけどこの漫画はつい読んじゃう。三浦建太郎「ベルセルク」。鉄棍鬼アザンがかっちょいい。この新キャラクターの聖騎士団、なかなかいい感じ。二宮ひかる「ナイーヴ」。今回も面白い。このおねーちゃんなかなか魅力的。素っ気なさと色気がいい。
 柴田ヨクサル「エアマスター」。美奈のダイナミックな愛情表現がパワフルでいい。島本和彦「せがた三四郎 北極激闘編」。島本和彦、営業してるなー。力強く馬鹿馬鹿しい。わりと面白かった。克・亜樹「ふたりエッチ」。今回も馬鹿馬鹿しくて最高。セックスできなくてたまってた二人がラブホテルでやりまくるというお話。ちなみに次回は「美人で女医で処女の新キャラが登場」とのこと。勝手にやってくれー。

【単行本】「反町君には彼女がいない」5巻 有川祐 講談社 判型:B6
 今回はダークで重いお話。話がわりと錯綜してて分かりにくいんだけど、これはこれでまた面白い。まあ、もうちょっと淡々とした話のほうが好きではあるが。

【単行本】「春来る鬼」 近藤ようこ 青林工藝舎 判型:B6
 近藤ようこ、略してこんよう。うーん、近藤ようこだねえ。いつもながらに淡々とした中に女の激情を描いてるというか。


4/24(金)……あがるた森魚

 うーん、いつまで経ってもYahoo!が登録を変更してくれない。プロバイダを変更してから2ヶ月が過ぎたのだが、登録変更の申請を何回出してもURLを変更してくれないのだ。ほかのサーチエンジンはみんな登録変更終わったのに……。でもYahoo!から来る人って今でも一番多いみたいなので、ドリームネットのほうの跡地もなくせない。このままだとドリームネットをやめることができない。うーん、困る。というわけで登録変更の申請だけだとラチが開かないので、新規登録で今のアドレスを申請してしまった。旧アドレスのほうは削除申請したんだけど、ちゃんと反映されるかなあ……。

【雑誌】少年チャンピオン 5/7+14 No.22・23 秋田書店
 水島新司「ドカベンプロ野球編」。これはいくらなんでもやりすぎなような。西武はパーフェクトやるし、オリックスは22点取るし、岩鬼はホームラン3本打つし、里中はあと一つで奪三振のプロ野球記録だし……。いくらなんでも開幕戦でここまでやるかー?別にどうでもいいんだけどさ。
 能田達規「おまかせ!ピース電器店」。今回は水着バリバリ。どうせならアイちゃんも……とか思ってしまっているうちに、オチはお約束な感じでピース電器店壊滅。おおひなたごう「おやつ」。いつもどおりの抜けたノリ。単行本5月15日発売ってのはうれしい。「グラップラー刃牙」(板垣恵介)。刃牙の登場の仕方がかっちょいい。この勝負、刃牙の勝ちに100ペセタ(当たり前だって?)。
「学校怪談」(高橋葉介)。八千華のフリフリ服がいい感じ。「バロン・ゴング・バトル」(田口雅之)。どんどんバロン・ゴングに惹かれていく婦警さんがかわいい。そして「悟空道」(山口貴由)。三蔵いやらしすぎる〜。

【単行本】「ヌルゲリラ」 唐沢なをき アスペクト 判型:B6
 唐沢なをきのページ参照。

【単行本】「蒼天航路」12巻 王欣太+原案:李學仁 講談社 判型:B6
 今回の巻は呂夫の死と、劉備と曹操の対峙が中心。しかし、もう12巻にもなってしまったかー。長いなあ。いつもどおり面白いんだけど、俺は短いほうが好きなんであんまり長くならないでくれるとうれしい。20巻以内で収まるかなあ。

【単行本】「ブル田さん」3巻 作:高橋三千綱+画:きくち正太 講談社 判型:B6
 最初のころから比べるとテンションは落ち気味ではあるが、こちらも安定して読める。白石がイジメられっこのために打つ話が終わって、打撃投手・村上との話に突入。

【単行本】「犬神」4巻 外薗昌也 講談社 判型:B6
 23がラッキーとの対決を終え、史樹と再会。それにしても23がいい。この人って、犬のさまざまな仕種を描くのがすごくうまい。23がかわっこいい(かわいくてかっこいい)。あと史樹の詩もジンとくる。やっぱおもしれえわ。

【単行本】「アガルタ」1巻 松本嵩春 集英社 判型:B6
 絵のクオリティも高いし、これからが非常に楽しみな作品。1巻では話はまだとっかかり。どんどん話を大きくしていけそう。感情を持たないかのような少女、RAELが邪魔をしようとする者たちを無慈悲に殺戮しまくるあたり実にかっこいい。


4/23(木)……夜歩く

 フラミンゴを買おうと思って神保町に出たのだが、高岡書店になかった。しょうがないから神保町でもエロ本系に強いすずらん堂、東西堂書店、芳賀書店などを回ってみたがいずれも置いてない。悔しかったので秋葉原に行って虎の穴で購入。ことエロ漫画に関していえば、虎の穴があるぶん、秋葉原は神保町を追い抜いたかもしれないなーとか思った。
 会社の帰りに最寄り駅の隣の駅から歩く。ちょうどJRへの乗り換え駅なのだが、最近運動不足な感じがあるので歩くことにした。ついでにわりと遅くまでやっている古本屋に立ち寄る。そこはまだ一度も行ってないところだったので、わりと収穫が多かった。千之ナイフの古めの単行本4冊と、奈知未佐子、宮西計三、くらもちふさこ、外薗昌也の単行本を1冊ずつ購入。これにプラス雑誌3冊、新刊本屋で買った奈知未佐子1冊、ペンネームは無い「少女調教録」、さらに秋葉原で買ったキーボード1枚を鞄に詰めて1時間くらい歩く。さすがに重い。
 最近、漫画をいっぱい読んでインプットはたっぷりしているし、ホームページに書くことによってアウトプットもしている。しかし、インプットしてからアウトプットするまでの時間が短く、ヒマがあれば漫画か小説を読んでしまうので、インプットしたものを頭の中で熟成する時間があんまりなかった。で、1時間くらい一人でぷらぷら歩いている間、いろいろな物事について久しぶりにのんびりと考えられた。こういう散歩は、肉体的にも精神衛生的にもけっこういいかも。というわけでこれからもときどき歩こう。

【雑誌】ヤングサンデー 5/7 No.21 小学館
 連載一周年の竹下堅次朗「カケル」が巻頭カラー。カケルが火事場から葵を救出。そろそろこの章も完結が近いのかな。「オーバーレブ!」(山口かつみ)。涼子が非常に気持ち良さそうに走っていて、読んでるほうも気持ちいい。「殺し屋イチ」(山本英夫)。一部で人気の若頭再登場。やっぱり相原に似てるなー。
「地雷震」の高橋ツトムに絵が似た感じの、佐藤秀峰が再登場。今回もヨットの話。前後編で次号も登場。タイトルは「キムラ!」。前回の「おめでとォ!」と同じく、新井英樹的なアツさも健在。とくに叫びながらアダルトビデオ見てオナニーするところなんざ、新井英樹味バリバリ。後編も楽しみ。「太郎」(細野不二彦)。太郎の相手の白がパンチをもらって恍惚の表情。ええ感じだ。
「the山田家」(阿部潤)。今回はヘンテコな画廊のオーナーも含めてイッちゃってる。でもやっぱり花子が最強。「ザ・ワールド・イズ・マイン」。搦手からもジワジワ攻めてくる。さすが。

【雑誌】フラミンゴ 6月号 三和出版
 今回はちょっと薄めな感じがしないでもないんだけど、コレは本当に薄いのかそれとも俺が慣れてきちゃっただけなのか?
 まずは巻頭カラー。白井薫範「笑ってぶたぱん」。しかし、巻頭カラーの4色見開きでいきなり放尿&脱糞するかねー。さすがの濃厚さ。しかも主人公も自分の額にマジックで「牛」と書いて、夜の庭でオナニーするというなんとも濃い出だし。期待しちゃうぜ。海明寺裕「girl Hunt」は第2話。調教スタート。この眼鏡の秀才娘、けっこうかわいいなー。北原武志「FRIENDS」。親友同士がお互いのつば漬けにされた弁当を食わされるという陰湿なイジメが行われていた前回のほうが、鼻の奥にツンと来たが今回もヒデエお話。ただ、最後で主人公が毅然とした態度になったのでちょっとだけ光明。でも、またしても凶悪な展開に持っていくんじゃないかとドキドキワクワク。
 1ROO「欲情変体 乳子」。この畸形な体型はなんと乳でしたか。もっとすごい体型なのかと楽しみにしてたんだけど。駕籠真太郎「人間魚雷回天」。人体を使った魚雷射出口という、いつもながらのブラックで底意地の悪い作風。さすが。
 町野変丸「オマQ」はオバQのパロディ。オチがいいなー、ストレートで。「マン毛ラッタ」も笑ったぜよ。いつも変わらぬ変丸節。天竺浪人「便器」。どんどん膨らんでいく妄想。こちらも相変わらず心理描写が巧み。

【雑誌】ドルフィン大将 VOL.6 司書房
 博内和代でもあり世棄犬でもある品葉諸友(しなばもろとも?)が4色カラー4ページ。分量的にはもの足りないけど、描いてくれるだけでうれしい。巻頭カラーは「世紀末退魔伝つむぎちゃんSOS」。やわらかそうな乳で汁気たっぷり。やっぱりぬれて貼りついてスケスケっていいよね。アメリカ西海岸の「ぬれたTシャツコンテスト」を思い出す。「M異邦人」(サコミズナナオ)。最後の強引でヤケクソなオチがいいと思う。
 そしてなんといってもたかしたたかし「妖精譚98'」。こりゃすんばらしぇー。セリフが最高。
「だって君を構成するのは七色のスペクトル…!」
「フラウンファーファによって見いだされた”光”そのものさ!」
とか、
「光へとお還り!僕のかわいい虹の精!」
「導びいて!私の逞ましい太陽の王子様…!」(原文ママ)
なんて感じのセリフがポンポンとテンポ良く飛び出てくるのだ。すごく楽しい。
 それから肉弾系では東航「It's Mine」。デロデロな母子相姦モノ。絵はあんまりうまくないんだけど、バランスの崩れ方がいい感じだ。
 全体的に本誌同様、肉弾系で俺としてはわりと好感が持てた。

【単行本】「EDEN」1巻 遠藤浩輝 講談社 判型:B6
【単行本】「遠藤浩輝短編集」1巻 遠藤浩輝 講談社 判型:B6
 もういろんなところで取り上げられてるだろうけど、遠藤浩輝はやっぱりいい。とくに「短編集」のほう。「EDEN」はこれまた同じようなことがいろんなところでいわれてるだろうが、第1話は素晴らしい出来。その後は今のところ、まだ少々退屈。俺は今までの作品の中では「短編集」のほうに収録と「きっとかわいい女の子だから」が一番好きだ。
 細部まで緻密に描き込まれたなんとも雰囲気のある描線、気持ちいい画面構成、効果的な演出。こんな高いレベルでまとまった新人がいきなり出てくるなんて、既存の作家にとっちゃ脅威だろう。読者にとっても。漫画好きだったらもう絶対押さえるでしょ、って感じ。
 たぶんいろんな人が誉めるだろうからちょっと悔しいけど、やっぱりやらないわけにはいかない。というわけでオススメ漫画レビューに追加。

【単行本】「少女調教録」第弐集 ペンネームは無い 東京三世社 判型:A5
 うへえ。体液ドバドバ。スゴヒィィィ。人体改造しまくって乳首を肥大化させたり、薬使ったりして、さらに搾乳機まで持ち出してくる。毎回毎回SEXのたびごとに体液風呂に入れそうなくらいドバドバと、身体中のあらゆる汁を流しまくる。すごくいやらしいんだけど、圧倒されまくって逆に実用には使えないかもしれない。


4/22(水)……マクドナルドのハンガーバー

 神保町の高岡書店で、唐沢なをきの「怪奇版画男」と「学園天国」をセットで買った人に版画をプレゼント、というのがあり、どうしようか悩んでいたのだがやっぱり誘惑に抗えず買ってしまう。たった一枚の紙切れを手に入れるためにダブリ買いしてしまった俺。まあ別にいいけど。で、その版画のスキャン画像は「怪奇版画男」のページに貼っておいたので、そっちを参照。欲しい人はまだ版画の在庫はいっぱいあったみたいなので高岡書店にゴー。

【雑誌】少年サンデー 5/6・13 No.21・22 小学館
 今週は合併号。
 久米田康治の新連載「かってに改蔵」がスタート。出だしは「ムー」系の少年・改蔵が、科学部の連中に身体を改造されたと思い込む。で、勘違いに勘違いを重ねて科学部に入部、ってとこまで。「南国アイス」みたいなハイスピードなギャグの連続に期待。
「犬夜叉」(高橋留美子)。犬夜叉とかごめが再会。いい感じである。「俺たちのフィールド」(村枝賢一)。騎場のテンションに引っ張られてほかの代表メンバーもケンカ腰に。激しい展開で見せる。「ゲイン」(なかいま強)。ユニフォームをもらったたまの喜びぶりがいいなー。地味だけどいい漫画だ。

【雑誌】少年マガジン 5/6 No.21 講談社
 新連載、木島智「MAX太田」。熱血野球漫画らしい。主人公のピッチャーはヤンキー系で、「ストッパー毒島」をちょっと思い出した。そんなにはうまくないけど。あんまり期待はしないが、1球目を投げる間の豪快なページの使いぶり(ふりかぶってからボールが手を離れるまで8ページを使用)はちょっといい。
 森川ジョージ「はじめの一歩」。やっぱり鷹村はスタミナ切れ。形勢は一気に不利。さてどうする。耐えて耐えて向こうのスタミナも消耗させる、って線が一番ありそうな気がする。「真・中華一番!」(小川悦司)。いきなり船燃やすかー。ハッタリの嵐が楽しい。

【雑誌】コミックアルファ 5/7 No.3 メディアファクトリー
 新鮮味のない誌面で第3号。次号はこれまた、ちばてつやが登場とのこと。ちばてつやは嫌いじゃないけど、そんなにビッグコミックが作りたいのかなあ、とか思ってしまう。個々の作品は読めるのがポツポツとあるが、どうにも魅力を感じない誌面だなあ。
 今回の注目はなんといっても山川直人「いちご」。山川直人らしい、暖かさと哀しさの漂うストーリー。さすが。ところで山川直人を今さら「期待のニューフェース」ってのもないんじゃないかなー。「たかこ」(六田登)は順調に話が進んでいる。「鬼の子」と呼ばれていたたかこと、クマタカの彫刻を掘り続ける司。この二人をどうからめてくるのか。楽しみ。
「翠寛堂四代目 青柳寛介」(村野守美)。女性にドキッとするとなぜか能力を発揮する古美術商の四代目と、サラサという女性がコンビを組んで宝探しをするという話。サラサがかわいいし、けっこう読める。「SPACE FAIRY -ASTRA-」(永井豪、ジェリー・ロビンソン競作)。横浜ベイスターズの佐々木をモデルにした投手が、宇宙から来たお姫様の力を借りてセックスに対するコンプレックスを払拭するが、やりすぎてAV男優に転身してしまうという情けなくもヘナヘナな話。やっぱり豪先生の駄作は死ぬほど下らなくて最高だ。「シャイニング」(作:安刀乱地巣+画:バロン吉元)。話はそれほどじゃないんだけど、ゲップが出るほど濃いバロン吉元の絵のおかげでなんか気になる作品に仕上がっている。

【雑誌】コミックガム Vol.09 ワニブックス
 オタク的に絵のうまい人が本当多いなー。レベル高い。でも話的にはあんまりピンと来ないものが多く、ウルトラジャンプと似たような印象。
 巻頭カラーは作:為我井徹+漫画:相良直哉「KaNa」。高い作画レベルで陰惨な展開。さて、どうなるんだろうか。あさりよしとお「日本が知らない漫画」。これを読むと外国の漫画って本当につまらなそうだなーと思う。いや、面白いのは面白いんだろうけど。日本に生まれてよかったー。
 有馬啓太郎「お気楽極楽ノストラざまス!」。相変わらずかわいい絵だなー。お話は、微笑ましい魔法系学園ラブコメモノ。大塚ぽてとなまつおゆりこ「ひとりじゃできないHOME WORK」。ちょっと切なくて甘くて優しいラブコメ。幸せな感じでよろしい。
 それからこの雑誌はやっぱり平野耕太「大同人物語」。大仰な展開がたまらない。今回はオタクの狗として生きることを選んだ景虎がかっっちょええ。

【雑誌】コミックドルフィン 6月号 司書房
 エロ漫画雑誌で、こと「実用」に目的を限るなら俺としてはこの雑誌が一番ヒット率が高いかもしれない。俺好みのぐちょぐちょねっとりした作品が多い。絵にしろ、見せ方にしろオーソドックスなエロ漫画って感じで、快楽天とかみたいな革新性は全然ないんだけど、この肉弾ぶりは素晴らしいと思う。印刷品質が悪いとか、裏表紙の広告がいかにもアダルトってところとかも、まさにB級って感じで好ましい。
 田嶋安恵の新連載「お伽話の交響曲」。話は全然見えないけどきれいな絵でSEXも激しくてええんじゃないだろうか。日野徳司「らりりん物語」。ハッピーな妖精話かと思ってたらこれまたズルズルなエロに突入。絵柄もわりと好み。肉弾系では最近イチ押し、みやびつづるの「艶母」(「母」という字の中の「、」二つは、実際には「女」という字になっている)。相変わらずのちょっと崩れた感じの熟れ熟れ人妻系。デロデロだー!こういうの好き。
 MGジョー「BANANAで?」。こんなウブかつHなねーちゃんなんていねーよ、と思いつつもまあおっぱいの描き方とか好きだしいいやとも思ってしまう。井ノ本リカ子「危ない!?モーニングコール」。この人は絵うまいなー。そろそろ単行本が出てくれるとうれしい。
 米倉けんご「ドッグスタイル」。今回で最終回。なんかイマイチな感じ。兄ちゃんがいなくなった後のユウジと美沙子でもう一話くらい引っ張っても良かったかも。ハッピーエンドに至るには少し説得力が足りない気がする。じゃみんぐ「姫ごと倶楽部」。この人、絵は古いんだけどいつも体液ズルズルでいやらしい。これも好き。あとMARO「ミゼラブルリベンジャー」は、MAROらしい非常に馬鹿馬鹿しい話。オチもベタベタ。下らねえ〜。そこがいいんだけど。


4/21(火)……すったもんすたがありました

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 5/5 No.9 小学館
「MONSTER」(浦沢直樹)。いやー、面白い。浦沢直樹って外国人描かせると本当にうまい。物語は511キンダーハイムのカギを握る博士が出てきてまたいい感じになってきた。そして「龍」(村上もとか)も「MONSTER」に劣らず骨太な展開。どちらも堂々としたストーリー展開。
 弘兼憲史「黄昏流星群」。こんなふうに落としてくるかー。完全に意表を衝かれた。弘兼憲史はいけすかないけど、描く漫画は別。このシリーズは面白いっす。同じように人間的にはいけすかないけど、石坂啓「アイ’ム ホーム」も面白い。石坂啓らしいあざとさが濃くなってくるとつらいけど、今のところはちょうどいいと思う。
「三丁目の夕日」(西岸良平)。茶川さん登場。つっても茶川さんが何者なのか知っている人は意外と少ないと思うが。茶川さんっていうのは「三丁目の夕日」によく登場する小説家で、最初は偏屈ジジイだったのだが、古行淳之介という少年と一緒に済むようになって人間が丸くなったキャラクターだ。俺も最初はあんまり茶川さんのことは意識してなかったんだけど、昔コミケで西岸良平のファン同人誌を作っているサークルがあって、その本で「茶川さん特集」を見て以来強く意識するに至ったというわけだ。
 今ではコミケに行かなくなってしまったが、あのサークルまだ出てるのかなあ。ちなみにサークル名は「王道金属」。さすがに西岸良平本はコミケでも唯一だったのでは。西岸良平そっくりの絵で、なぜかピタゴラスが主人公のシリアスな漫画を描くなど、ちょっとヘンテコな内容と西岸良平に対するあふれる愛がなかなか好ましくてコミケに行くたびに本を買うようにしていた。最近は行かないのでどうなったか分からないけど。
 で、今回のお話。最後のページの「旅行のおみやげ」といって、わざわざ「わさび漬け」とか「アジひらき」とか注釈を入れるところが、実に西岸良平らしい。ナチュラルなズレっぷりがたまらない西岸ワールド。ああ、素晴らしい。西岸良平は「地球最後の日」とかの初期の短編集には、「三丁目の夕日」とはまた違ったブラックな味わいがあって面白いので、こちらも機会があったら読んでほしいところではある。

【雑誌】eyes 4月号 No.3 ホーム社
 全般的に絵がきれいな人が多い。ハイレベルな印象。
 巻頭カラー「アールグレイ氏の優雅な生活」(後藤星)は、なぜか視界から姉だけが見えなくなってしまった妹の話。こういうのってわりと好き。認識論の話まで持っていってくれれば……。珠黎こうゆ「ALICHINO」はお耽美な絵柄でヴィジュアル系。謎めいた感じでかっこいい。「影の森月の舟」(四位広猫)。こちらも美しい絵柄。ミステリアスでいい感じ。
「ある五月」(よしながふみ)は大学教授とものすごく神経質な女性の出会いから結婚、そして別れまでを描いたお話。ストーリー的には好きだが、突っ込み方が足りないような気がするなあ。楠本こすり「魔法使いとママのケーキ」。絵も話もかわいくてハートウォーミング。子供たちがかわいくて健気でよし。

【雑誌】COMIC Crimson 5/1 No.1 創美社
 こちらも高河ゆん「恋愛−CROWN−」など、作画レベルは高め。創刊号だけに気合いが入ってるんだろう。
 前から気になっているTONOの「空の動物園」。ファンタジーしててけっこう面白かった。動物園に出る幽霊の話をさわやかに料理している。気持ちいい絵とお話。青木光恵「となりの芝生は」。わりとベタベタ。楠桂「春咲乙女」は短編のファンタジー。まあ普通の出来。で、楠桂とくれば大橋薫。こちらのタイトルは「祈殺」。ちょっとしたいさかいから起きた事故で、仲良し4人組の一人が死亡。それが原因で4人は分裂するのだが、我に返って見回すとなぜかその場には4人が揃っている。でも一人が死んだのはたしか。本当に死んだのは誰なのか?って感じのサイコホラー。錯綜したストーリーを鮮やかにまとめている。けっこう良かった。
 全般的にみんなうまいなかで、逆にさいきなおこ「THORN−いばら−」のアンバランスな絵柄が目を惹いちゃう。この人ってけっこう単行本いっぱい出ている人だと思ったけど、ほかの作品もこんな感じなのかな?美少年が出てきたときに花を散らすとか、背景の変てこなフリルの乱舞だとか、あんまりなセンスが逆に新鮮。キャラクターの造形もなんかアンバランスだし。俺的にはこの本の中で一番気になってしまった。

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