◆ 1998年7月中旬 ◆

7/11〜20
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7/20(月)……獣王バイオモドキ

 って、ありましたなー。何のことかもう忘れてる人もいるかもしれないけど、あの酒鬼薔薇事件の犯人の日記に出てきた「バモイドオキ神」ね。「バイオモドキ」のアナグラムではないか、など諸説あったが、あれって真相はどうだったんだろう。どうでもいいことだけどほんのちょっと気になる。

 まぐまぐのメールマガジンで8月のH漫画の新刊案内が届く。今月はざーっと見たところ、欲しいのはもりしげ「蹂躙」(桜桃書房)くらいかな。なお、このメールマガジンは、美奈さんのホームページの成年コミックの部屋内、新刊案内のページから申し込むことができる。「Weekly Mag2」といういらないメールもたくさん届くけど。

 昨日のアクセス数を調べてみたら、久しぶりに200を割って191。もともと土日は、たいてい平日よりアクセス数が下がる。さらに学生さんが休みに入っちゃうので、しばらくはアクセス数も大人しくなることだろう。ちなみに現在は平日が1日300ちょっと。土日が250くらいのペースで推移している。
 それにしても休みっていいなあ。たまっていた本も読めるし。

【単行本】「天然コケッコー」1〜8巻 くらもちふさこ 集英社 判型:B6
 最近やたらといろんなところで誉められているけど、ご多聞にもれず俺も。だっていいものはいいんだもーん。しょうがないじゃーん。こういうみんなが誉めているような漫画に限ってケナシたがる人もいるけど、ケナすよりは別の自分が面白いものを勧めるほうがかっちょいいと思う。
 最近の分は雑誌でちょぼちょぼ読んでいたのだが、これでようやっと話に完全についていけるようになってうれしい。今さらながらではあるが、非常に面白かった。絵もうまいし、話も丁寧。背景の描写とか細かいあたりもしみわたる感じ。
 で、ときどきやる漫画ベンチを今回も実施。1〜8巻読むのにどれくらい時間がかかったか、という奴だが、合計で97分。1冊平均12.125分だった。早く読むのが目的ではなく、時間の有効利用のために、読書所要時間を測っておくと意外と便利。もちろん作品によって1冊の所要時間は違ってくるが、「この本今日のうちに読みたいけどこれを読み出すと朝までかかるかも?」とか思っているときに、自分の漫画速度を知っておくとうまいことペース配分できていい感じなのだ。

【単行本】「獣王バイオ」全9巻 きくち正太 秋田書店 判型:新書判
 きくち正太の初連載作品。悪の帝国に人体実験されていた少年がその力の暴走のドサクサの中で脱走し、数年後成長して帝国に復讐するというお話。このころは今みたいな洒脱さはなくって、パワフルで真っ向勝負な作風。ストーリー的にはわりとありきたりな感じはするが、女の子の描写とか、このころからときどきハッとするようなシーンがあって、現在につながるものが見てとれる。最後のほうのストーリーの盛り上がりもなかなか。


7/19(日)……すいきんちかもくどってんかいめいじゆう

 弥勒というエロ漫画雑誌を見たら、わりとウチから近いところにあるエロ本屋さんの広告が載っていた。アダルトオンリーだが、コミックス在庫2万冊とある。というわけで車をちょっと飛ばして行ってみた。場所は田園都市線の青葉台駅前(神奈川県横浜市)のさくら銀行隣、アレックス青葉台というビルの3階。お店の名前は「無幻堂」。とりあえず今すぐ欲しい本はなかったが、エロ漫画の品揃えに関してはたしかに大したもの。アキバの虎の穴には及ばないが、神保町の高岡書店の2階のエロ漫画コーナーとか芳賀書店とかよりも充実していた。そのうちまた行こう。
 8月30日のコミティアで出る同人誌PARKING用の原稿をいちおう書き終える。これでこの1ヶ月くらい抱え込んでいた、原稿執筆も一段落。でも、本業のほうで月末までにまた何ページか書くことにはなるんだけど。

【単行本】「こっちむいてチュ」全5巻 佐野未央子 集英社 判型:新書判
 けっこう前に買い揃えていたんだけど、忙しかったんでなかなか読めなかった作品。
 可愛らしい絵で、お話も可愛らしい。天然ボケで中学生くらいにしか見えない主人公の美生がかわいくて、かちゃかちゃとしたお話も楽しかった。展開がちょっと強引な感じがするとか、最後まで宙ぶらりんで決着がつかないとか、男二人がなんか大人しすぎてヌルいとか、幸せすぎて浮き世離れしているとか、もの足りない点はいくつもあるけど、全体的にハッピーに楽しく読ませてくれるのでまあ良し。このまま3人の居心地のいい環境に甘えてるだけじゃあ……とか思うんだけど、漫画の中の登場人物のことだからどうでもいいや。

【単行本】「ルナティック・ルナ」 海明寺裕 夢元社 判型:A5
 これで海明寺裕の単行本はコンプリート。そのうちコミックスリストを作る予定。1988年の作品だが、絵柄は今と同じ感じだけどやっぱり微妙に古い。作品も「NON-STOP SLAPSTIC SF SUPER GAL ACTION」とあるように、スラプスティック、SF……いかにも古くさい。10年の時の流れは無情なり。正直あんまり面白くない。今のSM系作品のほうが100倍くらい面白いと思う。

【単行本】「茶目子」 藤原カムイ 新書館 判型:A5
 こちらはさらに古く1986年初版。今ではわりとレアな単行本のはず。このころの藤原カムイの本は本当に装丁が凝っている。これもカバーには「このカバーは本を目的で製造されたもの」と書いてあって、中をめくると、国語の教科書仕立ての、表面に細かな凹凸のある表紙になっている。中身もいろいろと工夫されていて楽しいのだが、今となってはギャグが滑り気味な感じはしないでもない。


7/18(土)……俺休み

 20日は海の日(なんとなく「膿の日」という言葉を常に思い出す)とかいうわけのわからない休日なので、月曜発売の雑誌が今日出ている。気を抜くと買いそびれるので注意だ。学生さんはそろそろ夏休み突入だけど、社会人もおおむね3連休。休みって最高だ。願わくばつねに週3日くらいは休みたいもの。土日プラス週の真ん中水曜日あたり休めるとベストだなーとか思うけど、そのような嬉しい環境はなかなかない。他人はどうでもいいけど、俺だけ休んでなおかつ金ももらえるリッチな生活を送りたい。かなり切望。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 8/3 No.33 小学館
 国友やすゆきの新連載「黒一点」がスタート。漫画マニアには受けが悪いだろう。まあ国友やすゆきだし。仕事だし。「美味しんぼ」(作:雁屋哲+画:花咲アキラ)。今回は「カツオのへそ」がネタ。聞いたことない食べ物が出てきたら、それがどんなものなのか聞けばいいだけの話だと思うんだけど。クイズやってるんじゃないんだし。探し当てることよりも食べさせることのほうが目的なのでは。
「奈緒子」(作:坂田信弘+画:中原裕)は今回も痛そうな展開。力づくで盛り上げてくるところが非常に頼もしい。青山広美「ダイヤモンド」。最近の力強い描写はなかなかいい感じで面白い。あと、久しぶりに秋重学登場……と思ったらアデランスのヘアチェック勧誘漫画。そろそろ新作が読みたいなあ。「ニナライカ」の単行本も出て欲しい。

【雑誌】ヤングマガジンUppers 8/5 No.8 講談社
 最近つまんなくなってると思う。田中ユキがいないと、数少ない目玉が一つ減るのでちょっと苦しい。玉置勉強「恋人プレイ」はコンスタントに面白いけど。小林まこと「ちちょんまんち」はなんかアヤシげな雰囲気だが、あんまり面白そうでない感じ。これからの展開次第だけど、そんなに期待はしない。池永なをみ「えきからとほ20分」はぬったりとした色気があっていい。けっこう好き。

【雑誌】ヤングマガジン 8/5 No.33 講談社
 村上真裕「チキン」。今回から5週連続で登場。なんか前に読んだときと同じような感じだけど、これから変化をつけてくるんだろう。アマチュア時代に試合で人を殺したことを気に病み、威力のあるパンチはほとんど出さない代わりに、ものすごい防御力で相手にパンチをあてさせず、常に判定で勝つボクシングチャンピオンの話。まだ青いとは思うがとりあえずキャラクターのある絵をしているし、話にも勢いがあるので、やりようによっては化けそうな気がする。
 前川かずお「DEI48」。エグザクタ連載のころのほうが格闘シーンがガチンコだった分、過剰な間抜けさがあったが、今回の情けない主人公も悪くない。小田原ドラゴン「おやすみなさい。」。毎週面白くて大好き。最近のヤンマガでは一番楽しみな作品。今回も流されるままに70万円の冷蔵庫を買ってしまう鉄郎がナイス。氷を作って喜んでいる姿が最高だ。永野数馬「劣等25%」。最近すごくハードな展開だと思っていたら次号最終回。ちゃんと単行本になってくれるといいな。奇を衒っているようで、実は恥ずかしいくらいまっすぐな青春野郎みたいだ。そしてそういう青臭くて熱いのって、俺は大好きだ。

【雑誌】ヤングマガジン青BUTA 8/1 No.3 講談社
 坂井恵理「3つのお願い」は最終回。デビュー当時の作品は好きだったのだが、だんだん良くなくなってきた。絵は好きなんだけど。今回のもイマイチぱっとしないまま終わった感じがする。
 小松大幹「薄情青年」。最近けっこう気に入っている。非常にクサくて青い青春漫画なんだけど、メッセージに力があっていいのだ。ジタバタしながら精いっぱい生きる青春って、かっちょ悪いけどかっちょいい。今回の青BUTAではイチオシだ。
 まちぞう「下之森丈」。イカれた展開で次回最終回。まあ長く続けるような話ではないし、こんなもんだろう。こういう、ヘタクソだけど無闇なパワーにあふれた漫画って好きだ。小さくまとまるよりは、でっかく弾けるほうがいいし、小さくても弾けないより弾けるほうがいい。タイム涼介「新人日記」。他人の金に溺れるマーライオン先生がいい感じ。

【単行本】「俺たちのフィールド」30巻 村枝賢一 小学館 判型:新書判
 今回はアジア最終予選。対サウジアラビア戦。伊武の意地が爆発。現実離れしてはいるけど、そこがいい。面白いし。それにしてももう30巻かー。こんなに長く続くとは。サンデーの連載って長続きするの多いよな。


7/17(金)……ペディグリーチャーム

【雑誌】ぶ〜け 8月号 集英社
 柏屋コッコ「柏屋コッコの人生漫才」は体当たり的ドタバタさが楽しい。やっぱりエッセイ漫画は、女性漫画家が圧倒的にうまいなーと思う。吉野朔実「恋愛的瞬間」。毎度きれいでうまい。
 今号で発表されている「ぶ〜けNEWまんがコース短編部門」で、「絵ベスト賞」を取っている「海に続く道」(木村多江)がわりと気になる。端正で気持ちよさげな絵。10点満点の5点ではあるけど。8月4日発売のぶ〜けDXに掲載されるらしい。買ってみよ。

【雑誌】メロディ 8月号 白泉社
 なんか気づくと毎月買っているような。
 掲示板の#568あたりからの発言でも話題になっていた、雁須磨子の「どいつもこいつも」が面白い。自衛隊を舞台にしたラブコメ。今回はみんなで酒を飲みに行っていろいろお話するって感じ。なんとなく絵的に、有川祐とか中村真理子とかをちょっとだけ思い出す。そのサッパリした絵柄が好きだっていうのと、テンポよく進むストーリー(大局的な事態はあんまり進展してないんだけど)が気持ちいい。
 我孫子三和「楽園へ行こう!」。あくまでハッピーで、ドタバタガチャガチャとしたところが楽しい。絵も可愛くて微笑ましいし。野口ともこ「熱いクチビル」。わりとキツイメイクでケバかった女性が、プロのメイクアップ師のおかげで変身し、ライフスタイルも変わって一変して生活が好転って感じのお話。要約すると「そんなことあるわきゃねーだろ」とツッコミたくもなるが、読んでいる間はそれなりに楽しいので良し。この物語をそのまま主人公を男にすると……なんて考えてみたが、かなりバカバカしいだろうな。
 酒井美羽「アリスの花道」最終回。女子高生演歌歌手の物語で、マネージャーとの恋愛関係もからんできて騒がしげなお話。ラストまで馬鹿げた展開で突っ走っててけっこう面白かった。桑田乃梨子「男の華園」。男はこんな感じじゃないぞーとか思いつつも、微笑ましくて楽しい。3頭身のシーンでなんとなく、ペンギンクラブで長年ギャグ漫画を描いている飼葉駿とか思い出したりもする。「シャベリタガール」(和田育子)。絵など、描写面は佐々木倫子に近め。新米アナウンサーさんのお話。わりと面白かったけど次回最終回。
 あと、裏表紙の裏(出版用語でいうところの「表3」)のところの広告が、今掲示板#602あたりでもちょっとだけ話題の「霊宝ライスチャーム」だったのだが、近代麻雀オリジナルの裏表紙の奴とバージョンが違う。ひょっとして女性誌用と男性誌用の2種類あり?内容はメロディ版のほうがはるかに現実的。ちなみにライスチャームとは、「インドのシャガナパーラム寺院にて、最高僧ザーム・ヴィラカーラ氏がみずからの頭髪にて聖米一粒一粒に生命エネルギーの気を注入して名前を書き入れた」ものらしいっす。あっという間にラスベガスで15億円という、ヤケクソなほどの大金を稼いだ人もいるらしいゾ!

【単行本】「ねこ神さま」2巻 ねこぢる 文藝春秋 判型:A5
 正直いって「ねこ神さま」は面白くない。どーでもいい作品。BUBKAに掲載された遺稿とかは、この後死んだということを考えると胸に迫るものはあるけれども、そういう事情を知らずに読んだら面白いかどうか。「ぢるぢる見聞録」はあからさまに嫌がってそうで投げ遣りな取材風景が楽しい。
きっと「ねこ神様」みたいに、他人様に媚びたような商業主義的な仕事や人間関係の積み重ねが、ねこぢるにとってはストレスになったのだろう……などとしたり顔で語ることもできるし、そこから論を発展させていってなにがしかの人に責任を押しつけることもできるが、面倒だしそういうことは嫌いなのでやらない。とにかく死んだ人の作品だからといって特別な読み方はしたくない。当たり前だが作品を描いているときはまだ生きていたんだし。第一、作者が死んだからといって特別な読み方をするなんて、キツイ現実にさらされながらもなおかつ生きて作品を生み出し続けているほかの作者さんたちに失礼な気がする。たぶんねこぢるだってそんな読み方をされることを喜びゃしないだろうと思う。

【単行本】「ムカデ戦旗」3巻 森秀樹 小学館 判型:B6
 3巻めは金掘り衆の戦場での活躍と、それと並行して進む武田信玄の病状の悪化、そして迫る信長の脅威。華々しい活躍とは裏腹に、金掘り衆の前途に暗雲が。絵といい、話といいどっしりと力強く骨太。
 金掘り衆の頭目ムカデの影として付き従う女・てんが意地らしくていい。装束の下に着る網鎧(っていうんだかどうかは知らないが、要するに網タイツみたいな感じのもの)の間から覗く乳首がセキシーだ。


7/16(木)……ローリング! イッツローリング!!

 outdexのムネカタさんの日記を読んでいたら、「7月15日が誕生日」と書いてあった。同い年(1972年生)であるということは知ってたんだけど、4日しか違わないとは。だからどうしたって感じだけど。ちなみに横綱・貴乃花も俺と同い年。ますますだからどうしたって感じ。

 久しぶりの大がかりなコンテンツ。オスマンに、「西岸良平作品集」を追加。一気に9タイトル、11冊とけっこうな冊数をいっぺんに紹介しているので、本当は「作家別作品リスト」に追加しても良かったのだが、「三丁目の夕日」とかはフォローしきれないし、一回で作りっきりにしたかったということもあったのでオスマンのほうに追加しておいた。

【雑誌】モーニング 7/30 No.33 講談社
 巻頭カラーは、山下和美「天才柳沢教授の生活」。何かやらなきゃならないと焦りつつも、何をやっていいのか分からず、日々イライラと過ごす少年のお話。気持ちは非常によく分かる。何をやればいいか考えているっていうことは何もやってないってことだし。結局、今自分の好きなことに没頭していくってのが一番なんだろう。毎度毎度この漫画は面白い。こんだけやっても説教臭く見せないところが素晴らしいと思う。
 木葉功一「キリコ」。前回登場したハッカーが大活躍するも、キリコのコネクションの強大さの前に返り討ち。力強くラフな描線で、過剰な描写がいい。これからも面白くなりそうだ。絵はヒロモト森一にも似ているけど、テンションが高いときのたかもちげんにも似ているような気がしなくもない。榎本俊二「えの素」。ロールミー!ロールユー!というわけで今回はいつもより余計に巻いております。

【雑誌】ヤングサンデー 7/30 No.33 小学館
 いわしげ孝「新・花マル伝」。周囲の心配をよそに、パワーアップした新花マルがベールを脱ぐ。迫力とスピード感があってかっちょいい。遊人「桜通信」。最近ムチャクチャやってるなー。今度はトンマが予備校の事務のお姉さんの豊満な肉体と性技に溺れてくって感じの話になりそう。ここのところの展開はベタベタすぎてバカチンで凄いと思う。もうかなりわけが分からない。たまには勉強しろー。どうでもいいが、最近遊人の描く女の子は乳輪がデカくなってきているような気がする。
「デカスロン」(山田芳裕)。110mハードルが終了し、ナフードがまたしても活躍。で、次号は取材のため休載らしい。最近、なんか休載が多いような。古谷兎丸「ショートカッツ」。今回はCUT-2の、カバン持ちロボットで、工業地帯のエリート工場に憧れる、コギャル的思考形態を持った鉄子の話が良かった。吉田戦車「いじめてくん」収録の「鉄の村松」の話を思い出すような、ちょっと哀しさのあるお話。
「よいこの星!」(柏木ハルコ)。すなおが大人しくしていたかと思ったら、一気の逆転。いやー、ねちっこい。この閉塞感は並じゃねえ。「マザー・ルーシー」(沖さやか)は次号最終回。なんか唐突ではあるが。ちなみに永福一成「OUT-SIDER」も次号で最終回とのこと。こちらはなんかわけが分からないうちに終わっちゃうという印象がある。
 コージィ城倉「愛米」。ラブとコメの立場が逆転するか?最近なんか眼が離せない展開。「ザ・ワールド・イズ・マイン」(新井英樹)。ユリカン独壇場で語りまくり。こんだけネームが多いのに、説教臭いと思わせない、そしてグイグイ引き込んでくる描写はさすが。これだけ語れるような人が、現実の政治家にいれば日本もちっとは……などと思っているうちは世界は変わらない。まずは自分が変わるのだ。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 7/30 No.34 秋田書店
 板垣恵介「グラップラー刃牙」。刃牙がスーパーサイヤ人状態になったら実にあっさり勝負決着。それにしても今回のは、痛そうなんてもんじゃないな。普通死ぬ。「バロン・ゴング・バトル」(田口雅之)。バロン・ゴングはなんとアフリカ生まれの野生児ということが判明。そしてゴードン戦に向けて特訓モードに突入。それにしても強引で力強い展開だなあ。好きだ。
 馬場民雄「大介ゴール!」。大介のチームはかなり不利な状況に。この作品は面白いんだけど、やっぱりどんなにうまくっても動かないゲームメーカーって古いよなー。現実のサッカーでも、「天才」磯貝が引退しちゃうし。それにしても現実の日本サッカーで、「天才」と呼ばれた選手ってなかなか成功しないような気がする。磯貝を筆頭に菊原、山口貴、山口敏などなど。マリノスの上野は地味なボランチで力を発揮し出したけど、天才っぽくない泥臭い仕事になっちゃったし。さて、レッズ・小野はどうなるのだろうか。

【雑誌】ヤングジャンプ 7/30 No.33 集英社
 グラビアはヒロスエから一転して巨乳。青木裕子。迫力ですなあ。
 う〜ん、それにしても面白い漫画がない。だいたいヤンジャンは駅か電車で拾って読んでいるのだが、買って読む気はしない。みやすのんき「ゴルフ19」は次号で最終回。というわけで今回はいきなりの急展開。なんとなくやっつけな終わらせ方って感じがしなくもないが、投げ遣りな展開が魅力の作品だっただけにまあいいや。

【雑誌】ZetuMan 8月号 笠倉出版社
 咲香里「太陽が落ちてくる」。レディースコミックにありそうな感じの話だが、わりと面白いのでけっこう楽しみにしていた。と思っていたら、なんかいきなりの急展開。なんか「それはないだろー」って感じがしなくもない。たちばなとしひろ「明日はハレルヤ!」。この人の絵って、けっこうむっちりとしていていいと思う。
 それから今号で一番いい感じだな、と思ったのが路杏るうの新連載「Girl to Love」。レズ娘が相手と直接つながりたくって、来る日も来る日も「ちんちん欲しい」と願ってたら、ある日いきなりその相手にそっくりな天使が現れてちんちんを生やしてくれるという話。すっきりした絵なんだけど、やるこたやってていやらしい。俺は男根崇拝野郎なので、これからどんどん男根をぶん回すような展開になることを期待する。ああ男根様男根様。
 御形屋はるか「無敵のビーナス(前編)」。この人の描く女の人ってぷにぷにと柔らかそうで好き。ただ、お話がもうちょっとダークだったり、行為がハードだったりすると俺的にはうれしいなー。今だとちょっと俺としては実用的に生ヌルい感じがする。G=ヒコロウ「多重人格の探偵プシチョ」。いつもながらのノリで面白い。それにしても探偵Qはやっぱりお安いわけね。しんがギーン!!

【雑誌】パイク 葉月 vol.12 ふゅーじょんぷろだくと
 パロディ系は相変わらずよく知らん。漫画のパロディなら分かるけど、アニメとかゲームにはとんとうといからねえ。ただ、井荻寿一「あの高い場所へ」は、井荻寿一の絵が見れたんでうれしい。あとT-2号「放課後の罠」。俺はなんのパロディなんだかよく知らんのだけど、絵が細かくてキチク系で好みだ。
 TAGRO「COLD MEDICINE」。いつもけっこういやらしくて好き。こういうやらかそうな身体つきっていいねえ。ちなみに初単行本の「SO DANCO SAMBA」は当初6月20日発売予定だったが、7月下旬に延期とのこと。まあふゅーぷろだけに予定通り出るなんて思っちゃいなかったけどさ。気長に待つ。うらまっくの新刊も7月15日発売予定だったけどたぶん遅れるんだろうな。


7/15(水)……デメキン・カルテル

 W杯サッカーが終わったら睡眠時間が少し伸びた。今年はこの季節なのに、ベイスターズが突っ走っているので退屈しない。それにしても今年のベイスターズは強い。俺としてはあの情けなかった大洋ホエールズも好きだったのだが、死ぬまでに一度は優勝シーンを見たいと思っていたので、今年こそこのままいってほしい。佐々木は年々調子は落ち気味だし(抑えてはいるけど)、ここで優勝しとかないとチャンスはそうないぞ。

【雑誌】週刊少年マガジン 7/29 No.33 講談社
「Jドリーム完全燃焼編」(塀内夏子)。うーん、それにしても予選はサクサクと進めてるなあ。このままだとW杯に出場となってもちと重みがないかもしれぬ。予選ってすごく緊迫感があって、おいしいネタなんだからもうちょっとどっしり描いていってほしい感じがする。「将太の寿司」(寺沢大介)。今回のはうまそうな気もするんだけど、なんとなくくどそうな気もする。でも一回食ってみてえ。そういえば、最近では子供たちに「一番好きな食べ物は」というアンケートを取ると寿司が1位になるらしい。昔はずっとカレーライスだったとのこと。どうでもいいけど、「ごちそう」というと普通の人はどんな料理を思い浮かべるだろうか。俺は「鳥の丸焼き」というイメージがあるんだけど。「ビフテキ」ってのも今さら高級料理ってわけじゃないけど、語感に非常にごちそう感がある。「ステーキ」というと厚さ1cmくらいって感じがするが、、「ビフテキ」というと厚さ3cmくらいありそうな気がする。そもそも「ごちそう」って言葉も語感にゴージャス感があるな。

【雑誌】週刊少年サンデー 7/29 No.33 小学館
「MAJOR」(満田拓也)。寿彦と小森のキャッチャー対決。しかしテストするほうにとって二者択一って意味あるんかいね。まあいいけど。どっちが勝っても今後の展開はそれなりに面白くできそうな気がする。
 村枝賢一「俺たちのフィールド」。ビッキビキにテンションが高い。俺はこういう過剰な盛り上げ方って好き。嫌いって人もいるだろうけど俺は好き。現実の日本代表もアルゼンチン戦はとくにテンション高かったなー。秋田なんか足つるまで走ってたし。作:森末慎二+画:菊田洋之「ガンバ!Fly High」。毎度コンスタントに面白いと思う。今回の中国勢との対決も盛り上がっているし。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 8/1 No.15 小学館
 作:武論尊+画:池上遼一「strain」。祭紫明の肉体はそれにしてもすごい。この肉付きの迫力は圧倒されるばかり。ええキャラクターしとる。岡崎二郎「国立博物館物語」。スーパーE(すげえコンピュータ)のシミュレーション内で、知能を持ち団体生活を営むという思いもよらぬ進化を遂げた恐竜に囲まれて弥生たちがピンチに。相変わらず手堅い面白さ。高田靖彦「演歌の達」。毎度面白い。直情馬鹿の熱い物語ってやっぱり熱い。

【雑誌】オールマン 8/5 集英社
 巻末の目次ページで柏屋コッコが4分の1ページ程度のスペースの新連載を開始。好きな人は見れ。それから次号では六田登が新連載「親愛なるMへ」をスタートする。集英社で描くのは珍しいなーと思ってたら、どうやら初登場らしい。それにしても最近の六田登は連載数多いような。
 春日光広「高杉刑事キバリます!」。最近なんとなく読んでいる。アクのない絵柄はけっこう好きなんだけど、押しは弱いなあ。この人って本当にB級って気がする。ヤングマガジンUppersはB級を売りにしていたが、俺的にB級感がするのってこの人とか、五十嵐浩一とか、金井たつおとか、三浦みつるあたりだ。名前はそこそこ見るんだけど、なかなかヒットには至らないってところがポイント。こういう人たちを集めたってきっと面白い雑誌にはならないだろうって気がする。B級って難しいなあ。

【雑誌】弥勒 8月号 平和出版
 表紙の絵と色使いが相変わらず魅力的。雑誌全体のイメージをアップしている。できればこの人(こと)が漫画を描いてくれるとうれしいんだけど。ところで表紙に名前が載っていた清水清は掲載されていない。その代わり紅狼さかなが掲載。
 小林少年「腐る出目金」。ヤラれるよりも、「出目金」と言われるほうがイヤな女子高生の心理の描き方がいい。そこまでのシーンとの落差がうまい。「好き好き犬先生」(TRUMP)。TRUMPの作品読むのって久しぶりな気がする。表紙ではスペルが間違ってるけど……。俺としてはライトな獣姦系はあんまり好みじゃないなあ(白井薫範とか山文京伝並に濃い奴は好き)。この作品はそこそこだけど。
 きたる三月「ロストワイルド」。荒々しくてボサボサした力強いタッチがいい。内容は原始人モノ。大ざっぱな展開でとにかくヤル。けっこう好き。


7/14(火)……狂気なカゴメ

 8月30日のコミティアに出る同人誌で原稿(漫画関連の文章)を頼まれているのだが、どうも進まない。いちおうネタ自体は1ヶ月以上前から決めてはあるけど、なかなか時間がなくて書き始められない。たぶん書き始めちゃえば1日か2日で終わると思うんだが。そうこうしているうちに、ほかのテーマで書いたほうがいいかなーとか迷いがなんとなく生じたり。どうもテーマが決まってなくて〆切が緩い原稿ってのはなかなか書けないもんだなーと思う。
 ホームページの日記以外の部分の更新も最近ちょっと不調。オスマンで書く予定のものはなきにしもあらずなんだが、どうもそこまで手が回ってない。ああ、たっぷりの時間とそれなりのお金が欲しい。

【雑誌】ヤングチャンピオン 7/28 No.15 秋田書店
 岡田和人「教科書にないッ!」。最近わりと好き。女の子がかわいいっていうのと、あざといHさと他愛ない展開が和む。「エイリアン9」(富沢ひとし)は連載3回目。こちらも毎度ほほえましくて楽しい。スパッツとひざ当て、ローラブレードがピシッと決まってて可愛い。
「球鬼Z」(藤澤勇希)。圧倒的に濃い。おもしれー。野球で命のやり取りしてるんだが、力入りまくり。ルールなんてどうでもいい感じだし、絶対3球勝負だなんてこと考えてないムチャさ加減に男気を感じる。過剰って素晴らしい。あと「さくらんぼ論理」(川島よしお)は力抜けるギャグでいい。週刊少年チャンピオンで連載している「グルームパーティー」よりも好き。こっちのほうがエロは直接的かな。

【雑誌】ビッグコミックオリジナル 7/20 No.14 小学館
 山本康人の読切「キッス」がなかなか良かった。力強くて爽やかで。定年してボケたかに思えた親父が、市民水泳大会で男を見せるというお話。佐藤智一「壁ぎわ税務官」。何げにわりと面白い。やり手の税務官が虚虚実実、あの手この手で滞納者から税金を取り立てるというお話。あんまり嫌味のない絵で、着実に描いている感じ。

【雑誌】漫画アクション 7/28 No.30 双葉社
 六田登「歌麿」の展開が楽しみ。まだ歌麿の歌麿たるゆえんは発現していないけど。あと、作:橋本以蔵+画:たなか亜希夫「軍鶏」は面白う。空手シーンが力強い。何やら少年が人間凶器みたいな感じになりそうな気配。

【雑誌】コットンコミック 7月号 東京三世社
 あえて挙げるような作品は駕籠真太郎「駅前抽斗」だけ。でもこの作品を読むためだけにでも350円を払う価値はある。俺だったら1000円くらい払ったって構わない。いい作品っていうのは、それだけの痛手を払ってでも読む価値があるもんだと思う。この作品については、グロいのはキライって人にはムリにオススメはしないけど。
 で、「駅前抽斗」。あらゆる人工物をすべて方形にし、そこら中をぎっしりと埋め尽くした抽斗に収めることによって一切の無駄を省いた社会。この社会では人間でさえ収まりがいいように、子供のころから型枠にハメて四角くするなどということも行われている。主人公はそんな社会に生きる平凡な家庭の主婦。キッチリと詰め込むのが苦手な彼女は次第にストレスを感じ、それが頂点に達したととき、自分の身体そのものを抽斗にすることを思い立つ。眼や性器、陰部などを身体から引き出して独立させ、離れながらにして夫とSEXするなどといった芸当も可能に。
 こういった不条理な世界が、まったく説明なしに進行する。終わりに近づくにつれ、どんどんエスカレートしていく描写。筒井康隆をちょっと思い起こさせるようなシニカルさがある。いやー、駕籠真太郎はほんとにスゴイ。どこの出版社でもいいから「凸凹ニンフォマニア」に続く単行本出してくれー。

【雑誌】別冊マーガレット 8月号 集英社
 河原和音「先生!」。現在はヒロインの親友・千草をめぐる三角関係にお話がシフトしている。爽やかで楽しい。永田正実「恋愛カタログ」もわりと好き。見え見えの伏線やら子供っぽい友達の取り合いとかがなんとも微笑ましくていい。
 いくえみ綾「バラ色の明日」。毎回面白い。端正な絵柄と一瞬のきらめきを描く描写力、画面の雰囲気作りなど、この雑誌の中では俺的に一番好き。中原アヤ「LOVE!LOVE!LOVE!」も毎回けっこう楽しんでいる。ただ、この人の場合は1ページ内のフキダシが多すぎる感じがする。本をちょっと離して眺めたときのガチャガチャ感はかなりのもの。これが新書判の単行本になったらけっこうイヤかもしれない。あと巻末の読切、羽柴麻央「真夏ノ夢ノ住人」。きれいでよくできたお話って感じ。まあまあ面白い。

【単行本】「16歳 SEX TEEN」 桃山ジロウ 英知出版 判型:A5
 ちょっとかすれた感じの描線と、多めの体液、ねちっこいエロシーンとなかなか実用的。エロ劇画系の絵をどんどんかわいくして、美少女漫画方向に近づけていったっていうタイプの絵柄。あれよあれよという間に流されていく、ヒロインのおねーちゃんも垢抜けなくて、それでいて可愛くていい感じ。ハードなエロをやりつつも、最後にはあっけらかんと和ませてくれる。けっこうオススメ。


7/13(月)……11人イケてるっ!

 昨日書きかけてやめた、サッカーW杯フランス大会俺的ベスト11はこんな感じ。
GK:チラベルト(パラグアイ)
 ほかにもフランスのバルテズ、デンマークのシュマイケルといったいい選手はいっぱいいたけど、存在感ではチラベルトがNo.1。セーブもすごいけど、あの正確でやたらロングレンジのフィードバックはすさまじかった。
DF:ヤルニ(クロアチア)、チュラム、デサイー(フランス)、F・デブール(オランダ)
 俺は4-4-2が好きなので4人選ぶ。SBはヤルニとチュラム。両方とも身体がデカくて速い。攻守ともにできる選手。ほかにもフランスのリザラズとか、ブラジル・カフーも印象に残ったけど総合的にはこの二人。CB。デサイーは文句なし。フランス優勝の原動力。もう一人は同じくフランスのブランもいいんだけど、攻守に渡る冷静なプレーが光ったF・デブールを俺は推す。
MF:ドゥンガ(ブラジル)、ベロン(アルゼンチン)、オフェルマルス(オランダ)、オコチャ(ナイジェリア)
 ボランチはドゥンガとベロン。ドゥンガはさすがの戦術眼で確実なカバーリング。あぶなっかしいCBコンビの前でゲームを操っていた。またアルゼンチンの攻めの中心はオルテガの名前が真っ先に上がるが、ベロンが攻守にわたって全体をよくコントロールしていたと思う。ほかにもオランダのダビッツ、フランスのプティなんかも印象に残った。個人的にはイランのバゲリも好き。
 攻撃的MF一人はこれしかいないって感じ。オランダ・オフェルマルス。誰に聞いてもたぶん上がってくる名前なんじゃなかろうか。やっぱり縦への突破のスピードは、現代サッカーでもものすごい武器になることを改めて証明してくれた。あとは典型的な10番タイプで一番うまいと思ったオコチャ。このタイプではオルテガもいるけど、プレーの幅ではオコチャのほうが上かなーと思う。あと、デンマークのM・ラウドルップも年の功のシブいプレーで、かっこよかった。
FW:ビエリ(イタリア)、シュケル(クロアチア)
 FWはロナウドが意外にも爆発しなかったためこの二人。シュケルは得点王ってことで。あと、ほとんどが相手の股を抜くシュートというなめくさったところも好き。ビエリは力強さにスピード、テクニック、勝負強さを兼ね備えていて、今大会No.1のFWだったと思う。イタリアがあんなに早く負けなければねえ。あともうちょっと見たかったのが、イギリスのオーウェン。あのスピードはオフェルマルスにも勝てると思う。それから、チリのサラス、ドイツのビエルホフも一芸があっていい選手。狂い咲きな感じだった、ドイツ・クリンスマンも印象に残った。
 個人的にFWで面白かったのが、決勝トーナメントで1点も取れなかったフランスのFW陣。アンリ以外はほぼ役立たず。とくにギバルシュの勝負弱さは特筆もの。それでもトレゼゲ、デュガリーよりはマシだと思うけど。

 ベストゲームを選ぶなら、決勝トーナメントのイングランド×アルゼンチン。新星・オーウェンの登場、前半のスピーディでスペクタクルな展開、後半に選手が1人退場になっても必死で守り続けたイングランドの意地、アルゼンチンの個人技、見どころの多い試合だった。

【雑誌】ヤングマガジン 7/27 No.32 講談社
 原田重光「イッパツ危機娘」が復活したと思ったら、いきなり主役が交代。クーニャンから、今度は二代目危機娘・大物政治家の秘書・マドカへと世代は移る。といってもやることは変わらなそうな気配だが、容姿的にはクーニャンのほうが好みかな。
「おやすみなさい。」(小田原ドラゴン)。おおっ、ここでもEカードが!そういえば町田ひらくの漫画でも出てきたし、今年はEカードが流行る?……わけねえって。そして、辻尾くんは「ジャッカル」か……。いやー、いつもいい味出してる。そして本家Eカード、福本伸行「カイジ」ではカイジが完全に自信喪失状態。そりゃまあショックデカいわな。
 前川かずお「DEI48」。毎度一回はマヌケな描写で笑わしてくれるのだが、今回は最後のページでどどーんときた。きれいなねーちゃんが「金輪際ッ手動による精水噴出を禁絶とす!!」と叫びながら、手を筒状にして「ガッシュガッシュ」という音を立てつつ上下に激しく振るという決めポーズ。ああ〜、やっぱり馬鹿だなあ。
 永野数馬「劣等25%」は、自由に生きるキチガイどもに一般人の容赦ない追求が迫る。かなりハードな展開になってきた。普通でいるよりも、異常でいるほうがはるかに輝いている人だって世の中には存在する。っていうか、本当に自分の心に従って生きている人間にとっては、「普通」も「異常」もどうでもいいことなんだろうけどね。そういう人が馬鹿にされるのって、なんだか悔しいなあ。

【雑誌】YOUNG KING 8/3 No.15 少年画報社
 表紙からして佐野タカシ「イケてる2人」で、しかも今号は2本立て。はあ〜ん、ぐにゃぐにゃ〜。柔らかくて滑らかでかわいくてちょいとHな絵柄で、のたうち回るほど他愛ない。コイズミ最高〜っ。他愛ないといえば、今回は有村しのぶ「HOPs」もよかった。この人って、昔からわりと好き。淡白な絵柄なんだけど妙にHで、でもハードってわけでもなくなんかもどかしいところがいい。
 東本昌平「キリン」は本章が最終話。ビュンビュンくるスピード感がすごく気持ち良かった。これ以降は別冊「キングダム」(9月4日発売。毎月発行になるそうだ)で掲載されるとのこと。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 7/27 No.33 集英社
 巻頭カラーでにわのまことの新連載「Base Boys」がスタート。スポーツ系があんまり強くないジャンプの起爆剤になれるか? 「I''s」(桂正和)。最高だ……。あざとさ爆発。ああ〜ん、ときめきまくり〜。ただ、このベタベタさは人を選ぶような気もする。
「Rookies」(森田まさのり)。毎度面白い。力強いメッセージを真っ正面からぶつけてくる。樋口大輔「ホイッスル!」。ほかの連載なども含めた雑誌全体の雰囲気からして、てっきり今週で終わると思っていたのだが、次号に続くみたい。ひょっとしてまだまだ行くのかな?
 あと、今号に入っていた広告ページによると、7月24日発売のエクストラビージャンで、「かれん」の塩崎雄二が漫画を描くらしい。ちょっと楽しみ。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 7/27 No.32 小学館
 松本大洋「花」後編については、松本大洋ページの「最近の話題」のところにまとめておく。
 藤野美奈子「まちこSHINING」は今週も藤野美奈子節というか、あれよあれよという間にヘンな方向へと話が進む。連載3回目だが、ここまでの滑り出しは順調。作:坂田信弘+画:中原裕「奈緒子」。突貫小僧の上原が力走。でも、そんな単純バカにも試練を与えるあたり、そう簡単には楽にさせない。「しっぷうどとう」(盛田賢司)。烈がついに最強モードに。クライマックス&最終回近しって感じ。



7/12(日)……仏の国のサン・ドニで

 20世紀最後のサッカーW杯もこれでおしまい。今回のW杯は全試合の半分くらいは見ただろうか。いや〜、実に面白かった。たっぷり楽しませてもらった。これで寝不足から解放されると思うとホッとするが、その半面これで終わりだと思うと寂しくもある。
 最後の試合。決勝戦、フランス×ブラジル。選手入場前に観客がカウントダウンを行い、それが終わると何度も聞いたあのミュージックで選手がピッチに現れる。そのシーンだけでなんだかジーンとして涙が出てきてしまった。これだけの大舞台で、満員のサポーターに向かって整列する。ここに立ったら一体どれほど晴れがましい気分なんだろう。整列している代表選手たちが心底うらやましくなった。ところでこの試合前の整列って非常に素晴らしいと思う。見ているほうも(恐らく選手たちも)、荘厳な気持ちになれるし。プロ野球なんかも試合前に、せっかく見に来てくれた観客に対して整列くらいしてくれんもんかなーとか思ってしまう。
 で、試合内容は正直なところ凡戦って感じがした。両方とも疲れてるのか動きが鈍い。とくにブラジル。元気のなさそのままに3-0でフランスが勝利。ジダンがCKから2点とプティが1点。フランスは決勝トーナメントを通して、1点も取っていない驚異のFW陣を見ているとなんでこのチームが優勝……とか思ってしまうのだが、中盤と最終ラインは本当に素晴らしかった。とくに今日は退場になってしまったけどデサイーと、準決勝で退場になったブランのコンビはCB最高。デサイーは今大会最優秀選手だと思う。
 ブラジルはヨレヨレの内容ながら、よくここまで来たなって感じ。ロマーリオ、ジュニーニョの攻撃的二人が外れたのが結局最後まで右サイドの攻撃力不足として現れた感じ。さらに痛かったのが、ボランチのフラビオ・コンセイソンのケガだと思う。これが一番の痛手だった。ただ、それでもなんとかかんとか決勝まで来てしまうあたりが底力というべきか。これだけキーマンがいないながら、決勝までくるなんてやっぱりブラジルにしかできない芸当だと思う。

 ついでといっちゃなんだが、3位決定戦、クロアチア×オランダも見る。オランダはなんとなくやる気なさげでもあったが、案の定2-1でクロアチアの勝ち。そして得点王争いをしているシュケルも6得点めを挙げ得点王に。それにしても、シュケルが得点したシュートってなんかやたら相手DFやGKの股抜きしてるような気がする。初出場(旧ユーゴ時代に出ている人もいるから純然たる初出場とはいいにくいけど)で3位、得点王も出したしクロアチアはいうことなしだろう。守ってカウンターのチームだったけど、完成されているし試合巧者だったし、かっちょよかったと思う。
 対してオランダはやっぱり一歩足りない。チームにまとまりがないっていうのは前からいわれていたけど、3位決定戦はそれがモロに出た感じがする。パススピードは速いし、守備も固いし、攻撃も華麗。組織と個人技が融合したいいチームだったんだけどねえ。

 今回のW杯を総括すると、守りが固くてスピードがあり、組織に優れたチームが勝つという印象を受けた。個人技でブイブイいわすアルゼンチン、ナイジェリアや、スピードのあまりないスペイン、ドイツは思ったより早く消えた。組織的サッカーの中で個人技を生かす、それが今のサッカーの流れだと思う。それがとくによくできていたのが、フランスやオランダ、クロアチアあたりだったと思う(ブラジルは組織的にはうまくいってないところもあったが、それを補えるだけの個人技、層の厚さがある。ただ、これができるのは世界でもブラジルくらいだろう)。動かなかったり周りと合わない選手はいらんのだ。
 そう考えると日本の目指しているサッカーはあながち間違っていないと思う。「個人技では負ける」という前提が最初からあり、組織的サッカーを取り入れたからこそ今回はそこそこ戦えたのだろう。負けたのは個人技の差と采配のせい。今回頑張った、メキシコ、デンマークなんかは個人技ではたしかに列強には負けている。それでもしっかりした組織サッカーでそれを補った。
 日本とは逆に、韓国は個人技で勝てるはずがないのにマンツーマンでやろうとするもんだから、一人が抜かれるともう取り返しのつかないことになってしまい惨敗した。予選で日本は苦戦したが、最初から世界を相手にすることを前提にしたサッカーをしていたことが、W杯で大きな力となったような気がする。
 2002年に入るだろう日本代表メンバーは、今の代表より基礎技術はよくできている。うまくやればきっと勝てる、はずだ、と思う、ような気が、しないでもない。
 俺的ベスト11も書こうかと思ったが、長くなっちゃったので、また明日。

【単行本】花とゆめ 7/20 No.15 白泉社
 日高万里「世界でいちばん大嫌い」がわりと好き。硬質な線でキャラクターもそっけなさそうなんだけど、ときどき見せる柔らかい表情がそのぶん引き立つ。あと画面が整理されてて読みやすいのも吉。望月花梨「笑えない理由」は今回が3回めで最終回。うーん、まあそこそこ。爽やかできれいでいいんだけど、もすこしヒネリがあってもいいかな。

【単行本】「G-taste」2巻 八神ひろき 講談社 判型:A4
 八神ひろきはエロを描いていると非常に楽しそうだ。内容自体はたわいないし、フェチというには浅いような気もするんだけど、こんだけバカバカしければOK。肌の質感とか陰影、肉感といったあたりがグッド。これをさらにすぱんすぱんやりまくり、体液バリバリのハードエロにしたものを見たいという人は、みやびつづるの漫画を読むといいと思う。単行本は司書房から「艶笑」というのが出ている。

【単行本】「みぃんなじろうちゃん」 石川次郎 青林堂 判型:A5
 1989年初版なんだけど、ヘタウマ系だけにあんまり古さは感じない。地味で情けなくて、でもヘンでけっこう面白く読めた。絵的には青木雄二をさらにヘタにした感じかなー、っていうと相当なもんだが。なんかにじみ出すような静かなおかしさがある。


7/11(土)……シンドゥー・スクワット

 今年も7月11日がやってきた。昔からこの日は国民の休日にすべきではないかと思っている。そう、俺の誕生日だ……とかまあそういうたわごとはともかく、今日で26歳。また一つ歳をとっていく。なんか子供のころに比べて1年が過ぎるのが早くなってきたなーって感じがする。「5歳の子供にとって1年は人生の5分の1だけど、25歳にとっては人生の25分の1だ。そして年々、1年の人生における割合は小さくなっていくので、加速度的に時間が早く過ぎるようになる」みたいなことを誰かがいっていたが、まあたしかにそんなもんかなとも思う。
 早く時間が過ぎるように感じる分、なるべく濃密な時間を送りたいと思っているが、やっぱり惰眠を貪るのは気持ちいいし仕事もせにゃならん。「時は金なりとは時間を過小評価した言葉だ」みたいなことを森博嗣が書いていたが、まさにその通り。金よりも時間だよな。とりあえず趣味などに自覚的に関わって攻めていかないと、時間は無為かつ飛ぶように過ぎていくことはたしか。
 最近、年齢を重ねるたびに思うのが、「俺はいつまで現役の漫画読みでいられるか」ということ。今はムチャしてでも読むけど、30、40になって社会的責任が増えたりしていったら、この量を維持できるかどうか。25歳くらいでも、周りの人たちが漫画をあまり読まなくなってきているなーというのは実感するし。今、俺の趣味の中で漫画の占める割合は限りなく大きいが、それを失ってしまったらほかに残るものなんてあんまりない。そんな状況は考えるだに恐ろしい。今のところ漫画を読みたくなくなる気配はないので、それほど心配はないが。でも、もし漫画を読むことを許してくれないような女性と結婚したら、かなり人生の墓場だろうなあ。
 できればオヤジになっても、老人になっても漫画を読み続けていたい。それこそ「漫画ジジイ」と呼ばれるような。

 なんか買ってないうちに漫画情報誌のComnavi(全研)が隔月刊になっていたらしい。しかも次号でリニューアルとか。最近見なくなったと思ったら……。まあもう先は長くあるまい。この雑誌の場合、最近はともかく、創刊して何号かでものすごく的外れなことばっかやっててその時点で信用なくしちゃったってのがデカいような気がする。

【雑誌】ヤングマガジン 7/20 No.31 講談社
 こしばてつや「天然少女萬」が最終回。なんだか爽やか&ハッピーにおしまい。俺は好きな作品ほど、つまらなくならないうちにスパッと終わって欲しいと思うタイプなんで、ちょうどいい感じ。次の作品を楽しみに待つ。エンボクに力を注ぐのも可。
「DEI48」(前川かずお)。今回も馬鹿馬鹿しい。「お前の欲情により噴出するニオイをかぎつけてきたのだ!!」。ばっかでえ〜。福本伸行「カイジ」。あ〜あ、やっぱり調子に乗ってるから。たぶんこうなるんじゃないかって気はしてたけど。古谷実「僕といっしょ」。旅に出たイトキンたちが、ひょんなことから黒塗りの高級外車をかっぱらう。無軌道で小心でみみっちい暴走が楽しい。望月峯太郎「ドラゴンヘッド」。だいぶ終わりが近づいてきた感じ。さて、どうなる。
 次号(つってももう月曜日には出ちゃうんだけど)では、原田重光「イッパツ危機娘」が復活。「恥辱の秘書編」らしい。またもや下らない世界が待っているのだろうか。

【雑誌】モーニング 7/23 No.32 講談社
 木葉功一「キリコ」。今回は遊佐がキリコの情報を得るため、スゴ腕のハッカーと接触。この二人が回転寿司を食いまくっているところを見ていたら寿司が無性に食いたくなってきた。ちなみに誕生日である今日の食事はカレー。
 鄭問「始皇」。相変わらず人物の造作が異常に濃い。脳内麻薬がドバドバと出まくっている感じ。表情も大げさだし。永井豪「デビルマンレディー」。あ〜あって感じの展開。なんかこの漫画、しょうもない部分と、けっこう面白い部分が交互に繰り出されてくるように思える。やっぱりやらないほうがいい作品だったのかも。まあいいけど。

【単行本】「神童」2巻 さそうあきら 双葉社 判型:B6
 この巻はわりとピアノからは離れ気味。でも、きっちりと要所要所で見せ場を作ってくる巧みさはさすが。地味だけどいい仕事してるよなあ。

【単行本】「ひみつの階段」2巻 紺野キタ 偕成社 判型:A5
 女学校および寮を舞台に起こる不思議な出来事をファンタジックに描いた作品。
 絵はすごくきれいだし、お話もファンタジックで、非常によくできた「端正な少女漫画」って感じがする。透明感のある絵柄は素晴らしいと思う。ただ、難点もけっこうある。女子寮が舞台なんで女の子しか出てこないんだけど、かわいい女の子ばっかりなんでアクセントがないっていうか、キャラクター一人一人がどうにも弱い。そのため、キャラクターの相関関係などがイマイチ頭に入ってこなくて、なんか頭の中で話がこんがらがってしまう。あと、ところどころ画面構成がゴチャゴチャしてて読みにくい。とくに話の導入部にそれが顕著なので、ツカミが弱い気がする。
 とまあ、文句はいうものの、やっぱりいいことは確か。きれいだしかわいいし、気持ちのいい作風。あとはその長所を生かしきるだけの描き分け・演出ができるようになれば、もっともっと良くなると思う。

【単行本】「親指姫の冒険」 小林じんこ 宝島社 判型:A5
 ギャグ、ファンタジー、ラブコメといろいろてんこ盛りな作品集。93年初版。当たり外れはわりとあるものの、まあまあ楽しめる。俺としては「振って、わいたような話」がかなりトリッキーで好み。

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