◆ 1998年5月下旬 ◆

5/21〜31
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5/31(日)……ロックでガッツ!

 5月も終わり。5月の読んだ漫画冊数は雑誌96、単行本80、同人誌28(立ち読みや喫茶店などで読んだものは除く)。3月、4月は雑誌が100冊以上あったのだが、久しぶりに100冊を割る。女性向け漫画のトライアルが進んできたので、買わなくていい雑誌が見えてきたというのが減った原因かもしれぬ。あとゴールデンウィークもあったしね。

 で、恒例の6月に買う漫画。とりあえず今のところチェックしているのはこんな感じ。今月はやけに多いような気がしないでもない。
 俺の注目はまずは海明寺裕「volunteer Bleeding」。海明寺裕についてはそのうち紹介ページを作ろうと考えている。それから「変體累ヶ淵NAKED」「染盛はまだか」の単行本も発売されるということで一安心。紺野キタも見逃せないところだが、これは兄貴担当分。
 羽生生純「ワガランナァー」の発売もうれしいところ。あきらめかけていたところだったので。アスペクトには次は新谷明弘をお願いしたい、ってしつこいか。
 エロ系では海明寺裕のほかに末広雅里、氷室芹夏も当然押さえる。舞登志郎「妹の匂い」はオークラ出版だけに入手が難しいかも。でも楽しみ。

98年6月
タイトル著者価格出版社
零式
04世紀末リーダー伝たけし!(3)島袋光年390集英社
05水の誘惑(2)氷室芹夏505ワニマガジン
05マイ・ライフ・アズ(1)末広雅里1000コアマガジン
05超・学校法人スタア學園(12)すぎむらしんいち505講談社
05ストッパー毒島(9)ハロルド作石505講談社
05彼氏彼女の事情(5)津田雅美390白泉社
05殺し屋イチ(1)山本英夫486小学館
05カケル(4)竹下堅次朗486小学館
05マザー・ルーシー(3)沖さやか486小学館
05バロン・ゴング・バトル(2)田口雅之390秋田書店
09王道の狗(1)安彦良和未定講談社
09地獄鳥(1)犬木加奈子505講談社
12東洋妖人伝 用神坊(4)いとう杏六390秋田書店
12死太郎くん2千之ナイフ390秋田書店
15volunteer Bleeding海明寺裕三和出版
15快楽天星組ワニマガジン
17Jドリーム完全燃焼編(1)塀内夏子390講談社
18なぎさMe公認(10)北崎拓390小学館
18神聖モテモテ王国(4)ながいけん390小学館
18ゲイン(5)なかいま強390小学館
18ARMS(4)皆川亮二486小学館
18FIRE AND FORGET(仮)曽田正人640アスペクト
19アリスくらぶ(6)アンソロジー933コアマガジン
19チョコレートダイアリィ望月花梨390白泉社
22イケてる2人(3)佐野タカシ495少年画報社
23変體累ヶ淵(1)米餅昭彦+杉元伶一505講談社
23染盛はまだか清田聡未定講談社
23地雷震(14)高橋ツトム505講談社
23BLAME!(1)弐瓶勉505講談社
23ワッハマン(10)あさりよしとお400講談社
25ワガランナァー羽生生純1500アスペクト
25おさんぽ大王(2)須藤真澄850アスペクト
26妹の匂い舞登志郎905アスペクト
26恐怖ギャラリー日野日出志524リイド社(文庫)
27神童(2)さそうあきら552白泉社
29エアマスター(4)柴田ヨクサル505白泉社
30龍−RON−(19)村上もとか486小学館
30ギャラリーフェイク(13)細野不二彦486小学館
30演歌の達(4)高田靖彦486小学館
肉弾時代宮谷一彦2000太田出版
ひみつの階段(2)紺野キタ900偕成社
オール怪談第4号長田ノオト/日野日出志660蒼馬社


【単行本】「鉄の字」 大森しんや マガジンハウス 判型:B6
 誰もが思うだろうが、絵柄は松本大洋フォロワー。
 子供のころからバイクで高く飛ぶことに憧れていた少年の物語。最初は「松本大洋のマネか」みたいな感じで読んでいたが、なかなかどうして馬鹿にしたもんじゃない。空を飛ぶシーンの高揚感が非常に気持ちいい。面白かった。発行は1995年。

【単行本】「ミス愛子」 鴨川つばめ 秋田書店 判型:新書判
 ほのぼのとしているけど、だからといって面白いってほどでもない。まあ「こんなものもあったなあ」的作品。求めて読むこともないかな。ちなみに発行は昭和55年。えーと、昭和55年って西暦何年だったっけか。俺の生まれた8年後だから1980年か。今から18年前っつーことになるな。考えてみればこの作品もリアルタイムで読んでたなあ。

【単行本】「岸和田博士の科学的愛情」11巻 トニーたけざき 講談社 判型:A5
 最近、ちょっと飽きてきつつはあるのだが、それでもしっかり読むといろいろと仕掛けられていて面白い。女の子の描き方とかもいやらしいし。アフタヌーン8月号で終了予定なので、たぶん次の巻あたりで終わりだろう。そこらへんが潮時だと思う。

【単行本】「BARレモンハート」14巻 古谷三敏 双葉社 判型:B6
 いつも変わらぬウンチクぶり。これが今や完全にエロ漫画雑誌と化したアクションピザッツに掲載されているのを見ると、どうにも浮いている。
 俺のサケに関する知識のほとんどは、この漫画からって感じがする。この漫画読むと無闇にサケの知識が増えたりするが、どうやっても手の出ないサケも紹介されていたりするんだよね。サケ漫画としてはコレと「ハヤ子サケ道をいく」(玉川敏秀)が俺のオススメ。


5/30(土)……しじゅうはちの復活

【雑誌】快楽天 7月号 ワニガマジン
 ん〜、全体的に大人しすぎるような気がする。俺としてはもの足りない。どの作品もそれなりの完成度はあるのだが、ガツンとくるような作品がなかった。
 さべちん「ゆらさん日記」。巻頭カラーとは豪気だ。スペシャルゲストはやっぱり嫁。陽気婢「マヨナカニキヨメテ」。最初のほうはまたはずしたかな、とか思ったけどラストに向けての盛り上がりはわりと良し。でもやっぱ、最近不調な感じは拭えず。うらまっく「スチームガールデイズ」。あざといけどうまい。それなりに楽しい。相変わらず絵はかわいいしな。華沢れな「夏休み」。最初出てきたころはうたたねひろゆきかなんかのフォロワーって感じの絵柄だったのだが、うまく育ったなーって気がする。話作りがうまくなったのがデカい。

【雑誌】ヤングマガジン 6/8 No.25 講談社
 小林まこと「1・2の三四郎2」が最終回。わりとあっさりきれいに終わった。で、小林まことは7月15日発売のUppersから新連載「ちちょんまんち」をスタートするとのこと。
「超・学校法人スタア學園」(すぎむらしんいち)。助監督・五十嵐が男気を見せるがちょっといやな男気。小田原ドラゴン「おやすみなさい。」。今週も情けない展開。うーん、コンスタントにショボくて素晴らしい。
 新連載・上村愁「チルチル」は青BUTA出身の新人。まあまあかな。とにかくヒマさえあれば自分の乳をもみ続けて大きくして、先輩に気に入られようとする少女の話。第23回GAG大賞の優秀賞、米津達也「ズジョー注意報」。はずしまくりで俺的には全然面白くなかった。だからほっとく。
「日直番長」(タイム涼介)。委員長、ヤリジェンヌ、ともに良し。でもやっぱり委員長かな。永野数馬「劣等25%」。脈絡のないアナーキーな展開が止まらず続いている。こういうのを連載させるところが実にヤンマガ的といえる。
 それからヤンマガは18周年を記念して、6月発売号でキャンペーンを一発ぶちかますらしい。その中で俺の注目は地下沢中也「デカちゃん」が6月15日発売号からシリーズ再開すること。そしてなんと、あの馬鹿野郎作品、「DEI48」(前川かずお+原案協力:島久)が復活してしまうこと! 詳しくはオスマンを読んでいただければ分かるが、これはエグザクタで連載されていた作品で非常におかしな漫画だった。これを持ってくるんか。不安な嬉しさ爆発。

【単行本】「DROP BY DROP」 松本充代 アスペクト 判型:A5
 まとめて読んでもやっぱりうまい。ふとした拍子から学校と身の回り以外の世界を覗いてしまった主人公の少女・翔子が主人公。なんでもない日常とちょっとした逸脱。それぞれの人々が、それぞれに悩みを抱えながら時間は淡々と過ぎる。少年、少女たちは、いろいろと自分以外のものと触れ合っていき、失敗したり傷つけたり傷つけられたりしながら、自分が生きていけるエリアを探していく。
 あまり激することのない絵柄、突き放すような冷めた視点で淡々と彼らの姿を描き出していくあたり、松本充代の力量を感じさせる。読んでいる側に迫ってくる息苦しさがある。漫画ジャンキーならまあ間違いなく押さえておくべきっていうか押さえているであろう作品。

【単行本】「陰陽師」7巻 作:夢枕獏+画:岡野玲子 スコラ 判型:A5
 いつもの味。静寂感と緊張感と雅びやかさがあり、その間に岡野玲子らしいすっとぼけた味が生きている。間違いのない一冊って感じ。

【単行本】「青い菊」 鳩山郁子 青林工藝舎 判型:A5
 何より画面が美しい。線の細い神経質な絵柄で、ノスタルジアと浪漫にあふれた世界を描き出している。完全に自分の世界ができちゃっていて、何をか加えんって感じ。美しく非常に完成度が高く、かっこよくて面白い。

【単行本】「栞と紙魚子と青い馬」 諸星大二郎 朝日ソノラマ 判型:A5
 ギャグ仕立てでほのぼのした怪奇漫画。前作の「栞と紙魚子の生首事件」と同様、すっトボけた味わいが楽しい。クトルーちゃんが俺的にはけっこうお気に入り。テケリ・リ!


5/29(金)……でらでらまがまが

 会社に泊まってたので、今日も3冊だけ。この日記はだいたい「なんか前置き」→「漫画のレポート」っていくパターンが多いのだが、会社にずっといるとやっぱりネタがない。それにしても仕事やる気しねえなあ。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 6/11 No.27 秋田書店
 巻頭カラーは新連載。小沢としお「フジケン」。なんか不良モノのようだ。あんまり興味はないが、面白くなるようならきちんと読む構えよ。能田達規「おまかせ!ピース電器店」。ロボット看護婦の話。こういうかわいそうなロボットの話ってけっこう好き。「いじめてくん」(吉田戦車)の「鉄の村松」とかな。
 馬場民雄「大介ゴール!」。立嶋が大介のパスがヌルいと注文。日本代表に例えるなら今の大介のパスは名波的パスだけど、立嶋は中田的パスを要求してるって感じだろうか。田口雅之「バロン・ゴング・バトル」。ツープラトン姉妹のネオヒュームをやっつけたと思ったら……。なんか戦隊モノの「弟よ〜」的展開。うーん、大味で過剰で面白い。どうでもいいことだが、この漫画ではバロン・ゴングの必殺技である「フラッシュ・ジャッジメント」って、最後にトドメを刺すとき以外、あんまり役に立ったことがないような……。

【雑誌】コーラス 7月号 集英社
 くらもちふさこ「天然コケッコー」がやっぱりこの中では圧倒的に面白い。単行本は半分くらい買ったので、揃ったらガバッとまとめ読みする予定。それにしてもうまい。萩岩睦美「水玉模様のシンデレラ」。この人の作品は「銀曜日のおとぎばなし」しか読んだことなかったが、「水玉〜」のほうはわりとこぢんまりした印象を受けた。まあわりと面白い。よしまさこ「うてなの結婚」。コンスタントに読める。ちなみに次号はお休みで9月号から続編開始とのこと。今度は結婚編に移るんだろうなあ。

【雑誌】デラックスマーガレット 7月号 集英社
 いまいちズガッとくる作品がなかった。
 この中ではやっぱり片岡吉乃が目を惹く。今回の「泳ぐ」は短編3本のオムニバス形式。3本の中では表題と一緒のタイトルの「泳ぐ」が一番良かった。絵の雰囲気が非常にかっこいい。岩田江利子「ウルフ物語」。こういうとファンの人は怒るかもしらんが、ダッチワイフみたいな顔つきのキャラクターはヘンでいいなあ。上野愛「パーフェクトな二人」。好き合っていた二人が、実は腹違いの姉弟だったということが判明して……というお話。スッキリした絵で普通に面白かった。



5/28(木)……胞子に願いを

 だいぶ仕事も忙しくなってきたことだし、今日は雑誌3冊だけ。

【雑誌】激漫 VOL.14 ワニマガジン
 氷室芹夏「水の誘惑」。相変わらず絵がうまい。風船みたいにぷっくらと膨らんだほっぺたがたまらん。単行本2巻は6月5日に発売するらしい。当然買う。それにしてもかずやはこんだけかわいいと、もういじめてくれっていってるみたいなもんだな。
 馬場康士「リザードキング」。暴走ぶりが気持ちいい。絵も骨太でうまいし、面白いと思う。ただ、暴走ぶりを読者にアピールするアオリ文句は邪魔だなあ。ちょっと野暮。「星に願いを」(天竺浪人)。ちんぼが何本も出てきていやらしくてすごくいいなーとか思ってたら、なんと次号で最終回。収拾つくの?
「血みどろチャオちゃん」(十羽織ましゅまろ)。これもなかなかダイナミックな暴走ぶりがいい感じの漫画。遊びまくってていいと思う。MARO「ABILITY」。最近停滞気味。あの胸のすくようなセリフ回しが薄れたってのもあるけど、この味にだいぶ慣れてしまったってのがデカい。こういう漫画はひたすらエスカレートしていくしかないと思うが、エスカレートの傾斜が緩くなってきたような気がしないでもないのだ。越野卯月「I'm Proud」。今回はわりと重い話。患者をSEXで勇気づける看護婦の話なんだけど、こういう話ってわりと軽めのが多い。でもこれは珍しく、そのことによって看護婦さんが村八分状態になる。線の細い安定感のある絵柄は好み。わりと好きなシリーズだ。太田高弘「痴漢プロレス」。なんかすごくバカバカしくて良かった。下らねえ(褒め言葉)。

【雑誌】ヤングサンデー 6/11 No.26 小学館
「殺し屋イチ」(山本英夫)。今回は拷問シーン。すごく痛そう。煮立った油なんて、想像しただけで……うひゃおう!「太郎」(細野不二彦)。今回もボクシングなんで面白い。サラリーマン編は俺的にはやっぱりいらないなあ。ボクシングに仕事に恋にってちょっと欲張りすぎなような。
「the山田家」(阿部潤)。今回は2本立て。といってもいつもどおりのノリだけどねー。「カケル」(竹下堅次朗)。ラストのカラーページがいいねえ。というわけでサトル編はひとまず終了。不完全燃焼なので、まだまだ後を引く気配。
「よいこの星!」(柏木ハルコ)。珍しく胸のすく展開。まりあが変わり始める。さて、これからの展開はどうなるんだろうか。山田芳裕「デカスロン」。うーん、スゲエコマ割り。この大げささがいいよな。「アガペイズ」(山田玲司)。なんか怪しいノリで盛り上げてきている。ヘンな漫画だなあ。面白いけど。「ザ・ワールド・イズ・マイン」(新井英樹)。トシ&モンが世界を揺るがし始める。そしてすべてのものが蠢動を……ってなわけで面白いっすよ、いつもいつも。

【雑誌】モーニング 6/11 No.26 講談社
「内線893」(山本康人)。学校編は何がなんだかという展開だけど、今回の朝礼のシーンはわりと良かった。
「デビルマンレディー」。げげっ、アニメ化かよう。別にアニメにせんでもなあ。どうせやるならもっと面白い作品をやれば……ってそれは禁句かな。基本的に俺は漫画のアニメ化っていうか、あるメディアから他メディアへ展開するのってあんまり好きじゃない。ほかのメディアに移植されても、基本的には一つの物語が二つのメディアに乗っかるだけで、面白い物語の絶対数が増えるわけではないからだ。まったく別の作品にするくらいの気概があればなんとかなるとは思うけど、ヘタに原作に準拠しちゃうとギャップが気になっちゃってしょうがなくなる。それよりはやっぱりオリジナル脚本の作品で勝負してほしいなと思う。実際、俺の好きだったアニメ作品もオリジナル脚本のものがほとんどだし。
「ナイショのひみこさん」(魚戸おさむ)。今回も和む。巨乳がテニスに効くというのは初めて知ったぜ。ペニスに効くのは知っていたがな!(オヤジギャグ) ちばてつや賞一般部門の準大賞作品、「寄生住」(渡辺泰行)。大賞作品よりも俺としてはこっちのほうが好き。男二人がアパートの屋根裏に勝手に住み込んで、住人の留守を狙って食い物チョロまかしたり風呂を借りたりしながら生活していくって話。「秘密のアジト」的ロマンを感じる。絵はちょっと松本大洋系入っているので不利ではあるが。「変體累ヶ淵NAKED」(米餅昭彦)。またしても掲載順が後ろになってきた。原作がなくなってから展開がイマイチかなーって気もする。単行本が6月22日に発売されるのはうれしいが、ちょっと気掛かり。
 なお、王欣太「蒼天航路」は休載。


5/27(水)……娘増上寺

 最近、少女漫画(というより女性向け漫画)雑誌をわりとたくさん読んでいるので、女性向け漫画の作者さんの名前と絵柄がいくらか分かるようになってきた。そのおかげで今までは本屋さんに行ってもあまり見ることのなかった、女性向け漫画雑誌や単行本のコーナーも見るようになり、本屋さんに行く楽しみが増えた。本屋さんって、本を買わなくてもぼーっと表紙や背表紙を見てるだけでも楽しいし。
 雑誌を何冊も読んでいて、ある程度女性向け漫画に関する地図が頭の中に作れてきている。理解は進みつつあるんだろうという実感するけど、「分かったつもり」になるのは怖いので注意しなくちゃならないなーとも思う。ある事象について「分かる」というのは素晴らしいことだし、「分からない」というのも別に恥ずかしいことでもなんでもない。しかし「分かったつもり」になってしまうというのは非常にタチが悪い。現在、月30冊近く女性向け漫画雑誌を読んでいると思うが、本当の少女漫画読みの人の今までの蓄積から考えれば、こんなの正直なところ微々たるものにすぎない。俺が得た知識だって、見る人が見れば穴だらけのはずだ。こんな状態で知ったような顔でいけしゃあしゃあと語るのって、かっこ悪いよなーと思う。薄い人って容易に底が見えるし。
 前からときどきいっていることだが、たくさん読んだからといって別に偉くもなんともないのだ。

【雑誌】週刊少年マガジン 6/10 No.26 講談社
 森川ジョージ「はじめの一歩」。今回も面白かった。安定してテンションが高いってのは大したものだと思う。「勝負師伝説 哲也」(原案:さいふうめい+画:星野泰視)。ドラ爆のタネが割れるが、やっぱり強い。次の展開もなんだか面白そう。読ませるだけの力強さはたしかにある。「シュート!熱き挑戦」(大島司)。相変わらず大仰。W杯まで1ヶ月を切ったこの時期に高校サッカーもないだろうって気もするが、それでも読ませてしまうのでOKだ。

【雑誌】週刊少年サンデー 6/10 No.26 小学館
「DAN DOH!」(作:坂田信弘+画:万乗大地)。相変わらず痛そう。ベン・ムーアが前号に引き続きかっこいいなあ。勝負師としてのこすっからさってのも俺は好きだが、男気を見せるというのも好きだ。要は見せ方しだい。「め組の大吾」(曽田正人)。五味の核心に迫るこのシリーズ。緊迫感があって毎度面白い。「MAJOR」(満田拓也)。安定して面白い。「努力・根性・勝利」は使い古されたテーマではあるが、伊達に使い古されちゃいない。完成した少年漫画の世界。
「ガンバ!Fly High」(作:森末慎二+画:菊田洋之)。メンバーの一人がケガ。これで藤巻の出番が巡ってきそう。「俺たちのフィールド」(村枝賢一)。ダミアン妹、育ったねえ。ここまでは日本が優勢だけど、そろそろアルゼンチンに逆襲の気配。現実のW杯もあとちょっと。アルゼンチンは強敵だけど、日本てわりと相手のレベルに合わせて試合するってところがあるので、どうなるか分からない。勝ちを狙いに行けば、引き分けくらいにはできないこともないかなーと思う。「ARMS」(皆川亮二)。涼のおかーちゃんがかっちょよすぎだなあ。最近テンションが低めかなーという気もするので、そろそろ盛り上げに入るころだと思う。

【雑誌】プチフラワー 7月号 小学館
 なんとなく外人濃度が高いような気がする。っていうか明らかに高い。中世度も。浪漫ですなあ。
「残酷な神が支配する」(萩尾望都)。たぶんそのうち単行本ガバッと買ってきて読むと思う。さすがにまだまだ少女漫画ビギナーな俺なので、雑誌いろいろあさってみてはいるものの、でっかいお話に途中から入っていくのはなかなか難しい。そんなわけで雑誌と単行本を並行して買い進めていくのが今のところベストな方式かな、と思っている。
 下村富美「仏師」は新連載。山田章博みたいな精緻なタッチで美しくかっちょいい絵柄。戦国時代の乱世、仏を彫ることを生業とする仏師のお話。骨太な感じでなかなか面白くなりそう。この人、試しに単行本買ってみるかのう。奈知未佐子「偽駒」。コンスタントにレベルの高いおとぎ話を描いている。面白いっす。

【雑誌】LaLa 7月号 白泉社
 津田雅美「彼氏彼女の事情」。生っ粋の少女漫画読みでない俺でもなじみやすい。大ゴマ多用のスッキリした画面構成。あまり一つのコマに要素をゴチャゴチャ詰め込まず、整理された画面。非常に気持ちよく読める。清水玲子「輝夜姫」。これもちょっと読んだだけでは語れない。今までのあらすじ知らないし。でも面白そうな匂いがしていることはよく分かる。単行本でそのうちまとめて読みたいなあ。
 あと、広告読んでて気になったのが、「花とゆめ」の6/5発売号から望月花梨が新連載「笑えない理由」を始めるということ。んー、買ってみるかな。



5/26(火)……わざわざざわざわアワー

【雑誌】コミックバーズ 7月号 スコラ
 詳しい収録作品リストはコミックバーズのページ参照。
 まず注目すべきは奥瀬サキの隔月連載「FLOWERS」が本格始動したこと。相変わらず絵はすごくうまい。実力の割りに不遇な漫画家生活を送っている人だけに、今回はいい作品になって、売れてほしいもんだと思う。
 巻頭カラー「きりきり亭のぶら雲先生」(きくち正太)。今回は続き物。美しい光景が繰り広げられて、なかなかええ感じ。冬目景「羊のうた」。今回はページが白地のせいか、より画面の美しさ、白黒のコントラストが際だっている。最近、仕事量が落ち着いてきたこともあってか、作画も丹念な気がするのは気のせい?
 吉田戦車「スカートさん」。各4コマのサブタイトルがうまい。この人の言葉操りのセンスはさすがである。山田章博「BEAST OF EAST」。久しぶりの復活だが、読む気にならない。眺めておしまいだ。絵はうまいけど、漫画の腕はイマイチだよなあ。画:岡野玲子+作:夢枕貘「陰陽師」。単行本7巻が5月29日発売とのこと。ファンは当然買うだろうが、いちおう書いておく。たしか新刊予定に入ってなかったような……。
 バーズにはいろいろとイキの悪さとかも感じるけど、最近少し良くなってきた気はする。定価が350円と厚さのわりには安いからそこそこお得かもしれない。

【雑誌】ヤングチャンピオン 6/9 No.12 秋田書店
「球鬼Z」(藤澤勇希)。濃くて邪悪な野球漫画。「まともに野球しろ」などと野暮なことはいわない。もっと濃厚に、もっと邪悪に、そしてもっと逸脱していってほしい。丸尾末広「笑う吸血鬼」。今回も邪悪で暗黒で面白い。変態味が増すともっとうれしい。
「サークルゲーム」(村生ミオ)。ストーカー女、ありさの貼り付いたような笑顔が怖い。神原則夫「野良じじいジョン」。とぼけた味わい。展開はヘンなんだけど、けっこう読める。なんか和む作品。それからいつも濃い「職業AV監督」(作:カンパニー松尾+画:井浦秀夫)。ライト柳田がおもしれえ。
 それにしても、さすが秋田書店。全般的にソース焼きそば的な野蛮で濃厚な味わいがあって面白い雑誌だと思う。

【雑誌】ヤングキング 6/15 No.12 少年画報社
 佐野タカシ「イケてる2人」。今号も和む。佐野タカシの絵はやわらかくて滑らかでいいなあ。小池田マヤ「聖★高校生」。4コマ形式にしないほうが俺としてはいいと思うんだけど……。絵はわりと好きだし。「デビューマン」(吉本蜂矢)。なんか若さ暴走で馬鹿やってていい感じ。太い線のガシッとした絵柄もいい。とかいってたらしばらく休載とのこと。まあいいけど。

【雑誌】ビッグコミック 6/10 No.11 小学館
 えーとまあ、いつものとおり。「ムカデ戦旗」(森秀樹)と「のたり松太郎」(ちばてつや)あたりかな、俺としては。あとは谷口ジロー「遙かな町へ」くらい。退屈なくらい安定感のある誌面。全然ワクワクしないが、そんなのは求められていない雑誌なのだろう。

【雑誌】近代麻雀ゴールド 7月号 竹書房
 稲光伸二が描いていたので買った。稲光伸二はスピリッツで「天使待ち」という話を描いていた人だ。麻雀漫画雑誌に載っているものの、麻雀漫画というよりもプログラマ漫画といったほうが適切。相変わらず絵柄はシャープ。話はまあそこそこって感じ。
 福本伸行「天」は10周年。巻頭のなんでもランキングがけっこう笑った。「ざわついた回」ベスト3がとくにいい。福本伸行のあの「ざわざわ」っていうアレ。一番「ざわ」が多かったのは第102回「強運」の14回だそうだ。くだらねーこと数えるなあ。


5/25(月)……まんがべんち

 前に「うしおととら」を読んだときに読むのにかかる時間を測ってみた。そのときは1冊12分弱という結果が出たが、同じことを今日もやってみた。
 まず雑誌は、アフタヌーンが42分、スピリッツ25分、ジャンプ15分、ピンキィ14分。単行本は、田中ユタカが7分、「ゲイン」は4冊で34分。1冊8.5分。。「わたしは真悟」は4冊で28分。7分/冊。
 前から思っていたのだが、単行本よりも雑誌のほうが読むのに労力が必要だ。それは時間にもはっきり表れている。考えてみてほしいのだが、1日で単行本30冊読むことはそんなに難しいことじゃないけど、雑誌30冊はさすがにこたえる。
 これは単行本のほうが一度読み始めてしまえば勢いに乗って読めるというのがあると思う。雑誌の場合は20ページくらい読むと作品が変わり、コラムページが入り……となかなか勢いに乗るのが難しい。それに、とくに少年誌や少女誌は普通の単行本よりページ数が多い。あと、単行本はすでに知っている人の作品を買うことが多いので、勝手が分かってるというか、安心して読めるってのもあるんじゃなかろうか。
 漫画読みとして、本当においしいところを拾いたいなら、雑誌チェックは欠かせないと俺は思うけど、労力がかかるのはたしか。自分の読まない作品も目にすることがあるので、無駄も多いし。でも、インプットされる情報にある程度ノイズが入ってないと、新しいモノにチャレンジしたり好みの幅を広げにくい。そういう意味でもやっぱり雑誌は読んでおかなきゃ、と思う。無駄なことほど楽しいもんだし。

【雑誌】アフタヌーン 7月号 講談社
 今月も重い。最近、ちょっと連載陣の入れ替わりがなく少し停滞している感がなきにしもあらず。
【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 6/8 No.25 小学館
 なんか今回が通巻800号だそうだ。いろいろプレゼントやってるので、興味ある人は応募してみるべし。俺は別にいらないけど。県ずきんは持ってるしなあ(前にプレゼントを当てた)。
 吉田戦車「ぷりぷり県」。ずっと学生でいられる制度、いいなあ。学生は三日やったらやめられないっすよ。たいていみんなやめちゃうけど。今、俺が学生に戻ったとしたらそう簡単には社会復帰しないだろう、と俺は自信を持っていえる(←持つな)。
 作:坂田信弘+画:中原裕「奈緒子」。今号も吉崎快走。おもしれえなあ。あとは雄介がふさぎ込んでいるわけが気になるところだけど。「七夕の国」(岩明均)。だいぶ話が動いてきて面白くなってきたという感じ。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 6/8 No.26 集英社
「ONE PIECE」(尾田栄一郎)。毎度面白い話を描いてくる。いいねえ。素直に面白い。「少年探偵Q」(作:円陣+画:しんがぎん)。大方の予想通り、ジャンプ新連載攻勢5連発のうち、最初に終わったのがコレ。面白くなかったからしかたない。

【雑誌】コミックピンキィ Vol.2 オークラ出版
 今回も濃い。なんか猥雑な感じの漂う頼もしい雑誌。
 まずは悪いニュース。もりしげ「学校占領」が「自粛最終回」。テロリストか何かのような猟奇犯罪者集団が小学校に立て籠もり、幼女を犯しまくるという、エロ漫画界随一のヤバいロリ鬼畜作品。時節柄しょうがないかな、と思うがさらにヒドい展開になりそうだっただけに残念。今回も心臓に欠陥のある少女を凌辱して、いったん心臓が停止しそうになるんだけど、心臓マッサージで蘇生させてまた凌辱し直すという鬼畜っぷり。とりあえず今は時期がヤバいが、しばらく雌伏してこの嵐をやり過ごし、復活する日を待ちたい。俺は続編が読みたいぞ。同じような絵はらーかいらむが描いているが、同じような話を描く人は誰もいないし。
 百済内創「愛のカタチ」。ところどころ佐野タカシの絵を思い出した(ほんっとーに「ところどころ」程度だけど)。絵がきれいで、乳がデカくて実用的でなかなかいいと思う。三田和生「図書委員の日常」。目がバカーっとデカくて、わりと特殊な絵柄。系統的にはなかざき冬が近い、今ではあんまりあたらしっぽくないタイプだけど、タッチがきれいで目を惹く。田山真美人「ふたりの卒業アルバム」。なんかこの人の漫画を通して読むのってひさしぶり。この話は田中ユタカ的味わい。というわけで甘くこっぱずかしいお話。そして俺はこっぱずかしいのってけっこう好きだ。
「Coffee Break」(北原武志)。北原武志には最近注目している。絵は稚拙さが残っているんだけど、それでヒドいことするもんだから、余計に悲惨さが際だつ。なんか恥垢的匂いが漂う、生理的にウッとする漫画を描いている。今回もなじみの喫茶店のねーちゃんが風俗嬢として働かされ、さんざんヒドい目に遭うというお話。ラストのとってつけたみたいなハッピーエンドはあんまりだと思うが、こういうストーリー上の稚拙さもなんだか北原武志らしいといえばらしい。
 あとはやっぱり舞登志郎「メジャーデビューへの道」。この人はエロ漫画に何をさせようとしているんでしょうか(某俺が大嫌いすぎて大好きになったWebのマネ)。今回は舞登志郎が速水憂海に会って、メジャーの厳しさを思い知らされるという話。濃くて力の入った絵柄と熱血な作風。いやー、面白い。6月下旬には初単行本「妹の匂い」が発売予定。買う。

【単行本】「月とサクランボ」 田中ユタカ 富士美出版 判型:A5
 いつもの田中ユタカ。以上……というふうに書評でも書けるとラクなんだけどね。前、コミックジャンキーズで田中ユタカの単行本をいっぺんに2冊レビューしたことがあるんだけど、2冊のレビューの内容を書き分けるのがすごく難しかった。この人は常にコンスタントにオタク男に癒しを与えるべったべたに甘い話を描いていて素晴らしいんだが、いつもテイストが同じで、しかも一本一本の作品の内容がそれほど違うわけじゃない。どの単行本読んでも出てくる感想が大して変わらなかったりする。
 でも、それだけいつも同じレベルで読ませる作品を描いてくるってのは、本当にプロの仕事だと思う。雑誌には号によって当たり外れがどうしても出てくるが、こうして常にある程度のレベルで読める作品があると、底の部分を支えるという意味で非常に大きい。まあ、そんな理屈はともかく、田中ユタカの作品はいつもベタベタに甘酸っぱくて、恥ずかしくて、かわいくて素晴らしいのだ。

【単行本】「ゲイン」1〜4巻 なかいま強 小学館 判型:新書判
 ラグビー漫画。俺はラグビーは全然分からないけど、これは非常に面白い。なかいま強らしく細かいギャグをちりばめながら、パワフル、そして巧みに話を進めていく。やっぱりこの人うまいわ。

【単行本】「わたしは真悟」1〜4巻 楳図かずお 小学館 判型:B6
 古本屋の値札のところに「完結」って書いてあったので買ったんだけど、全然終わってねええ〜。グイグイと引き込まれていって面白いんだけどこのままじゃ宙ぶらりんだ。まあのんびり集めるとしよう。


5/24(日)……晴読雨読

 最近、オスマンで紹介する漫画がエグいのが多かったので、久しぶりに少し薄口な漫画で行ってみた。能田達規「おまかせ!ピース電器店」である。
 おまPを読んでいて、やっぱり自分の親が働いているところを間近で見れるのっていいことだと思った。っていうか働いている大人を間近で見るっていうのは、子供の教育にとって大切なことなんじゃないかと思う。「昼間のパパはちょっと違う」。でも今の子供が直接触れ合うことのできる大人の男性って意外と少ない。とくに都会では。普通の親御さんたちは会社勤めをしているわけだが、さすがに子供がその仕事場に行くことってまずない。子供がよく行く店の店員さんは、バイトのにーちゃんだったりパートの主婦だったりするわけだ。
 実際におとーさんたちは仕事場では輝いているわけだが、子供が見ることのできるおとーさんたちの姿は疲れて帰ってきてグデーッとしてい姿だけ。あとはせいぜい学校の先生くらいなもんだろう。で、その先生たちがまた「でもしか教師」が多かったりしてアテにならない。大人が会社で働いている姿で、マスコミなどで紹介されるのは企業の汚職だったりなんかする。会社外の大人はこれがまたコギャルを買ってたり、混雑電車の中でこんこんと寝ていたりするわけだ。これじゃあ大人に対する尊敬の念なんて芽生えないし、大人になりたくなくなるわな。

【雑誌】COMIC Crimson 7/1号 No.2 創美社
 TONO「このへんじゃサンタモニカ」が一番面白かった。人生をつとめあげた老婆が、一時少女の姿に戻って、仲のよかった少年とお話するというストーリー。気持ち良くきれいなファンタジー。ところで、この人の描くキャラクターって首筋のラインなどを中心として高橋葉介に似ているような気がしなくもない。
 楠桂「海色乙女」はちょっと怖めのファンタジー。さすがに手慣れた味でうまいな、と思う。吉野朔実「種」。サイコホラー仕立ての鮮やかなお話。こちらもうまいっす。青木光恵「となりの芝生は」。パソコン部に入った少女のラブ(?)コメディ。ベタベタな展開でベタベタなオチがなんか青木光恵らしいなーって感じがする。連載らしい。

【雑誌】きみとぼく 7月号 ソニー・マガジンズ
 なんといっても架月弥「チョコの歌」がいい。先月号で読んだときもいいと思ったのだが。前回出てきた、ちょっとしゃべりすぎの少年・忍と彼に夢中の少女・圭都が中学生になってからのお話。二人ともかわいくていい感じだ。なんといっても絵がいい。ちょっといくえみ綾とかそこらへんを思い出すような、一筆一筆がスラッと描かれた、単純でちょっとヨレヨレした感じの美しい線。少女漫画はまだそんなに詳しくないんで、似た作家の適切な例を挙げられないのがちょっと悔しい。
 巻頭カラー、藤枝とおる「レンアイアレルギー」。新連載である。今号の表紙を描いている人だが、きっちり描かれたスラリとした線がきれい。話は有名画家の娘で15歳の少女、一重が主人公。一重が絵を描いているところが気持ちよさそう。面白くなりそうな気配はわりとあり。

【雑誌】別冊YOUNG YOU 6/30 集英社
 うーん、本誌のほうが全然おもしろいなー。
 いちばん良かったのは長崎さゆり「サンクチュアリ」。売春をして暮らしている女性と、恋人のいる男の恋物語。実はこの二人は兄妹で、しかも女性のほうは病を抱えていて……という感じ。きれいな絵で、話も悲劇的に美しく哀しくまとまっている。白っぽい画面がわりといい感じ。ただ、コマ割りはちょっとゴチャゴチャしすぎかなあ。
 あとの作品もそれなりにこぎれいで安定しているんだけど、強烈に印象に残るってほどではなかった。

【雑誌】メロディ 6月号 白泉社
 巻頭カラーは雁須磨子「どいつもこいつも」(原案・取材:川崎利江子)。新連載。陸上自衛隊を部隊(←誤変換。正しくは舞台)にしたラブコメのようだ。サッパリした絵柄でわりと気持ちよく読める。それなりに期待しても良さそうな感じ。
 我孫子三和「楽園へ行こう!」。かわいい絵柄でゴチャゴチャとした楽しさがある。遠野一実「なかよし」。女みたいな男と男みたいな女の恋愛という、わりとよくある設定。絵もきれいだし、それなりに面白い。もう一捻りあるともっと面白いかな、とも思う。野口ともこ「Live in にっぽん」。安野モヨコ+よしもとよしとも系とかいったらファンの人に怒られるかもしれないが、わりと面白いと思うので許してください。

【単行本】「のんちゃんのり弁」1〜4巻 入江喜和 講談社 判型:B6
 実は俺、この人「いりえよしかず」っていう名前の男だと思ってたんだけど、実は「いりえきわ」という女性だったのね。失礼しやした。
 これ読むとどうにも、あの弁当のしっとり冷えたご飯を食いたくてたまらなくなってくる。っていうかこれ読んで腹へらねえ奴は日本人にあらず、とか思う。弁当ってほか弁みたいなあったかいのもいいんだけど、冷えた奴もまたうまいなんだよな〜。
 というわけで非常に食欲をそそる漫画で面白い。絵もちょっとほかにはないタッチであたたかいし。「杯気分!肴姫」も好きだったけど、これもいいねえ。

【単行本】「ドラえもん」6〜7巻 藤子・F・不二雄 小学館 判型:新書判
 何を隠そう、俺が漫画を読んで初めて泣いた作品は実は「ドラえもん」だ。「てんとう虫コミックスの6巻」と聞いただけでピーンと来る人も少なくないだろう。そう、「さようならドラえもん」である。子供のころ、ドラえもんに心配かけまいとジャイアンに一人で立ち向かっていくのび太と、のび太を暖かく見守りながら静かに去っていくドラえもんに涙したもの。それから20年近く経って読み返してみたが、今読んでもやっぱり泣ける。
のび太「朝までお話ししよう」
ドラえもん「ねむらなくてもつかれないくすり」
 このセリフは一コマの中に収められているのだが、簡潔ながら実に暖かい道具の使い道でジーンとくる。
 引き出しが普通に戻った机、ドラえもんのいないガランとしたのび太の部屋。読み返してみるとたったの10ページしかないのである。その中に寂しさ、勇気、自立、優しさ、友情、信頼、実にたくさんのものが詰まっている。
 第7巻の「帰ってきたドラえもん」もいい話だ。「あいつらゆるせない。ドラえもんが帰ったなんて。ぼくにとってはいちばんざんこくなうそだ。ゆるせない!!」。のび太が珍しくかっこよく見えた。
 それにしてもこの単行本、1975年初版で「127刷」である。すっごいなあ。「藤子」と「不二雄」の間に「F」が入っている点が昔とは違うけれども、初版から23年経った今でも変わらず大の男を泣かせてくれるのだ。偉大なり。

【単行本】「えの素」1巻 榎本俊二 講談社 判型:A5
 2巻と入手順が逆になったため、読む順も逆になったが、どっちから先に読んでもあんまり影響なし。こっちも当然のことながらスゴイのだったー。


5/23(土)……フラミンゴの左手の法則

 週末ではあるが、いつもと変わらずおうちで漫画を読んでいる。「いつもと変わらず」といったが、普段は電車の中で読むことも多いのでいつもとちょっとだけ違う。他人は「いい若いもんが週末家に籠もって漫画なんぞ読んでないで外で遊べ」というかもしれない。でも最近俺は思う。「俺は漫画を読んでいるときが一番かっこいい」と。そんなわけで、かっこいい俺を追求するために、これからも外で遊んでないでおうちで漫画を読み続けていたいと思う25歳(7月で26歳)の俺だった。

【雑誌】フラミンゴ 7月号 三和出版
 最近、この味に慣れちゃったせいか、フラミンゴにしてはヌルく感じる。でもたぶん慣れてない人にとっては濃厚なんだろうけど。知らない人のためにいちおう書いておくと、フラミンゴは濃厚なSM・スカトロ系変態漫画雑誌なり。今月は白井薫範、しのざき嶺、海明寺裕、しろみかずひさ、天竺浪人、北原武志、蜈蚣Melibe、町野変丸など、一部の人にとっては(もちろん俺にとっても)非常に豪華なメンツ。
 まずは巻頭のカラーイラスト、white light「かえる」からして濃厚。かえるにちょっと似た顔の少女が体液をふりまきながら貫かれているという図案。しのざき嶺「RED」は今回最終回。俺としてはあんまり来なかった。白井薫範「笑ってぶたぱん」。こっちはかなりクる。相変わらずのデブ専の、一般には「醜悪」とさえ映りそうな肉体がごろごろと転がり、痛そうな責めを受けている。
 しろみかずひさ「球根栽培」第2話。ますます白黒のコントラストがついて、絵がうまくなってきた感じがする。一時期絵が荒れて不安定だったのだが、ここに来てまた線が迷いのないカッチリしたものになってきたような気がする。しろみかずひさの世界はやっぱり素晴らしい。この作品もやはり独特の「相手を傷つけ喪失することによって完結する愛」を描くことになりそう。
「girl Hunt」(海明寺裕)。着々と進む調教。怖い世界だなあ。甘えゼロ。ちなみに6月15日に海明寺裕の新刊単行本「volunteer Bleeding」が発売予定とのこと(編集長の後書きのところでは6月13日になっているが)。当然買う。
 北原武志「FRIENDS」。最近のフラミンゴの中では俺的には一番ツーンと来る。とにかく臭そうな陰湿なイジメが素晴らしい。幼馴染みとの思い出をねじ曲げていく執念深さに脱帽。稚拙な絵柄もかえって怖さを引き立てている。蜈蚣Melibe「仮面の恋人たち」。おまけの4コマまで含めて和む。こんな変態的な世界なのに。やっぱりナチュラルな人って感じがするなあ。天竺浪人「便器」。下田さんがかわいい。この人は本当に心理描写がうまいと思う。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 6/4 No.26 秋田書店
「おまかせ!ピース電器店」(能田達規)。そーか、コースケの帽子の下はこうだったのか。びっくり。「グラップラー刃牙」(板垣恵介)。烈海王強し。でも刃牙が勝つよな。米原秀幸「フルアヘッド!ココ」。「ONE PIECE」もそうだが、今時代は海賊だ。少年よ海賊を目指せ。
「バロン・ゴング・バトル」(田口雅之)。お、単行本2巻が6月5日発売だ。当然買うぜ。そういえば6月5日といえば、ロフトプラスワンのジャンキーズナイト。行きたいけどその日は校了の真っ最中。行けねえだろうなあ。
 内海甲介「バッハ」。バスケ漫画。みんな思っただろうけど、曽田正人の弟子かな? アツイ展開も同様だけど、やっぱり本家にはかなわん。修行を積んで本家に負けない作品を描けるよう頑張ってほしいもの。けっこう面白いとは思う。

【雑誌】モーニング 6/4 No.25 講談社
 守村大「考える犬」。内容はいつもどおり面白い。改めて気づいたのだが、この漫画って「第×回め」という部分が「×ワン目」となっている。こういう「第×回目」というところの書き方ってときどき気になる。「×ワン目」はかなりマヌケだ。俺が見た中で今まで一番ヘナヘナしたのは、えんどコイチ「ついでにとんちんかん」の「アホその1」って奴だな。こうまでして笑いを取ろうとせんでもよかろうに。
 ここんところ「ヨリが跳ぶ」(ヒラマツ・ミノル)はすんばらしい。バレーボールのダイナミックさ、かっこよさを存分に描いている。今回も読んでてすごくスコーンと突き抜けた気持ち良さがあった。ああ、楽しそうだなあ、気持ちよさそうだなあ、かっこいいなあ。これで第1部は最終回。そして次週からは間髪置かずにVリーグ編の第2部スタート。楽しみだー。
 山下和美「天才柳沢教授の生活」。今回も鮮やかにいいお話。いやー、面白い。「ナイショのひみこさん」(魚戸おさむ)。童貞のケンさん編完了。最後までヘンなノリだったぴょんぴょろりん。最近、だんだんこの漫画の単行本が欲しくなりつつある俺。
 ちばてつや賞一般部門大賞受賞作品。沖山浩司「ペット探偵物語」。ジブリ系の絵と話。ちばてつやは「キャラクター、背景、コマ運び、ストーリー展開−すべてに見事に及第点を満たしている」といっているが、たしかにその通り。だけど俺的にはいずれも及第点でしかないって感じもする。なんかこじんまりとまとまりすぎなんじゃないかなあ。絵はジブリ系なので気持ち良くて好きだけどね。
 米餅昭彦「変體累ヶ淵NAKED」。ようやく素子先生と結ばれたと思ったけど、「次号、恐るべき暮らしが始まる」とのこと。また怒濤の展開が待っているのかー?まあ、水絵が死んだばっかりなのにすぐ素子先生の妹と結婚したんじゃ、世間が黙ってなさそうではあるけどね。

【単行本】「ヨリが跳ぶ」13巻 ヒラマツ・ミノル 講談社 判型:B6
 明和生命編2巡め。今回はスキンヘッド内藤がいい感じではあるが、やはりそれほど大粒でないので一蹴。

【単行本】「えの素」2巻 榎本俊二 講談社 判型:A5
 スゴイ。ハイスピードで下品でリズミカル。この高速感は今、漫画界では最高だと思う。いつもながら圧倒される。あと女性キャラが色っぽい。とくに葛原さんがなんともいい。あの冷たい黒い瞳がいいのだ。ほんほん。ロールミー!

【単行本】「Papa told me」20巻 榛野なな恵 集英社 判型:B6
 もう20巻かー。長いな。そろそろ終わってもいいころかもしれない。いつも均質に面白くて基本的なトーンは優しくていい話なんだけど、根底には厳しいものが流れている。子供が主役だが、しっかり大人向けのドラマだよな。

【単行本】「ヨガのプリンセス プリティー・ヨーガ」2巻 稲留正義 講談社 判型:B6
 こちらもかなりハイスピード。最初は絵に抵抗があったけど、面白いじゃないか。暴力的にエスカレートしていくボケとツッコミがすごい。煩悩渦巻いててパワフルな馬鹿っぷりがいい。


5/22(金)……やんまがのまんがや

 兄貴の買ってきたQuick Japanを読む。ここらへんの文章ってかなり鼻につくので飛ばし飛ばし読む。注目はイタチョコシステムのラショウ作の漫画、「野犬ロデム聖伝 弁当屋マツコの書」だ。イタチョコシステムは主にMac系のゲームを作っているのだが、独特のセンスとやる気なさげな妙な味わいのある作風が特徴。「あの素晴らしい弁当を二度三度」や「野犬ロデム」なんかはものすごくイカしたゲームだった。で、そのゲームの絵を描いていたのがラショウ。ゲームの世界そのまんまのトボけた味わい。ヘンテコなストーリー展開。4ページだけどいいぞ。
 それからこの本では柏木ハルコのインタビューもあるが、冒頭のインタビュワーの言葉で「柏木ハルコから山田花子への近しさをかぎとったうんぬん」というのがあって、これだけで一気に読む気が萎えた。こういう我田引水的な姿勢は俺としてはかなり大嫌いなのだ。ちょっとだけ「死んじゃえ」とか思うが、こんなことでいちいち死んでたら身が持たない。生きろ。
 それからなぜか餅月あんこが新連載「うさぎるてぃ」をスタートさせている。なぜこんなとこに。

【雑誌】ヤングマガジン 6/1 No.24 講談社
 古谷実「僕といっしょ」。乳をめぐる怒濤的展開。パワーがあって好きだ。タイム涼介「日直番長」。今回はかなり面白かった。いつもに輪をかけてヘンテコなセリフと情けない展開。委員長の「月経で血みどろだから休んでろってやさしいところあるんだあアオキって」というセリフとか、鼻血を流しながらルーペでノゾキをするアオキとか、とってもいい。最後の忍田のシメも馬鹿かっこいいぞ。
 今号も「ミニ・うさぎグルーヴ」(かたぎりわかな)が掲載。またしても目次の載ってないので要注意。今回はちょっとテンション低め。この人にはもっとハイスピードでテンポ良くボケ倒してほしい。ちばてつや賞の大賞受賞作、「赤で止まれ」(サトウシンヤ)。くっれぇ〜。とにかくイジメっこがイジメられまくる、いたたまれない話。救いゼロ。スゲエや。よくこんな絶望的な話を……。ヒドイ話で面白かった。
「カイジ」(福本伸行)。俺が思うにカイジは10ミリ、10ミリと賭けて、次は9ミリを賭けるといいと思う。そして最後は50ミリくらい一気に賭けるというのがベストなのではなかろうか。あんまり賭ける距離が短いとどうにもならないので。3回めを9ミリにするともう1回賭けられるし、オトクな感じだ。

【雑誌】ヤングマガジン増刊青BUTA 6/2 No.2 講談社
 まちぞう「下之森丈」。いつもながらものすごくイカれている。丈の目つきのアブなさがスゲエ。あとどう見ても犬でない、丈の飼い犬。いやもう最高。タイム涼介「まんがで読む新人日記」。情けない展開がステキ。福満茂之「鉢植えの恋」。首だけで鉢植えになっている少女に一目ぼれして、彼女をさらった少年のお話。妙にいやらしい感じのする絵柄、不思議なストーリー展開。けっこう面白かった。
「カタリベ」(石川雅之)。今回は御曹司の目の前で人間がぼんぼん惨殺され、鬼どものエサにされていく救いのない展開。ダークで骨太なストーリー運びが面白い。坂井恵理の初連載がスタート。タイトルは「3つのおねがい」。この人は、昔の乾いた感じの画風のほうが好きだったが、ずいぶん売れセンのかわいい絵柄に化けたなーと思う。それでも絵は好みだし、話もそこそこ面白いし、期待であることに変わりはない。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 6/3 No.4 講談社
「E-Oppers」のイラスト。今回は寺田克也。乳モミ探偵レイコとモミモミ団。いやー寺田克也のイラストはやっぱりいいわ。モミモミ団というのもイカしている。俺的に略すとMMMMDだ。M4Dといってもいい。
 玉置勉強「恋人プレイ」。順調に話が展開していると思う。主人公の女の子、黒髪のほうが俺は好きだ。背景がないというのは今さら気にならんのでOK。作:山本英夫+画:こしばてうつや「援助交際撲滅運動」。「エンボク」という略し方がなんかいい。
「SATELLITEぢゅにゃ」(サガノヘルマー)。この「ぢゅにゃ」って「Jr.」のことだったみたい。今ごろ気づいた俺。サガノヘルマーらしい、妙ちきりんないやらしさが強まってきていい感じだ。田中ユキ「PETS」後編。今回はまあまあってところかな。「白い恋人」のほうが俺としては好み。長尾謙一郎「ビバ!思春期…」。なんか一時期の花くまゆうさくを思い出す作風。
 次号からは相沢トモコが新連載。タイトルは「花川ジンタ」。当然注目だ。

【雑誌】コミックアルファ 6/7 No.5 メディアファクトリー
 作:野田周+画:六田登「たかこ」が巻頭カラー。いい感じで妖しい雰囲気が出てきた。「シャイニング」(作:安刀乱地巣+画:バロン吉元)。なんかベタベタなドラマ。そしてくどすぎるバロン吉元の絵柄。このクドさがなれるとたまらないのだ。
 山川直人が再登場。タイトルは「行列」。今回の作品は着想がちょっと安易なような気がして俺としてはイマイチ。もっとスゴイ話を描ける人だけにこの程度じゃ満足できない。

【雑誌】ヤングアニマル 6/12 No.11 白泉社
「拳闘暗黒伝セスタス」(技来静也)が復活、第2章スタート。新キャラクターも登場してこれからも楽しみ。「ナイーヴ」(二宮ひかる)。田崎がさらにハマり度を強める。おもしれえ。こいずみまり「コイズミ学習デスク」。今回はテーマが「はじめてのH」だけに下品さは抑えめ。もっと下品に行くべし。

【雑誌】サッカーボーイ Vol.1 白夜書房
 新創刊。「どうせW杯景気を狙った泡沫雑誌だろう」と最初は思っていたのだが、読んでみると俺的にはかなりイケてしまった。侮っててゴメンナサイ。泡沫であることはたしかだと思うけど、強烈な雑誌なので俺は歓迎だ。
 まずは秋月めぐる責任編集「別冊・少年ペニャロール」。秋月めぐるは「ビクトリー・ラン」で有名な(俺的に)サッカーマニアだ。坂口尚によく似た絵柄で、実にマニアックなサッカー漫画を描く。この作品も「責任編集」とかいって「阿部らんじぇ」とか「シャルケ橋本」とか、これまたマニアックなペンネームの漫画家たちが描いている形式をとっているが、これは間違いなく秋月めぐるが全部描いてるんだろう。細かな部分まで行き届いた、さりげなく知識を要求するギャグ。素晴らしい。さらにマジメにサッカーを描いている部分もまたシブい。W杯予選を取り上げた漫画の中で、イランのアリ・ダエイを山口がひっかけたプレイなんてものをクローズアップした作品ってこれだけじゃなかろうか。サッカー漫画を描く人の中でも、秋月めぐるはマニア度はトップレベル。俺はすごく好きなのだ。今だからこそ、秋月めぐるにサッカー漫画をもっともっと描いて欲しい。
 それから大収穫だったのが張慶一郎「狂宴」。サッカーの応援に命を賭け、会社を辞め、妻や子供も捨て、「100%純粋に日本代表を応援する俺」、つまり「12番目のプレイヤー以外の何者でもない存在」を追求し続けた男の物語。とくにラストのボディペインティングしまくってフラッグを掲げる男の恍惚の表情、ハンパじゃないイカレっぷり。スゲエ。あと「黄金の太モモ」(岡田がる)も軽い作風ながら実はかなりツウだ。
 全体的にミーハー的なサッカーファンでなく「サッカーマニア」向けな作り。さすがに白夜書房。クサいところをついてくる。正直なところ上記の3作品以外の漫画はハズレが多いのだが、「別冊・少年ペニャロール」と「狂宴」のためだけでも390円の価値はある。


5/21(木)……トオヤマ!森ノスケ

【雑誌】ヤングサンデー 6/4 No.25 小学館
 巻頭カラーで土田世紀が新連載。タイトルは「同じ月を見ている」。絵を描くことが大好きでちょっと頭弱めな少年と、病弱な少女の出会いから話は始まる。アオリによれば「激愛感動巨編」とのことだが、さて、どのように話を転がしていくのだろうか。なんかわりとマジメにやっている感じなので、今後の展開に注目。
 竹下堅次朗「カケル」。今回はサトル編クライマックス。サトル編はずっと重苦しい展開だったが、どのようにケリをつけるんだろうか。「the山田家」(阿部潤)は今回2本立て。山田家の淡々(?)とした日常を描く。相変わらずアナーキーな展開。
 山田玲司「アガペイズ」。ユリの魔球発動。なんか思いっ切りボークになりそうな気がしないでもないフォーム。今思ったのだが、ゲイなのに「ユリ」っていう名前なのはひょっとして狙ってる?「よいこの星!」(柏木ハルコ)。いつも陰湿な展開だけど、そういえばこの漫画って、普通の意味でカタルシスのある「いい話」的展開をしたことってほとんどないんじゃないかなあ。「ザ・ワールド・イズ・マイン」(新井英樹)。ハンター飯島もちんぽ記者もいい味出してる。かっちょいい。

【雑誌】ドルフィン 7月号 司書房
 肉弾系実用漫画雑誌。実用に偏っているのでぐちょぐちょで下品だし、紙の質も悪いし、およそ女性向けではない。裏表紙の広告も雑誌のカラーどおりエロ系だ。作品も、男にとって非常に都合良くセックスに至って女の子がよがりまくるものが多い。リアリティがない?別にいいじゃねえか。オカズなんだし。これだけ割りきってズリネタに徹してるとある種の爽快感がある。エロ漫画雑誌の中では俺ランキング高い雑誌だ。
 まずMGジョー「楽しい授業のすすめ」。巨乳女教師が繰り広げるセックス授業。なんとも短絡的な展開でいやらしくて素晴らしい。KASHIみちのく「ハッスルマニア14」。この人、最近ちょっと注目。頭弱めの人妻が、へらへらしながら義父と夫にやられまくるという話。おっぱいのでっかさとねばっこい汁、そして非常にお気楽な展開がいい。
 肉弾系では俺の最近のイチオシ。みやびつづる「艶母」。この人の描く人妻の熟れたいやらしさは俺的にはかなりヒット。絵もうまくなってるし、ズルズルにいやらしいし。新しい単行本がそろそろ出てほしい。田嶋安恵「お伽話の交響曲」。前回出てきた虎皮娘で引っ張るのかと思っていたが、一話完結ものらしい。今回は「赤スキン」ちゃんがお題。非常にうまい絵で実用的なんだけど、ゴチャゴチャしててちょっと話がつかみづらいかも。
 マーシーラビット「くの一保健実習」。非常にスタンダードなエロ漫画って感じがする。アクのない絵で乳がデカくて。実用性にも富む。細かいところでさりげなく意味なしパンチラをやってたりするあたり、サービス精神満点。ただ、この人の漫画って抜きどころページのコマ割りがいつも似ていると思う。扉のところに「初の単行本が8月発売予定」ってあるが、マーシーラビットって「MERCY'S FILE」という単行本を出してたはず(俺は持ってるから確かだ)。

【単行本】「そばっかす!」全11巻 きくち正太 秋田書店 判型:新書判
 古本屋でコツコツ買い集めた。というわけで一気読み。そば屋の娘が、10年間のそば打ち修行で培ったパワーを生かしてのし上がっていく、高校女子柔道漫画。きくち正太らしい、パースの効いたメリハリのある画面がかっこいい。描写も迫力あるし。いやー、面白かった。それにしても柔道漫画ってたいてい主人公の得意技は一本背負いで最後は山嵐で決めるよね。

【単行本】「誘ってあげる」 塔山森 フランス書院 判型:文庫
【単行本】「こんな娘といいな」 塔山森 フランス書院 判型:文庫
 それぞれ「死ぬなミミズ」「お姫さまといろいろ」の再録本なのだが、そのときに未収録だった作品が収録されているので買ってしまった。本当は漫画の文庫なんて判型が小さすぎて大嫌いなんだけど。元原稿がB4なのに、それを文庫サイズにするってのはやっぱり無理があると思う。ただ、こういう形式でないと未収録分の作品が世に出る機会はなかったかもしれないし、出たというだけで良しとしなくちゃならないんだろうなあとも思う。
 ま、それはともかくこの2冊について詳しいことは山本直樹のページ参照のこと。

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