◆ 1999年7月中旬 ◆

7/11〜20
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7/20(火)……ガルフのレンズ

 兄用のPCの組み立て作業に手を貸す。DOS/V magazine CUSTOMでも紹介しているラックマウントPCである。秋葉原はアズテックで購入したJOYANCEという台湾メーカーのJOY-565を使用しているのだが、圧倒的なゴツさがかなりうらやましく感じられた。ケースの重量が相当あるので、組み立てるのは疲れるのだけど、出来上がりはたいへんカッチョよい。3万9800円もしたケースだけに作りはとてもいいのだが、も少し安くなってくれればと思わないでもない。

【雑誌】花とゆめ 8/5 No.16 白泉社 B5平
 中条比紗也「花ざかりの君たちへ」。主人公とその周りの美少年たちが、写真のモデルに。なんか楽しげに描いているなという感じ。あと、巻末の読切、岡崎呼人「魔法使いのサトー」がわりとよかった。担任の先生がある日クラスを去ることに。彼は最後の思い出作りに一人につき一つ願いをきいてやると約束する。そんな彼を好きだったのだが、冷たい態度に業を煮やして、先生イジメに走っていた女の子のお話。スッキリ爽やかな締めくくりがなかなか気が利いている。

【雑誌】まんがくらぶオリジナル 8月号 竹書房 B5中
 こいずみまり「レイとルリのスイートライフ」が巻中カラーで新連載。フリルが似ってしまうお姫様然とした容姿だけど実はガサツでおおざっぱなルリと、キリリとしてなんでもできそうな大人の女って感じだがかわいいもの好きでお人よしなレイ、二人のOLの共同生活を描くコメディ。キャラがちゃんと立ってるので楽しく読める。そして俺のお目当ては、いつもの通りかたぎりわかな「みちばたトライアングル」。今回もぞんざいにお話をほうり投げる感じで気持ちがいい。

【単行本】「人形芝居」2巻 高尾滋 白泉社 新書判
 花とゆめコミックス。人間とともに生きる非常に精巧なアンドロイドと、彼らによっていやされる人間たちの姿を描いた物語。高尾滋の最大の特徴は、柔らかくて温くて、サッパリと気持ちの良い絵柄。きれいな造形のキャラクターたちにより、美しく優しいお話が綴られる。読後感のたいへんに気持ちのいい作風。まだ出てきてからそんなに経ってない人だと思うけど、完成度はとても高い。まだ高尾滋の作品は「人形芝居」しか単行本になっていないけど、読切とかそのほかのシリーズも収録されてほしいものだ。

【単行本】「くしゃみ3回」2巻 吉田まゆみ 集英社 B6
 売れないおんな演歌歌手、三条ルルの歌と恋。美人だけど、案外無邪気なルルのキャラクターは非常に魅力的。地に足が着いていてこぶしの回ったストーリー展開、きっちりした作画など読みごたえバッチリ。おんなの情念は描けど、それはあくまで軽やかに。いやはやうまい。

【単行本】「ケチャップマヨネーズ」 いくえみ綾 集英社 B6
 これまたうまい!……とうなる。3本の短編を収録した作品集。それぞれに読切としてはページ数があるので、ボリューム的にも満足がいく。かっこいいのだけれども肩の力が入りすぎてはいず、適度に力が抜けている。また画面がきっちり整理されていて読みやすいのも好感が持てる。ハッピーエンドも、アンハッピーエンドも、過不足なく調理して供する腕前はさすがである。

【単行本】「ガールフレンズ」1巻 山下和美 集英社 A5
 女性向け漫画うまいの4連発め。4本の読切作品を収録。一筋縄ではいかない女同士の間柄の、それぞれの形を見事な筆致で描く。一話一話、ヒネリを加えつつ鮮やかにお話を転がす。「白い花紅い華」「すみれちゃん」「シルクの月」「EDENの女」。どれもよくできているが、この中では「白い花紅い華」が気に入った。クラスを牛耳りほかの女子を支配下に置いていた小早川さんと、芯に強いモノを持ち小早川さんの傘下に入らなかった甲田さんの、いっぷう変わった友情の形を描いた物語である。彼女たちの立場、力関係の変遷を、周りの事象・人物をうまくからませながら巧みに描き出していく。そのほかの3編も、しっかり工夫されている。作品に満ち満ちた、凜としたかっこよさ。素晴らしい。


7/19(月)……ヒヤヒヤドキッチョの

 地元の町田にあるいい感じの炭焼き料理屋で食いかつ呑む。きのこや帆立の貝殻焼き、牛舌、焼き鳥、岩魚など、次々繰り出される炭焼き物件にシビれまくる。炭の上に落ちてちゅんと音をたてる脂、漂う香り。焼き立ての肉がかみしめるたびに豊潤な肉汁をあふれさせ、ほくほくいう魚肉が舌の上で踊り、きのこが我が口内の官能を刺激するのだ。日本酒がそれらの味を受け止めつつ胃に流れ込むたびに、次の食物を身体が希求する。木炭、あんた最高だぜ!

【雑誌】ウルトラジャンプ No.32 集英社 B5平
 平野耕太「ガンマニア」が再登場。ハッタリを利かせるかっこいいコマと、いい加減で乱暴なタッチで描かれたコマのコントラストがたまらない。とくにヤケクソな感じのコマが、作品全体の無頼さを増幅させ、かっこよさにつながってしまっているところがスゴイ。ラストの放り投げっぷりもこれまたカッコイイのだ。爽快。痛快。無敵である。桜瀬琥姫「HEART SUGAR TOWN」。今回は26ページ。完成度の高いラブリーでキュートな絵柄とお話。かわいいお話好きな人にオススメ。藤原カムイ「福神町綺譚」。福神町にも恋の花が咲いている。こういうお話を入れると、作品全体の雰囲気が柔らかくなっていい感じである。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 8/2 No.32 集英社 B5平
 今号は桂正和「I''s」が載っていないので、トキメキ度ダウン? 巻頭カラーで新連載、久保帯人「ZOMBIE POWDER」が新連載。不死の効能があるとされる秘薬、ゾンビパウダーを求めるアウトロー、芥火ガンマが主人公。銃で向かってくる相手を剣でばっさばっさとやっつけるアクションもの。まあわりとよくあるタイプの作風。絵を含めた描写力をどこまでアップできるかがカギかな。読切でさとうだいすけ「パパのお仕事」が掲載。19ページの短編。さとうだいすけの作品では、以前掲載された「25M」という読切がかなり面白かった(俺日記では1998年1月12日の項参照)。今回は、自分の父親が殺し屋をやっていると夢想する少年の話。夢想と現実のオーバーラップのさせ方とか、構成がなかなかうまい。絵は若干のぎこちなさはあるが、描写はしっかりしている。長い作品でも十分いけそう。

【雑誌】ヤングマガジン 8/2 No.33 講談社 B5中
 平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」。アゴなしゲン世界では、しゃべる人形もこんなに邪悪に。それにしてもゲンさんの笑顔は下劣で汚らしくて不気味である。そこがたまらねいのだ。安達哲「バカ姉弟」が4色カラーで登場。なんか月イチ連載になるようだ。今回はバカ姉弟が床屋に行ってジャレ合う。ただそれだけのお話。それにしてもこのやる気なさげな作風はどうだ。なんか味があるほど覇気がない。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 8/2 No.33 小学館 B5中
 山本康人「僕」。あらぬ方向になんだか力が入りまくっている感じで、なかなか楽しい。次の展開も予想がつきにくい。山本直樹「ビリーバーズ」。一度境界線を越えてしまった「副議長」さんたちの性衝動をつのるばかり。「議長」さんの次の出方が気になるところではある。この気怠さ、エロチックさ、素晴らしいなあ。

【単行本】「悟空道」8巻 山口貴由 秋田書店 新書判
 現在、三蔵様ご一行は滅法国にて王殿と対峙中。蜂蜜色の三蔵の肢体は艶やかさを増す。今回は悟空と王殿の本格的な闘いがスタートする前段階。そんなわけで派手なアクションシーンなどはあまりなし。この作品は、雑誌よりも単行本でまとめてのほうが読みごたえがあって良いかもしれない。ただ、判型がもうちょっと大きければと思わないでもないが。


7/18(日)……波動ディスク

 おうちメインマシン、Let's note AL-N2T516J5のHDDを大容量のものに交換。OSのセットアップでちょっと悩んだりしたが、無事終了。元は2.1GBだったのを6.5GBに。容量不足が解消されたというのも大きいが、スピードもかなり上がったように思う。動作が今までよりも格段にキビキビした。たぶんCPUを1ランク上のに上げるよりもはるかに効果はデカいのではなかろうか。前のより音も静かだし。このマシンを買ったのが1年半くらい前なのだが、その間にノートPC用のHDDはかなり性能がアップしたのだなあと実感。これでLet'sくんもだいぶ寿命が伸びた。あと3年は楽勝で使えそうな気がしてならない。これでHDDの容量だけは、サブマシンのFIVAより上になったというわけだ。

【単行本】「サムライダー」全3巻 すぎむらしんいち 講談社 A5
 何日か前から家にあったのだが、体調を万全にしてから楽しみたかったため、読むのが遅れてしまった。講談社KCデラックスになって再版された初期の代表作。
 ある日、刀、鎧、皮ジャンで身を固めた単車乗りが現れる。人は彼を「サムライダー」と読んだ。サムライダーと、彼にライバル意識を燃やす地元の高校生男子マサオを軸に描かれた、ゴロゴロ転がりまわる青春物語。サムライダーと、マサオがサムライダー対抗として結成した「チーム・サムライダーズ」をめぐる騒ぎは、学校を暴走族の連中が取り囲む戦闘状態に突入。といってもヤンキー漫画的ノリではなく、コミカルに、そしてきっちりとした演出をもってお話は展開される。サムライダーである沢村と、マサオの奇妙な関係も痛快。そしてラストになだれ込む青春模様。かっちょいい。かっちょよすぎる! マサオとサムライダーが決着をつけるべく、バイクで競争するときのセリフ、「ゴールはどこだサムライダー」「オレを追い抜くまでだ」といった一連のやり取りは鳥肌モノ。構図どり、ネームのセンス、物語のテンポ。いずれも今みても一級品。発表からはもうずいぶん時間が経っているが、今読んでみてもその輝きはまったく色あせていない。傑作。必読。

【単行本】「かってに改蔵」4巻 久米田康治 小学館 新書判
 実はフルCG漫画であったらしい。今回の表紙は華やかな色づかいの浴衣で、主要女の子キャラが着飾っていて、とてもいい感じである。この人の描く女の子はスラッとしててかわいくて好きだ。内容も、毎回テンポ良くヒネリの利いたギャグが展開されていて楽しい。他人のコンプレックス等を小気味よくこづき回す。異様なことをやってても、サラリと読ませてしまう。


7/17(土)……午後のゆみこちゃん

「別冊DOS/V magazine CUSTOM」という本の新装刊第1号が発売になったので読んでみた。漫画がらみでいうと、ムックで刊行されていたときのVol.4に掲載されていたミリタリーマニア系お気楽自作漫画、作:高橋敏也+画:城久人「PCコマンド ボブ&キース」以外にも、山田X(ZERRY藤尾)「自作王」という4Pモノ、それからMike坊というDOS/V magazine本誌創世記に描いていた人の取材モノが2P掲載されている。連載挿絵系4コマで新谷明弘が描いているのも要チェック。
 Webがらみで当ページに近しいところでは、サイトウマサトク氏、宗像明将氏、LZD氏、本田健氏も執筆。しばたというチンケな編集者も、実は10ページ以上書いているらしい。困ったものである。困るといえば、この本、ちゃんと売れてくれないと困るのだそうだ。中とじのわりに880円という価格付けはちと高いかもしれないし、ページ構成や記事の深度など、改善点はまだまだいくつもある。この点は第2号以降での改善に多いに期待したいところだ。B5中とじでDOS/V magazine本誌よりもだいぶ軽量になっているし内容的にも比較的気楽なノリになったので、持ち運んで読むのには向いている。立ち読みで済ますのではなく、購入して読むのがいいだろう。なお、当面は奇数月18日発行。調子が良ければ早期月刊化もあり得るという。

【雑誌】ZetuMan 8月号 東京三世社 B5中
 美和美和「DARE DEVIL ELEGY」。クラスメイトに強姦され、その後性奴隷として扱われていた女の子が悪魔を呼び出して彼らに復讐をしようとするのだが、その悪魔にまた犯されるというお話。巨乳眼鏡娘が容赦なくずーぶずーぶヤられるさまがパワフルでいやらしい。乳の張りおよびツヤ、多めの体液、激しく動くエロシーンなど頼もしい実用派の新鋭。榊原薫奈緒子「おきらく仮天使どこでもエンジェルW」。今回は終末ネタ。かわいい絵でキレたギャグ。それから意外と実用的なHシーン。投げ遣りなツッコミとか身もフタもないオチとか、ちょっと毒があって楽しい。このシリーズ、コンスタントに面白いのでオススメ。MDM「ゆあ あいず、おんりぃ!PART・2」。この人の細かいペンタッチと線の質感は好き。「トーン貼ってる時間がなかった」と欄外に書いてあるけど、この人の場合、トーンよりもむしろペンでガリガリと描き込んでくれるほうがかっこいいと思う。ZERRY藤尾、「扉をコジ開けて」シリーズ「大回転」。最終回一歩手前。ZERRY藤尾の中でも、かなり実用方面に力の入ったシリーズだが、今回は実用よりも菱見さんの懊悩にウエイトが置かれている。こういうタメをやっておくと、まとめて読んだときに物語がグッと引き締まりそう。というわけで早いとこ単行本化されるといいなー。

【単行本】「GO!GO!ゆみこちゃん99」 町野変丸 エンジェル出版 A5
 町野変丸ページのほうに追加しておいたのでそっちを参照のこと。

【単行本】「俺たちのフィールド 外伝」 村枝賢一 小学館 新書判
 タイトルを見れば分かるとおり「俺たちのフィールド」の外伝。末次浩一郎、騎場拓馬、磯野タクローのサイドストーリーがそれぞれ掲載。そのほか、短編「この指とまれ」「美丈夫三四郎」も収録。「この指とまれ」は「俺たちのフィールド」に出てきた磯野タクローと森口愛子の原型みたいなキャラクターが主人公。「美丈夫三四郎」は緑川のご先祖さまのお話。というわけで短編2本も間接的に俺フィーの外伝といえる。これ単体で読んでもしょうがないので、まずは本編を読んでみて、それで各キャラクターに愛着が持てたらこちらを読んでみることをオススメする。まあそんなスゴイ話にはなってないので、無理に読む必要もないかと思う。


7/16(金)……ナンスィー関

 秋葉原で山田さんと打ち合わせ。明日発売のとある雑誌の見本誌もお渡しする。その山田さんから指摘されたのだが、淡水の生物を飼育する場合、通常は軟水を使うものらしい。ミネラルウォーターは硬水である可能性が高いので、シーモンキー全滅はそれが敗因ではないかと。シーモンキーは海水ではあるが、なんとなくそんな感じもする。ごめんよ、モンちゃん。というわけで次はカブトエビ。こちらは失敗は許されない、というか俺が許さぬ。水道水のくみおきを使って、バッチリ軟水でゴーと行きたいものである。実際に飼育を始めるのは8月初旬予定。ああ、そういえばそのシーモンキーの飼育セットを購入したのは、以前に山田さんと打ち合わせた帰りの池袋であったことだ。

【雑誌】コットンコミック 8月号 東京三世社 B5中
 駕籠真太郎「駅前倒壊」。昏倒したまま生きていく人生に憧れを抱く女性が主人公。説明抜きで繰り広げられる不条理な世界観。そして今回はテンポが相当にいい。軽妙に、シニカルに、ゴロゴロと話を転がしていく。うむ、うまい。このシリーズ単行本にならないものか。「輝け!大東亜共栄圏」が出た今がチャンスだと思うのだが。けっこう読み逃している話もあるでな。渡辺ヒデユキのサセマンシリーズ「大王の肉穴」。素晴らしく下らない。この垢抜けなさ、C級さ。すごく心が和むたまらない世界。

【雑誌】メロディ 8月号 白泉社 B5平
 コミックバーズから移籍した作:夢枕獏+画:岡野玲子「陰陽師」が本格連載開始。源博雅に人生の転機。瀟洒でのどかで静謐で。かっこよくハイレベルに安定した面白さ。それから青池保子「Z・IV」が掲載。うたい文句は「あの名作ハードボイルトロマンが15年の時をへて、ついに復活!!」。俺はその復活前の奴を読んでないのでよく分からないが、そのころからのファンの人は要チェック。それ以外も気楽に読める。雁須磨子「どいつもこいつも」。今回は自衛隊のみんなで海水浴。ますます軍事行動とは関係なくなっていく。気楽で楽しく、かつゆるい。山口美由紀が読切でメロディ初登場。タイトルは「あざみヶ淵」。舞台は江戸時代あたり。手を触れずに石を破壊できたりする、この世のものとは思えない異能力を持つ旅人が、とある村で人々に「鬼姫」と呼ばれている女と出会う。実は彼女はその旅人と同じ能力を持つものだったが……。ちょっと哀しく、でも読後感爽やかな物語。
 川原泉「ブレーメンII」などの復活モノや、移籍モノ、新作モノととりまぜけっこう多彩な顔ぶれで充実した雑誌だと思う。酒井美羽、桑田乃梨子といったあたりも手堅く楽しい。俺はけっこう好きだ。

【単行本】「たとえばこんなラヴ・ゾング」3巻 北崎拓 小学館 B6
 ワイド版(厚めの単行本シリーズ)での再刊、第3巻め。男っぽいかっこよさがあって、やればできるだけの頭があり、性格も優しい色男な高校生男子、高瀬龍介を中心に、昔の彼女&今の彼女で構成される三角関係の物語。絵はこぎれいだが、その恋愛模様はかなりドロドロしている。龍介と昔の彼女・七穂瞳がまだ切れていないのではと疑心暗鬼に陥る今の彼女の八木さん。元は明朗快活な女の子だった彼女が、龍介をとられまいとイヤな女になっていく。この巻ではいったん龍介と八木さんはハッピーなカップルに戻るものの、もう一人、龍介に恋する女の子が現れ、八木さんをチクチクと刺激し続ける。恋をする喜びとかトキメキよりも、むしろそれにまつわる辛さ、やりきれなさばかりがクローズアップされる後味の悪い物語。読み口はかなりハードで底意地が悪い。この濃厚さが俺は気に入っているのだが、読んでてイヤになる人も多いとは思う。

【単行本】「OVER FLOW」 胃之上奇嘉郎 ヒット出版社 A5
「ブラックマーケット」(松文館)に続く、胃之上奇嘉郎2冊めの単行本。シャープで切れ味のある描線、黒々としたダークな画面作りなど、まずパッとページを見開いてみたときのインパクトが鮮烈。そして内容のハードさ、テンションの高さはまったく大したもの。少し桂正和を思い出す絵柄で描写された可憐な少女たちが、これでもかこれでもかと男達の悪意にさらされ、男根をつきつけられ、精液を浴びせかけられる。ゴツゴツした肉棒、男どもの容赦なさ凶悪さ。ギチギチに内容が詰め込まれた濃い作風は読みごたえ抜群。実用性もバッチリ。ストーリー的にはさほどすごくはないのだけど、有無をいわせぬ描写力で押しきる。ちょっと綾波レイっぽい銀髪の少女が、ワイヤーや拘束具で縛りつけられた表紙にビビッときたら即買いだ。己の直感を信じるべし!


7/15(木)……ケツアナ・コアトル

 出社する途中の電車内で企画書作成。モーバイルはいいですな。今、会社の同僚の人に「自分で買った」ドラクエモンスターズのデータ(セーブデータも)を吸い出してもらうようお願いしてあるので、今度は電車内でエミュリングる予定。これでアレ熱がまた再燃するかもしれない。でもゲームボーイのソフトを840gのPCでプレイする意味は? 画面表示はモノホンゲボよりきれいだけど。
 MP3プレイヤーにしようかなとも思ったが、FIVAはフタを閉めると自動的にスタンバイモードに入ってしまうようなので使えなさそう。フタを閉めても大丈夫にする設定項目は探したけどよく分からなかった。まあどのみち、あれだけ熱の出るマシンなんでMP3プレイヤーには向かないとは思うが。

【雑誌】MANGA EROTICS Vol.2 太田出版 B5平
 4月14日の日記の項で第1号について触れた、MANGA EROTICSの第2号。今回の執筆陣は砂、榎本ナリコ、森園みるく+村崎百郎、駕籠真太郎、安彦麻理絵、古泉智浩、ヒガキヒガコ、福山庸治、玉置勉強、町野変丸、町田ひらく、卯月妙子、やまだないと。これに加えて林あまりの短歌、山本直樹撮影の写真。予告されていた安野モヨコ、ユズキカズの掲載はなし。
 まず巻頭カラーはいきなり、砂「キャンペーンガール」である。骨太でアクの強い絵、そしてなんといっても強烈なセリフの数々。恐ろしき濃厚さとイカレっぷり。オオッ、ナイスピストンッ! イエーッ、ファックマイケツッ! すげえ。圧倒的な言葉の羅列と妙に改まったキテレツなノリ。かっこよすぎて死にそう。榎本ナリコ「Iron Maiden」は、女教師と男子生徒のからみを描いた作品。男子生徒を翻弄しているかに見える女教師だが、実は心の奥に根深い陰がある。心理描写をきっちりこなし、そして物語をうまくまとめている。作:村崎百郎+画:森園みるく「夜の果ての旅」。地味なOLが、他人のゴミを拾ってきては中身を分析し、その持ち主の生活ぶりを想像してオナニーするといった壊れたお話。ゴミの匂いをかぎつつ悶えるOLの姿は、かなり激しく妄執に満ちている。べっとり厚化粧的なボリューム感で読みごたえあり。
 駕籠真太郎「大蒐集」は、コレクターたちが自分たちの奇怪な蒐集癖を自慢しあうというお話。もちろん駕籠真太郎だけに、その蒐集のさまは異様ではあるのだが、今回はちょっとノリが悪いかなという感じがした。ヒガキヒガコ「ベロニカショー!!」は、常に全裸、どんなときにでもオナニーを続けるイカれた男女、ベロニカとデイビスが主人公。ヘタウマ系。メシを食いながら、授業をしながらなどなどにおいてもオナニーをやめない彼らの姿はけっこうシュール。玉置勉強「永遠の愛」。病院の医師と、彼を慕う女の子。かなり救いのない展開でクール。町田ひらく「MOUSE TROUBLE BLUES」は、トム&ジェリーのパロディ的作品。かの猫とネズミを擬人化して一つの報われない想いの物語を描き出す。それにしても町田ひらくは器用である。猫耳、ネズミ耳のキャラクターってのは意外だったが、それでもお話をきっちり作り上げてくる。大したもの。卯月妙子「実録企画モノ」。夫と子供ある身ながら、企画モノAVで狩り出されて女優をやって借金のタシにしている作者のエッセイ調漫画。さすがに現役だけあって、お話は生々しさが漂う。楽しくていいんじゃないだろうか。
 全般的に見ると、Vol.1のほうが充実度はだいぶ高かったと思う。山本直樹あたりはぜひ漫画を読みたかったのだけど。

【雑誌】ビッグコミックスペリオール 8/1 No.15 小学館 B5中
 高田靖彦「演歌の達」。達のライバル、サンゾーが昔発掘した女性が引き金となって、せつこたちのステージが壊されてしまいそうな展開。さてどうなる。作:北沢未也+画:おおつぼマキ「嫁入り前なの!」は連載2回め。気楽に読める小学生女の子奮戦記もの。奔放でなかなかかわいい。

【雑誌】ヤングジャンプ 7/29 No.33 集英社 B5中
 今号の目玉は奥菜恵シークレットバースディパーティ読者10名ご招待応募券。行きたい人は1万冊くらい買って応募してみるといいかもね。奥浩哉「ZERO ONE」。音露少年のMBZ初挑戦。拾ったディスクの真の力はなんかすごそうだが。

【雑誌】週刊少年チャンピオン 7/29 No.34 秋田書店 B5平
 水島新司「ドカベンプロ野球編」。野球漫画は数あれど、オールスターのホームラン競争だけでこれだけ引っ張る作品はこれだけだと思う。「あぶさん」といい、水島野球漫画はかなり病んでいるような気がする。そこがいいのだけど。高橋葉介「学校怪談」。今回の見どころは八千華の全裸(?)と、ヤマギシくんのセーラー服姿。萌えたい奴は萌えやがれ。

【雑誌】モーニング 7/29 No.33 講談社 B5中
 やたらめったら激情的な表情が印象的な、鄭問「始皇」が連載再開。タイトル通り、秦の始皇帝の生き様を描いた物語である。表情の濃さは天下一品。武将たちの顔の形もヘンテコ。でも激しくて面白い。MANGA OPEN出身の新人、まるいミカ「花隈吾郎24時」が掲載。病院で働く42歳ワケアリの研修医、花隈吾郎の活躍を描く。研修医のクセしてやたらと偉そうな容貌で、外科部長らにはイジメられるが……。32ページの読切だが、今回のお話はイントロっぽいのでシリーズ化されるのかも。

【雑誌】ヤングサンデー 7/29 No.33 小学館 B5中
 巻頭カラーで山本英夫「殺し屋イチ」が連載再開。イチは垣原組の金子と親しくなりつつあり、垣原はイチ襲撃に備えて準備を進め始める。子分がイチの影に怯える中、イチ襲来を心待ちにしているがごとき垣原の楽しそうな顔が印象的。山田芳裕「デカスロン」。ゴール寸前だが、万吉、オブライエンとも限界ギリギリだが、万吉は追い上げムードでオブライエンは失速ムード。オブライエンを近所のあんちゃんと重ねる万吉の視点がおかしい。山田玲司「アガペイズ」。トラキまで自打球でデッドリー。孤立無縁なユリというわけでますます状況は絶望的に。なんだかんだ力づくで読ませる。


7/14(水)……死のモンキー

 会社で飼育していたシーモンキーだが、ナニが原因かよく分からないけど全滅。水が濁ったせいか酸素が足りなかったせいか。名前もつけない内に散っていった無数の小さな命たち。たまごとエサはまだたっぷり残っているのだが、海水の素が残っていないので再チャレンジはしていない。なんか俺の上司の人がシーモンキーにだいぶ興味を持っていたようだったので、その人にくれてやることにする。海水の素は熱帯魚屋さんかなんかで買ってくれば問題あるまい。というか俺としてはむしろこの前入手したカブトエビの飼育に全力を注ぎたい所存。アレならば淡水でOKだし。シーモンキーはなんとなく酸素不足が原因のような気がしたので、今度はエアポンプも買おう。あ、シーモンキーって「金瓶梅」の主人公の西門慶に名前が似てるよねー。

【雑誌】別冊マーガレット 8月号 集英社 B5平
 中原アヤ「リンゴ日記」連載第2回め。前作「ラブ!ラブ!ラブ!」もそうだったが、この人の描く小僧小娘恋愛ものは、他愛なくて可愛らしくて、トキメキがあって好きだ。絵もこざっぱりとしていて読みやすいし。ふきだしの数はもっと少なくてもいいかなとは思うけれども、もうだいぶ慣れた。羽柴麻央の読切「アルヒ、ハレノヒ」。男女の関係というより、息の合う友達同士という感じだった男子と女子。本当はお互いが好きなのだけれども、なかなか素直になれず……というお話。いい感じにラブコメ。ラストあたりのセリフの応酬も気が利いていてうまい。広瀬なつめ「ドキドキしようよ!」。そんじょそこらの女の子がある日いきなりアイドルに。かっちょいい男の子アイドル二人に好かれて、ドラマも好調。作詞した歌もブレイク。なんとも調子のいいお話で、浮き世離れぶりがかえって頼もしい。けっこう好き。絵はアク強め。

【雑誌】週刊少年サンデー 7/28 No.33 小学館 B5平
 北崎拓「なぎさMe公認」。まーくんがずいぶん素直になぎさに想いを伝えるようになったなーとか思っていたら、なんだか次号で最終回らしい。まあそろそろ終わりにしてもいいかもという時期ではある。まーくんが陸上のほうでは出世しきっていないけれども、そこらへんはどうにかするのだろうか。あんまりすごくならないほうがリアリティはあるが。

【雑誌】週刊少年マガジン 7/28 No.33 講談社 B5平
 原案:さいふうめい+画:星野泰視「勝負師伝説哲也」は連載2周年ということで巻頭カラー。ちなみにあと5回で第100回でもある。今回の相手は手の内が読みにくい打ち手。相手の後ろに立っている女の子の連れている鳥がバリバリに怪しいが。鳥が面子の髪の毛を拾ってきて、その遺伝子情報を女の子が解読しているのだろう、きっと。


7/13(火)……ポリプロピレン勝つまでは

 出勤前にアキバに立ち寄り。昨日買えなかったFIVA用ポートリプリケータ(ノートPCに接続していかがわしいことをするユニット)をゲットするためだ。いくつかのショップを回ってみたが、結局はT・ZONE.本館(元T・ZONEミナミ)で発見。ほかのところは在庫を切らしていたのに、ここだけ5、6個置いてあって助かった。出社してから社の高速な専用線を利用してFIVA用各種ドライバをダウンロード。中でもサウンドのドライバは必須。初期状態のドライバだと、ハイバネーション(Hなこと)からの復帰時に音量のミュート(M的状態)が利かなくなるという不具合があるからだ。このままだとハイバネから復帰したとき、心胆寒からしめるような音量で起動音が鳴り、電車内等で恥辱的思いを味わうことになる。ポートリプリケータでFDDがつなげられるようになったので、BIOSの書き換えも可能に。

 アキバに行ったのでついでにコミック虎の穴にも寄ってみたところ、MANGA EROTICS(太田出版)の2号めが早売りされていたので(本来は15日とアナウンスがあった)、すかさずゲット。こちらは15日の日記で触れるつもり。執筆陣は砂、榎本ナリコ、森園みるく+村崎百郎、駕籠真太郎、安彦麻理絵、古泉智浩、ヒガキヒガコ、福山庸治、玉置勉強、町野変丸、町田ひらく、卯月妙子、やまだないと。これに加えて林あまりの短歌、山本直樹撮影の写真。とりあえず巻頭カラーは砂であり、黒人とのケツセックスがサイコーだ。まずは買う。そして急いでナイフで傷口を切り開き口で吸えー。

【雑誌】まんがタイムジャンボ 8月号 芳文社 B5平
 こうの史代「こっこ草」のために購入。4コマ誌掲載だけど、これは普通のコマ漫画。ほんのりと暖い絵柄の質感が素晴らしい。とくに1ページブチ抜きのところなんてため息が出るようだ。一枚絵でも十分楽しめてしまうクオリティ。これだけで雑誌の代金320円は元が取れる。

【雑誌】コミックアルファ 7/22 No.14 メディアファクトリー B5中
 目当ては山川直人「おねえちゃん」。カケアミ多用の画面は、しみじみとしていていつもながらにいい。iMacも山川直人が描くとカケアミでレトロな物体となる。そのほかの見どころといえば……うーむ。見当たらぬ。

【雑誌】オールマン 7/21 No.14 集英社 B5中
 六田登「親愛なるMへ」が今回も面白い。保護司をしていた父が自分の心の奥底に潜むものをあからさまに語り、大東は意識を彼方に飛ばしつつも母親のもとへ。泥濘の中でもがき続ける人々の姿が、どろどろと、ざらざらとした手触りを読者に伝える。荒木飛呂彦「デッドマンズ・Q」は今号で3号連続掲載終了。アングルや見せ方はさすがにうまいけど、なんかいまいち物語に入っていけなかった。ちょっと考えオチっぽいか。

【雑誌】ヤングチャンピオン 7/27 No.15 秋田書店 B5中
 巻頭カラーで立原あゆみ「当選」がスタート。いつも変わらぬ立原節。岡田和人「教科書にないッ!」。大楽の思い通じず、警官を殴った大久保は退学に。いつものお気楽なノリとは打って変わって、アツイ青春ドラマが展開。泣かせるいいお話だった。富沢ひとし「エイリアン9」は、今号も痛覚神経を刺激する展開。激しさを増すエイリアンたちの争い。追い詰められるゆり。なかなか救いの道は見えず。丸尾末広「笑う吸血鬼」は、退廃的ムードが増してきてだいぶ面白くなってきた。そして吸血鬼と化した毛利君も絶好調。殺してます。そして吸ってます。

【雑誌】近代麻雀オリジナル 8月号 竹書房 B5中
 張慶二郎「リーチメン」が新連載。一攫千金、享楽的な生活を狙い、ない頭を振り絞る若者たちの物語という感じ。気合いの入った絵柄はいいが、内容的には話が動き出してないのでまだなんとも。それなりに楽しめる一品にはなりそうだが。
 7月27日に増刊号が出る模様だが、エロ漫画畑で活躍している花屋敷ぼたんが初登場というのがちと気になるところ。

【雑誌】ビッグコミック 8・2増刊号 小学館 B5中
 本誌と同様に地味な増刊。
 近藤ようこ「あけがたルージュ」では、母親とケンカして別居中の娘、可乃子がいじらしくかつ可愛い。線は単純だけど、風情があってよろしいのだ。岡崎二郎のショートストーリー「歯」は、一本の歯を頼りにとある老婆の恩人を探すことを依頼された探偵父娘。きっちりまとまって手堅い読み口。勝川克志「ミヤマクワガタの夏」はノスタルジックな短編。丸くて頭身の低い、カチッと固まった独自の絵柄は健在。ちょいとあざとくはあるが。


7/12(月)……光ファイバコミュニケイション

 俺の物欲は頂点に達していた。仕事が最近忙しくてストレスがたまっていたこともある。物を買わずばいられない。そんなわけでカッとなっちまって買っちまったのだ。CASSIOPEIA FIVAを。FIVAはどうにもイカすA5ブックサイズPCだ。840gというLibrettoとほぼ同等の重さもいいが、Cyrix Inside、MediaGX/200MHz搭載というところが何にも増してかっこいい。しかもA5のクセに800×600ドットと分不相応なディスプレイも搭載。昨日あたりはまだ買うかどうか迷っていたのだが、飲み会の途中で一気に気持ちが固まり、もう買うしかねえ状態に突入。昨日、WestRiverさんが持っていたHP Jornada 680も俺のモーバイル欲に火をつけていた。Librettoにしようか迷ったのだが、リブならサイトウさんも持ってるしーとか思ったのと、リブはモデルチェンジ時期であるため店頭在庫があまりなさそうだったこともありこっちに。
 決壊寸前だった俺の物欲ダム。それをヨドバシカメラ町田店でおもむろに解き放つ。税抜き13万8000円で、増設用32MBメモリ付き(合計64MB)。ただ、別売のFDDを接続するためにはポートリプリケータが必要で、これは在庫なし。FDDは町田の別のショップで手に入れたが。しかし、本体13万8000円なのに、ポートリプリケータは1万円ちょっと、そしてFDDが1万6000円というのはなんとなく釈然としない価格。
 家に帰ってからいろいろいじる。ポインティングデバイスがパッドなのはちょっとイヤだが、まあ慣れればなんとかなろう。PCカードスロットが1基というのは俺にとってはツライが、モデムが内蔵だし、USBもあるのでなんとかなるとは思う。キータッチはまあまあ。タッチタイプにも差し障りがない限界サイズってところ。まずはいらないソフトをアンインストールして、必要なソフトをインストール。データの移動用にLAN設定も行う。ここでは以前買っておいたUSB用のネットワークアダプタが役だった。さすがCyrixだけあって運用中はかなり熱が出る。ナマ足の上で使うのはちとツライかなという印象。乳幼児の上で使うのも厳禁だ。
 それにしても、CPUが200MHz、HDD 3.2GB、モデム56Kというのは、いずれも俺のメインマシンであるLet's note AL-N2よりハイスペック(MMX Pentium/166MHz、2GB、外付け28800bps)。Let's noteも買ってから1年半以上経ってるので仕方ないっちゃ仕方ないのだけど。

 あと今日は免許の更新にも行ってきた。ここのところ忙しくてスッカリ忘れていたのだが、運転免許の更新が今日までだったということを思いだし、いそいそと警察署へ出頭。誕生日が日曜日だった場合は翌日までOKなのであるらしい。マッポの方々からご指導などを受けて無事に新しい免許を取得。今度はゴールドだ。ほとんど運転してないんだから当然といえば当然。しかも俺の免許はけっこう珍しいオートマ限定だ。かっちょわりー。

【雑誌】エースネクスト 8月号 角川書店 B5平
 小本田絵舞「あしはまファミリー計画」。4コマでちょっとHでかわいくて……。いい仕事してますな。岩原裕二「クーデルカ」。描き込みは細かいんだけど、艶があってキャッチィな線。うまくなったなあこの人。昔よりも描線がかなり整理されて見やすくなったし。作:大塚英志+画:森美夏「木島日記」。登場人物たちの狂気を映し出す、森美夏の絵はやはりかっちょいいのであった。

【雑誌】コミックバーズ 8月号 ソニー・マガジンズ B5平
 出版社が変わって新装刊。定価は450円に上がったけど、テレカの全プレもあるしプレゼントもわりと豪華だし、やる気はありそう。掲載作品リストはコミックバーズのページにて。夢枕獏原作の2作品、「陰陽師」「餓狼伝」はそれぞれメロディ、ヤングマガジンUppersに移ったが、それ以外はだいたい以前のラインナップを維持。
 冬目景「羊のうた」。久しぶりということもあって、気合いが入っている感じ。今回はいつにも増して線がシャープな印象を受けたが、印刷する紙質のせいかもしれない。何気にスコラ時代よりも紙が良くなっているような。4色扉も増えたし。志水アキ+奥瀬サキ「夜刀の神つかい」。奥瀬サキが作画かと思っていたのだが、志水アキのほうが作画を担当している模様。こちらもなかなか描線が細かく迫力があっていい。新連載第1回めで、話の全貌はまだよく分からないが期待できそう。ともち「愛をあげよう」は、スコラ版の最終号に掲載された話と内容はほぼ一緒。でも描き直しはしているみたい。弥生ちゃんと正午くんがラヴラヴ、という展開である。

【雑誌】週刊少年ジャンプ 7/26 No.33 集英社 B5平
 巻頭カラーであずまけいじん「CHILDRAGON」が新連載。齢10歳のくせにブルース・リーに心酔していて、自らその生まれ変わりだとほざく少年が主人公。設定的にはそれなりにたわけていると思うのだが、第1回めとしてはちと大人しいか、という気がしないでもない。こういうタイプの作品の場合、もそっと激しくいってもいいような。桂正和「I''s」。ついにしてしまうのか? さまざまな伊織ちゃんで埋め尽くされた見開きはすごい恋パワー。いわば恋力(こいぢから)。ああ、もうたまんねえなあ。俺も片想いしてぇ〜。

【雑誌】ヤングマガジン 7/26 No.32 講談社 B5中
 安野モヨコ「花とみつばち」第3話めが掲載。しかしこの人、本当に精力的に漫画描いてるなーといつも感心する。そのどれもがそれなりに面白かったりするのもまた。「彼女は笑う」「となりのおねえさん」を描いていた松本光司が登場。最初は「松本剛」というペンネームだったが、その後変更。「すみれの花咲く頃」「北京的夏」の松本剛ではない。彼女との同棲生活を始めた講一の前に、昔兄貴分的存在だった山さんが現れる。彼は学生時代、小動物を捕まえては解剖してみたり、同級生の彼女を拉致してきて強姦・監禁したり、父親や老婆を殺害したりと、かなり狂的な奴であった。そのクレイジーな魔手が、今度は講一に向かおうとしているのか……?といった感じのお話。今回は前編で次号後編。平本アキラ「アゴなしゲンとオレ物語」。いい奴だけど、ケツがプリプリしていて妙にいらつくケンヂの旧友再登場。いらつくアイテムとしてプリケツに注目するあたりが鋭い。救いがないけど後味は悪くないバランス感覚も見事。

【雑誌】ヤングキング 8/2 No.15 少年画報社 B5中
 佐野タカシ「イケてる2人」では、夏ということで当たり前のように海! そして水着。佐次の前に現れる、非コイズミなかわいい女の子。いっぱいサービス、いっぱいお仕事。いや、たいしたものですな。小池田マヤ「聖★高校生」。鮎子ちゃんはもうどうにもボロボロの状態ということで、次は神保くんがどういう行動に走るかというあたりが気になるところ。精液臭の薫る若人たちに乾杯。

【雑誌】ビッグコミックスピリッツ 7/26 No.32 小学館 B5中
 柳沢きみお「SHOP自分」。さすが柳沢センセイ! サイコー。安っぽい人生哲学を安っぽく描き、そして有無をいわさない。さあ、明日から君もSHOP自分、レッツトライ! 俺はやらないけど君はやれ! 短期集中連載、さいとうしげき「BRAIN」は今回で最終回。日本国を支えていたのは実は予言者であり、先代の予言者の死後、後がまに据えられようとしている少年のお話。日本はいまだシャーマニズムが支配する国家だったという発想自体は悪くないと思うが、も少し何か引き込む要素が欲しい。絵でもいいし、話でもいいし。


7/11(日)……セブンイレブンいい気分

 本日俺様27歳。というわけで誕生日である。自分としてはわりとどうでもいいのだが、曜日的にもいい感じなので、それを口実にして呑みに行く。というかむしろ、一度「自分の掲示板で告知して飲み会を開催」ってのをしてみたかったので、やってみた。結果、呑み屋の予約をしていただいたサイトウマサトクさんと予約業務の実務を担当してくださったカイさん、メビウスさん、WestRiverさんムネカタさん吉本松明さんSAI2COさん旅人さんLZDさんゆかっちさん、あやこさん(順適当)と、たくさんの人に集まっていただきたいへんありがたい想いに包まれる。奇しくも、ムネカタさん、吉本松明さん、あやこさん、旅人さんも7月前半生まれで合同誕生会の様相。都合により1時間ほどで退席されたムネカタさんには謎のCD-Rもいただき、現在それを使用いたしつつ文章を書いているしだい。あと自分にプレゼントってわけでもないが、池袋駅構内の「王様のアイディア」にてカブトエビの飼育セットもゲット。シーモンキーとともに会社で育てる予定。
 池袋の芳林堂コミックプラザに集まってから、舎人庵という日本酒系の飲み屋さんでしゃべり、そして呑みの5時間。10人ほどで8万円というお勘定はなかなかジャイアントに素敵。まあそれはともかく、いろいろな人と話せて非常にハッピーなバースデイだった。俺は友達は少ない人間なんで、誕生日にこんなふうにみんなで騒ぐなんてことも今まではまずなかった。インターネットってときどきすごくいいよネー。帰りの電車で乗り過ごして、そぼ降る雨に濡れながら40分くらい歩いて家に帰ったのもいい思い出。みんなありがとう的! これからもよろしく的!
 次は皆さんの希望により、「愛より恋」をテーマとしたピクニックを開催したく。ただ問題は、ピクニック必需品の、フリルがヒラヒラしたドレスを着て「サンドイッチ作ってきたの」とかいってくれて、なおかつ「私をつかまえて!」といいながら野原を駆け抜けていってくれる少女を調達できるかどうかだ。

【雑誌】東京H 8月号 一水社 B5平
 かなり実用色の強いエロ漫画雑誌。その筆頭が友永和「続パイ▽パイ」(▽はハートマークの代用)。子持ちの人妻のお姉さんが、義弟の同級生たち数人によってもみくちゃにされる。ちんちんの本数、内容の濃さと満足のいく出来栄え。しつこいくらいにあえぎ声などのふきだしでうめつくされた画面はかなり密度高し。最近の友永和の中ではかなり良い。巻頭カラー、ゼロの者「あせかきすぎ」も良い。異常なほどの発汗体質である妹と、汗フェチの兄の近親相姦モノ。汗でスケスケになったシャツから透ける、ちょっといびつだけどそこが魅力的な乳がなんともソソる。玉置勉強「アレな男ナニな女」。イベント帰りに、オタク大嫌いのワガママ女を、ライターの男がヤッちまうというお話。女のオタク蔑視ぶりとけたたましいしゃべりっぷりにキレる男。玉置勉強は、なんかこの前のホットミルクでも、オタク男にイライラする女編集者を描いていたような。井ノ本リカコ「2人ぼっち」。親も先生も、みーんなみーんないなくなった週末後の世界で寄り添いながら生きる二人の男女のお話。柔らかい女性的な絵柄と細やかな描写、それからそれなりのHさとよくできた作品。この人の作品は実用目的でない人にもオススメ。
 沙村広明の2ページモノクロ鬼畜イラスト「人でなしの恋」もいい。

【単行本】「レガシー 〜遺産〜」 相沢早苗 海王社 A5
 ストレートな実用系作品集。この単行本でメインになるのは全6話収録の表題作。大学時代に担当教授から性奴隷としての調教を受けていた女性が、成長して人妻になってからその息子によってまた同じように奴隷扱いされるというお話。淫らに喘ぐ人妻……というわけで、エロ小説的にねっちりとハードコアなエロ漫画。すごく秀でているというわけではないのだけど、ねっちりとした激しいエロ描写はやはり夜の即戦力。絵柄も適度に成熟している。若い女の子が飛び跳ねるって感じでもないけど、劇画ほど濃くもない。俺としてはもう少し濃厚なほうが好きだけど、ちょうどいいバランスではあると思う。

【単行本】「カケル」9巻 竹下堅次朗 小学館 B6
 彼女の葵が少女時代に浮浪者に襲われていたということが判明し、それをきっかけに袋小路に追い込まれたカケル。この巻ではそのエピソードが解決を見る。ところがさらにカケルたちは、周到な陰謀に巻き込まれていくのだが……。竹下堅次朗の作品を読むと、女の子を描くのがうまいなあといつも思う。女の子がすごく好きなんであろうなあ。

【単行本】「SPEED KING」4巻 間部正志 講談社 新書判
 間部正志が送る熱血100メートル走漫画。この人がこんな健全な方向に向かうとは、「ノーホシTHEルーザー」のときは思いもしなかったが、力強くガムシャラなストーリー展開は変わっていないともいえる。案外まっとうに人体の躍動、スピードに賭ける一瞬のエネルギーの爆発が描けていて面白く読める。なお連載は月刊少年マガジン。

【単行本】「バロン・ゴング・バトル」8巻 田口雅之 秋田書店 新書判
 あらすじ、およびデータはオスマン参照。次巻が最終巻になる予定。8巻でバロンとゴードンの激闘はついに終結するも、ちと後味の悪い結末に。ページを開くといきなり出てくるバロンのすごい顔が今回の見どころといえるだろうか。この作品は、最初のほうはセクシー&バイオレンスで強力にエンターテインメントしていたのだが、終盤に行くにしたがってカタルシスが失われていってしまったのはちと残念。

【単行本】「ザ・ワールド・イズ・マイン」8巻 新井英樹 小学館 B6
 ヒグマドンが大館の町を襲い、惨劇が振りまかれる。そこに甘えはない。偉い人も偉くない人も、平等に価値のない命をあっという間に奪われていくのだ。生と死のギリギリのふちで展開される迫力のある物語。読みごたえにおいては、現在青年誌で連載されている作品の中でも最高峰の一つ。マストリード。


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